海洋炭素循環モデルの進捗状況 吉川知里 共生2連絡会議 2003.08.27 C. Yoshikawa
単体モデルと統合モデルの温暖化実験の比較を行う。 海洋炭素循環グループ ★ 今年度の計画 COCO(OGCM) + Marine ecosystem model MIROC(A&OGCM) + Marine ecosystem model MIROC(A&OGCM) + Marine ecosystem model + Sim-CYCLE 単体モデルと統合モデルの温暖化実験の比較を行う。 人為起源CO2に起因する気候変動が、生物ポンプを変化させ、海洋のCO2吸収に+か-のフィードバックをもたらす? 単体モデルで、温暖化実験をする。 ← 気候変化(モデルの出力forcing)は与えられるけど、atmCO2は固定(あげてもいいけど自分であげる) これと統合モデルの温暖化実験を比較する。 で。 IS92aはなんだかんだ言ってもモデルの出力のforcing Omipは観測のforcing ★ 今回お話しする内容 1.客観解析Forcingと気候モデル出力Forcingの結果の比較 2.モデル出力Forcingを用いた二酸化炭素漸増実験の結果
生態系モデル mpP VpP2 NPZD Model ( Oschlies, 2001 ) 二乗で亜熱帯でちょっとだけ細胞壊れる、 Dは沈むやつ。沈降速度0はPに含む。 逆→で亜熱帯でちょっとだけ戻る (マイクロビアループ?) おっシュリーズ2001―DSRII 亜熱帯の生産あがった ドニー1996DSRII NPZD Model ( Oschlies, 2001 )
モデルの設定 ● 水平解像度:1度x1度 ● 鉛直54層(表層200mにおいては5-10m間隔) ● 水平解像度:1度x1度 ● 鉛直54層(表層200mにおいては5-10m間隔) ● 駆動力:(SST,P-E,風応力・・・) ① OMIP用月平均データ (客観解析データ) ② IS92a月平均データ (気候モデルの出力) ● 初期値: 物理場:OMIP用の計算結果 硝酸:年平均気候値(World Ocean Atlas 94) 全炭酸、アルカリ度:OCMIPモデル結果 生態系モデルのその他の変数:一定値(0.1mmol/m3) ● Spin up:20年 SST、海面日射量(SSR)、風応力、淡水フラックス、海面熱 6個 ocmip=年平均駆動力、生態系は陽に含まず 表層100mまで5m、200mまで10m間隔 メラーヤマダ1974のレベル2 1890~1950の60年平均
結果 ● ペルー沖や南アフリカ西岸沖の硝酸極大 ● 赤道太平洋のクロロフィル極大の広がり ● 南大洋のクロロフィル濃度や硝酸濃度の違い 結果 傾向は同じ 野口さんのは16compの5年もの エクマン湧昇域と混合層の深い海域でCHLでかい。 観測よりもメリハリありすぎ。 PHY*1.59(mg/m3)/(mmol/m3) Czcs 衛星観測 ● ペルー沖や南アフリカ西岸沖の硝酸極大 ● 赤道太平洋のクロロフィル極大の広がり ● 南大洋のクロロフィル濃度や硝酸濃度の違い
ペルー沖の客観解析Forcingの風は、岸に並行に吹いているため、強い沿岸湧昇が起き、硝酸の極大ができてしまったものと思われる。 1.ペルー沖の硝酸トラップ 風の場の違いは、あまりないが、一番岸よりの→が岸と並行。 つまりForcingに敏感なところだ。 ペルー沖の客観解析Forcingの風は、岸に並行に吹いているため、強い沿岸湧昇が起き、硝酸の極大ができてしまったものと思われる。
1.ペルー沖の硝酸トラップ 横から見るとこんなかんじです。 風の場の違いは、あまりないが、一番岸よりの→が岸と並行。 つまりForcingに敏感なところだ。 横から見るとこんなかんじです。
2.赤道域のChl極大の広がり 赤道太平洋域のクロロフィル濃度の極大の広がりは、気候モデルForcingの結果の方がせまい。 気候モデルForcingの方が赤道湧昇が弱い。
3.南大洋の硝酸濃度の違い 南大洋のエクマン湧昇は、気候モデルの結果の方が強い。 混合層の深さの違いは?
TeamGala Meeting 夏の会 C. Yoshikawa 3.南大洋の硝酸濃度の違い 鉛直拡散係数ではなく、水温塩分からもとめた(観測と比較するため)混合が深いんじゃなく、鉛直一様な密度分布なため、超深い。海面に達する密度差が水温にして0.5℃に達する深さだから? インド洋、タスマニアン海、ロス海、アムンゼン海、ウェッデル海。 そのわりに、is92aのChlはでかいのはシリカ制限入ってないしね。でも野口さんの方がNO3濃度でかいわけじゃないよ。 客観解析Forcingの結果の混合層は非常に深いのに対し、気候モデルForcingの結果は浅い。このため硝酸濃度は、客観解析Forcingの結果や観測よりも、低くなったと思われる。 TeamGala Meeting 夏の会 C. Yoshikawa
統合モデルForcingの方が南大洋で良く雨が降る。 3.南大洋の硝酸濃度の違い 鉛直拡散係数ではなく、水温塩分からもとめた(観測と比較するため)混合が深いんじゃなく、鉛直一様な密度分布なため、超深い。海面に達する密度差が水温にして0.5℃に達する深さだから? インド洋、タスマニアン海、ロス海、アムンゼン海、ウェッデル海。 そのわりに、is92aのChlはでかいのはシリカ制限入ってないしね。でも野口さんの方がNO3濃度でかいわけじゃないよ。 統合モデルForcingの方が南大洋で良く雨が降る。
<気候モデルForcingと客観解析Forcingの違い> Air-Sea CO2 Exchange ピントンベロシティー Wanninkhof(1992) 炭酸カルシウム殻は、PONの同じ速度でおちる。 Obs.高橋 (pco2-280)*exchc*86400*365/1000 あまり違いはない。
二酸化炭素漸増実験のForcing 1.5℃増 「COCO+生態系モデル」で、1890~2099年までの気候モデルForcing(IS92a)を使って二酸化炭素漸増実験を行う。
年平均SSTと クロロフィル濃度 表層水温は赤道域で低下、高緯度域で上昇する。 クロロフィル濃度はほぼ全球的に増加する。 赤道:赤道湧昇が強くなる(風のせい?)? 水温低下 栄養塩増加 クロロフィル増加 高緯度:水温上昇 光環境・成層化 クロロフィル増加 表層水温は赤道域で低下、高緯度域で上昇する。 クロロフィル濃度はほぼ全球的に増加する。
年平均全炭酸濃度 大西洋 太平洋 表層で、大気CO2の増加により、CO2を良く吸っている様子がわかる。 上は大西洋 下は太平洋 表層で、大気CO2の増加により、CO2を良く吸っている様子がわかる。 1000m以深は、スピンアップが足りなかったのか・・・・。
大気CO2の増加にともない、どんどん吸う。 Air-Sea CO2 Exchange 吐く 吸う 大気CO2の増加にともない、どんどん吸う。
J K 今後の予定 Forcingはスピンアップのままで、大気CO2濃度だけ増加させてみる。 初期値のトレンドがまだ残っている様なので、もう少しスピンアップしたい。 (割り当てが増えれば・・・) 1890~1950の60年平均