HPC基盤における大量データ転送のためのデータ転送ツールの評価

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Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
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理学部情報科学科 金田研究室 指導教官 金田 康正 工藤 誠
ネストした仮想化を用いた VMの安全な帯域外リモート管理
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平成21年度「新世代ネットワークサービス基盤構築技術に関する研究開発 〜ネットワーク『見える化』の実現にむけて〜」の開発成果について
MPIによる行列積計算 情報論理工学研究室 渡邉伊織 情報論理工学研究室 渡邉伊織です。
全電子混合基底第一原理計算法を活用したネットワーク型エネルギー絶対値算定マテリアルズ・インフォマティクス
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Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
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九州大学情報基盤研究開発センター長 青柳 睦
実行時情報に基づく OSカーネルのコンフィグ最小化
仮想メモリを用いた VMマイグレーションの高速化
確率的学習アルゴリズムを用いた有限状態オートマトンの抽出に関する研究
アンテナ最適化技術と電波伝搬シミュレーション技術の高速化と高精度化
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可視化用粒子データを用いたIn−Situ可視化システムのSIMD最適化
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例:×××が××Gbpsで××することにより、××が
Virtualizing a Multiprocessor Machine on a Network of Computers
研究背景・目的 研究組織 実施内容 適用手法 提案研究により期待されること
平成21年度「新世代ネットワークサービス基盤構築技術に関する研究開発 〜ネットワーク『見える化』の実現にむけて〜」の開発成果について
仮想マシンと物理マシンを一元管理するための仮想AMT
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VMリダイレクト攻撃を防ぐための 安全なリモート管理機構
Jh NAHI 横田 理央 (東京工業大学) Hierarchical low-rank approximation methods on distributed memory and GPUs 背景  H行列、H2行列、HSS行列などの階層的低ランク近似法はO(N2)の要素を持つ密行列をO(N)の要素を持つ行列に圧縮することができる。圧縮された行列を用いることで、行列積、LU分解、固有値計算をO(Nlog2N)で行うことができるため、従来密行列の解法が用いられてきた分野では階層的低ランク近似
ゼロコピー・マイグレーションを 用いた軽量なソフトウェア若化手法
仮想化システムの 軽量なソフトウェア若化のための ゼロコピー・マイグレーション
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IPmigrate:複数ホストに分割されたVMの マイグレーション手法
MPIを用いた 並列処理 情報論理工学研究室 06‐1‐037‐0246 杉所 拓也.
今後の音声圧縮技術について 鈴木 誠人 .
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HPC基盤における大量データ転送のためのデータ転送ツールの評価 EX17801 (九州大学情報基盤研究開発センター推薦課題) 深沢 圭一郎 (京都大学学術情報メディアセンター) HPC基盤における大量データ転送のためのデータ転送ツールの評価 研究背景・目的 近年、ペタフロップス級計算機システムが大学計算機セ ンターで一般的に運用されており、そこで計算した結果は 、10~100TB程度の大きさに増大している。ビッグデータ や深層学習・機械学習などでは日々増え続ける大量のデ ータを利用しており、数GB程度のデータが百万個あると いうことも珍しく無くない。   → それに伴い、計算機に転送されるデータ量も飛躍 的に増加している。 しかしながら、計算機自体の性能向上に比べ、計算機 センター間や計算機センターと利用者の間のネットワーク 性能はあまり向上していない。更に、通常の通信では、理 論通信帯域性能はほぼ達成できず、場合によっては2割 程度の実効帯域性能となる。 このようにデータ転送に関する環境がHPC基盤の中で は相対的に劣っており、現実的にこの問題を解決しなけ れば、研究のボトルネックとなってしまう。 そこで、本研究では、理論通信帯域は物理的に向上が難 しいため、実効通信帯域の向上に向けて、新しい通信技 術をHPC基盤に導入し、その性能・効果を評価することを 研究目的とする。 研究計画 一般的にデータ転送にはscp、sftp等のシングルストリ ーム転送が利用され、その実効転送効率がそれほど高く ないため、転送速度が不足している。 この問題に対し、複数のポートを同時に使用したマル チストリーム転送や、データ圧縮技術等を使って、実効的 に高速なデータ転送を可能とする技術がいくつか提案さ れている。 Fast Data Transfer、GridFTP、bbFTP、Warp speed Data Transferなど 本研究では、これらの技術をHPC基盤に導入し、データ 転送性能を評価するとともに、その転送技術による他ユ ーザのデータ転送への影響、性能向上により使用するネ ットワーク帯域幅が増えた場合の運用への影響について も調査を行う。 初期結果 bbFTPを利用した転送実験 9.4GBのデータを転送し、速度を計測。 SR16000-UV2000間(括弧内はstream数) 10.4MB/s(1) 20.1MB/s(2) 28.4MB/s(3) *sftpで、10.6MB/s SR16000-CS400間(括弧内はstream数) 12.3MB/s(1) 24.9MB/s(2) 37.7MB/s(3) *sftpで、21.0MB/s 研究体制 研究メンバー 深沢圭一郎(京都大):通信実験、データ生成 鈴木臣(愛知大):小規模連続データ通信実験 Raymond J. Walker(UCLA):海外データ通信実験 Todd King(UCLA):海外データ通信実験 南里豪志(九州大): 通信サーバ、ツールの設定 利用計算機システム 九州大学 CX400、HA8000-tc/HT210、SR16000 VM1 *通信相手として、UV2000@名古屋大、 CS400@京都大を利用している 海外実験 本研究課題の共同研究者にUCLAの研究者に加わっ てもらっており、日米間でのデータ転送についても調査を 行う。 アメリカ西海岸では100Gbpsプロジェクトが走っている ので、その有効利用も目指す。 京大 九大 名大