ATLAS実験シリコン検出器の 飛跡再構成の精度解析 目黒立真 原和彦,丸山和純 (筑波大 数理) 海野義信,高力孝,近藤敬比古,寺田 進,池上陽一 (高エ研) 花垣和則 (大阪大),中野逸夫,田中礼三郎 (岡山大),高嶋隆一 (京都教育大) 大杉節 (広島大) ,他アトラス SCTグループ 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
LHC加速器・ATLAS検出器 約 8.5km ATLAS検出器 LHC(Large Hadron Collider) MONT BLANC ALICE MONT BLANC Lac Léman Geneva Air Port LHCb CMS ATLAS 約 8.5km 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
SCT(SemiConductor Tracker) Barrel 検出器 4Layers (R:30~52cm) length:1492 mm η : ±1.4 SCTバレル部モジュール ストリップ間隔:80μm 表裏 stereo angle :40mrad 表裏2枚ずつのセンサー (4sensors/1module) バイナリ(on-off)読み出し ⇒垂直飛跡に対する位置分解能: ストリップを 横切る方向 16mm 沿った方向 580mm 16μm stereo 40mrad 60mm 580μm 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
研究の目的 モンテカルロにより評価する 必要であれば補正アルゴリズムの確立を目的とする SCT のセンサー面に”ゆがみ”があることが報告されている。 (センサー面に垂直な方向に最大約200μmの変位)(※) →位置分解能の悪化が懸念される データベースから個々のモジュールの形状を計算することが可能 →解析で補正することが可能 ⇒位置分解能への影響の大きさの確認、 必要であれば補正アルゴリズムの確立を目的とする モンテカルロにより評価する ※“The Barrel Modules of the ATLAS SemiConductor Tracker” Published in: Nucl. Instrum. Methods Phys. Res., A 568 (2006) 642-671 2008/3/26
モジュール形状の測定結果 CommonProfileからのずれ(surfaceの25点で測定) Module Shape = CommonProfile + CommonProfileからのずれ + Midplane±Thickness/2 CommonProfile Midplane 600μm 80μm Z 60mm 120mm Y X 600μm CommonProfileからのずれ(surfaceの25点で測定) Midplaneの平面式(左:Z=aX+bY+c 右:Z=a’X+b’Y+c’) thickness のデータがあり、ModuleShapeが再現される 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
Geometryの構築 θ DC3 Geometry HepVis Event Viewer Hybid HepVis Event Viewer Sensor Pigtail BaseBoard θ CommonProfile(お椀形)を省略し単純なモデルを構築 Midplaneの角度θを変えて(0 , 3.3 , 5 , 8.8 mrad)評価を行った 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
SCT Residual分布 (Flat Sensor) (residual=TrackHitPosition-MeasuredHitPosition) TrackPt Cut Barrel Module のResidual分布(>10GeV) 10GeV 45GeV Flatなセンサーでは ほぼ設計(TDR)通りの値が確認された width ~ 23.65um ⇒MultipleScatteringの影響なし sigma= 23.65μm 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
Residualのセンサー角度依存性 センサーの曲げた角度の増大 ↓ Residual分布のsigmaの増大 Residual vs bent angle (Pt > 10GeV ) Residual 分布の幅 (μm) センサーの曲げた角度の増大 ↓ Residual分布のsigmaの増大 曲げた角度 θ (mrad) 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
Reconstructed Ptへの影響 σ(1/ΔPt) (TeV-1) Pt [GeV] 1/ΔPt (= 1/Ptmeas – 1/Ptture) Pt dependence 10~15GeV σ(1/ΔPt) (TeV-1) 15~20GeV 5~10GeV のTrack 20~GeV Pt [GeV] センサーの角度による違いは見えない? ⇒Event数を増やす必要がある 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
Reconstructed D0のPt依存性 σ(d0) [mm] 5~10GeV 10~15GeV 15~20GeV 20~GeV Pt [GeV] 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
まとめと今後 SCT SensorのゆがみがTrackingに与える影響をモンテカルロにより確認した preliminaryな結果では、SCTのResidual分布には影響がみられるものの、Pt、d0には曲がっている効果は見えない 今後、geometryプログラム・評価プログラムの精度をあげるとともに、Event数を増やして再評価を試みる 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
backup 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
Tracking Parameters比較 D0 Z0 Phi Theta QoverP Tracking Parameters R-Φ平面で見ると…. Green:flat sensor Yellow:bent sensor (3.3mrad) 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
今回のGeometyで見られる影響 Beamに垂直な方向から R-Φ方向から 以下の要素に大きく依存する 本来の位置 影響大 影響なし 影響大 Beam軸 高 低 低 Beam軸 以下の要素に大きく依存する ModuleのLocalPosition 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
Geometry moduleに対する要求値 Tolerance CommonProfile →モジュールの平均的な形状 Maximum deviation from CommonProfile < 70μm Midplane→Lower、Upperセンサー面の平均値をZ=aX+bY+cでFit Thickness→Lower、Upperセンサー面間の距離 1.15 ± 0.1 mm 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
同一Event毎の比較 Generation(Pythia)は同じものを使っているため、同じTrackが作られる。 (赤:SimulatedTracks) EventDisplay 約3.3mrad センサーを折り曲げた時 約5.1mradセンサーを折り曲げた時 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
Geometryの確認 Visualization Toolを用いたモジュールの絵 (8deg傾けた時のモジュール) Digitizationに渡されたEnergyDepositの分布 y(mm) x(mm) 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
同一TrackによるHitPointの比較 HitPoint(flat) vs HitPoint(bent) HitPoint(flat)からのずれ [mm] [mm] HitPoint(flat) – HitPoint(bent) [mm] HitPointからは形状の変化が見られない。 →もっと多くのEventを生成する必要がある HitPoint(flat) [mm] 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
LocalPosition によるResidual の違い 2 4 5 6 LocalPosition によるResidual の違い Part 1 2 3 4 5 6 Beam軸 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
Hit Point によるResidual分布の違い(width) Beam軸 width センサーの傾きの増大 ⇒Residual widthの悪化 期待される分布 : 下に凸 ⇒影響は見えない。 X (mm) 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
Ptによる σ(Δ(1/Pt)) の違い 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
Reconstructed D0のEta依存性 σ(d0) [mm] |η| 2008/3/26 2008 春季物理学会 筑波大学 目黒立真
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