Damping ring単独運転用 Bucket Selectionサブルーティンについて

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Presentation transcript:

Damping ring単独運転用 Bucket Selectionサブルーティンについて 梶 裕志

DR単独運転専用サブルーティンの特徴 1. 入射器前半のタイミングを制御しダンピングリングへ入射可能 2. 入射器後半のタイミングを制御しダンピングリングから出射可能 しかしそれをLERには入射できない メリット - LERへの入射を考えなければタイミング条件が楽になる - DRコミッショニングならではの複雑な動作を持たせることができる デメリット - ビームをLERに入射できない(DR単独運転でしか使えない) Phase-2運転用には別のサブルーティンを開発します

DR単独運転用サブルーティン 以下2種類を予定 “dr_alone”(仮) 運転員が選んだ「運転バケット」で入射から出射まで一連の動作 “dr_manual”(仮) 「電子銃トリガー」「入射バケット」「Extraction kicker」「出射バケット」 の4要素を自由に設定可能

サブルーティン設定方法(おさらい) サブルーティンを設定・変更する場合 - caput TM_BKT:config.SNAML “subroutine” (ここに dr_alone or dr_manual ) - caput TM_BKT:config.ARG0L val0, ..., caput TM_BKT:config.ARG7L val7 - caput TM_BKT:config.SCHG 1 “LER入射(KBP)” ビームモードでDR単独運転を 行うことを前提にしている ⇒ これも確認が必要 サブルーティンはそのままでパラメータだけを変更する場合 - caput TM_BKT:config.ARG0L val0, ..., caput TM_BKT:config.ARG7L val7 - caput TM_BKT:config.PCHG 1

“dr_alone” の概要 運転員により運転bucketを設定可能(パルス毎の変更は不可) 運転員により1-bunch/2-bunchの設定可能(パルス毎の変更は不可) 「入射のみ」「出射のみ」のモードあり >25Hzでの運転は不可 ストレージ時間は入射レートに依存 運転員設定のパラメータは以下の通り - ARG0L: (このサブルーティンでは使わない) - ARG1L: (このサブルーティンでは使わない) - ARG2L: DR運転bucket(2バンチ運転のときは先頭bucket) - ARG3L: 入射制御(gun制御) - ARG4L: 出射制御(extraction kicker制御) - ARG5L: 運転バンチ数 - ARG6L: timing offset - ARG7L: LER timing offset HERにこのサブルーティンをセットした場合 - gun OFF - DR extraction kicker OFF - DR運転bucket #0 - 運転バンチ数 0-bunch - err_flag = 8

“dr_alone” パラメータの意味 運転員は ARG2L, ARG3L, ARG4L, ARG5L しか触らない (エキスパートでない限り、残りのパラメータは操作しない) 入射器タイミングは前後半とも ARG2L で設定した bucket# に同期 運転バンチ数は ARG5L で指定した値となる ARG3L=1, ARG4L=1 のとき ARG2L に設定した bucket# で入射・出射の運転を行う ストレージ時間は入射頻度に依存 例) 5Hz運転ならばストレージ時間は200ms ARG3L=1, ARG4L=0 のとき ARG2L に設定した bucket# への入射を1パルスだけ実行 (たとえ5Hzで運転しても1パルス入射後はgunを空撃ちする) extraction kickerは常にOFF ARG3L=0, ARG4L=1 のとき gunは常にOFF ARG2L に設定した bucket# からの出射のみ実行 ARG3L=0, ARG4L=0 のとき gun, extraction kickerともに常にOFF

“dr_alone” でできること LTR/DR/RTL にビームを通すコミッショニング DRにビームを蓄積して行う試験 以下の設定で運転 - 運転頻度: 1Hz - ARG2L=(なんでも良い), ARG3L=1, ARG4L=1, ARG5L=1 DRにビームを蓄積して行う試験 ① まず以下の設定でビームを蓄積 - 運転頻度: (なんでも良い) - ARG2L=(なんでも良い), ARG3L=1, ARG4L=0, ARG5L=1 ② 試験実行 ③ 下記の設定でビームを廃棄 - 運転頻度: (なんでも良い) - ARG2L=(①で設定したbucket), ARG3L=0, ARG4L=1, ARG5L=(なんでも良い)

“dr_manual” の概要 運転パルス毎に以下のパラメータを自由に設定できる - 入射バンチ数(gunのトリガー) - 入射bucket#(2-bunch入射の場合は先頭bucket) - extraction kicker制御 - 出射bucket# 最大100パルス分のスケジュールをアスキーファイルで受け取り、その内容を実行 ファイル取得方法などはフィルパターンファイルと似た仕様にする。 /cont/epics314/app/KEKB/OPphase2/data/... に dr_schedule.dat というファイル名で (細かい仕様は後日決定) Extraction kicker 入射バンチ数  入射bucket# 出射bucket# 運転員設定のパラメータは以下の通り - ARG0L: - ARG1L: - ARG2L: - ARG3L: - ARG4L: - ARG5L: - ARG6L: timing offset - ARG7L: LER timing offset 2 0 0 0 0 0 1 0 1 100 0 0 0 0 1 100 . . . . . . . . . . . . このサブルーティンでは使わない

“dr_manual” でできること (面倒な設定はあるにせよ)基本的に何でもできる DR 例えば下記のように指定した場合 Extraction kicker 入射バンチ数  入射bucket# 出射bucket# 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 2 0 0 0 2 100 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 100 -1 -1 -1 -1 -1 -1 -1 -1 . . . . . . . . . . . . . . . . #0 に入射 入射はないが BPMが#0の位置を測定 #229 #0 入射はないが BPMが#0の位置を測定 BPMが測定 #0 のビームパルスを出射 #0, #49 に入射 #49 #100, #149 に入射 4バンチ蓄積の #0 への影響を測定 DR #0, #49 を出射 #100, #149 を出射 -1 がスケジュールの終了を意味する #149 #100

エラーハンドリング (例えば)下記のように指定した場合 Extraction kicker が立ち上がり途中で#0 に入っているバンチを蹴ってしまう Extraction kicker 入射バンチ数  入射bucket# 出射bucket# 1 0 0 0 0 0 1 10 . . . . . . . . . . . . . . . . 設定されたスケジュールを解析し この様な運転スケジュールの場合は受け付けないようにする - 入射, 出射bucketの±50bucketに蓄積バンチがないか? - スケジュール終了時にDRが空になっているか? 解析ソフトも開発して、IOCOPCCRに仕込んでおく。

DR extraction kicker制御について (phase-2 で LER abort時にDRストレージバンチを廃棄するシステムをそのまま利用) サブルーティンの中でreflective memory の 0x902c に値を書き込むだけで、 入射器Main Timing Station EVGから TTLレベルのHIGH/LOW信号が出力ができる static BSMode_t dr_alone(epicsUInt32 data, epicsBoolean fInit){ ... ... RMOutU32(s_addr2+44, kicker_enable); ... } ⇒ これを Extraction kicker 制御に利用 例えばこんな回路(林栄のNIMモジュール1つでできるはず) AND Bucket Selectionからのレベル信号 アボート信号 出射トリガー (EVRからのトリガー) DR extraction kicker こっちはパルス こっちはレベル信号 レベル信号側が “HIGH” のときだけパルスを通す

確認しておきたいこと DR単独運転のビームモードは “LER 入射モード(KBP)” で良いか? (LER入射時のBucket SelectionサブルーチンをDR専用にするだけで運転が実現できる) DR単独運転用サブルーティンは今回提案したもので良いか? - DRから出射したビームをLERに入射できない - “dr_alone”, “dr_manual” それぞれの機能に要望はあるか? DR単独運転は「入射頻度25Hz以下のみ」を前提に開発しても良いか?

Summary 本年11月からのDR単独運転におけるBucket Selectionについて、 以下の要領にしたい。 - DR単独運転専用サブルーティンで行う - LER入射ビームモードにこのサブルーティンをセットすることで実現する (DRからLERに入射するためのサブルーティンは、別途、開発する) この専用サブルーティンは「LERへ入射できない」「運転頻度25Hz以下のみ」仕様にすることで簡略化し、そこにコミッショニングのみに必要であろう機能を付加したものにする。 “dr_alone”, “dr_manual” の2種類それぞれの機能に要望があれば言ってください。