Keigo Gohda / CAMM-Kansai 計算化学的手法を用いた新規な蛋白質結合分子の探索 関西分子設計研究会 Computer-Aided Molecular Modeling (CAMM) Research Center Kansai 合田 圭吾 June 2002 Keigo Gohda / CAMM-Kansai
Keigo Gohda / CAMM-Kansai 背景 遺伝子配列 解明 構造蛋白質 同定 機能解析 生命現象の理解 応用:医薬品開発 構造≠機能 立体構造解析 特異的結合分子 ポストゲノム ・ 構造ゲノム ・ プロテオーム ・ トランスクリプトーム 目的: 機能が未知あるいは結合分子(リガンド)が未知な蛋白質に、特異 的に結合するリガンド分子を、蛋白質立体構造に基づき、計算化学 的手法を用いて探索する。 June 2002 Keigo Gohda / CAMM-Kansai
Keigo Gohda / CAMM-Kansai リガンド分子探索のための計算化学的手法 Virtual Screening: 3D-化合物データベースサーチ - 大規模な化合物ライブラリのサーチが可能 - 評価に粗い近似を用いるため、結合配座や結合エネルギーの予測能は低い - DOCK, FlexX, Ludi, ICM Docking Simulation: 複合体構造予測 - 比較的精度良く、結合配座や結合エネルギーの予測が可能 - 計算に時間を要するため、多数の分子を扱うことは困難 - AutoDock, GOLD Binding Energy/Mode Prediction: 結合エネルギー・配座予測 - 精度良く、結合配座や結合エネルギーの予測が可能 - 蛋白質の自由度を考慮 - 1分子の計算に膨大な計算が必要 - FEP(Free Energy Perturbation)法、LIE(Linear Interaction Energy)法 June 2002 Keigo Gohda / CAMM-Kansai
Keigo Gohda / CAMM-Kansai 実際例: 目的 Estrogen receptorと、そのアンタゴニスト(OHT)のX線結晶解析構造を題材にして、計算化学的手法を用いた探索法を検証する。 - Estrogen receptor 核内受容体、転写因子 抗癌剤(乳癌)、骨粗鬆症治療薬の標的 - Tamoxifen(Aventis) 特異的アンタゴニスト Estrogen receptor a ligand binding domain - OHT複合体1.9 Å分解能 4-hydroxy-tamoxifen (OHT) June 2002 Keigo Gohda / CAMM-Kansai
Keigo Gohda / CAMM-Kansai 実際例: 方法 DOCK 1st screening DOCK 2nd screening AutoDock simulation rigid search flexible search OHTのランク? OHT + 1000化合物 Virtual Screening Tool: DOCK4.0 3D DB: ・購入可能な低分子化合物 ライブラリ (Maybridge、SALOR等) ・CORINA2.6で3D構造生成 ・約36万3D化合物データセット のうち、ランダムに選んだ 1000化合物 Docking Simulation Tool: AutoDock3.0 HW SGI O2 R5000 (180MHz) June 2002 Keigo Gohda / CAMM-Kansai
Keigo Gohda / CAMM-Kansai 実際例: DOCK sphereの中心点にリガンド分子を配向させる DOCK Kuntz(UCSF)らにより開発された3D-DBサーチのTool 方法 標的蛋白質の表面にsphere(球状プローブ)を配置させることによって、リガンド分子がdockingする空間を定義する docking空間に設定したgridの各点を、リガンド分子の原子の代りとして用い、相互作用エネルギーを計算する 特徴 - 高速探索が可能 - リガンド分子の配座自由度も考慮 - sphere近似の問題 - gridベースの相互作用エネルギー June 2002 Keigo Gohda / CAMM-Kansai
Keigo Gohda / CAMM-Kansai 実際例: AutoDock リガンド分子の回転可能な二面角を変数としてGA法により、配座サンプリングを行う。 AutoDock Morris & Olson(Scripps)らにより開発されたdockingのTool 方法 docking空間に設定したgridの各点に、あらかじめ原子タイプごとの相互作用エネルギーを計算して割り付ける リガンド分子の原子に最も近接しているgrid点上の相互作用エネルギーを足し合せ、相互作用エネルギーを計算する 特徴 - 広い配座空間を探索可能 - リガンド分子の完全な自由度を考慮 - gridベースの相互作用エネルギー - 蛋白質側鎖は固定 June 2002 Keigo Gohda / CAMM-Kansai
Keigo Gohda / CAMM-Kansai 実際例: 結果(DOCK virtual screening) 1st screening (rigid search) OHT 354位 / 1000化合物 1. BLT00023 -27.0 kcal/mol 2. BR00129 -26.6 3. BTB00333 -26.6 354. OHT -12.9 CPU 6秒 / 1分子 2nd screening (flexible search) OHT 58位 / 500化合物 1. BLT00019 -31.1 kcal/mol 2. BTB00244 -30.6 3. BLT00039 -29.8 58. OHT -24.7 CPU 58秒 / 1分子 June 2002 Keigo Gohda / CAMM-Kansai
Keigo Gohda / CAMM-Kansai 実際例: 結果(AutoDock docking simulation) AutoDock: Top10 from 2nd DOCK with OHT、 LGA (10 runs) DOCK AutoDock kcal/mol kcal/mol BLT00019 -31.1 -7.83 BTB00244 -30.6 -7.76 BLT00039 -29.8 -7.37 OHT -24.7 -9.07 最安定構造(緑) vs X線構造(青) June 2002 Keigo Gohda / CAMM-Kansai
Keigo Gohda / CAMM-Kansai 実際例: 結論 Estrogen receptorの立体構造に基づき、DOCKとAutoDockの組み合せ法を用いた3D化合物ライブラリの検索の結果、estrogen receptorに特異的リガンドを同定することができた。 また、X線構造に近いリガンド結合構造を再現することができた。 リガンド分子が未知な標的蛋白質に、この手法を用いることによって、特異的に結合する新規な化合物を見出すことが可能であることが示唆された。 June 2002 Keigo Gohda / CAMM-Kansai
Keigo Gohda / CAMM-Kansai 今後の展開:応用例 Structure-based chemical knockout - 成体内において、機能未知の標的蛋白質の機能を解析する - 低分子化合物ライブラリ Ligand finding for orphan receptors - リガンド未知な受容体に特異的に結合するリガンドの探索 - 低分子化合物ライブラリ、ペプチドライブラリ Protein-protein association analysis - 未知のassociate蛋白質の同定 - ペプチドライブラリ June 2002 Keigo Gohda / CAMM-Kansai