大質量星の進化、元素合成 梅田秀之 (東京大学天文) 2009.3.16  沼津高専ワークショップ.

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大質量星の進化、元素合成 梅田秀之 (東京大学天文) 2009.3.16  沼津高専ワークショップ

研究紹介 (研究対象) 星の進化 元素合成 中性子星 (原子核物理) 銀河進化や宇宙論への応用 研究紹介 (研究対象) 星の進化  銀河進化や宇宙論への応用 超新星(中性子星、ブラックホール)、GRBの親星 元素合成 (ダスト形成) 元素合成 元素の起源、銀河の化学進化、ダスト形成、隕石 重力崩壊型超新星、GRB(大質量星) 原子核物理、爆発機構、ニュートリノ、磁気流体 Ia型超新星: 中小質量星、連星進化、爆発機構 中性子星 (原子核物理)

今日の話 1.超新星による元素合成と観測による検証 2.PopIII 超巨大星 (10分) >続、天文学会 3.自転星の進化計算コードの開発 (10分)

星の進化と元素合成 10 M 以上 1 M = 1 太陽質量 = 2 x 1033 g 8 M 以上 0.5 M 以上 0.1 M 重力崩壊型 超新星爆発 Si~Zn Fe族元素 の起源 惑星状星雲 C, N等の起源 AGB星 褐色矮星 0.1 M 以下 中性子星 ブラックホール 白色矮星

重力崩壊型超新星の元素合成計算 例、Umeda & Nomoto 05 25M8 after explosion 20foe 中心へ落ちる 外に放出される 衝撃波通過(各ポイントで元素合成) mass-cut

観測との比較 Znまでの元素: 超金属欠乏星の組成との比較 (e.g., Umeda & Nomoto 2002, 2003, 2005 Tominaga, Umeda, Nomoto 2007 銀河の化学進化 (+Ia型超新星) Kobayashi, Umeda et al. 2006

HMP & EMP 星 (長寿命) ◎超金属欠乏星 星の進化 どのような超新星であったか? ← 組成を観測 ◎超金属欠乏星   星の進化 どのような超新星であったか? ← 組成を観測 HMP & EMP 星 (長寿命) [Fe/H] < -3 stars

金属欠乏星(Metal-Poor Stars)の分類 (Beers & Christlieb 2005) Mega Metal-Poor (MMP): Hyper Metal-Poor (HMP): Ultra Metal-Poor (UMP): Extremely Metal-Poor (EMP) : Very Metal-Poor (VMP): Metal-Poor (MP) : Solar: Super Metal-Rich (SMR): [Fe/H] < -6 [Fe/H] < -5 [Fe/H] < -4 [Fe/H] < -3 [Fe/H] < -2 [Fe/H] < -1 [Fe/H] ~ 0 [Fe/H] > +0.5

超金属欠乏星 [Fe/H] < -3 組成トレンドの説明 Fe/H of EMP stars ~ (M(Fe) / M(H)) (M(Fe) / E) 鉄族元素 際立った特徴: [Zn/Fe], [Co/Fe] 大 [Mn/Fe], [Cr/Fe] 小 -4 -3 -2 [Fe/H] Umeda & Nomoto (2002; 2004) [X/Fe]=log(X/Fe) ーlog(X/Fe)

EMP Stars f=0.1 極超新星(Hypernova) 1051 erg -4.2<[Fe/H]<-3.5 f=0.1 極超新星(Hypernova) For EMP stars, we try to reproduce the abundance pattern with the mixing-fallback model. In this model, we use the ejection factor f of 0.1. Since the iron mass is decreased, these elements agree with the observation. Additionally, if we apply a normal SN model, the ratios between heavy elements do not agree with the observation. Model: M=25M☉, 2×1052erg Umeda & Nomoto 2005; Tominaga, Umeda, Nomoto 2007

Larger explosion energy ⇒ Higher entropy (T3/) ⇒ more  ⇒ more 64Ge Low energy Energetic Low energy Energetic Larger explosion energy ⇒ Higher entropy (T3/) ⇒ more   ⇒ more 64Ge ⇒ more 64Zn

HMP Stars f~10-5 HE0107-5240 Cristlieb et al. 2002 HE1327-2326 Frebel, Aoki, et al. 2005 For HMP stars, [Fe/H] is smaller than -5. And [C/Fe] is about +4. The [C/Fe] of HMP stars are much larger than that of C-rich EMP stars. Therefore the f should be even smaller than for C-rich EMP stars. These stars can be reproduced by the f equals 10 to the -5. The difference between these two stars can be understood by the difference of the mixing region. Model: M=25M☉, 3×1050erg Iwamoto, Umeda et al. 2005

. Dependence: Ejet . . . . . Ejet↓: Fallback↑ M(Fe)↓ [X/Fe]↑ Ejet,51=Ejet/1051erg/s . . Ejet,51=15 Ejet,51=0.3 He O/C O/Mg In this study, we investigate the dependence on E dot jet. The left figure shows the large E dot jet case, and the right figure shows the small E dot jet case. As we decrease E dot jet, the fallback region increases and the iron mass decreases. Then the ratios of elements to iron [X/Fe] increase. Si Fallback Fallback Fe

Abundance ratio: [C/Fe] (2D model) HMP C-rich EMP EMP UMP HMP stars CEMP stars EMP stars ◎ [C/Fe] UMP

Weak r-process? Sr, Y, Zr がr-processでは説明できない星がある (例、Honda et al. 06) Moがweak r-process starにかなり出ている これはどうやって実現できるのか? p-richや密度を変える(2次元)にすることにより Moもできるかもしれない。 (例、Honda et al. 06)

これまでの超新星爆発モデル(e.g. Umeda & Nomoto 2005 Znまでの観測値は 再現できているが Sr,Y,Zrは観測値に Sr,Y,Zrは観測値に 全く届いていない

これまでの計算手法 例、Umeda & Nomoto 05 25M8 after explosion 20foe 中心へ落ちる 外に放出される 衝撃波通過(各ポイントで元素合成) mass-cut

2Dシミュレーション(Janka et al. 03) 中心付近のYeの 多様性 (Ye : 単位核子あたりの電子数) Yeの低い(<0.5)物質も 「少量」放出される (1次元では出ない) この物質が weak r-process element では

今回の計算 Izutani, Umeda, Tominaga, ApJ 2009 元々のYe ほぼ0.5 Ye = 0.40-0.50(Ye:単位核子あたりの電子数) mass-cutより内側のYeを0.40-0.50に設定して元素合成計算 mass-cutより内側からの 質量放出(ΔM)を仮定 ΔM 質量 爆発エネルギー モデル名  13        1.5 1301 25 1 2501 20 2520

核反応ネットワーク networkに 含めた 原子核 280種から Pd121までの 809種に拡張 Pd121 Sr,Y,Zr

Results 13M8 E=1.5foe 25M8 E=20foe Sr logX Sr Y Zr Y Zr Ye Ye 25M8 1foe = erg logX Sr X : mass fraction Y Zr  Ye

結果 model-2501 Ye = 0.45-0.50(平均) ΔM = 4E-3 - 2E-2M8 で計算したもの ΔM=4E-3 爆発エネルギーを 大きくすると Sr,Y,Zrが 生成された model-2520 Ye = 0.45-0.50(平均) ΔM = 2E-3 - 7E-3M8    で計算したもの ΔM=2E-3 ΔM=7E-3

結果 この星の場合 Ye=0.45-0.50 ΔM=6E-4M8 で 元々のCからZnまでの観測値の 再現に加え 観測値と比較 この星の場合 Ye=0.45-0.50 ΔM=6E-4M8 で 元々のCからZnまでの観測値の 再現に加え Sr,Y,Zrの観測値も再現できた CS22897-008 5.93E-4 BS16477-003 2.70E-4 CS22873-166 1.08E-3 CS29518-051 1.35E-3

Honda et al. 2007の Weak-r star Mo,Ru,Rhの 観測値([X/Fe]~0)を 再現できてない これらの元素がどの Weak-r star にもある のかどうかまだ不明 Mo, Ru, Rh ratioの観測値 HD122563 [Mo/Fe]= -0.02 [Ru/Fe]=0.07 [Rh/Fe]<0.45 HD88609 [Mo/Fe]=0.15 [Ru/Fe]=0.37 [Rh/Fe]<0.70 (Honda et al. 2007)

Mo,Ru,Rhを作れるか:higher E models model-2520でSr,Y,Zrができた →さらに爆発エネルギーを大きくすれば Mo, Ru, Rhもできるかもしれない model-2520 Ye=0.45 model-2540 Ye=0.45 [X/Fe] Z model-2550 Ye=0.45 model-2530 Ye=0.45

Hot bubble & Neutrino driven wind low density (hot bubble) shock wave E∝4π/3R3aT4 s∝T3/ρ     → s∝E3/4/ρ neutrino driven wind proto neutron star (Pruet et al. 05 same simulation with Janka 03’s ) これまでは衝撃波通過によるエントロピーを 考えていたが、ニュートリノと物質の相互作用により、よりhigh entropyになる可能性もある。 →このhigh entropyな状況で合成される物質が   Mo, Ru, Rhかもしれない

結果(low density models, mass-cutより内側) model-2520 Ye=0.45 ρ=1/3 model-2520 Ye=0.45 ρ=1/7 model-2520 Ye=0.45 ρ=1/10 model-2520 Ye=0.45 ρ=1/5 Rho1/10 130-150 Rho1/7 80-100 Rho1/5 60-80 Rho 1/3 30-50

Entropy: s∝E3/4/ρ entropy が大きいほうが重元素合成が進む 今回のモデル s/kb entropy per baryon Supernova shock s/kb ~ 3 Hypernova shock s/kb ~ 15 Higher E models s/kb ~ 30 (足りない Low density models s/kb ~ 150 c. f. r-process s/kb ~ 400 Hot bubble s/kb ~ 20 − 30 and Ye ≲0.52 (2D simulation) Proton-rich outflow (e.g. Qian and Woosley 1996) s/kb ~ < 80 and Ye ≲0.57 --- νp process (Pruet et al 2006 Mo92できなかった?)

Low density models (total yield) model-2520 Ye=0.45 ρ=1/7 ΔM=6.8E-04 model-2520 Ye=0.45-0.50 ΔM=1.2E-02 model-2520 Ye=0.45 ρ=1/10 ΔM=6.8E-04

まとめ s/kb ~ 15-20 + low Ye ~0.45 Mo, Ru, Rhの観測が必要である。 (Hypernova Shock or SN hot bubble) Sr,Y, Zr までできる Eexp大→Mo, Ru, Rhできない Higher entropy (Low Ye, ρ低)→Mo, Ru, Rhできる νpプロセス: High entropy+High Ye (Mo できない?)  Mo, Ru, Rhの観測が必要である。  (Sr, Y, Zrのみ多く、Mo, Ru, Rhの少ない  EMPstarは存在するのか?)

考察:weak r-process starの[Sr/Fe] vs[Zn/Fe] Hypernova では Sr/Feの値が ばらついている? normal SNでもSrができている (Hot bubble?) 1 [Sr/Fe] -1 0.5 1 我々の説に従うと     Eexp 小 [Zn/Fe] Eexp 大

今後 Znより重い元素 も含めて統一的に観測と 比較する (観測点も増えつつある  比較する (観測点も増えつつある (with 吉田、岩本: weak-r, r-, p-, νp-processes Realistic な爆発モデルがより重要となる Hot bubble, ニュートリノ駆動風モデル (Sumiyoshi, Yamada, Suzuki group との連携 多次元効果 多次元磁気流体シミュレーション 親星の自転効果 (コードの開発 with 吉田、岩本)

Ye=0.58 --- Ye in the Si burning region N. Iwamoto et al. 2005, 2007 Ye=0.58 --- Ye in the Si burning region E51=1 Zn/Ni > 1 is not bad Co not produced Sc under produced K is produced -- good Good for K, Sc, Ti production V produced E51=20 この計算はνp プロセスなし 現在νp 入りのコードは完成 しておりテスト中

νpプロセスは重要なのか、そうでもないのか? Proton-rich matter の放出は重要 K,Sc などのOdd-Z元素の不足を埋める 通常のHot bubble程度のentropyではZnより重い元素はあまりできない。 High entropy の場合はνp(high Ye), Low Yeともに weak r-元素 (Sr,Y,Zr) を作れる。 が、isotope ratio が異なる:将来の観測に期待 Mass Ratio Sr88 Sr87 Sr86 Sr84 Solar 1 0.08 0.09 0.006 νp(Ye=0.55) 15 76 960 Low Ye(>0.45) 7e-4 2e-5 8e-5 Preliminary

PopIII星とは何か? (with Ohkubo, Nomoto, 他) どの程度大質量? PopIII.1 と PopIII.2

初代天体の形成までシミュレーション 標準宇宙モデル: 暗黒エネルギー、暗黒物質入り M~106 Msun @z=20 600h-1kpc 標準宇宙モデル: 暗黒エネルギー、暗黒物質入り Yoshida, Abel, Hernquist & Sugiyama (2003) 600h-1kpc M~106 Msun @z=20 初代天体

3次元宇宙論的星形成シミュレーション (Yoshida et al. 2006, 2007, 2008) z ~ 20 で106MくらいのDM halo ビリアル温度1000Kくらいで不安定ガス雲が収縮 (化学反応を伴う) 中心部に0.01Mくらいの原始星コア 外から継続的に質量降着 中心温度上昇、主系列に達するころには100Mくらいに

進化の軌跡(質量一定) C.C C.C (Core-Collapse) (PISN) (Ohkubo et al. 2006)

爆発・元素合成との関連 Hypernova v.s. 銀河ハロー金属欠乏星 PISN v.s. 銀河ハロー金属欠乏星 (Umeda & Nomoto 2005; Tominaga, Umeda, Nomoto 2008 PISN v.s. 銀河ハロー金属欠乏星 (Umeda & Nomoto 02, 270M) PISNから得られる重元素比は銀河ハローの化学組成や、銀河団ガスの化学組成と全く一致しない・・・PISNはPop IIIとして寄与していないはず 通常の大質量星の超新星爆発のモデルでは、元素組成を説明可能

PISNを作らない2つの方法 重くする(M>300M 爆発せずブラックホールへ) 軽くする(M<140M 重力崩壊型超新星)

巨大質量星形成のシナリオ Metal-free stars were ・・・ Cloud(もともとMJが大きい) 金属のない状況下では放射圧が小さい 質量降着 原始星のコアが大きく成長できる Omukai & Palla 2003 Tan & McKee 2004 proto star core very-massive (over 100 or even 300M) ?

質量降着による質量増加 質量降着率 ~1-4 × 10‐3M /yr       × 1 × 106 yr ~ several × 100M  dM/dt > 4 × 10‐3M /yrだとL>Leddとなって降着が止まる その後の進化? PISN or Core Collapse CNOサイクルが回り出す Omukai & Palla 2003

進化計算 初期質量1.5Mから質量降着をさせて進化を追う  (主系列前から進化の最終段階—core collapse or PISN--まで)   質量降着率は4つ (1) dM/dt by cosmological simulation (Pop III.1, Yoshida et al. 2006) (2) dM/dt affected by feedback (McKee & Tan 2008) (3) dM/dt affected by Pop III.1 stars (Pop III.2, Yoshida et al. 2007) (4) Constant dM/dt (1×10-5 --- 1×10-4 M/yr   Omukai & Palla 2003より1-2桁小さいモデル) Non accreting modelsの計算結果と比較

PopIII.I と III.2 最初の星 Pop III.2 Pop III.1 UV放射 Feed back 効果 まわりのガス雲 最初の星  Pop III.1 Pop III.2 UV放射 まわりのガス雲 分裂: 数十Mの星郡 Feed back 効果 PopIII.1星からのUV放射の影響   HD分子の生成とそれによる雲の冷却 雲の分裂

Mass Accretion を伴う星の進化計算モデル (Accretion Rates dM/dt) 1 . Yoshida et al. (2006) Pop III.1 with No Feedback 2 . McKee &Tan (2008) with Feedback Mが1/2,1/3,1/10,1/20のモデルも計算 3 . dM/dt by Yoshida et al. (2007) Pop III.2

H-R図上の進化 H燃焼の開始 (main-sequence) He燃焼の開始 質量増加に伴って光度が大きく増加 進化につれて表面温度が低下

M(質量) v.s. R(半径) 1000 K-H収縮の開始 H燃焼の開始 (main-sequence) 100 Stellar Radius(R) He燃焼の開始 10 ※前主系列の進化は 先行研究の結果を 再現できている 1 100 1000 10 Stellar Mass (M) Model 1. (Pop III.1) ・・・進化の間質量が増える Model 2.(feedback), 3.(Pop III.2) ・・・H燃焼前または途中で質量増加ストップ

Results 1. 2.2×106 910(C-C) 1.’(1/10のdM/dt) 2.9×106 385(C-C) 2. 1.5Msunから増やす 寿命(yr) 最終質量(M ) 1 . Accretion Rate by Yoshida et al. (2006) Pop III.1 1. 2.2×106 910(C-C) 1.’(1/10のdM/dt) 2.9×106 385(C-C) 2 . Accretion Rate by McKee et al. (2008) Pop III with Feedback 2. 3.1×106 135(C-C)±??? 3 . Accretion Rate by Yoshida et al. (2006) Pop III.2 3. 5.5×106 40(C-C)

PopIII.I と III.2 M > 300M  どちらもPISNにならない(可能性) 最初の星 Pop III.2 最初の星  Pop III.1 Pop III.2 UV放射 まわりのガス雲 分裂: 数十Mの星郡 Feed back 効果 M > 300M       どちらもPISNにならない(可能性)

星の自転と進化 自転の効果 超新星爆発には、 1.重力ポテンシャル: 球 ⇒ 回転楕円体 2.自転効果による物質混合 1.重力ポテンシャル: 球 ⇒ 回転楕円体 2.自転効果による物質混合     (元素合成、組成の変化) 3.質量放出率の増加 その他、磁場の生成や角運動量輸送 超新星爆発には、 中心核の自転速度 中心部の磁場の強さ ブラックホールの周りに円盤ができるか(GRB親星) という問題や、回転磁気流体爆発機構(極超新星やGRB)の 解明に不可欠である。

星の進化計算 (1次元球対称) Full set of equations (加速項入り) L 通常Henyey法という方法で計算 非線形の境界値問題 解の推測値と真の解との差 δy に対する線形化した方程式を作り、解く これを繰り返しδy が十分小さくなるまでiteration

星の進化計算 (回転星も1次元的計算) r --> a(r, θ) : 等“ポテンシャル” L + 遠心力項 星の進化計算 (回転星も1次元的計算) + 遠心力項 L r --> a(r, θ) : 等“ポテンシャル” いくつかの物理量を等ポテンシャル面での平均値と置き換える。 化学組成は等ポテンシャル面で 一様である、と仮定。

自転効果の重要性? 星の進化理論、今昔、 対流オーバーシューティング の有無 青い星と赤い星の数の比(B/L比) 星進化理論は終わっていると思っている人が多いが、、 対流、質量放出率の不定性の問題は解決していない 対流オーバーシューティング の有無 OPALオパシティ(~1996)以前: 強めのオーバーシューティング 以降: それほどいらない 自転効果による物質混合 > オーバーシューティング的効果? 青い星と赤い星の数の比(B/L比) オーバーシューティングによる解決案(再び、 自転Mass Lossによる説明 星の進化理論の問題はほぼ全て自転効果で説明できる    (と思っている人もいる

大質量星:回転とB/R比 Maeder & Meynet, (2001) A&A 373, 555 回転星の核の進化はより重い星と似るため、He燃焼時にBlueでいる時間が減少する 金属が多いとMass Loss が多く角運動量を多く失う(低速回転) 青 赤 もっともらしい説明ではあるが、 どの程度正しいのか、他の解 はないのか、まだ不明 Z=0.004 観測値 0.5~0.8 (SMC)

大質量星のMass Loss 一般に恒星は表面から質量を放出している: 表面のガスが星の放射圧によって加速、脱出速度を超えると星から放出される(太陽風) 質量放出率(半観測値) エータ・カリーナのMass Loss の形状は回転Mass Lossで 説明できる(? (しかし最近エータ・カリーナは 連星であることが明らかになった。 エータ・カリーナ  M ~100M8

回転星の進化計算に予言能力は本当にあるのか? かなり奇抜な予言がいくつかある 超新星関係: 特に Yoonら 1)白色矮星の限界質量 1.4Msun  2-4 Msun (Super チャンドラセカール質量のIa型超新星 2)GRB親星のモデル (高速回転した金属の少ない大質量星がMass Lossせずに巨大なヘリウム星となったものがGRBに) 他には、 磁場の効果を“適切に”取り入れるとほぼ全ての大質量星が Mass Lossとともに角運度量を多く失い低速回転コアができる。 エータ・カリーナのMass Loss 形状 (本当は連星相互作用ではないのか?) ほぼ全ての現象が非回転モデル+連星相互作用で説明できる可能性もある 

SNe in Binary Systems: II-L, IIb, Ib/c (連星系の進化) Single M1~M2 ”Conservative” M1»M2 ”Non-Conservative” 1 2 1 2 Spiral-in RSG Rapid Rotator SN II-P Wolf Rayet (WN, WC) SN II-L SN IIb SN Ib/c He, C+O Star ? SN Ib/c Hypernovae?

しかし、今(この科研費の研究で)回転星コードを完成させておくことは極めて重要 世界に取り残される アメリカードイツグループ: Heger, Langer, Yoon, Woosley ヨーロッパ(スイス、フランス、イギリス)グループ Maeder, Meynet, Hirschi et al. (Si燃焼まで イタリア(スペイン)グループ: Limongi, Chieffi et al Fe core まで、開発を始めたところ 連星で合体した場合にも回転星の進化が重要。 将来Full 2D, 3D 星の進化計算を行うための第一ステップ

2D, 3Dの星の進化計算例 M. Mocak, E. Mueller, A. Weiss, K. Kifonidis arXiv:0811 1D的近似: 将来Full 2D, 3D 星の進化計算を行うための第一ステップ ヨーロッパでは幾つかの計画が進行中 我々も1D的計算がうまくいったら次は2D,3Dをめざしたい。

結果 25M8 20foe 25M8 Ye=0.45 E=1foe E=20foe 1foe 25M8 13M8 Moとかできるかも。 密度はあんまり関係ないでしょう。 もしYe=0.47~0.51のニュートリノ風によりweak-r patternが再現できているなら この研究がニュートリノ風より優っている点は何なわけ? 結局元素合成自体はr-processになっているのかもしれない。 だけど、起こっている箇所が違う。 ニュートリノ風でMoまで再現できているなら意味なくね? r-processかどうか確かめる方法はないのか? weak r elementのうち多くできた同位体を調べる。 25M8 13M8

第二世代星(metal-free)の形成 Yoshida et al. 2007 第一世代星(まわりの領域に比べ早くに星形成がはじまる)・・・Very Massive 第一世代星からのUV放射 H II 領域の形成 HD分子ができる HD coolingが効率的にはたらく ガスの温度が冷える 重力不安定なガス雲の質量(MJ)が小さい 比較的低質量な星ができる(M~40M) 第一世代星・・・まわりより星形成がはやい    Pop III.1星 第二世代星・・・まわりより星形成がおそい(Pop III.1に影響される) Pop III.2星    

Feedbackがあると McKee et al. 2008 (速い回転でaccretion diskを形成) High dM/dt Feedbackの効果でdM/dtがさがる 質量増加がstop ただしモデルに不定性大