高速CFDコードを用いた次世代空力応用研究プラットフォーム構築に 向けた実証研究

Slides:



Advertisements
Similar presentations
Web-GIS の開発と地盤情報の 高度利用に関する共同研究について -具体的な共同研究テーマ ( 案 ) - 「地質・地盤情報協議会」・ 「 Web-GIS コンソーシアム」説明会資料 全国地質調査業会連合会・情報化委員会.
Advertisements

HBSP モデル上での 行列積を求めるアルゴリ ム 情報論理工学 吉岡健太.
多目的GAに対する パレート最適個体の分布制御 九州大学大学院工学府知能機械システム専攻徳井 宏司.
2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ 早稲田大学理工学部 電気・情報生命工学科4年 神保直史 熱音響管の解析とシミュレーション.
Computational Fluid Dynamics(CFD) 岡永 博夫
キャッシュ付PRAM上の 並列クィックソートと 並列マージソート
研究集会 「超大規模行列の数理的諸問題とその高速解法」 2007 年 3 月 7 日 完全パイプライン化シフト QR 法による 実対称三重対角行列の 固有値並列計算 宮田 考史  山本 有作  張 紹良   名古屋大学 大学院工学研究科 計算理工学専攻.
PCクラスタにおける2個体分散遺伝的アルゴリズムの高速化
望遠鏡制御関係現状報告 ナノオプトニクス・エナジー ナノオプトニクス研究所 下農 淳司.
電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ(工程表)
米山研究室紹介 -システム制御工学研究室-
AllReduce アルゴリズムによる QR 分解の精度について
神奈川大学大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻
高山建志 五十嵐健夫 テクスチャ合成の新たな応用と展開 k 情報処理 vol.53 No.6 June 2012 pp
東京大学空間情報科学研究センターを 中心とした空間情報データベースの整備
MPIによる行列積計算 情報論理工学研究室 渡邉伊織 情報論理工学研究室 渡邉伊織です。
研究背景 研究目的 手法 研究計画 分散型プラズマアクチュエータと物体形状の統合最適設計による 仮想空力形状の実現 jh NAH
サポートベクターマシン によるパターン認識
研究背景・目的 研究組織 実施内容 適用手法 提案研究により期待されること
柔軟構造大気突入機の研究開発 ISAS/JAXA 大気球観測センター ISAS/JAXA 宇宙輸送工学研究系
経歴 金崎 雅博(かなざきまさひろ) 2004年3月東北大学大学院 情報科学研究科 システム情報科学専攻 博士後期課程 修了
圧力発展格子ボルツマン法による大規模気液二相流GPUコードの開発 ならびに多孔体浸潤液滴シミュレーション
ひび割れ面の摩擦接触を考慮した損傷モデル
AMR法フレームワークの様々なアーキテクチャへ向けた発展 研究背景と研究目的 Xeon Phi対応に向けた拡張
電磁流体力学乱流の高精度・高並列LESシミュレーションコード開発研究
米山研究室紹介 -システム制御工学研究室-
モデルの逆解析 明治大学 理工学部 応用化学科 データ化学工学研究室 金子 弘昌.
Jh NAHI 横田 理央 (東京工業大学) Hierarchical low-rank approximation methods on distributed memory and GPUs 背景  H行列、H2行列、HSS行列などの階層的低ランク近似法はO(N2)の要素を持つ密行列をO(N)の要素を持つ行列に圧縮することができる。圧縮された行列を用いることで、行列積、LU分解、固有値計算をO(NlogN)で行うことができるため、従来密行列の解法が用いられてきた分野では階層的低ランク近似法
HPC基盤における大量データ転送のためのデータ転送ツールの評価
只見町 インターネット・エコミュージアムの「キーワード」検索の改善
エアリード楽器および音響機器における大規模音響流体解析
アンテナ最適化技術と電波伝搬シミュレーション技術の高速化と高精度化
研究課題名 研究背景・目的 有機エレクトロニクス材料物質の基礎電子物性の理解 2. 理論 3. 計算方法、プログラムの現状
通信機構合わせた最適化をおこなう並列化ンパイラ
数量分析 第2回 データ解析技法とソフトウェア
自己組織化能力を持ったCPU群による群衛星システムのタスクマネジメントに関する研究
導電性高分子材料の電子状態計算に現れる連立一次方程式に対する 並列直接解法の高性能化
航空エンジンの翼列周り流れ解析のメニーコアシステム向け最適化
可視化用粒子データを用いたIn−Situ可視化システムのSIMD最適化
片方向通信路を含む ネットワークアーキテクチャに於ける 動的な仮想リンク制御機構の設計と実装
GW space-timeコードの大規模な有機-金属界面への適用に向けた高効率化
背景 課題 目的 手法 作業 期待 成果 有限体積法による汎用CFDにおける 流体構造連成解析ソルバーの計算効率の検証
「スマート農業加速化実証プロジェクト」に係る技術・体系提案会 資料(一貫技術体系)
研究背景と目的 局面対による学習の高速化 学習器の説明 今後 大規模な強化学習技術の実証と応用 一方で、 強化学習手法の台頭
明星大学 情報学科 2012年度前期     情報技術Ⅰ   第1回
地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインの概要
研究背景・目的 研究組織 実施内容 適用手法 提案研究により期待されること
秘匿リストマッチングプロトコルとその応用
事業目的・概要等 イメージ 脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業 背景・目的 期待される効果 事業スキーム 事業概要
高精細計算を実現するAMR法フレームワークの高度化 研究背景と研究目的 複数GPU間での袖領域の交換と効率化
プラズモニック構造付シリコン光検出器のHPC援用設計に関する研究
ガイダンス 電子計算機 電気工学科 山本昌志 1E
堆積炭塵爆発に対する大規模連成数値解析 研究背景 研究目的 計算対象および初期条件 燃焼波の様子(二次元解析) 今後の予定
核融合炉における多変数制御、分布制御に向けた制御器設計
複雑流動場における物質移行過程の解明を目指した大規模数値計算 :実験計測データとの比較による数値モデルの構築
対象:せん断補強筋があるRCはり(約75万要素)
Jh NAHI 横田 理央 (東京工業大学) Hierarchical low-rank approximation methods on distributed memory and GPUs 背景  H行列、H2行列、HSS行列などの階層的低ランク近似法はO(N2)の要素を持つ密行列をO(N)の要素を持つ行列に圧縮することができる。圧縮された行列を用いることで、行列積、LU分解、固有値計算をO(Nlog2N)で行うことができるため、従来密行列の解法が用いられてきた分野では階層的低ランク近似
半正定値計画問題(SDP)の 工学的応用について
MPIを用いた並列処理計算 情報論理工学研究室 金久 英之
欠陥検出を目的とした類似コード検索法 吉田則裕,石尾隆,松下誠,井上克郎 大阪大学 大学院情報科学研究科
格子ボルツマン法によるリアルタイム物質拡散シミュレーション手法の開発
調査項目:(事業環境/健康投資/品質評価から選択) コンソーシアム等名称:
長岡技術科学大学 大学院 工学研究科 機械創造工学専攻 髙山 誠 指導教員 小林 泰秀 准教授
MPIを用いた 並列処理 情報論理工学研究室 06‐1‐037‐0246 杉所 拓也.
Q状態イジング模型を用いた多値画像修復における 周辺尤度最大化によるハイパパラメータ推定
背景 粒子法(SPH・MPSなど)は大規模流体シミュレーションなどで幅広く利用.一方で,手法の数学的正当化(数値解析)が不十分
明星大学 情報学科 2014年度前期     情報技術Ⅰ   第1回
Jh ISJ 柏崎礼生 (大阪大学) 耐災害性・耐障害性の自己検証機能を具備した広域分散プラットフォームの国際的展開とHPCI-JHPCNシステム資源との柔軟な連携 目的 広域に分散した研究組織が計算機資源を提供し合うことにより構築される広域分散プラットフォームを拡大するとともに、運用にかかる人的負荷を軽減する仕組みとスモールスタートでこのプラットフォームに参画できる仕組みを作る。
エアリード楽器および音響機器における大規模音響流体解析
大規模粒子法による大型クルーズ船の浸水解析
Presentation transcript:

高速CFDコードを用いた次世代空力応用研究プラットフォーム構築に 向けた実証研究 jh170047-NAJ 松尾裕一 (宇宙航空研究開発機構) 高速CFDコードを用いた次世代空力応用研究プラットフォーム構築に 向けた実証研究 研究目的 研究背景 研究目的は、空力最適化フレームワークを構築し,プラズマアクチュエータによる流体制御最適化等に適用することを通じて,CFDなどのツールや並列計算実行環境を用いた研究プラットフォームを構築することにより,空力応用研究の高度化・現代化,成果創出の加速化に資することである. 新たな空力応用研究のスタイル 課題 適用 解決 検討 ツール群 空力応用研究プラットフォーム 従来の空力応用研究のスタイル ツール開発 JAXAでは,非構造の圧縮性から高速計算実行が可能な汎用流体解析(CFD)コードFaSTAR (FaST Aerodynamic Routines)を開発している.FaSTARは,MPIによる並列実行が可能で,ワークステーションからスパコンまで,任意の環境で動作できる.また,JAXAから全国の大学に提供されており,平成27年度現在18大学3高専の授業や研究に利用されている.しかしながら,地方大学では,ワークステーション利用が主であり,研究進展により大規模な並列計算やパラメータスタディが必要となっても,計算機環境が手元にないためスパコンが整備されている大学との環境差問題が顕在化しており,産学公横断による大規模実行環境の整備が待たれているところである.近年,CFDコードは,単に分析・計測の方法論提示や現象解明から,構造・熱・音響との連成問題,流体制御・最適化といった異分野融合に至る広範な工学応用への展開を見せており,CFDをツールとして使えるプラットフォームの構築が待たれている.さらに,MRJをはじめとする航空産業の隆盛の中にあって,我が国の空力・流力研究は外国に比べ旧態依然とした側面があることも否定できず,現代化・加速化が求められている. プラットフォームの構築 プラットフォームの有効性実証 ①空力最適化フレームワーク ④プラズマアクチュエータによる流体制御機構 進化計算法・近似関数法と結果の分析法を組み合わせ,効率のよい空力最適設計に適用できるフレームワークを構築する. FaSTARを用いた高速流体計算に適用可能なプラズマアクチュエータの数値モデルを構築するとともに, FaSTAR+空力最適化フレームワークを用いて,空力制御におけるプラズマアクチュエータの性能予測とその最適化を行うための研究を推進している.これまでに,高速流体計算に適用可能なプラズマアクチュエータの数値モデルを構築し,それを用いた2次元翼剥離制御の最適設計を行った. 最悪条件 飛行経路最適化(コスト関数J最小化)にFaSTARを適用した例 最適条件 ②後処理・データ処理 大規模データのためのデータマイニングツールを開発・整備している.固有直交分解(POD)及び動的モード分解(DMD)を大規模・非定常CFD結果に適用可能な手法を開発し,バフェット現象を例に検証した.開発ツールはFaSTARの解析結果に容易に適用な形での実装を行った. 揚力に関する近似関数と最適設計によるサンプル点分布 プラズマアクチュエータ駆動時の圧力分布および流線 ⑤惑星大気突入時の複雑流体現象・熱防御 惑星大気突入機に現れる空力・空力加熱問題に対して,解析ツールを事前解析・事後解析に適用し、最適設計のための知見獲得. 再突入時に現れる通信ブラックアウト・プラズマ減衰に対して,通信可能視野・時間の予測手法構築も合わせて実施. 大規模複雑データからの情報(特徴構造)抽出例 ③空力応用研究プラットフォームシステム 課題④ 課題⑤ (FaSTAR+最適化)プラットフォーム 解決 検討 既存のシェルによる作業フローを各サブテーマで 共通に利用することで,プラットフォーム化に おける課題やボトルネックを洗い出した. 柔軟構造再突入機の空力解析 電磁波挙動 研究計画 研究体制 宇宙航空研究開発機構 首都大学東京 鳥取大学 北海道大学 松尾裕一(代表),大道勇哉 金崎雅博(副代表) 松野隆 高橋裕介,棟朝雅晴