マイクロMEGASを用いた X線検出器の開発

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マイクロMEGASを用いた X線検出器の開発 宮崎大学工学部材料物理工学科 松田達郎 開発のきっかけと目的  ・KEK PS AIDA(E248)実験と CERN COMPASS(NA58)実験 宮崎大学での開発とテスト まとめと今後 マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発 開発のきっかけと目的 経過  1992年 KEK PS AIDA実験(E248 )のターゲット直後の荷電粒子飛跡検出     器として、MSGCの開発を開始。IC製作技術を使用。       (放電によるストリップの損傷の問題解けず)  1994年 その後、MGWC(Micro Gap Wire Chamber)の開発し本実験に使用。        プリント基板技術の使用。しかし、ワイヤーの使用に逆戻り。  1997年 CERN COMPASS実験(NA58)が採択されCOMPASS実験のSAT      (Small Area Tracker)として、       ・GEM(CERNグループ)         (当初はMSGCとの組み合わせを検討。後にマルチGEMになる。)       ・MicroMEGAS(Saclayグループ)        などを開発し、実験で使用。(2002年からの本実験で動作中)    ちなみに、COMPASSでは、日本グループ(山形、宮崎、中部大学、KEK、、(名古屋))はSciFi(シンチレー ションファイバー)トラッカーの開発に従事。 マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

MGWC (Micro Gap Wire Chamber)の開発 (性能) サイズ:30×10 cm2 アノードワイヤー:0.5mm間隔       (ワイヤー径:12μm) カソードストリップ:1mm間隔 ギャップ間隔:50μm レート:1×104/mm2/s以上 NIM A481 (2002) pp.166-173. マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

Micromegas &Drift chambers COMPASS spectrometer Polarization: Beam: ~80% Target: <50%> Beam: 160 GeV μ+ 2 . 108 µ/spill (4.8s/16.2s) 偏極ターゲット SM1 RICH ECal1 & Hcal1 Muon filter 1 SM2 MWPCs Micromegas &Drift chambers ECal2 & Hcal2 Muon filter 2 GEM & MWPCs SciFi GEM & Straws Silicon Scintillating fibers ~50m マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

Micro Pattern Gaseous Chambers at COMPASS GEM (Munich,CERN) MicroMegas (Saclay) 40 planes, 30cm x 30cm two dimensional read-out spatial resolution ~50 mm time resolution ~ 12 ns efficiency ~ 96 – 97% 12 planes, 40cm x 40 cm High flux (300 kHz/strip) spatial resolution ~70 mm time resolution ~ 8 ns efficiency ~ 96 – 97% マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

MicroMEGAS(MiroMEsh Gaseous Structure)の原理 ・プリント基板技術 ・工業用金属メッシュ板 を使用。 マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発 宮崎大学での開発 MGWCを用いたX線検出器の開発を開始。    (しかし、ワイヤー間隔0.5mmが限界。製作が面倒) COMPASS実験でGEMとMicroMEGASがうまく走っている。 GEM基板は製作が容易でない。(CERN製しかうまくいかないようだ) MicroMEGASは、工業用の金属メッシュを買えば使える。 MGWCのワイヤーを金属メッシュに置き換えるだけで、MicroMEGASになる。->宮崎でもできそう。 当面、X線トポグラフィーの2次元X線検出器としての開発をめざす。 マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

今回使用したMicro-Meshはどんなものか? ニッケル製 500ワイヤー/インチ 透過度60% ワイヤー径 0.00045インチ 穴のサイズ0.00155インチ 一般にはフィルターとして使 われるもののようだ。 マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発 宮崎大学の検出器の構造(1) ガスはアルゴンとジメチルエーテルの混合ガスを使用 マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発 宮崎大学の検出器の構造(2) マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発 テスト実験の構成 マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発 信号測定 ・ガス混合比、印加電圧を変えて、X線源を使用してのテストを行った。 ・5.9keVのX線エネルギーに対するピークを確認した。 ・使用ガス:アルゴン+DME マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発 信号スペクトルの変化 メッシュ電圧を変化 DCP電圧を変化 マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発 パラメーターを変えての 増幅率、 エネルギー分解能 電界比 ρ=Ea/Ed Ea : 増幅電界、Ed:ドリフト電界 信号増幅率(ρ固定) エネルギー分解能(ρ変化) マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

マイクロMEGASのX線物質表面観察法への応用  例えば、X線トポグラフィーによってシリコン結晶表面の格子間隔 の歪みを極めて精度良く測定できる。このX線検出器として、マイク ロMEGASを使用することを考える。  使用するX線のエネルギーも8keV程度で適当である。 monochromator CuKα1 Slit S1 Slit S2 specimen plate マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発

マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発 (まとめ) MGWCを改造したマイクロMEGASで“あり合わせ”の条件で信号を見た。 まだまだエネルギー分解能など悪し。 さらに安定した信号検出の条件の追求。 (今後) シミュレーションと設計 2次元パターンプリント基板の作成とテスト   (現在は、基本的に1次元) 信号読み出し回路の製作 2次元X線画像の検出テスト 資金の獲得 マイクロMEGASを用いたX線検出器の開発