標準模型を超えた新しいニュートリノ、ν振動の探索について

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標準模型を超えた新しいニュートリノ、ν振動の探索について 丸山和純(KEK) for MLF nu working G 内容 (M. Harada et al, arXiv:1310.1437 [physics.ins-det] に基づく) 新しいニュートリノ、ν振動について 探索実験の概要、セットアップ 背景事象測定 (現状、宿題) お願い、まとめ。

今まで考えられてきたニュートリノ振動 νe νμ ντ ニュートリノ振動 太陽ν実験(SNO,神岡) 原子炉ν実験(KamLAND) 注意;この図は現象を 分かりやすく書いたもので あり、正確な物理描像 でないことは断っておきます。 νe νμ 加速器ν(T2K) 原子炉ν実験 (double Chooz, Daya-Bay, RENO 等) 大気ν実験(神岡) 加速器ν実験(K2K、MINOS) ντ ニュートリノ振動  ニュートリノに「質量」があるときのみ起こる (1998年までニュートリノは質量  がないと信じられ、実験も人々をコンビンスするレベルでなかった。)  ニュートリノ振動があると、違うフレーバーニュートリノと振動するようになる。  ミュー型―タウ型、電子型―ミュー型の振動はこの12年間で良く研究されて  きた。しかし、電子型-タウ型の混合は小さくて2012年まで良く分かっていな  かった。 → 最近、加速器ν、原子炉実験で発見

新しく探そうとしているニュートリノ振動 ντ νμ νe νs 新しいニュートリノ振動 注意;この図は現象を 分かりやすく書いたもので あり、正確な物理描像 でないことは断っておきます。 新しいニュートリノ振動  新しい振動先としてステライルニュートリノ「νs」が現れる  ステライルニュートリノは、電弱相互作用をしないニュートリノ 右巻きニュートリノ?  新しいタイプのニュートリノ? 今のところ正体不明。(場合によっては、暗黒物質の候補にもなり得る)  電弱相互作用がないので、最終的にステライルニュートリノに振動したものは  検出器では見えない。(ただ消失したように見える) 新しい振動が増えたので、nm  ne のような振動にも新たな特徴が加わる。 発見できれば標準模型を超え、ヒッグス粒子発見を大きく超えるインパクト。

ステライルニュートリノ探索現状 以下の表は、標準のニュートリノ振動模型では説明が付かない、違うニュートリノフレーバの出現または消失の現状をまとめたものである。 系統誤差や実験の質から、まだ事象超過、消失が本当かどうか疑われている段階。 もし、これらの超過・消失が本当だった場合でも、ニュートリノ振動かどうかは別問題。確認必要。 振動だった場合は、比較的ν発生-検出が近距離で全ての現象が起こっているところが鍵。(例;T2K L=295km, <En>~600MeV) 実験 ニュートリノ源 振動? 統計的有意性 <En> <L> LSND m 静止崩壊 nm  ne 3.8s ~40MeV ~30m MiniBooNE p 飛行中崩壊 3.4s ~800MeV ~500m 2.8s combined Ga実験(較正時) 線源による較正 ne  ns 2.7s 数MeV <10m Reactors ベータ崩壊 3.0s ~3MeV 10-100m

ニュートリノ振動 2世代間のニュートリノ振動は近似的に以下のような式で表すことができる。 (我々が観測する電子、ミュー、タウ、ステライルニュートリノの種類(α、β)と質量(I,j)の固有状態が違うときに、混合角θで交じり合う L; ニュートリノの飛行距離 (m), E; ニュートリノのエネルギー (MeV), Dm2 ; 2つのニュートリノ質量固有状態の質量差の2乗。 後者のsin項の中がπ/2の奇数倍になったとき、振動が最大になる。 実験で選ぶパラメータ 実験で測定するパラメータ

ニュートリノ振動現象例 長基線ニュートリノ実験  Lが固定されている場合 SK 大気  いろいろな E とLがある場合 sin2(1/x) sin2(x) 生存振動確率 E neutrino E / L K2K L = 250km Fixed L case x log scale

今まで見つかっている超過・消失が振動であるなら だいたい、全ての実験が、L/E~1くらいで事象超過や消失が現れているようである → O(1eV2)の質量2乗差である。 → 今までのニュートリノ振動では説明できない。(Dm2~2.3x10-3 (大気ν)と Dm2~7.6x10-5 eV2 (太陽ν)) ただし、もともとのニュートリノからの振動度合は 超過の場合1000分の1の桁 消失の場合は、10分の1の桁 と小さいようだ。 もともと、振動かどうかも分からないのだから、 まず、超過・消失が本当にあるかどうか? そして、本当にあったら、振動かどうか を順番に確かめると言うのが、最近の世界の趨勢となっている。

New experiment using J-PARC Materials and Life science experimental Facility (MLF)

Materials and Life Experimental Facility J-PARC Facility (KEK/JAEA) 181MeV Linac 3 GeV RCS CY2007 Beams 400MeV South to North 25Hz 300kW now & will be 1MW 540nsec 30GeV MR Hadron hall Materials and Life Experimental Facility JFY2008 Beams Neutrino Beams (to Kamioka) JFY2009 Beams この夏リナックupgrade Bird’s eye photo in January of 2008

Neutrino production and detector site (3F) できれば、赤の場所 に検出器を設置して 新しいニュートリノ振 動を探索したい。 (中長期) また、赤の場所で背 景事象数をテスト測 定したい。(短期的) ⇒ 今回のお願いの   主題。(特に後者) Neutron Hg target (& neutrino source) Detector@3rd floor (50 ton fiducial, 17m baseline) 3GeV proton

MLF 3階 (本実験への考察) MLF 3階はメンテナンスエリアであるため、メンテナンス作業との干渉を避けるため、以下のようなことを考えている。 夏のシャットダウン時は、検出器をMLF外に出し、他の建屋で保管する。 緊急時も含め、至急検出器をどかす必要がある場合も想定し、24時間(?)程度でMLF屋外へと搬出(もしくは、屋内の他の場所へ移動できる)手段を考え始めている。 移動する際の安全性 ケーブル等の脱着の仕方 クレーンでの吊り方 もちろん、シャットダウン時でないときの運転期間の安全性は上記に加えて、十分担保するよう議論。 現在、検出器デザインは始まったばかりであり、装置審議会等の議論を通じて、議論していきたい。

基線17m+有効質量50トン~実験戦略 上述したように、出現・超過 (LSND, MiniBooNE)、消失(原子炉、Ga)の実験結果を見るに、高いDm2領域に振動パラメータがある可能性がある。 基線17m(相対的に短基線)+有効質量50トン(相対的に小さい検出器)で実験を開始。 数eV2以上のDm2に解があれば、5σの有意性で発見、もしくは否定できる。 ニュートリノフラックスが大きいので(1/r2)、小さい検出器でも事象(統計)数を増やすことができる。 3Fのメンテナンスエリアは、中性子等の放射線の遮蔽能力が高いと予想され、偶発的な背景事象を減らすことができる 新たな建屋を作ることなく、実験を遂行できる。 このコンフィグレーションで有意な結果を得ることができなければ、更に長距離と大きな検出器を使って、小さいDm2領域を探索するオプションも考えている。

MLF mercury target and Intrinsic ne BKG estimation 3GeV proton Fe Mercury target Be H For beam pipe Modulator 等のBeなど軽い物質中に止まったミューマイナスが効く sensitivity は about 10^-3 を仮定 Target p- absorb m- capture suppression x p-/p+ LSND H2O 96% 88% 5x10-3 x 0.13 J-PARC Hg(+Fe+Be) 99% ~80% 1.7x10-3 x 1. We will assume ~ 1.7x10-3 Intrinsic background hereafter.

m+ 静止崩壊からのνのみを使った実験 mの長い寿命を使って、mから出てくるnのみを選択することができる。(上図) m+  e+ nm ne 静止崩壊のエネルギースペクトルは良く知られている。 nm  ne  振動探索 は出現探索で ne 消失探索もある程度は可能か p-  m- の崩壊連鎖は前ページで示されたように原子核による吸収によって抑制される。1.7 x10-3 レベル MLF は大強度パルスビームを使える。また過去の実験に比べ、 πの生成率(p / p)が 10 倍大きい。 (陽子ビームエネルギーが 0.8 vs 3.0 GeV) -> ×O(10)統計 Selecting muon decay (e~74%)

検出器;液体シンチレータ 反電子ν反応後の陽電子と中性子(から出るγ)でコインシデンスを取る。アクシデンタルな背景事象と反ν事象の区別がつきやすい。 (ne + p  e+ + n; Inverse Beta Decay; 以後IBD反応) 中性子はGdで捕獲され, 総計8MeVのγを放出。 生成寿命は 数10 ms. IBDの散乱断面積は 非常  に良く分かっている。 (不定性~2%、 s = 9.3 x En2 x 10-44 cm2) 反ニュートリノのエネルギー分布も良く分かっている  事象のエネルギー分布が良く分かる。→ 信号と背景事象の区別 陽電子は “prompt” 先発信号生成 (En = Evis + 0.8MeV) 中性子は “delayed” 後発信号生成 Gd

典型的な振動によるEの歪み (L=17m) Area normalized (Vertical axis is arbitrary) E resolution 15%/sqrt(E) Signal ne from m- Dm2=0.5eV2 Dm2=2.5eV2 (MeV) (MeV) Dm2=3.5eV2 Dm2=5.5eV2   振動の式を書いておく。 (MeV) (MeV) This energy shape difference is used to distinguish oscillation signal and dominant BKG.

検出器デザイン(たたき台) どのような形、サイズ、有効体積、束縛条件 150 10” PMTs Double-Chooz 型 直径6m, 高さ 4.4m; 有効体積 25 ton (形状、シールドは変える可能性があるが、有効体積は物理に直結するため、減らせない) 同型の検出器を2つ設置したい。 1日で移動できるようなデザインにしたい。 150 10” PMTs good photo-coverage  <15%/sqrt(E). 50cm Gd無-LS バッファ領域  veto and self-shield

背景事象測定@BL13(1階実験ホール)と3階での背景事象レート測定

BL13での1 ton固体シンチを使った測定 50x50x450cm3 検出器; 10.5 or 21(w) x 4(t) x 450(l)cm3 のプラスチックシンチを積み上げて作製 BL13での背景事象測定。 MLF3階での背景事象をBL13の測定とシミュレーションの外挿を用いて予測。 Proton beam 1ton scintillator picture

BL13の測定 → 3階へ (戦略) データとMC (PHITS simulation) の合い具合を最初に確認  良く合っている。 MC の比 MC3F/MCBL13 を外挿に使う。(下式) PHITS simulation はMLFの放射線の計算に広く使われているシミュレーションプログラム 比を取ることで、PHITSシミュレーションの絶対値の不定性は取り除くことができる。 (本当は、3階で背景事象を測定したい。→いろいろな制約上、2013年にデータを取得するのは不可能だった。)  

観測結果 先発事象 背景事象 後発事象 背景事象

先発信号に関する背景事象 n+p->p+X; p->m->e 崩壊連鎖 がこの背景事象を生成(上2図) エネルギーの終点が ミュー崩壊からの電子 と一致。 BL13 data BL13 data 崩壊寿命が2.2μsで ミュー崩壊と一致 n+p->p+X; p->m->e 崩壊連鎖 がこの背景事象を生成(上2図) 作り直す。ライフタイム。エネルギー終点。空間分布。 BL13での背景事象レートは 5.6x10-4/spill 右図; #中性子 @ BL13 and 3F (MC). n+p->p+X; p->m->e 崩壊連鎖@3F はBL13に比べ、4桁低い。 PHITS (MC)

後発信号背景事象 1 ton での観測; 熱中性子背景事象測定 (1-4MeV; from 2.2 MeV capture g)  14/spill 低エネルギーγ線背景事象測定 (6-12 MeV) 0.9/spill データとPHITS simulation の一致性 (右図) 良い。 (1-4MeV) neutrons (6-12MeV) Gamma BKG MC (PHITS) BL13; 1ton data (normalized by area)

3rd floor (/spill/MW/det.) Detector fiducial volume (/spill/det./MW) 3階でのビーム起因背景事象(表) BL13 (/spill/300kW/ton) 3rd floor (/spill/MW/det.) Detector fiducial volume (/spill/det./MW) コメント 高速中性子 (for Michel e) 5.6x10-4 2x10-7 低エネルギー中性子 14 (captured by 1 ton) 40 (# of neutrons) 2.4x10-3 Buffer region is effective 低エネルギーγ 0.9 (6<E<12 MeV) (all energy range) 4.7x10-2 Buffer region is effective 低エネルギー中性子  バッファ領域 で捕獲される。(右図) ほとんどのγ線のエネルギーも低い。 (E<100keV), バッファ領域で相互作用する。 3Fでのビーム起因背景事象は 実験可能なレベル。 fiducial Detector surface

3階でのテスト背景事象測定実験は必須 実験が成り立つか どうかは将に3階で の背景事象レベル が、PHITSの予想通 りかどうかによる。  どうかは将に3階で  の背景事象レベル  が、PHITSの予想通  りかどうかによる。 まず、プラスチック  シンチを設置しテス  ト実験を行いたい。次回ビーム中、PACまで もし、背景事象が少なく、実験が検討に値するレベルであれば、PACから、実験の開発を進めて良い、というアプルーブが出る。 実験を遂行して良い、というアプルーブは更に別に(KEK素核研+MLF)で必要。(検出器がメンテの邪魔にならない、等を示す必要)

プラスチックシンチ→邪魔にならないか? 期間限定の測定。(シャットダウン前には必ず撤去) 半日メンテの際に十分搬入可能。(クレーン作業は本体+エレキのみ) 中性子BL13での測定の実績。 電気は5kVA程度必要。 高さは1m以下。(長手方向最大5m程度) (ただし、エレキラックは2m弱の高さがある) 重量1.5トン以下 緊急の際は、24時間以内で移動できるように、ケーブルの脱着も含めて用意を行う。 今回はLEPS2実験で使う予定の、更に性能の良い固体シンチを使用する予定。

3階での測定 測定地1 標的 測定地2? 陽子ビーム

HENDEL棟での準備作業 現在、写真左側赤枠のビニールハウス内半分のスペースで、12月から半年という約束でスペースを中性子の皆様からお借りして、背景事象測定の準備を行っています。(大変ありがとうございます) 現在、いつプラスチックシンチで測定できるかは、この議論やMLF会議での議論(やミュオングループとの会議の議論)に依存しますので、まだ不透明ですが、3月初めに3階に設置できるよう準備だけは整えておきたいと考えています。 つきましては、写真右側の黄色の枠に囲まれたビニールハウスの中のスペースを3月初めまで貸していただけないでしょうか?

Fast neutrons (cosmic) 3階での背景事象、信号(まとめ) Source contents #ev./50tons/4years comments background ne from m- 377 12C(ne,e-)12Ng.s. 38 IBD e is 0.2% Beam fast neutrons 0.3 Fast neutrons (cosmic) 42 Accidental 37 See below signal 881 Dm2=3.0, sin22q=0.003 Dm2=1.2, sin22q=0.003 Accidental BKG is calculated by R acc = SRprompt x SRdelay x DVTX x N spill SRprompt, SRdelay are probability of accidental BKG for prompt and delayed signal. DVTX ; BKG rejection factor of 50. Nspill(#spills / 4 years) = 1.2x109

フィットと感度

エネルギー分布とフィット 背景事象数もフィットによって推測することが可能。 (MeV) (MeV) 左; Dm2=3.0eV2 (Dm2 MLF実験で最良) , 右; Dm2=1.2 (LSND最尤値)sin22q=0.003 maximum likelihood フィット、1MeV ビン (20-60MeV). 信号と ne from m- (他の背景事象数は小さい) 規格化定数の不定性は考慮している。 振動した信号の規格化定数;10% ne (m-から) の不定性は50% 背景事象数もフィットによって推測することが可能。

実験感度プロット 横軸;振動度合、縦軸;Δm2 茶色の領域がLSND99%許容領域、緑色が90% 上図仮定; 2eV2 以上で5σ以上の結論 1MW x 4 年 4000時間 / 年 50 ton有効体積 50%検出器効率 2eV2 以上で5σ以上の結論 下図; 将来の実験例のセットアップ; 1kt 検出器 +60 m 基線   ICARUS 90% Exclude region Blue; 5s Green; 3s 17m case (50 tons, 1MWx4years, 50% eff.) 60m, 1 kt, 1MW x 2 years, 50% eff.

Milestone(ここからどう進めるか) The background rate at the 3rd floor of MLF will be checked with real data. Efficiencies and cut rejection factors based on pure MC should be proved by data. Detector configuration  optimized further. Electronics / DAQ Movable detector design (e.g.; mechanical design) 是非、固体シンチを3Fに設置し背景事象を 測定させて下さい。(前回PACからの宿題) 装置審議会等で中期的に議論する予定。いろいろと宿題をいただいて、(安全性、大きさ、 移動方法、等々)、メンテナンスの邪魔をしないような検出器を作製。

移動検出器に関する考察 検討している容器の一例。(あくまで一例) SUS容器 (5mm厚) 内部容器 耐震性 架台 吊る方法 移動時の安定性  (5mm厚) 内部容器 耐震性 架台 吊る方法 移動時の安定性 オイルパン(防油堤)   更にオープンなSUS容器が外にある感じ? ケーブル脱着 等々

まとめ、お願い MLFを用いたステライルニュートリノ探索実験は、今までに見つかっていないニュートリノ振動を探索する。標準模型を超えた物理を提示し、大きなインパクトを与える可能性がある魅力的な実験である。 ただし、検出器設置場所は、MLF3階のメンテナンスエリアを考えているため、メンテナンスの邪魔をしないよう慎重にデザインを進めるつもり。もちろん、測定時、移動時、設置時の安全性も十分議論し担保する予定。(デザインに関する公式な議論はまだ始まっていない段階) 3階での背景事象数がどれだけあるかは、まず実験が開発等を開始するに値するかどうか(KEKではステージ1アプルーブと呼んでいる)に非常に重要であるため、固体シンチ(1トンシンチ)での測定を是非近いうちに行わさせていただければ、と考えている。  (注; ステージ1アプルーブは、実験を始めるときの必要条件だが、十分条件でない。素核研+MLFのステージ2アプルーブがない限り、実験は開始できない。)

バックアップ

νe ν1 νμ ν2 ντ ν3 今まで考えられてきたニュートリノ振動 ニュートリノ振動 弱い相互作用の固有状態と質量の固有状態が違う場合、混合が起こる。混合行列を牧・中川・坂田(MNS)行列と呼んでいる。 νe ν1 νμ ν2 ντ ν3 d; CP 非保存項 cij; cosqij sij; sinqij 3つの混合角度がある。 加速器・大気ν 原子炉・太陽ν 原子炉・加速器ν ニュートリノ振動  ニュートリノに「質量」があるときのみ起こる (1998年までニュートリノは質量  がないと信じられ、実験も人々をコンビンスするレベルでなかった。)  ニュートリノ振動があると、質量固有状態(n1,n2,n3)を通じて違うフレーバー のニュートリノ(ne,nm,nt)が振動するようになる。

今まで考えられてきたニュートリノ振動 νe νμ ντ ニュートリノ振動  ニュートリノに「質量」があるときのみ起こる (1998年までニュートリノは質量  がないと信じられ、実験も人々をコンビンスするレベルでなかった。)  ニュートリノ振動があると、質量固有状態(n1,n2,n3)を通じて違うフレーバー のニュートリノ(ne,nm,nt)が振動するようになる。

新しく探そうとしているニュートリノ(振動) ν1 νe ν2 νμ ν3 ντ ν4 νs 新しいニュートリノ振動  新しいフレーバー固有値としてステライルニュートリノ「νs」が現れる  ステライルニュートリノは、電弱相互作用をしないニュートリノ 右巻きニュートリノ?  新しいタイプのニュートリノ? 今のところ正体不明。(場合によっては、暗黒物質の候補にもなり得る)  電弱相互作用がないので、最終的にステライルニュートリノに振動したものは  検出器では見えない。(ただ消失したように見える) 新しい質量固有値が増えたので、nm  ne のような振動にも新たな特徴。 発見できれば標準模型を超え、ヒッグス粒子発見を大きく超えるインパクト。

新しく探そうとしているニュートリノ振動 ντ νμ νe νs 新しいニュートリノ振動  ステライルニュートリノは、電弱相互作用をしないニュートリノ 右巻きニュートリノ?  新しいタイプのニュートリノ? 今のところ正体不明。(場合によっては、暗黒物質の候補にもなり得る)  電弱相互作用がないので、最終的にステライルニュートリノに振動したものは  検出器では見えない。(ただ消失したように見える) 新しい質量固有値(n4)の影響が全ての振動(含;nm  ne)に現れる。 発見できれば標準模型を超え、ヒッグス粒子発見を大きく超えるインパクト。