Misao Project 変光星観測発表 2009年からの手探り観測 Stardome MOMO 藤原 務.

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Misao Project 変光星観測発表 2009年からの手探り観測 Stardome MOMO 藤原 務

StarDome MOMOについて 2003年5月5日 開所 20cmニュートンでの観測をメインにしている。 2003年5月5日 開所 20cmニュートンでの観測をメインにしている。 自宅の2階屋根を間借りして、開設しました。 SQMによる夜空の暗さは、天頂・月明かりなしで20.4~20.8程度(美星天文台とほぼ同等) 位置:北緯34度44分09秒、東経133度52分44秒、標高120m

観測機器の紹介 20cmF4ニュートン反射 6cm屈折ガイド 赤道儀EM-200 スカイセンサー2000PC AGA-1(オートガイダー) Watecガイドカメラ(902 超高感度) BJ32L(80万画素 ABG付)

変光星観測のきっかけについて 1 2003年5月に天文台を開設 2007年頃まで仕事の関係で姫路で生活していたため有効利用できなかった。 変光星観測のきっかけについて 1 2003年5月に天文台を開設 2007年頃まで仕事の関係で姫路で生活していたため有効利用できなかった。 当時は、たまにCCDによる天体撮影など実施。 写真は、ホームページの作成などに利用 2007年に岡山に戻る。 地人書館「初歩の天体観測」に啓発される 継続的な、観測みたいなことは出来ないだろうか?

変光星観測のきっかけについて 2 予てより、銀河についての興味はあった。 銀河の赤方偏移を測定してみたい・・・技術的、機器的な面で諦める。 変光星観測のきっかけについて 2 予てより、銀河についての興味はあった。 銀河の赤方偏移を測定してみたい・・・技術的、機器的な面で諦める。 マカリをダウンロードして、昔買った標準フィルターで撮った写真で測光の真似事をしながら遊んでいた。 そのとき、偶然MISAO Projectを知る。 写真を撮っても、コンクールに入るほどじゃないし、CCDを回すだけでいいのなら、一つやってみるか!

MISAO プロジェクトへの参加 2008年暮れにはじめて写真を送る。 それ以降、訳も分からずHPに紹介されている星を撮像しまくって、送りまくる・・・ だけど、本当に役に立っているのかな?

長周期変光星への挑戦! 1 MISAOを主宰する吉田さんが来岡したときに、中島さん(邑久天文台)と会う。 長周期変光星への挑戦! 1 MISAOを主宰する吉田さんが来岡したときに、中島さん(邑久天文台)と会う。 MISAOは、新変光星の発見はしているが、その後のデータは殆ど記載されていない。 ここに自分の入り込む余地があるんじゃないだろうか?

長周期変光星への挑戦! 2 その後、吉田さんと相談をして夏の天の川を除く長周期変光星(M型、SR型)の観測を提案 長周期変光星への挑戦! 2 その後、吉田さんと相談をして夏の天の川を除く長周期変光星(M型、SR型)の観測を提案 対象星をリストアップして過去のデータからGCVSに記載がないものを集中して観測することに・・・

長周期変光星への挑戦! 3 2010年秋より、22h~5hまでの天体25星をリストアップ。BJ32Lによる標準フィルター(V,R)にて撮像開始! 2011年より、21hの観測(27星)も追加。 観測目標として、光度変化・周期の確定 では、お待ちかねの観測結果の紹介です!

今回、GCVSに申請した4星について 今回、光度・周期などある程度の成果があがり申請した4星の紹介 MisV0813:R.A.05h30m33s.82,Decl.+33o00'22".0(2000.0) Mag.12.0-<16.5Rc,Type M MisV1141:R.A. 00h01m21s.55,Decl. +51o12'13".9(2000.0) Mag. 11.1-14.3C,Type M Period 318, Epoch 2455470: MisV1273:R.A. 01h55m23s.46,Decl.+59o18'15".6(2000.0) Mag. 13.6-15.5Rc,Type SR MisV1357:R.A. 03h50m17s.87,Decl.+60o57'16".0(2000.0) Mag. 12.3-16.5Rc,Type M

MisV0813

MisV1141

MisV1273

MisV1357

観測できなかった星々 2011年は、昨年観測データの得られなかった星は大幅に割愛して観測中 2010年の観測で5~6星ほどの観測データが全く得られなかった。 観測途中で、2星対象からはずした。 (1つは近接連星、もう一つは長周期変光星でないと思われた) 2011年は、昨年観測データの得られなかった星は大幅に割愛して観測中

観測の問題点 1 冷却CCDの特性の問題 BJ32Lに、用いられているCCDチップ(SONY ICX099AL)はABG仕様である。 観測の問題点 1 冷却CCDの特性の問題 BJ32Lに、用いられているCCDチップ(SONY ICX099AL)はABG仕様である。 明るすぎる星は実際より暗く測定される。 暗すぎる星も実際より暗く測定される。

観測の問題点 2 明るすぎる星は暗く測定される→ABGの限界を超えているためと思われる。(明るすぎて飽和している、または、アンチブルーミングが効いて光量が抑えられている) 暗すぎる星はさらに暗く測定される→測定ソフトの問題(PSF測光ではなく、ある閾値を超えたピクセルのカウント値を合計しているため、カウント値が低い星(暗い星)は、PSFの裾野を拾えていない(カウントしたピクセル数が少ない)と思われる。)

MISAO長周期変光星観測 今後の課題について 出来うることなら、SBIGなどのNABG CCDを手に入れて観測を行う方がよい・・・とは「常に」考えている。 観測システムの機材(電子機器)が古いため、何かが壊れたらシステムの建て直しが必要。(修理できる人がいればいいが・・・) 私のお勉強と、家族の理解(半分呆れられているが、許してもらっている・・・感謝!) 測光については全てを吉田氏に任せているためマンパワーの不足。

私自身のこれからのこと・・・ もともと、(天体)写真を撮っても商売にならないと始めた変光星観測 でも、私は星を単なる研究対象や、写真の被写体だけにはしたくない。 夜空に輝く星座の中の星々として、これからもいろんな人に紹介していこう 変光星の観測は観測として、星座案内の勉強などしながら一人でも多くの人に夜空を見てもらえるようにしていきたい。

最後に・・・ 長周期変光星へのお誘い 4~5日から1週間に1回撮像すればいい。 雄大な光度曲線が出たときは、「本当に」感動します! ある程度CCDを使える人なら、誰でもできます。 MISAO Projectならびに私の観測の紹介について MISAO Project:http://www.aerith.net/misao/index-j.html ふっくんの星空散歩:http://www.geocities.jp/fukkunjpn/ (休止中) StarDome MOMOの変光星観測日記http://blogs.yahoo.co.jp/fukkunjpn/ 他にフェイスブックなど ご静聴ありがとうございました☆