ネットワーク技術II 第9.1課 TCP/IPプロトコルスイート http://www.info.kindai.ac.jp/NetEngII 38号館4階N-411 内線5459 takasi-i@info.kindai.ac.jp
OSIモデル 階層化されていて理解しやすい ISO基準 ネットワーク学習用 ネットワークのフレームワークを定義
階層化のメリット 複雑になりがちなネットワークプロトコルを単純化 各階層を独立なものとして扱える 各層のプロトコルの実装が容易になる
復習 : OSIモデル
復習 : OSIモデル
復習 : OSIモデル
復習 : OSIモデル
復習 : OSIモデル
復習 : OSIモデル
復習 : OSIモデル
CCNAで扱うテーマ アプリケーション プレゼンテーション ほとんど扱わない セッション トランスポート TCP ネットワーク IP TELNET,FTP,HTTP,SMTP DNS,SNMP プレゼンテーション ほとんど扱わない セッション トランスポート TCP ネットワーク IP データリンク イーサネット 物理
TCP/IPモデル OSIモデルと同じく階層化(4階層)されていて理解し易い 多くのプロトコルがTCP/IPモデルを元に設計されている 米国国防省が作成 1981年9月に標準化 OSIモデルの階層と同じ名称が使われているので注意
TCP/IPの2つの意味 TCPとIPのプロトコル TCP/IPプロトコル群 TCP/IPプロトコル群 HTTP,SMTP,FTP アプリケーションプロトコル HTTP,SMTP,FTP 経路制御プロトコル トランスポートプロトコル RIP,OSPF,BGP TCP,UDP インターネットプロトコル IP,ICMP,ARP
アプリケーション層
ファイル転送プロトコル FTP(File Transfer Protocol) コネクション型(TCP使用) 信頼性が高い バイナリファイルとASCIIファイルの双方向の転送をサポート TFTP(Trivial File Transfer Protocol) コネクションレス型(UDP使用) 処理が高速 ルータのコンフィグレーションファイルやCisco IOSイメージの転送などに使用
ファイル転送プロトコル NFS(Network File System) 分散ファイルシステムのプロトコル群 ネットワーク経由でのリモート ファイル アクセスが可能に Sun Microsystemsが開発 クライアント (ローカルホスト) ネットワークファイルサーバ (リモートホスト)
メール転送プロトコル SMTP(Simple Mail Transfer Protocol) コネクション型(TCP使用) テキスト形式のデータの転送をサポート 送信側 クライアント 送信側 メールサーバ 受信側 メールサーバ 受信側 クライアント
リモートログイン telnet(端末エミュレーション) rlogin(端末エミュレーション) 離れた場所にあるホストにログイン可能に 多くのUNIXインプリメンテーションに付属 クライアント (ローカルホスト) Telnetサーバ (リモートホスト) ログイン
ネットワーク管理 SNMP(Simple Network Management Protocol) ネットワークデバイスの管理と制御を行う コネクションレス型(UDP使用)
info.kindai.ac.jpのIPアドレスは? 名前管理 DNS(Domain Name System) ネットワークノード名をIPアドレスに変換 TCP,UDPの両方を使用 info.kindai.ac.jpのIPアドレスは? 163.51.48.11です DNSサーバ
トランスポート層
トランスポート層の役割 送信元ホストと宛先ホストの間に論理的な接続を確立する エンドツーエンドの制御 信頼性の確保
TCP(Transmission Control Protocol) 伝送制御プロトコル コネクション型 信頼性が高い 発信するメッセージをセグメントに分割する 宛先のステーションでメッセージを再構成する 受信されなかったものをすべて再送する 到着セグメントのメッセージを再構成する
TCPの機能 エンドツーエンド操作の確立 スライディング ウィンドウを利用したフロー制御 シーケンス番号と確認応答を利用した信頼性の確保 10番のデータを送信しました 10番を受信しました 11番を送ってください
UDP(User Datagram Protocol) ユーザデータグラムプロトコル コネクションレス型 信頼性が低い メッセージ(ユーザ・データグラム)を転送する メッセージの配送でソフトウェアによるチェックを行わない(信頼性が低い) 到着メッセージを再構成しない 確認応答を行わない フロー制御を行わない
インターネット層
インターネット層の役割 パケットがネットワークを通過するときの最適パスを選択する ホストBへは このルートが 最適 ホストA ホストB
IP(Internet Protocol) インターネットプロトコル コネクションレス型, ベストエフォート(最善の努力はするが保障はしない)型の配送メカニズムでパケットのルーティングを行う ホストBへは 右上へ転送するのが速い ホストA ホストB
ICMP (Internet Control Message Protocol) インターネット制御メッセージプロトコル エラーを報告する IPパケット処理に関連する情報を提供する Destination unreachable ある特定のデバイスに接続できない Time exceeded デバイスに時間内に到達できなかった Echo / Echo reply エコー要求/応答
エコー要求/応答 192.168.5.12さん返事してください はい
Destination unreachable 192.168.5.12さん返事してください そこへは到達できません ネットワークが ダウン
アドレス解決プロトコル ARP(Address Resolution Protocol ) IPアドレス(レイヤ3)→MACアドレス(レイヤ2) 他のデバイスのMACアドレスを得る RARP(Reverse Address Resolution Protocol ) MACアドレス→IPアドレス ディスクレスコンピュータが同じLANの他のコンピュータから自分のIPアドレスを得る
ARP要求 例 : IPアドレス192.168.1.2へ送りたいが MACアドレスが分からない 192.168.1.2の人 11-22-33-44-55-66です
RARP要求 例 : 通信したいのでIPアドレスを割り振って欲しい IPアドレスをください 192.168.1.9です
ネットワークアクセス層
ネットワークアクセス層の役割 IPパケットがネットワーク メディアとの物理的なリンクを確立する LANテクノロジおよびWANテクノロジの仕様 物理層,データリンク層に含まれる全ての仕様
TCPとIP IP TCP レイヤ3プロトコル コネクションレス型 ネットワークを通じてベストエフォート(最善の努力はするが保障はしない)型の配送を行う TCP レイヤ4プロトコル コネクション型 フロー制御を行い、信頼性がある
この2つを組み合わせることで信頼性のある通信が可能
TCP/IPモデルとOSIモデル TCP/IPモデル OSIモデル
TCP/IPモデルとOSIモデル TCP/IP OSI 階層数 4階層 7階層 位置付け デファクトスタンダード 世界標準 各層の 対応 アプリケーション プレゼンテーション セッション ネットワークアクセス データリンク 物理 トランスポート層 UDPはパケット配送の 信頼性を保障しない 常にパケット配送の 信頼性を保障する 使用目的 インターネットはTCP/IPプロトコルの規格に基づいて発展 学習用
プロトコルツリー OSI TCP/IP レイヤ 5~7 アプリ ケーション トランスポート レイヤ4 レイヤ3 インターネット ネット ワーク アクセス レイヤ1,2
ネットワーク内のデータフロー フレーム転送はレイヤ1,2,3で行われる
ネットワーク内のデータフロー PC A →PCB 4~ data data from IP A to IP B IP A IP B IP A レイヤ 4~ data data from IP A to IP B IP A IP B IP A IP B IP A IP B 3 from MAC A to MAC R1 MAC A MAC R1 MAC R1 MAC R2 MAC R1 MAC R2 MAC R2 MAC B MAC R2 MAC B 2 1 PC A R1 R2 PC B
ホストX宛のパケットはポート1へホストY宛のパケットはポート2へ 2つのネットワークを接続 ルータ ホストY ホストX ポート1 ポート2 ネットワーク1 ネットワーク2 ホストX宛のパケットはポート1へホストY宛のパケットはポート2へ
ローカル/リモートネットワークを接続 X宛のパケットはポート1へ Y宛のパケットはポート2へ Z宛のパケットはポート2からルータ2へ ルータ1 ルータ2 ポート2 ネットワーク2 ポート1 ネットワーク1 ネットワーク3 ホストY ホストX ホストZ
ユーザが見るTCP/IPクラウド ホストX ホストW TCP/IP インターネットワーク よくわからないけど インターネットに 送ればホストZに届く ホストY ホストZ
ユーザには見えない物理的な詳細 ホストX ホストW 実際のネットワークは 非常に複雑な形状 ホストY ホストZ
TCP/IPの役割 ホストX ホストW ユーザがネットワークの形状を 意識しなくても通信できる ホストY ホストZ