佐藤勝昭研究室 OB会2003年11月22日  磁性MOD班.

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佐藤勝昭研究室 OB会2003年11月22日  磁性MOD班

有機金属分解(MOD)法は比較的簡単に高品質な薄膜が作成できる方法として誘電体や高温超伝導体に応用されている 磁性体薄膜(ガーネット)作製に適用 高純度化学研究所と共同研究 MOD法は、誘電体や超伝導体の薄膜作製方法としては既に実用段階に達しようとしていますが、磁性体分野では馴染みが薄く、磁性体薄膜作製の報告がありません。本研究ではMOD法を用いて、酸化物磁性体薄膜の作製を試みました。

MOD法=Metal Organic Decomposition法 (有機金属分解法) 基板上に原料溶液を塗布し熱処理を行うだけの簡素な方法 熱処理することで有機金属酸塩を分解し、酸化物薄膜を得る メリット ・大掛かりで高価な実験設備を必要としない ・成膜に於いて真空プロセスを必要としない ・組成の制御が容易である ・ゾル・ゲル法のような溶液の時間変化がない ・分子レベルで均一 ・大面積な基板上でも均一に塗る事ができる MOD法とは薄膜作成法のひとつで、Metal organic Decomposition法つまり有機金属分解法の略です。この方法は極めて簡単で、基板上に有機金属原料溶液を滴下、スピンコートし、熱処理を加えるというものです。有機金属化合物を熱分解する事により、無機物の酸化物薄膜を得ることができます。

NdIG、GdIGのBi、Ga、置換薄膜 作製した薄膜 YIG(イットリウム鉄ガーネット) 酸化物透明磁性体 NdIG、GdIGのBi、Ga、置換薄膜 磁性体薄膜は磁気記録記憶光磁気記録の媒体や磁気ヘッド材料として使われています。Yttrium Iron Garnet通称YIGは代表的な透明酸化物磁性材料のひとつです。YをBiで置換したBi置換YIGは、可視短波長領域においてきわめて大きなファラデー特性を示し、大容量磁気記録デバイスへ向けた研究の一環として大変将来性がある材料です。また、高い光透過性、酸化物である安定性などから、将来発展が見込まれる光ファイバシステムに必要不可欠な部品である光スイッチや光アイソレータなどの磁気光学デバイスにもBi置換YIGが用いられている。

Faraday スペクトル 図 Y3-XBiXFe5O12のファラデー回転スペクトル佐藤勝昭著「光と磁気」(朝倉書店 )より

実際のサンプル ガラス基板 Y3Fe4Ga1O12 Y2Bi1Fe4Ga1O12 Si基板 学生実験「物理システム工学実験ⅢⅣ」のテーマになっています