CLFV過程 𝝁 − 𝒆 − → 𝒆 − 𝒆 − におけるクーロン効果 2016年9月6日 @ 京大基研, 素粒子物理学の発展 ミューオン原子中の CLFV過程 𝝁 − 𝒆 − → 𝒆 − 𝒆 − におけるクーロン効果 Phys. Rev. D 93, 076006 (2016) 上坂 優一 1 共同研究者 久野良孝 1 , 佐藤丈 2 , 佐藤透 1 , 山中真人 3 1 大阪大学, 2 埼玉大学, 3 京都産業大学 supported by MEXT KAKENHI Grant No. 25105009 & No. 25105010 JSPS KAKENHI Grant No. 24340044, No. 25000004 & No. 25003345
目次 1. 導入 2. 計算手法 3. 結果 4. まとめ 荷電レプトンフレーバーの破れ(CLFV) ミューオンを用いたCLFV探索 ミューオン原子中の 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − 過程 2. 計算手法 散乱電子の歪曲 束縛レプトンの相対論的取扱い 3. 結果 崩壊率 模型判別能力 4. まとめ
1. 導入
Charged Lepton Flavor Violation (CLFV) -新物理探索の有力候補- 𝜇→𝑒𝛾 𝜏→𝜇 𝜋 0 𝜇→𝑒𝑒 𝑒 𝐾 𝐿 0 →𝑒 𝜇 etc… 標準模型の枠組みでは禁止 例 : SUSY “標準模型を超える模型”の多くで予言 ニュートリノ振動からの寄与は非常に小さい 予想される崩壊分岐比 現代の実験技術では観測不可 Br 𝜇→𝑒𝛾 < 10 −54 (新物理探索のノイズにならない) 見つかれば、ただちに新物理存在の証拠 1/21
ミューオンによるCLFV探索 ○ × a) 𝜇 + → 𝑒 + 𝛾 b) 𝜇 + → 𝑒 + 𝑒 − 𝑒 + c) 𝜇 − 𝑁→ 𝑒 − 𝑁 寿命が長く、kinematicsが単純 大量に生成可能 (1秒間に∼ 10 9 個) 主なCLFV過程 BR : 崩壊分岐比 a) 𝜇 + → 𝑒 + 𝛾 BR< 5.7×10 −13 by MEG Phys. Rev. Lett. 110 (2013) 201801. b) 𝜇 + → 𝑒 + 𝑒 − 𝑒 + BR<1.0× 10 −12 by SINDRUM Nucl. Phys. B 299 (1988) 1. c) 𝜇 − 𝑁→ 𝑒 − 𝑁 BR<7× 10 −13 by SINDRUM II Eur. Phys. J. C 47 (2006) 337. 対象となるLFV相互作用 𝜇 𝑒 𝜇𝑒𝛾 𝜇𝑒𝑒𝑒 𝜇𝑒𝑞𝑞 a) ○ × b) c) 𝜇 𝑒 𝜇 𝑒 𝛾 𝑞 𝑞 𝑒 𝑒 2/21
ミューオン原子中の 𝝁 − 𝒆 − → 𝒆 − 𝒆 − 過程 ミューオン原子を用いた新たなCLFV探索 ミューオン原子中の 𝝁 − 𝒆 − → 𝒆 − 𝒆 − 過程 M. Koike, Y. Kuno, J. Sato and M. Yamanaka, Phys. Rev. Lett. 105,121601(2010) ミューオン原子を用いた新たなCLFV探索 𝑒 − CLFV 𝜇 − 𝑒 − 𝐸 1 +𝑍𝑒 COMET実験で測定予定 R. Abramishili et al., COMET Phase-I Technical Design Report, KEK Report 2015-1 (2015) 𝑒 − 𝑒 − 𝐸 2 特徴 シグナル : 電子2つ ( 𝐸 1 + 𝐸 2 ≃ 𝑚 𝜇 + 𝑚 𝑒 − 𝐵 𝜇 − 𝐵 𝑒 ) 相互作用 𝜇 − 𝑒 − 𝜇 − 𝑒 − (𝜇→3𝑒と同様) 𝛾 ∗ 𝑒 − 𝑒 − 𝑒 − 𝑒 − 陽子数𝑍 : 大 ⇒ 崩壊率Γ : 大 (∵ 𝜇 − と 𝑒 − の重なり : 大) 3/21
(接触型・光子型過程共に同様の𝑍依存性) 崩壊率評価 Γ= 𝜎 𝑣 rel ∫d𝑉 𝜌 𝜇 𝜌 𝑒 原子核Coulombポテンシャルが十分小さいなら… Γ 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − = 2𝜎 𝑣 rel 𝜓 1𝑆 𝑒 0 2 M. Koike, Y. Kuno, J. Sato and M. Yamanaka, Phys. Rev. Lett. 105,121601(2010) 𝜎 : 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − の断面積 (自由粒子) 𝑣 rel : 𝜇 − と 𝑒 − の相対速度 𝜓 1𝑆 𝑒 𝑥 = 𝑚 𝑒 𝑍−1 𝛼 3 𝜋 exp − 𝑚 𝑒 𝑍−1 𝛼 𝑥 : 束縛電子の1𝑆波動関数 (非相対論) Γ∝ 𝑍−1 3 (接触型・光子型過程共に同様の𝑍依存性) 4/21
ミューオン原子のうち、どれだけが 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − 崩壊をするか 崩壊分岐比 ミューオン原子のうち、どれだけが 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − 崩壊をするか Br 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − ≡ 𝜏 𝜇 Γ 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − cf. : 2.2μs for a muonic H (𝑍=1) 𝜏 𝜇 : ミューオン原子の寿命 80ns for a muonic Pb (𝑍=82) 他のCLFV探索実験からの制限 原子番号が大きい𝜇原子ほど 模型を強く制限 計画中の実験(COMET)での 目標の𝜇原子生成量は𝑂 10 18−19 技術的には現状の制限を更新可能(?) M. Koike, Y. Kuno, J. Sato and M. Yamanaka, Phys. Rev. Lett. 105,121601(2010) 5/21
より定量的な評価が必要!(特に𝑍の大きな場合で重要) 従来評価の改善すべき点 Koike et al. Γ 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − = 2𝜎 𝑣 rel 𝜓 1𝑆 𝑒 0 2 ∝ 𝑍−1 3 (原子核Coulombポテンシャルが十分小さいときに成立) 全崩壊率の評価のみ可能 𝑍依存性が過程に依らない Γ∝ 𝑍−1 3 近似の内容 原子番号𝑍の大きな原子では…… 束縛レプトンの軌道半径大 ←軌道半径は小さくなる 束縛レプトン : 非相対論的 ←束縛電子の相対論的効果 放出 𝑒 − : 平面波 ← Coulomb歪曲 より定量的な評価が必要!(特に𝑍の大きな場合で重要) 6/21
レプトン波動関数:相対論的Coulomb波動関数 評価の向上と期待されること 本研究 レプトン波動関数:相対論的Coulomb波動関数 取り込まれる効果 Γ 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − への影響 束縛レプトンの有限の広がり 減らす 束縛レプトン : 相対論的効果 増やす ? 放出 𝑒 − : 原子核Coulombによる歪曲 全体でCLFV崩壊率はどのように増減するか その他の期待 放出電子対のエネルギー・角度分布の評価が可能 模型によって定性的に異なる結果が得られる可能性アリ 7/21
2. 計算手法
有効相互作用 ℒ 𝐼 = ℒ 𝑐𝑜𝑛𝑡𝑎𝑐𝑡 + ℒ 𝑝ℎ𝑜𝑡𝑜 8/21 +[ℎ.𝑐.] +[ℎ.𝑐.] 接触型過程 光子型過程 𝜇 𝑒 𝛾 ∗ 𝑒 𝜇 接触型過程 光子型過程 (短距離) (長距離) 8/21
設定 𝑒 − 𝜇 − +𝑍𝑒 𝑒 − CLFV 𝒑 2 𝒑 1 9/21 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − 始状態 終状態 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − +𝑍𝑒 𝒑 1 𝑒 − 束縛ミューオン(𝟏𝑺)と束縛電子 散乱電子2つ (歪曲波) 𝐸 1 + 𝐸 2 = 𝑚 𝜇 + 𝑚 𝑒 − 𝐵 𝜇 − 𝐵 𝑒 ・原子核の反跳は無視 ・電子間相互作用は無視 9/21
計算手法 Γ=2𝜋 𝑓 𝑖 𝛿( 𝐸 𝑓 − 𝐸 𝑖 ) 𝜓 𝑒 𝑠 1 𝒑 1 𝜓 𝑒 𝑠 2 ( 𝒑 2 ) 𝐻 𝜓 𝜇 𝑠 𝜇 1𝑆 𝜓 𝑒 𝑠 𝑒 (1𝑆) 2 終状態を角運動量の固有状態で展開 (部分波展開) 𝜓 𝑒 𝑝,𝑠 = 𝜅,𝜇,𝑚 4𝜋 𝑖 𝑙 𝜅 ( 𝑙 𝜅 ,𝑚,1/2,𝑠| 𝑗 𝜅 ,𝜇) 𝑌 𝑙 𝜅 ,𝑚 ∗ ( 𝑝 ) 𝑒 −𝑖 𝛿 𝜅 𝜓 𝑝 𝜅,𝜇 動径波動関数はDirac方程式を数値的に解いて求める 𝜓 𝑝 𝜅,𝜇 𝒓 = 𝑔 𝜅 𝑟 𝜒 𝜅 𝜇 ( 𝑟 ) 𝑖𝑓 𝜅 𝑟 𝜒 −𝜅 𝜇 ( 𝑟 ) 𝑑 𝑔 𝜅 (𝑟) 𝑑𝑟 + 1+𝜅 𝑟 𝑔 𝜅 𝑟 − 𝐸+𝑚+𝑒𝜙 𝑟 𝑓 𝜅 𝑟 =0 𝑑 𝑓 𝜅 (𝑟) 𝑑𝑟 + 1−𝜅 𝑟 𝑓 𝜅 𝑟 + 𝐸−𝑚+𝑒𝜙 𝑟 𝑔 𝜅 𝑟 =0 𝜙 : 原子核クーロンポテンシャル (束縛電子に対しては 𝜇 − の電荷密度を除いたものを使用) 10/21
計算手法 𝐸 1 𝜃 𝐸 2 Γ 𝜇 − 1𝑆 𝑒 − 𝛼 → 𝑒 − 𝑒 − = 1 2 𝑚 𝑒 𝑚 𝜇 − 𝐵 𝜇 1𝑆 − 𝐵 𝑒 𝛼 d 𝐸 1 −1 1 d cos𝜃 d 2 Γ d 𝐸 1 dcos𝜃 微分崩壊率 : d 2 Γ d 𝐸 1 dcos𝜃 = 𝜅 1 , 𝜅 2 , 𝜅 1 ′ , 𝜅 2 ′ ,𝐽,𝑙 𝑀 𝐸 1 , 𝜅 1 , 𝜅 2 ,𝐽 𝑀 ∗ 𝐸 1 , 𝜅 1 ′ , 𝜅 2 ′ ,𝐽 ×𝑤 𝜅 1 , 𝜅 2 , 𝜅 1 ′ , 𝜅 2 ′ ,𝐽,𝑙 𝑃 𝑙 cos𝜃 𝑀 𝐸 1 , 𝜅 1 , 𝜅 2 ,𝐽 = 𝑖=1,⋯,6 𝑔 𝑖 𝑀 contact 𝑖 𝐸 1 , 𝜅 1 , 𝜅 2 ,𝐽 + 𝑗=𝐿,𝑅 𝑔 𝑗 𝑀 photo 𝑗 𝐸 1 , 𝜅 1 , 𝜅 2 ,𝐽 接触型 光子型 11/21
3. 結果
原子核のCoulomb引力によって内側へ Pb case 208 動径波動関数 (散乱 𝒆 − ) 𝑍=82 𝜅=−1 partial wave 𝐸 1/2 ≈48MeV 𝑟 𝑔 𝐸 1/2 𝜅=−1 𝑟 [ MeV −3/2 ] 原子核のCoulomb引力によって内側へ 歪曲波 平面波 𝑟 [fm] ① 原点近傍の値が増大 ② 運動量(波数)が実効的に上昇 12/21
接触型過程 束縛 𝜇 − 散乱 𝑒 − 束縛 𝑒 − 散乱 𝑒 − 散乱 𝑒 − : 平面波 → 歪曲波 overlap of bound 𝜇 − , bound 𝑒 − , and two scattering 𝑒 − s 𝑟 2 𝑔 𝜇 1𝑠 𝑟 𝑔 𝑒 1𝑠 𝑟 𝑔 𝐸 1/2 𝜅=−1 𝑟 𝑔 𝐸 1/2 𝜅=−1 𝑟 波動関数は 散乱 𝑒 − : 平面波 → 歪曲波 中心に寄る 束縛 𝑒 − : non-rela → rela 遷移確率 UP! 𝑟 [fm] 13/21
制限の更新に必要なミューオン原子数 (𝑍=82) 崩壊分岐比の制限 (接触型) 𝐵𝑅( 𝜇 + → 𝑒 + 𝑒 − 𝑒 + )<1.0× 10 −12 𝐵𝑅 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − < 𝐵 𝑚𝑎𝑥 (SINDRUM, 1988) 𝑔 1 𝑒 𝐿 𝜇 𝑅 𝑒 𝐿 𝑒 𝑅 本研究 (1s+2s+…) 本研究 (1s) 𝑩 𝒎𝒂𝒙 Koike et al. (1s) 𝒁 YU, Y. Kuno, J. Sato, T. Sato & M. Yamanaka, Phys. Rev. D 93, 076006 (2016) 制限の更新に必要なミューオン原子数 (𝑍=82) 2.1× 10 18 3.0× 10 17 14/21
光子型過程 束縛 𝜇 − 束縛 𝑒 − 散乱 𝑒 − 散乱 𝑒 − 散乱電子の歪曲 overlap integral down 15/21 束縛 𝜇 − 𝜇 − 𝛾 ∗ 𝑒 − 束縛 𝑒 − 散乱 𝑒 − 𝑒 − 𝑒 − 散乱 𝑒 − 𝑟 2 𝑔 𝜇 1𝑠 𝑟 𝑔 𝐸 1/2 𝜅=−1 𝑟 𝑗 0 𝑞 0 𝑟 𝑟 2 𝑔 𝑒 1𝑠 𝑟 𝑔 𝐸 1/2 𝜅=−1 𝑟 𝑗 0 𝑞 0 𝑟 散乱 𝑒 − : 平面波 → 歪曲波 散乱 𝑒 − : 平面波 → 歪曲波 束縛 𝑒 − : non-rela → rela 𝑟 [fm] 𝑟 [fm] 散乱電子の歪曲 overlap integral down 15/21
制限の更新に必要なミューオン原子数 (𝑍=82) 崩壊分岐比の制限 (光子型) 𝐵𝑅( 𝜇 + → 𝑒 + 𝛾)<5.7× 10 −13 𝐵𝑅 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − < 𝐵 𝑚𝑎𝑥 (MEG, 2013) 𝑔 𝐿 𝑒 𝐿 𝜎 𝜇𝜈 𝜇 𝑅 𝐹 𝜇𝜈 Koike et al. (1s) 𝑩 𝒎𝒂𝒙 本研究 (1s) Preliminary 𝒁 制限の更新に必要なミューオン原子数 (𝑍=82) 1.8× 10 18 7.1× 10 18 16/21
歪曲による波動関数の原点近傍の増大を含めると…… 散乱電子の歪曲効果 接触型過程 光子型過程 束縛 𝜇 − 散乱 𝑒 − 束縛 𝜇 − 散乱 𝑒 − 束縛 𝑒 − 散乱 𝑒 − 束縛 𝑒 − 散乱 𝑒 − 運動量のmismatchなし 束縛レプトンへの運動量移行により I try to explain that easily. In contact process, we should estimate overlap integrals of 4 lepton wave functions. Since two scattering electrons overlap at one point, these extra momenta are canseled, so there are no momentum mismatches. On the other hand, in photonic process, verteces are separate and a photon propagator is not distorted. Therefore it generates momentum transfers to bound leptons. This makes overlap integrals smaller because high momentum component of a bound lepton is smaller than zero momentum component. Totally, the decay rate by the contact process is enhanced, but that by the photonic process is suppressed by distortion of final electrons. overlap integral が減少 歪曲による波動関数の原点近傍の増大を含めると…… Enhanced !! Suppressed… 17/21
シグナル発見時、相互作用の型が判別できるか? モデル判別可能性 シグナル発見時、相互作用の型が判別できるか? 以下、単純な2つの模型を比較 Model 1 : 接触型 𝜇 − 𝑒 − ℒ 𝐼 = 𝑔 1 𝑒 𝐿 𝜇 𝑅 𝑒 𝐿 𝑒 𝑅 + ℎ.𝑐. 𝑔 1 ≠0, 𝑔 𝑒𝑙𝑠𝑒 =0 𝑒 − 𝑒 − Model 2 : 光子型 𝜇 − 𝑒 − ℒ 𝐼 = 𝑔 𝑅 𝑒 𝑅 𝜎 𝜇𝜈 𝜇 𝑅 𝐹 𝜇𝜈 + ℎ.𝑐. 𝛾 ∗ 𝑔 𝑅 ≠0, 𝑔 𝑒𝑙𝑠𝑒 =0 𝑒 − 𝑒 − 18/21
モデル判別法 1 Preliminary ~ 崩壊率の原子番号依存性 ~ 𝒁 19/21 崩壊率の𝑍依存性( 𝑍−1 3 除く) 崩壊率の𝑍依存性( 𝑍−1 3 除く) 𝚪 𝒁 𝒁−𝟏 𝟑 𝚪 𝐙=𝟐 Preliminary 接触型 光子型 𝒁 相互作用によって崩壊率の𝑍依存性に差異 2種以上のミューオン原子を使って相互作用の判別が可能 19/21
モデル判別法 2 Preliminary ~ 放出電子のエネルギー・角度分布 ~ 20/21 𝐸 1 : 放出電子1つのエネルギー 𝐸 1 : 放出電子1つのエネルギー 𝐸 1 𝜃 𝜃 : 放出電子対間の角度 𝐸 2 𝑍=82 𝟏 𝚪 𝐝 𝟐 𝚪 𝐝 𝐄 𝟏 𝐝𝐜𝐨𝐬𝜽 𝟏 𝚪 𝐝 𝟐 𝚪 𝐝 𝐄 𝟏 𝐝𝐜𝐨𝐬𝜽 [ 𝐌𝐞𝐕 −𝟏 ] [ 𝐌𝐞𝐕 −𝟏 ] 𝐜𝐨𝐬𝛉 接触型 𝐜𝐨𝐬𝛉 接触型 光子型 Preliminary 𝐄 𝟏 [𝐌𝐞𝐕] 𝐄 𝟏 [𝐌𝐞𝐕] 20/21
4. まとめ
まとめ ミューオン原子中の 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − 過程 散乱電子の歪曲 崩壊率… 21/21 CLFV探索の有力候補のひとつ ミューオン原子中の 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − 過程 CLFV探索の有力候補のひとつ 崩壊率の評価において 過程によって 散乱電子の歪曲 異なる影響 束縛電子の相対論的取扱い が重要 崩壊率… 接触型過程: 増大 (𝑍=82で 7倍) 光子型過程: 減少 (𝑍=82で 1/4倍) 模型判別能力 崩壊率の原子番号依存性 放出電子のエネルギー・角度分布 21/21
Ex. backup
レプトンフレーバー レプトンフレーバー数 𝐿 𝑒 , 𝐿 𝜇 , 𝐿 𝜏 標準模型 : レプトンフレーバーは“それぞれ”保存量 レプトンフレーバー数 𝐿 𝑒 , 𝐿 𝜇 , 𝐿 𝜏 𝒆 − 𝝁 − 𝝉 − 𝝂 𝒆 𝝂 𝝁 𝝂 𝝉 𝒆 + 𝝁 + 𝝉 + 他 +1 -1 𝐿 𝑒 𝐿 𝜇 𝐿 𝜏 標準模型 : レプトンフレーバーは“それぞれ”保存量 例 : 𝜇 − → 𝑒 − + 𝜈 𝜇 + 𝜈 𝑒 𝐿 𝑒 = +1 -1 しかし 𝐿 𝜇 +1 = +1 レプトンフレーバーの破れ(LFV)の発見 (1990年代末) ニュートリノ振動 例: 𝜈 𝜇 → 𝜈 𝜏 ニュートリノがmassiveであることの証拠 荷電レプトンにおけるレプトンフレーバーの破れ(CLFV)は未発見 CLFV過程の例 : 𝜇→𝑒𝛾 𝜇→𝑒 𝑒 + 𝑒 − 𝜇 − 𝐴,𝑍 → 𝑒 − 𝐴,𝑍 𝜏→𝑒𝛾 𝜏→𝑒 𝑒 + 𝑒 − 𝐾 + → 𝜋 + 𝜇 ± 𝑒 ∓ etc.
Upper limits of 𝐁𝐫 𝝁 − 𝒆 − → 𝒆 − 𝒆 − 𝜇𝑒𝑒𝑒 interaction 𝜇𝑒𝛾 interaction Br 𝜇 + → 𝑒 + 𝑒 − 𝑒 + <1.0× 10 −12 Br 𝜇 + → 𝑒 + 𝛾 < 5.7×10 −13 Br 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − <4.5× 10 −19 Br 𝜇 − 𝑒 − → 𝑒 − 𝑒 − <5.7× 10 −19 for Pb (𝑍=82) for Pb (𝑍=82)
相対論を考慮することにより、原点付近の値が増大 動径波動関数 (束縛 𝒆 − ) Pb case 208 𝑍=81 ( 𝜇 − の遮蔽を考慮) 𝑔 𝑒 1𝑠 𝑟 [ MeV 1/2 ] Type 𝐵 𝑒 (MeV) Rela 9.88× 10 −2 Non-rela 8.93× 10 −2 𝑟 [fm] 相対論を考慮することにより、原点付近の値が増大
シグナル発見時、相互作用の型が判別できるか? モデル判別可能性 シグナル発見時、相互作用の型が判別できるか? 以下、単純な3つの模型を比較 Model 1 : 接触型 (同chirality) 𝜇 − 𝑒 − ℒ 𝐼 = 𝑔 1 𝑒 𝐿 𝜇 𝑅 𝑒 𝐿 𝑒 𝑅 + ℎ.𝑐. 𝑔 1 ≠0, 𝑔 𝑒𝑙𝑠𝑒 =0 𝑒 − 𝑒 − Model 2 : 接触型 (異chirality) 𝜇 − 𝑒 − ℒ 𝐼 = 𝑔 5 𝑒 𝑅 𝛾 𝜇 𝜇 𝑅 𝑒 𝐿 𝛾 𝜇 𝑒 𝐿 + ℎ.𝑐. 𝑔 5 ≠0, 𝑔 𝑒𝑙𝑠𝑒 =0 𝑒 − 𝑒 − Model 3 : 光子型 𝜇 − 𝑒 − ℒ 𝐼 = 𝑔 𝑅 𝑒 𝑅 𝜎 𝜇𝜈 𝜇 𝑅 𝐹 𝜇𝜈 + ℎ.𝑐. 𝛾 ∗ 𝑔 𝑅 ≠0, 𝑔 𝑒𝑙𝑠𝑒 =0 𝑒 − 𝑒 −
モデル判別法 1 Preliminary ~ 崩壊率の原子番号依存性 ~ 𝒁 崩壊率の𝑍依存性( 𝑍−1 3 を除く) 崩壊率の𝑍依存性( 𝑍−1 3 を除く) 𝚪 𝒁 𝒁−𝟏 𝟑 𝚪 𝐙=𝟐 接触型 (同chirality) 接触型 (異chirality) 光子型 Preliminary 𝒁 相互作用によって崩壊率の𝑍依存性に差異 2種以上のミューオン原子を使って相互作用の判別が可能
モデル判別法 2 角度分布 (cos𝜃≈1) 𝜃 : 放出電子対間の角度 放出電子が同chirality 𝐸 1 𝜃 𝜃 : 放出電子対間の角度 𝐸 2 角度分布 (cos𝜃≈1) 𝑍=82 𝐝𝚪 𝚪𝐝𝐜𝐨𝐬𝜽 接触型 (同chirality) 接触型 (異chirality) 光子型 𝐜𝐨𝐬𝜽 放出電子が同chirality cos𝜃≈1が強く抑制 (Pauli原理)