BGOを用いた 液体キセノン検出器の較正 ICEPP 森研究室M1千葉哲平.

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BGOを用いた 液体キセノン検出器の較正 ICEPP 森研究室M1千葉哲平

はじめに 崩壊角を限定するための NaIカロリメータ MEG実験ではμ→eγ崩壊を探求している μ+→e+γ : 52.8MeVのγ線 μ+→e+γ : 52.8MeVのγ線 γ線の検出 : 液体キセノン検出器 較正 LED、Cosmic ray、α線、コッククロフト・ ウォルトン型加速器の陽子ビームを使う方法など そのひとつにπ0を使ったものがある。 π0崩壊のうちBack to backのイベントを利用 キセノン検出器の反対側にNaIのカロリメータ より効率的な較正のためにBGOに替える計画 1.キセノン検出器について 2.π0キャリブレーション 3.NaI検出器について 4.BGOについて 5.セットアップ 6.動作テスト 液体水素ターゲット

液体キセノン検出器 μ→eγ崩壊の際生じる52.8MeVのγ線を捕らえる 容量900Lの世界最大の   液体キセノン検出器 846個のPMT 時間、位置、エネルギー   を同時に計測

液体キセノン検出器

液体キセノンの性質 NaI並の光量 発光、減衰が早い 再吸収が無い 液体である温度領域が狭い 純化が必要 Energy per scintillation photon (52.8MeV γ線) 23.7eV Decay time 45 nsec Density 3.0 g/cm3 Mollier radius 4.1cm Radiation length 27.7 mm Melting point 161K Boiling point 165K

π0 calibration ~60% 54.9~82.9MeV (155~180°に対応) ~40% 129.4MeV 54.9~82.9MeV (155~180°に対応) 85 80 75 70 65 60 55 ←82.9MeV Energy n γ π0 stop π- LH2 target θ ミューオンターゲットと  切り替え可能 ←54.9MeV →単色光 155 160 165 170 175 180 angle 角度を選別することで 52.8MeVに近いエネルギーを持つγ線が得られる            ↓     その領域での分解能を求めることができる ~40% 129.4MeV

NaI Setup 駆動装置 APDで検出 Nai detecter 問題点 密度が小さいためγ線を止める力が弱く、 Nai detecter 問題点 密度が小さいためγ線を止める力が弱く、  漏れたエネルギーのせいでresolutionが悪くなる NaIには潮解性があるのでケースが必要(ステンレス0.3mm)

代替候補のBGO 特長 密度が高いため、γ線を止める能力に優れる 潮解性がない →キャリブレーションの効率を上げる効果が期待できる(現在1~2weeks) Radiation length (cm) Mollier radius (cm) dE/dx (MeV/cm) Density (gcm-3) decay time (ns) d(LY)/dT (%/℃) NaI 2.59 4.13 4.8 3.667 230 -0.2 BGO 1.12 2.23 9 7.13 300 -0.9 問題点 光量に温度依存性がある NaIに比べすこし高価 NaIとの大きさの違い

BGO検出器のセットアップ BGOの温度依存性とPMTの磁場依存性 をLEDを用いて較正する LEDはテフロンを巻いて光を弱めた 温度計(Pt100) : 0℃100Ωの白金抵抗              +0.39Ω/℃

BGO検出器のセットアップ 温度計 LED PMT 結晶には反射材が巻かれている一端にPMTと温度計、テスト用LEDを取り付け全体を覆うように遮光する。 4×4に積んで完成

動作テスト 宇宙線の検出による動作確認 縦に4つ並べ全ての結晶を通過したときトリガーをかけた 1 1 2 2 3 3 4 4 波形を積分しただけなので符号は反対

π0を使ったテスト 2時間でとったデータ 結晶ごとの波高ヒストグラム 縦軸Logスケール BGO側のGainは調整していない 中央の4つのチャージの和 でトリガー

First shot 54.9MeV、82.9MeVの位置に 2つのピークができると予想された この2箇所にイベントが 集まると予想された 縦軸:Xe側エネルギー 横軸:BGO側波高の和 BGO側波高の和のヒストグラム 縦軸Logスケール

NaIでの撒布図

First shot Xe側エネルギーの分布 55MeV 83MeV 3つのピークが見えている 129MeV

まとめ BGOがNaIの代わりになりうるか調査するために検出器を試作し動作テストをした 結論 BGOを使った検出器が動作することを確認した 今後gainを合わせた詳細な解析をする予定 Schedule 駆動装置への組み込み ゲイン合わせ(磁場、温度依存性など) トリガーの調整 これらをビームタイムが始まる前(4/11)に行う 今年のランで使えるようにしたい