形式言語とオートマトン Formal Languages and Automata 第4日目

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形式言語とオートマトン Formal Languages and Automata 第4日目 Tokyo University of Technology School of Computer Science Hiroyuki KAMEDA

今日の内容 前回の復習 最簡型DFAの求め方とその練習 正規表現を最簡型オートマトンで表現 など 確認問題: 正規表現を最簡型オートマトンで表現 など 確認問題: 最簡型DFAとは何だったでしょうか? 正規表現ってどんなものでしたでしょうか? ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

今日の学習目標 ε-NFAが与えられたとき,それと能力的に等価なFAを構築できる。 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

これと同等なDFAを求める. 今日の目標 教科書p.59問題2.4より 【ポイント】 「非決定性の有限オートマトン」と 能力的に等価な「決定性の有限オートマトン」を求める。 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

これと同等なmin-FAを求める. 今日の目標 教科書p.59問題2.5より 【ポイント】 能力的に等価な 決定性の有限オートマトンのうち、        状態数が最も少ないものを求める。 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

今日の目標 課題:これ同等なDFAを求めよ. ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

DFA Md からmin-DFA Ms を求める 重要 DFA Md からmin-DFA Ms を求める Md の状態を,Fの状態と非Fの状態との2グループに分割する. 各グループの各状態について,入力における遷移先が同じグループに行くものとそうでないものとに分割する. どのグループもこれ以上分割することができなくなるまで2を繰り返す. 最終的に得られる各グループそれぞれを新たな状態とみなすことで得られるDFAがMs . ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

DFA Md からmin-DFA Ms を求める 重要 DFA Md からmin-DFA Ms を求める Md の状態を,Fの状態と非Fの状態との2グループに分割する. 各グループの各状態について,入力における遷移先が同じグループに行くものとそうでないものとに分割する. どのグループもこれ以上分割することができなくなるまで2を繰り返す. 最終的に得られる各グループそれぞれを新たな状態とみなすことで得られるDFAがMs . 問 上記の青丸○の付いた用語の意味を    自分の言葉で説明しなさい。 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

例による解説 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

このオートマトン M = <Q, Σ, δ, q0, F> を詳しく分析してみよう! 入力アルファベット Σ 初期状態: 最終状態 F 状態遷移関数δ: ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

このオートマトンM=<Q,Σ,δ,q0, F> を詳しく分析してみよう 状態の集合 Q = { q0, q1, q2, q3, q4, q5 } 入力アルファベット Σ = { 0, 1 } 初期状態: q0 最終状態 F = { q3, q5 } 状態遷移関数δ: 入力記号 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 q5 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

状態集合Qを分割してみよう QをFと非Fとに分割: Q = { q0, q1, q2, q3, q4, q5 } => Q1 = { { q0, q1, q2, q4 }, { q3, q5 } } 手順1はこれでおしまい. ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

手順2(1) Q11 = { q0, q1, q2, q4 } と Q12= { q3, q5 } をそれぞれ調べる。 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

手順2(2) 入力記号 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 q5 入力記号 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 q5 入力記号 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 q5 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

手順2(3) Q = { q0, q1, q2, q3, q4, q5 } => Q1 = { { q0, q1, q2, q4 }, { q3, q5 } } => Q2 = { { q0, q1, q4 }, { q2 }, { q3, q5 } } ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

手順2(4) 入力記号 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 q5 入力記号 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 q5 入力記号 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 q5 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

手順2(3) Q = { q0, q1, q2, q3, q4, q5 } => Q1 = { { q0, q1, q2, q4 }, { q3, q5 } } => Q2 = { { q0, q1, q4 }, { q2 }, { q3, q5 } } => Q3 = { { q0, q4 }, { q1 }, { q2 }, { q3, q5 } } ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

手順2(5) 入力記号 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 q5 入力記号 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 q5 入力記号 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 q5 これで収束しました! ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

手順2(3) Q = { q0, q1, q2, q3, q4, q5 } => Q1 = { { q0, q1, q2, q4 }, { q3, q5 } } => Q2 = { { q0, q1, q4 }, { q2 }, { q3, q5 } } => Q3 = { { q0, q4 }, { q1 }, { q2 }, { q3, q5 } } (4つに分けること(分割)ができた!) ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

手順3(1) min-DFAの内部状態は4つ. qA  { q0, q4 } qB  { q1 } qC  { q2 } qD  { q3, q5 } ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

手順3(2) qA qC qB qD 入力記号 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 q5 1 内 部 状 態 q0 q4 q1 q2 q3 q5 min-DFAの内部状態は4つ. qA  { q0, q4 } qB  { q1 } qC  { q2 } qD  { q3, q5 } qA qB qC 1 qD ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

一般のDFAから最簡形DFAを 求める方法わかりましたでしょうか? この内容は 重要です! 一般のDFAから最簡形DFAを 求める方法わかりましたでしょうか? qA qB qC 1 qD ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

ここまで、良いでしょうか? ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

練習問題 プリントで配布します。 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

次の話題 次は、NFAと同等なDFAを求める方法に ついて知ろう! There exists a theory, such that for any NFA we can build a DFA equivalent to it. (任意のNFAに対して、それと等価なDFAが存在する、という定理がある。) ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

例えばこれと同等なDFAを求めたい. これはNFAです。 教科書p.59問題2.4より ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

例題:まずはこれから! これもNFAです。 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

アルゴリズム2.1(教科書p.47) (ここだけを読んでも、普通の人ならば俄かにはわかりませんよね。こんな時は落ち着いて、順番にやって行きましょう!) 黒板で説明します。億考えながらメモを取ってください。 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

自習問題1:等価なDFAを求めよ。 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

自習問題2:等価なDFAを求めよ。 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之

最後の話題 正規表現を最簡型オートマトンで表現する. 正規表現 α => NFA => min-DFA 例:α=a(a|b)*bb のNFA,min-DFAを求める. これは総合演習でもあるので、次回話します! お疲れ様 ©東京工科大学 2014年5月13日 亀田弘之