2.温暖化・大気組成変化相互作用モデル開発 温暖化 - 雲・エアロゾル・放射フィードバック精密評価

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2.温暖化・大気組成変化相互作用モデル開発 温暖化 - 雲・エアロゾル・放射フィードバック精密評価 共生課題2 2.温暖化・大気組成変化相互作用モデル開発 温暖化 - 雲・エアロゾル・放射フィードバック精密評価   久芳奈遠美 KUBA Naomi 地球フロンティア研究システム 水循環予測研究領域・雲降水グループ

IPCC 2001 対流圏エアロゾルの間接放射強制力の見積もりはいまだに不確定性の大きい問題であり、その主な要因はエアロゾルと雲の関係が不確定であることによる。

数値実験 CCN (エアロゾル) 雲粒 気候変動 上昇流速度 雲凝結核(CCN)が雲の光学特性および降水形成効率に及ぼす影響   数値実験    微物理学的雲モデル    活性化 凝結 / 蒸発 併合 重力落下 CCN (エアロゾル)  粒径分布  化学組成 雲粒 粒径分布 光学特性 降水形成効率 気候変動 放射収支 水循環 上昇流速度 観測 CCNカウンター ドップラーライダ 観測 2DC  FSSP 雲レーダ 衛星データ レーダ 長期・全球観測

数値実験 CCN (エアロゾル) 雲粒 気候変動 上昇流速度 雲凝結核(CCN)が雲の光学特性および降水形成効率に及ぼす影響   数値実験    微物理学的雲モデル    活性化 凝結 / 蒸発 併合 重力落下 CCN (エアロゾル)  粒径分布  化学組成 雲粒 粒径分布 光学特性 降水形成効率 気候変動 放射収支 水循環 上昇流速度 観測 CCNカウンター ドップラーライダ 観測 2DC  FSSP 雲レーダ 衛星データ レーダ 長期・全球観測

GCM におけるエアロゾルの間接放射強制力の評価 CCSR/NIES の場合 放射計算に用いる有効半径 re を雲粒数密度 Nd から計算する。  Nd = e Na Nm / (e Na + Nm ) Na ⇒ 0 : Nd ⇒ e Na Na ⇒ ∞ : Nd ⇒ Nm (constant) Nd:雲粒数密度  Na:総エアロゾル数密度(sulfate, carbon, sea salt) 2. ECHAM GCMの場合 Nd = w Na / ( w + a Na )       w : 雲内上昇流速度      Ghan et al. (1993)     wm : grid 内平均上昇流速度  w = wm + c TKE ½          TKE :turbulent kinetic energy      Lohmann et al. (1999)              

FRSGC での研究成果 詳細雲モデルを開発し、数値実験によって雲の光学的性質 や雲粒数密度を予測するパラメタリゼーションを開発。 Kuba et al., 2003 : Parameterization of the Effect of Cloud Condensation Nuclei on Optical Properties of a Non-precipitating Water Layer Cloud J. Meteorol. Soc. Japan

Smax の予測式 :Nc(X%)の関数による近似 Vbase=0.24 m s-1 Vbase=0.12 m s-1 Vbase=0.06 m s-1

Nd をCCNスペクトルから予測する近似式 Nd = min [ E(Nc(Smax) - F)(Nc(Smax) - G) , Nc(Smax) ] Vbase= 0.24 m s-1 Vbase= 0.12 m s-1 Vbase= 0.06 m s-1 Nd (cm-3) Nc(Smax) が大きい時 Vbase が小さい時 Nd = Nc(Smax) にならない Nc(Smax) (cm-3)

Nd および LWP がわかれば、 τを予測できる。 LWP = 100 g m-2 (300 m) LWP = 70 g m-2 (250 m) LWP = 44 g m-2 (200 m) t = A Nd B A = 0.121 LWP 0.702 B = 0.274 LWP 0. 0538 LWP=100g m-2 (300 m) LWP= 70g m-2 (250 m) LWP= 44g m-2 (200 m) 光学的厚さ t Nd および LWP がわかれば、 τを予測できる。 τ および LWP がわかれば、  Nd を推測できる。 雲底から100 m での雲粒数密度 Nd (cm-3)

Re = C Nd -D 雲粒の有効半径の近似式 Nd の方が Re より指標として有効 C = 6.41 Z 0.380 100 Re = C Nd -D C = 6.41 Z 0.380 D = 0.288 Z 0. 0254 雲底からの高度 Z=275 m Z=225 m Z=175 m Z=125 m Z= 75 m Z= 25 m 雲粒の有効半径 Re ( mm ) 10 1 10 100 1000 雲底から100 m での雲粒数密度 Nd (cm-3)

Nc(X%) と Vbase がわかれば、 Nd を予測できる。 CCN数密度の近似式  Nd と Vbase の関数として表す Nc(0.2%) = J NdK J = 2.19 Vbase1.64 K = 0.714 Vbase-0.359 Vbase=0.24 m s-1 Vbase=0.12 m s-1 Vbase=0.06 m s-1 Nc(0.2%) (cm-3) Nc(X%) と Vbase がわかれば、 Nd を予測できる。 Nd と Vbase がわかれば、 Nc(X%) を推定できる。 10 100 1000 雲底から100 m での雲粒数密度 Nd (cm-3)

開発した手法 (パラメタリゼーション) Revised 雲底付近の Nc(0.075%) 上昇流速度 Vbase New Nc(0.2%) 開発した手法 (パラメタリゼーション) Revised CCN 過飽和度スペクトル 雲底付近の 上昇流速度 Vbase Nc(0.075%) New Nc(0.2%) Nc(Smax) Smax 鉛直積算雲水量    LWP 雲粒数密度 Nd 雲の光学的厚さ・雲粒の有効半径    t,   Re

研究方針  GCMに組み込むための、エアロゾル(CCN)の気候への  影響を評価できるをパラメタリゼーションを開発する。   既存のGCMにおけるパラメタリゼーションの検討   手持ちの成果 を発展させて反映させる     非降水性の層雲の光学的厚さ t を     雲粒数密度 Nd と鉛直積算雲水量 LWP から導く式      Nd をCCNの情報と上昇流速度から予測する式   問題点:雲内の上昇流、雲の LWP を格子点値からどう       やって算出するか?