DiffServにおけるクラスの新しい設定方法の提案

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DiffServにおけるクラスの新しい設定方法の提案 G99P088‐1  田中 寿岳 後藤研究室 (G98P104‐8 水野 宏樹)

DiffServによるQoS保障 QoS(Quality of Service)保証とは? ・あるトラフィックに対して低遅延、低ジッタ  、低損失率を保証することである。 ・DiffServ(Differ-entiated Services)では、  IPヘッダ内のTOSフィールドを利用してQoS保証  を行うが、絶対的なQoSではなく、相対的なQoS  を保証する。

研究の目的 DiffServ環境において最優先のEF(Expedited Forwarding)クラスを設定する際に、どのような設定がEFクラスにとって好ましいのかを提案する。 EFクラス以外のクラスを設定することで、トラフィックにどのような影響がでるのか、測定を行い解析する。そしてEFクラスに求められる条件に応じたクラスの設定方法を提案する。

PHB(Per Hop Behavior) PHBとは? DS対応ノードの動作に関する規則を記述 したもの  したもの -EF PHB(Expedited Forwarding PHB) -AF PHB(Assured Forwarding PHB) 標準では4つのクラスと、3つの破棄優先度を組み合わせて12種類のサービスを提供できる。

EFクラス以外の帯域の設定方法によるEFクラスへの影響 測定環境 4台の計算機を使用 中央の計算機(ns)・・・ルータ 他の2台の計算機(s1,s2)・・・パケット送信 残りの1台の計算機(r1)・・・パケット受信 nsとr1の間の帯域を2Mbpsに制限 キューイング方式にはCBQ(Class Based Queueing)を使用。 実験ではトラフィックをフロー単位で扱う。

表1:実験用計算機の構成(上)と 図1:実験用ネットワークのトポロジ(下)

実験1-1 (優先クラスをEFのみ設定した場合)

実験1-2 (優先クラスにAFクラスを加えた場合)

測定の結果(実験1-1)

測定の結果(実験1-2)

測定の解析(実験1-1,1-2) 図の横軸:パケットのシーケンス番号 図の縦軸:パケットの到着間隔 実験1-1において 実験1-2において EFフローの到着間隔の揺らぎは1230パケット  目付近まで(約18ms~約31msの間の値) 実験1-2において EFフローの到着間隔の揺らぎは4217パケット  目付近まで(約12ms~約37msの間の値) 送出させるキューの数が増えるため間隔が広がる

実験1-3 (2本のBEフローを流した場合)

測定の結果(実験1-3)

測定の解析(実験1-3) EFフローの到着間隔の揺らぎは4228パケット目付近までは18ms~31msの間の値を取る。→実験1-1とほぼ同じ値 実験1-2と比較しても、揺らぎの幅が小さいことがわかる。  →つまりEFフローの到着間隔の揺らぎの増大の  原因はクラスを増やしたことによるもので、流れ ているフローの数が原因ではない。

AFクラスを多く設定した時のEFクラスのトラフィックの到着間隔の揺らぎへの影響 実験の目的 EF以外のクラスを増やした場合のEFクラスへの影響を解析する。 AFクラスを2クラス設定した場合(実験2-1) AFクラスを3クラス設定した場合(実験2-2) AFクラスを4クラス設定した場合(実験2-3) 上記の場合のEFフローの到着間隔の揺らぎへの影響を解析する。

実験2-1 (AFクラスを2クラス設定した実験)

実験2-2 (AFクラスを3クラス設定した実験)

実験2-3 (AFクラスを4クラス設定した実験)

測定の結果と解析 今までのようなグラフの概形からの解析ではなく、揺らぎの幅のヒストグラムを作る。 結果 そして、数値的に解析する AFクラスを多く設定すると、データが取る階級の幅が広がっていくのがわかる。 数値的にも、EFフローの到着間隔の揺らぎが大きくなっている。

EFフローの到着間隔の揺らぎのヒストグラム

実験2-1のヒストグラム

実験2-2のヒストグラム

実験2-3のヒストグラム

まとめ(結論) DiffServ環境下において、輻輳時にEFクラスのトラフィックの通信速度は保証される。

今後の課題 今回の実験 今後は… 4つのAFクラスを使用 3つの破棄優先度は未使用 3つの破棄優先度を含めた様々なトラフィックが流れている状況で実験の行なう必要がある。