第4回 商法Ⅰ.

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第4回 商法Ⅱ 2006/10/ /8/28.
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第4回 商法Ⅰ

前回の内容 商法の基本「30分で理解する会社法・商法の基本構造」 商法のための民法入門 公法と私法 基本ルールブックとしての民法 商法のための民法入門 公法と私法            基本ルールブックとしての民法            特別ルールとしての商法 商法とは何か 商法の基本概念 商法の特徴 商人 商行為

商法のための民法入門 権利と義務 1 物に対する権利(物権) 商法のための民法入門 権利と義務 1 物に対する権利(物権) 私人 vs 私人 対等な者同士の横の関係 普通の人同士、つまり「私人対私人」の横の関係を規律するのが私法の領域 特徴 私人間の各種生活関係(取引・事件・事故・夫婦関係・親子関係・相続)を権利と義務の形に規律 権利・義務の形で規律

商法のための民法入門 権利と義務 1 物に対する権利(物権) 商法のための民法入門 権利と義務 1 物に対する権利(物権) 自分の物を自分が自由に使う権利 法律上の権利や義務にはさまざまなものがあります 権利の中でも、物を全面的に支配する権利(所有権)は、物に対する権利として物権に分類されます 自分の物を自分が自由に使うという権利 物権は権利を実現するのに他人の行為を必要としない点が特徴 「人になにかしてもらう」という権利ではありません 所有権の移転は当事者の意思表示があればよく、その他に特別な行為が必要ない 民法176条 他人の行為を必要としない

商法のための民法入門 権利と義務 1 物に対する権利(物権) 商法のための民法入門 権利と義務 1 物に対する権利(物権) 自分の物を自分が自由に使う権利 法律上の権利や義務にはさまざまなものがあります 権利の中でも、物を全面的に支配する権利(所有権)は、物に対する権利として物権に分類されます 自分の物を自分が自由に使うという権利 物権は権利を実現するのに他人の行為を必要としない点が特徴 「人になにかしてもらう」という権利ではありません

商法のための民法入門 権利と義務 2 債権と債務 商法のための民法入門 権利と義務 2 債権と債務 債権 債権者 債務者 債務 貸したお金を返せと請求する権利は、権利者が債務者に請求し、義務を負う者が履行して初めて目的を実現する性質の権利 請求権に分類されます 債権とは、人に対して一定の給付を請求する権利 「一定の給付」とは、「金を払え」「物を引き渡せ」ということだけではなく、「家を建てろ」などさまざまなものがあります 債権と債務は対応関係 債権に対応する義務が、債務 債権を有する人が「債権者」 債務を負う者が「債務者」 債務者が義務を果たすことを債務の履行ないしは弁済 商法では、会社が債務者であるときの会社に対する債権者を、会社に対する債権者であることを強調して「会社債権者」 お金を貸した人 お金を借りた人

商法のための民法入門 権利と義務 2 債権と債務 商法のための民法入門 権利と義務 2 債権と債務 債権 債権者 債務者 債権や債務が発生する原因にはいくつかありますが、一番重要な物は「契約」 民法600条前後に代表的な13種類が規定 契約が成立すると債権債務関係が発生する 債務 お金を貸した人 お金を借りた人

商法のための民法入門 権利と義務 2 債権と債務 消費貸借契約 商法のための民法入門 権利と義務 2 債権と債務 消費貸借契約 10万円を利息年5%で3ヶ月貸します 債権者 意思表示が合致 債務者 お金の貸し借り、すなわち金銭の消費貸借契約(民法587条) 合意が成立し、貸し主が借り主に目的物を引き渡すことによって初めて成立します 契約成立 貸金返還請求を求める債権が発生 民法404条(法定利息) 年5% 商法514条(商事法定利率) 年6% 民法404条1項(消滅時効期間の原則) 10年 商法522条(債権の消滅時効) 5年 金銭消費貸借契約においては、原則として貸主、借主の間で自由に利率を定めることが できます(約定利息)が、「利息制限法」により上限が定められており、その上限を 超える利息分については無効とされます。 つまり、支払う必要がないということです。 では、相手方が約束どうり支払わないのであれば訴えるぞ!と迫ってきた場合はどう か? 何も恐れることはありません。 「無効」とは、はじめから何ら効力を有しないという意味であり、たとえ相手が訴えた としても法的保護は受けられないのです。 借ります 目的物の引渡 契約成立

商法のための民法入門 権利と義務 2 債権と債務 消費貸借契約 商法のための民法入門 権利と義務 2 債権と債務 消費貸借契約 利息制限法 出資法 金利のグレーゾーン 10万円未満年20%10万円以上 ~ 100万円未満年18%100万円以上年15% ※ 相手が貸金業者である場合、一定の要件を満たした場合には(貸金業規制法第43条)利息制 限法により無効となる利息の支払も例外的に有効とする「みなし弁済規定」と呼ばれるものがあり ます。 しかし、世の消費者金融会社と呼ばれるものの利率は年利25%以上なんてのもざらです。 法律で利息の上限を制限しているのに、なぜ守られていないのか? その理由は、利息制限法により定められている上限を超える請求は無効であり法的保護 を受けることはありませんが、たとえ違反したとしても罰則の対象になっていないからです。 つまり、違反しても処罰の対象にはなりませんので、ほとんど守られることはありません。 では、どんな高金利でも許されるのかというとそうでもありません。 ここが、利息に関して少し複雑にしている点ではありますが、利息制限法とは異なる 「出資法」という法律で、処罰の対象となる上限金利を設けているのです。 個人間 年109.5%貸金業者 年29.2%

セールスとは違います 営業とは? 商法上の営業とは?

個人商店Aは、資金難に陥り、Aにとって重要な財産をすべてBに一括譲渡した。

事業譲渡(営業譲渡)(144頁~) 企業を売る=事業譲渡 企業がもっている財産を売る 譲渡人 譲受人 新法は、原則的に「営業」という文言を「事業」に置き換えている 企業を売るというのは,企業が持っている財産を売るということは違います 商人がモノを売ることができることは当たり前,モノの譲渡 企業がもっている財産を売る

商法上の営業 営業とは? 商法上の営業とは? 1 営業を活動面から捉えたもの 2 営業を組織面から捉えたもの 商法上の営業というときには、2つの意味があると解されます 1つは、営業活動という側面から営業を捉えた場合、すなわち営業上の活動 2つは、営業財産という側面から営業を捉えた場合 ある一定の目的ために組織された組織体としての財産を意味するもの 組織体とは、土地や店舗、事務所、あるいは生産・加工業であれば、工場機械・商品、預金債権などのプラスの財産と営業上の債務などのマイナスの財産から成ります また、営業の信用、営業上の秘密など価値ある事実上の関係(のれん)もまたプラスの財産、このような様々な財産によって構成されています のれん:得意先関係・経営組織等の事実関係あるいはノウハウなどの客観的かつ個別的に評価できない事実関係のこと 1 営業を活動面から捉えたもの 2 営業を組織面から捉えたもの

営業活動 営業の自由(憲法22条1項) 営業の自由が保障され、何人も自由に営業をなし、または営業を終了することができる 公共の福祉による制約 営業の自由も公共の福祉による制約を受けるから、一定の場合に営業の自由が制約を受けることがある 競業避止義務などの商法上の制限 不正競争防止法 独占禁止法 一定の営業に許可や免許などを必要とする公法上の制限 自ら営業活動する能力を営業能力 自然人の営業能力の有無 行為能力に関する民法の原則 公共の福祉による制約

組織体としての営業 長期にわたって継続 組織が強化 営業主と関連生が薄まり 十分に機能しうる独立の価値

事業譲渡(営業譲渡) 企業を売る=事業譲渡 組織体としての営業を契約によって、他に移転すること 営業の主体たる地位を他に移転すること 営業譲渡といっても、営業全体についてなされるほか、一部を除外したり、あるいは一部のみについて行われる場合 組織体としての営業を契約によって、他に移転すること 営業の主体たる地位を他に移転すること

事業譲渡(営業譲渡)の効果 企業を売る=事業譲渡 企業経営に重大な影響 対抗要件 譲渡人 譲受人 第三者 営業譲渡は、単なる営業用財産の移転と異なり、営業そのものを対象とする特殊性から、通常の取引行為とは異なる規制が必要 企業経営に重大な影響を与えることから 譲り受けた実質を確保して譲受人を保護する必要がある 具体的には、財産の種類に従って移転し、第三者に対抗しうる対抗要件を備えるなどの手続 契約いかんでは、営業上の機密を伝えたり、得意先への紹介なども必要 第三者

事業譲渡(営業譲渡)の方式 事業譲渡契約 事業譲渡をする場合、当事者間で事業譲渡契約という債権契約が締結され、 移転されるべき財産の範囲 譲渡の対価 商号続用の有無などの内容が定められる 株主総会決議309条2項 第七章事業の譲渡等 467条(事業譲渡等の承認等) 会社が譲渡人の場合 会社が譲受人の場合 合名会社・合資会社  社員全員の同意

事業譲渡(営業譲渡)の方式 新会社法467条1項(事業譲渡等の承認等) 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生じる日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 株主総会決議309条2項 第七章事業の譲渡等 467条(事業譲渡等の承認等)

事業譲渡(営業譲渡)の方式 新会社法309条2項(株主総会の決議) 前項の規定にもかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもっておこなわなければならない。・・・ 株主総会決議309条1項 株主総会の決議は、定款に特別な定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う 略式組織再編の制度 会社の議決権総数の90%以上を有する他の会社(特別支配会社)を相手方とする事業譲渡等については、原則として株主総会の決議を要しない(468条1項) 反対株主の株式買取請求権(469条)

競業避止義務 企業を売る=事業譲渡 経済価値の喪失 譲渡した営業と同一の営業 譲渡人 譲受人 営業譲渡は事実関係を含めた組織としての営業を譲渡するものであるのにもかかわらず 譲渡人が従来どおりの営業を行えば、譲受人は営業の経済的価値を得られないことになるため 譲渡した営業と同一の営業をしてはならない義務 譲渡した営業と同一の営業

事業を譲渡した場合の競業の禁止 新会社法21条1項(譲渡会社の競業の禁止) 事業を譲渡した会社は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内において、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。

事業を譲渡した場合の競業の禁止 新会社法21条2項(譲渡会社の競業の禁止) 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。

事業を譲渡した場合の競業の禁止 新会社法21条3項(譲渡会社の競業の禁止) 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。