NO, 9 環境負荷低減・資源高効率利用技術の 開発プロジェクト フェノールを用いた廃棄木材からの液化生成物の特性に関する研究 A practical project for reducing environmental impact and development technology of high efficiency utilization of resources 埼玉大学大学院 理工学研究科 環境システム工学系専攻 環境制御システムコース 循環制御研究室 プロジェクト履修学生:陳啓宇, 仲村慎一, キョウ秀民, 胡舜尭, 柏木信明, 呉迪, 孫楊 プロジェクト担当教員:王青躍 関連学外組織:金子農機(株),SCS(株),上海大学,環境保護局,環境科学研究院他 フェノールを用いた廃棄木材からの液化生成物の特性に関する研究 Characterization of liquefied product from waste wood with phenol 一連の触媒選択実験を通じて、95% 濃硫酸を使用した残留物の最小値は9.71% に達した。同じ実験条件下、他の触媒より、硫酸を使用した場合の方が良い効果である。直交実験計画を通じて、結果から、設定した4つ因子及び3水準の範囲内に直交実験計画を用いることで最適な木材液化条件を求められた。 ☆ In this study, When using concentrated sulfuric acid, the minimum value reached 9.71 percent of the residue. At the same experimental conditions, the effect when using sulfuric acid is better than the other catalysts, Through orthogonal experimental design, its can summarized that the best wood liquefaction condition which in a range of four factors and three levels were obtained to thought using orthogonal test. ☆ 研究背景 合成 石油資源 → 高分子材料 加工 森林資源 → 生活木材 90年代の日本ては木材液化関連の研究が開始。木材液化製品、フェノール樹脂は非常に良好な生分解の特徴がある。中国廃木材のフェノールによる液化、及び液化メカニズムに関する基礎研究はまだ実施されていない。廃棄木材をリサイクル・再利用することは重要な資源・環境保護の方策の一つである。 ☆ 液化技術 環境問題 二酸化炭素の排出、高分子材料の分解は困難 環境問題 木材が腐敗して悪臭や公衆衛生問題の発生 解決の方法 研究目的 主として化学的な面から基礎研究ならびに応用研究に取り組んでおり、地球環境と人間生活の持続性向上を目指した研究開発を進めている。これに基づく液化条件が分子量分布に与える影響、さらに、分子量分布など液化物特性が樹脂性能に与える影響があると考えられる。そのため、現在の研究は基礎成分の測定、液化研究実験を通して液化物特性がフェノール樹脂の性能に与える影響に関して研究を行った。☆ 触媒選択実験 木材基礎成分 実験結果 基礎成分測定(JIS-M8812) 灰分 揮発分 水分 固定炭素 0.6 79.1 7.7 12.6 元素分析(JIS-M8813) 水素 炭素 窒素 酸素 6.1 48.9 0.4 44.6 実験方法 恒温150 ℃ 液化物 残留物 1 2 3 主なメカニズム Fig.2. Result of different concentration of acid as the catalyst in the liquefaction experiments. Fig.1. Liquefaction experiment flow chart 実験結論 評価方法 セルロースの場合 95%濃硫酸を使用した残留物の最小値は9.71%に達した。同じ実験条件で他の触媒より、硫酸が触媒として良い効果である。 ☆ Liquefaction Rate (wt%) =〔Wi/Wo〕×100% Wi: 残留物の質量(g) Wo: 木材の質量(g) リグニンの場合 Table.3. The analysis value of L9(3) 4 orthogonal test 直交液化実験計画 実験分析 A温度 B時間 C比率 D触媒 K1 K1A *1 K1B K1C K1D K2 K2A K2B K2C K2D K3 K3A K3B K3C K3D R RA *2 RB RC RD 実験方法 *1 Kin =∑the amount of target yield at ni (n=因子A,B,C,D) *2 RA=max﹛KiA﹜- min﹛KiA﹜(i=水準 1,2,3) Table.1. Experiment factor levels of Sulfuric acid 因子 水準1 水準2 水準3 A 温度℃ 140 150 160 B 時間hr 1.5 2.0 2.5 C 液固比 1:3.0 1:3.5 1:4.0 D 触媒wt% 6 8 10 RA 9.14>RB 8.97>RC 8.45>RD 7.24 実験結果 Table.4. The result of L9(3) 4 orthogonal test 時間の影響が最も大きい 影響因子 残留物 wt% No. 温度 時間 比率 触媒 硫酸 1 140℃ 1.5h 1:3.0 6% 17.49 2 2.0h 1:3.5 8% 10.83 3 2.5h 1:4.0 10% 10.27 4 150℃ 14.28 5 11.20 6 11.83 7 160℃ 9.27 8 9.87 9 10.48 K1 38.59 41.04 39.19 39.17 K2 37.31 31.90 35.59 31.93 K3 29.62 32.58 30.74 34.42 R 8.97 9.14 8.45 7.24 10 7.71 温度160℃ ,時間2h,比率1:4.0,触媒8% Table.2. The scheme of L9(3) 4 orthogonal test 影響因子 No. A温度 B時間 C比率 D触媒 1 A1 B1 C1 D1 2 B2 C2 D2 3 B3 C3 D3 4 A2 5 6 7 A3 8 9 残留物の質量は7.71%に示した 実験結論 直交実験計画を通じて、結果から、設定した4つ因子及び3水準の範囲内に直交実験計画を用いることで最適な木材液化条件を求められた。 ☆ References L.Z. Lin et al., 2001a,b, Liquefaction mechanism of [beta]-O-4 lignin model compound in the presence of phenol under acidcatalysis. Part 1. Identification of the reaction products, Holzforschung, 55, 617–624. Part 2. reaction behaviour and pathway, 625–630. L.Z. Lin et al., 2004, Liquefaction mechanism of cellulose in the presence of phenol under acid catalysis, Carbohydrate Polymers, 57, 123–129. 今後の予定- 液化物特性研究実験 測定方法 これに基づく液化条件が分子量分布に与える影響、さらに、分子量分布など液化物特性が樹脂性能に与える影響があると考えられる。そのため、ゲル浸透クロマトグラフィーGPC (Gel Permeation Chromatography)を用いてサンプルを測定すると考えている。 ☆ 液化反応中に10分、30分、60分、90分、120分、150分、180分のところに液化物を抽出し、サンプルガラス瓶に入れ,冷所に保存する。 ☆ 実験方法 反応物比率 1:4 (木粉:フェノール) 反応時間 10min—180min 反応温度 120 ℃-180 ℃ 触媒剤 95% 硫酸 Fig.3. GPC experiment flow chart(住化分析センター)