クラウドコンピューティング/IoT/3Dプリンター 世界のモノづくりの大きな流れ 低生産コスト 1980年代頃 消費者ニーズの多様化 マス・カスタマイズ (超多品種極少量生産) CIM・FMS (ITを活用) 多品種少量生産 クラウドコンピューティング/IoT/3Dプリンター 多様性(大) 多品種 多様性(小) 少品種 大量生産体制確立・強化 分業体制 生産拠点のグローバル化 蒸気機関 機械化 (FA) 18世紀以前 小規模生産者乱立 高生産コスト
IoT=M2MとM2P 第8回 IoT(Internet of Thing) 昔のM2M(Machine to Machine:機器と機器の通信 昔は有線接続(通信)が主流であったので、倉庫内や店舗内など狭い 範囲に限られていた。昔の事例として、1980年代の FA (Factory Automation)を挙げることができる。製造活動の自働化や製造状況の オンライン上での把握を通して、効率や品質を向上した。 ※現在は人が判断しなくても機器が動作できるようになっている 【インターネットや Wi-Fi の普及+技術進歩】 ・離れた場所にある機器同士の通信が可能に(範囲拡大) + ・機器と 人間 の通信「M2P」(Machine to Person)が普及
IoTのプロセス 自然や社会環境(事象) ※感知した機器が対応する場合もあるが、別の機器が対応する場合もある。 対 通信 指 指示 応 機器(センサー) (感知、データ作成) 機器 (対応) 指 示 通信 指示 インターネット(クラウド含む) (データ収集・保管・分析・処理) 報告 人間(意思決定) ※クラウド上で人間への報告あるいは対応の指示などが自動で判断される。
IoTの用途例 種類 用途(説明) 利点(備考) セキュリティ 防犯や災害監視 安全、常駐不要 リモートモニタリング 機械や設備などの遠隔操作 移動不要 センシング センサー連携によるデータ取得 作業不要 トラッキング( 追跡 ) モノの位置や状態の把握 リアルタイム 決済 ネット上の決済やPOS情報把握 手間削減 スマートメーター 利用量測定と送信 ウエアラブルデバイス メガネや時計など常時装着機器 活動のサポート テレマティクス(Telecommunication + Informatics) 自動車などの移動体に通信機能を追加 リアルタイム情報
分野別IoTの適用状況 『すべてがわかるIoT大全2016』日経BP社、p.117 分野・業種 適用状況 インフラ保守 河川や橋梁、道路の センシング など、防災や保守費用削減の要求に応える手段として有効であり、適用が進められている。 工場・機器管理 生産ラインの可視化、製造工程の効率化、不良品の検出、機械の稼動状況の把握、劣化や消耗費の交換などは比較的 数値化 しやすい。改善をクラウド上で行う。 物流 トレーサビリティ、現物・現地確認など応用範囲は広い。 安価 で小型でエコなセンサーが望まれる。 介護・見守り 草の根、個人レベルの試みも可能になっている。 オフィス 無線LANなどの環境の安定供給が可能。業務効率化から個人の作業効率の測定まで様々な試みが始まっている。 店舗・販促・施設 来店促進、ポイント連携、 クーポン 発行などが行われている。画像認識系で来場者の流れ、人数、構成がわかるようになった。 農業 環境要因が大きく、電源確保や通信環境の整備などの課題は多いが、屋内外で様々な実験が行われている。
IoTを構成する技術 技術/サービス 概要 デバイス スマートデバイス スマホやタブレットなどの 多機能端末 極小極薄センサー 画像や音声情報などの小型センサー 近距離通信 ワイヤレス・センサー・ネットワーク 低消費 電力 で多数の機器と接続できるネットワーク 近距離無線通信 近距離での小型の省電力無線通信技術(Bluetooth) 無線通信 モノ用のSIM 携帯電話用のSIMではなく、モノの通信用 ユビキタスモジュール 3GやLTE通信モジュール 処理システム クラウドサービス 情報処理・保管および受発信をネット上で行う 機械学習 人間のようにデータから知見や予測を導き出す 『すべてがわかるIoT大全2016』日経BP社、pp.9-11
IoTプラットフォーム(IoTのデータを収集、管理、活用するためのクラウド) アプリケーション・サービス 連携 ユーザー(IoT利用者)への閲覧環境の提供、閾値(しきいち)に応じたプッ シュ通知、業務システムや外部サービスと連携する機能などがある。複数の データソースの連携も重要。(オープンデータ化が課題) デバイス管理 機器の個体管理、構成管理、ソフトウエアアップデート、デバイスモニタリング など。機器とクラウドの接続情報の提供も有用である。導入のしやすさやセ キュリティも関係する(機器の 長寿命化 と省力化)。 データ管理 センサーデーターなど 非定型的 な構造を持つ大規模データを収集、格納、 管理、配信、可視化、分析する仕組み。データの収集や配信、大規模データ ベースなどシステムの運用に関わる。分析処理は 外部 サービスと連携進む。 (セキュリティ強化、プライバシー保護が課題)。 ユーザー(IoT利用者)管理 データそのものや加工した情報を必要なユーザーに 安全 に開示する。 『すべてがわかるIoT大全2016』日経BP社、pp.117-125
建設現場でのドローンによる作業効率向上事例(コマツレンタル) ドローン(コンピュータ制御によって自律飛行が可能な無人飛行機) ニーズ ・建設現場での 測量作業 は手間がかかる(=コストと時間) ・危険な場所での作業 【CPUの性能向上、ドローンの低価格化】 空から測量して建設自動化へ 1.ドローンにGPA(全地球測位システム)とカメラを搭載 2.ドローンが自動測量(飛行)し、データを クラウド に送信 3.クラウドあるいはサーバー上で 3次元 データ作成(1時間以内:誤差1cm以内) 4.利用者が 施工条件 (工期あるいはコスト優先など)を入力 5.クラウドあるいはサーバー上で施工計画を自動的に作成 6. ICT建機 (自動制御できるブルドーザーなど)が整地や掘削などを自動で行う ※コマツレンタルによると大幅な時間短縮とコスト削減(20%程度)が可能 『すべてがわかるIoT大全2016』日経BP社、pp.163-165