表色系 色を合成するのに、光のRGBで合成する加法混色や、絵の具のようなC(シアン)Y(黄色)M(マゼンタ)で合成する減法混色などが知られているが、このように、色は独立した3つの成分で表現できる(表色系という)とされています。 映像信号を扱う場合には通常RGB表色系を使います。これは撮像する時、モニターで表示する時はRGBの加法混色であることに由来しています。RGB表色系を用いた別の表現として、YUV表色系があります。これはY(輝度)とU,V(二つの色差)で色を表すもので、色々定義があります。YUVという言い方は一般名称で、NTSCテレビに使われるY,R-Y,B-Y、画像圧縮などに使われるY,Cr,Cbなどがある。これらの定義は Y,R-Y,B-Y系 Y = 0.3R +0.59G +0.11B R-Y= 0.7R -0.59G -0.11B B-Y= -0.3R -0.59G +0.89B Y,Cr,Cb系 Y= 0.299R +0.587G +0.114B cr= 0.5R -0.419G -0.081B cb=-0.169R -0.331G +0.500B となっています。 RGB表色系の大元となるRGBの分光特性は右図のようになります。 ここで注目すべきはRに負の特性があるということです。 これは人間の目の視覚特性から負の視感度が決められたものです。 しかし、実際にモニターに映し出された画や、プリントアウトされた画を評価するときに、負のR成分を測定する手段はありません(負の赤い光は無い)。そこで再生系の色を観測するためにRGBの代わりに作られた3原色がXYZです。XYZの分光特性を右図に示していますが、全部正であり扱いやすくなっているほかに、Yを人間の比視感度に一致させています。このXYZを用いた色の表し方をXYZ表色系といいます。 このXYZ表色系を用いた色の表し方として有名なものにxy色度図とLab表色系(L*a*b*と*を付けるのが本当)(らぶ表色系と呼ぶことが多い)があります。
Xy色度図、Lab表色系(L*a*b*表色系) XYZを比率で表し、 x=X/(X+Y+Z) y=Y/(X+Y+Z) Z=Z/(X+Y+Z) で表現し、x、yで色を表したのが、xy色度図(CIE色度図)です。(右図) これはモニターの色再現領域を示したりするのによく使われます。 XYZ表色系でRGB表色系のYUVに相当するのが、Lab表色系です。 白色光におけるXYZをX0、Y0、Z0としたとき、 L=116(Y/Y0) 1/3-16 a=500((X/X0)1/3-(Y/Y0)1/3) b=200((Y/Y0)1/3-(Z/Z0)1/3) と定義したのがLab表色系でCIEが制定しました。 Lが輝度、a,bが二つの色差と考えてもよいと思います。 a,bで表される色の空間は右図のようになります。UVで表される色の空間より、緑の範囲が広く青の範囲が狭くなり、人間の目の実際の感じ方に近いと言われています。 単色被写体のa,bの分布を見るということは、UVの分布を見るのと同様に、分布成分が色のノイズに相当します。従って、ノイズの相対値を比較することで、色成分のノイズ低減度合いを知ることができます。 Lab表色系を使うメリットとして、 ・CIEに準拠した表色方法で同一性に優れる。(UVは定義により違う) ・人間の色の感じ方に近い ・Photoshopなどのツールで簡単に測定できる。 といったことがあげられます。 Lab表色系を使用して、色ノイズを規定するなどは弊社の公式見解ではありませんが、技術情報として、色ノイズの低減度合いをお伝えする場合に今後も使用することがあります。