『統計解析の基礎』 4章 実験計画法 第3日目 日産自動車(株) 車両品質推進部 品質推進グループ 奈良 敢也 自己紹介。

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分散分析と誤差の制御 実験結果からできるだけ多くの情報を取り出すために 分散分析を利用する 主効果の大きさ 交互作用の大きさ 誤差の大きさ 採用した因子の効果の有無 の検定には,誤差の大きさ と比較するので誤差を小さ くできれば分散分析での検 出力が高まる どのようにしたら誤差を小さくできるか?
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『統計解析の基礎』 4章 実験計画法 第3日目 日産自動車(株) 車両品質推進部 品質推進グループ 奈良 敢也 自己紹介。 特別講義に品質工学を選んだ理由。 産学(産業界-大学)間の温度差。 産業界で広く活用されている品質工学の考え方や理念に少しでも触れてもらい、知識の幅を広げてほしい。 日産自動車(株) 車両品質推進部 品質推進グループ 奈良 敢也

講義スケジュール 6月 2日(金) 6月 9日(金) 6月16日(金) 日時 講義内容 ・実験の目的とその分類、実験計画法とは 6月 2日(金) 6月 9日(金) 6月16日(金) 日時 講義内容 ・実験の目的とその分類、実験計画法とは ・分散分析の基礎、一元配置データの分散分析 ・二元配置データの分散分析法 ・直交表 ・直交表データの分散分析法 ・小試験と解答 読む。

実験計画の種類 1元配置実験 (1因子の水準を振って実験する) 多元配置実験 2元配置実験 (2因子の総当たり実験) (総当たり実験) 2元配置実験 (2因子の総当たり実験) 3元配置実験 (3因子の総当たり実験) 直交表実験 (多因子の組み合わせの一部実施法) 実験計画 : どのタイプの実験を行うかは、評価したい因子数や与えられた実験 期間に応じて判断する。

直交表データの分散分析 例 題 自動車の駆動部品に使用される特殊な鋼材において,各種不純物の含有率が 例 題 自動車の駆動部品に使用される特殊な鋼材において,各種不純物の含有率が 部品強度に及ぼす影響を調べたい.鋼材に含まれる不純物は,サルファ(S), マンガン(Mn),アルミニウム(Al),リン(P),シリコン(Si)の5種類である. なお,サルファとマンガンの間には交互作用が懸念される。 A B C D E : サルファ(S) : マンガン(Mn) : アルミニウム(Al) : リン(P) : シリコン(Si) 規格下限 規格上限 制御因子 水準 1 2 全体構成と本日フォーカスする内容(パラメータ設計)の紹介。 テキスト対応ページ:156

直交表使用時の注意 (交互作用の扱い) 交互作用が心配な場合は? ・線点図をもとに、交互作用を評価したい因子わりつけを検討する。 直交表L8 No. 列番 1 2 3 4 5 6 7 8 a b c 成分 直交表L8 線点図 (点は主効果列、線は交互作用列) (1) (2) 1 2 4 5 6 7 3 テキスト対応ページ:157

直交表データの分散分析 (1) 直交表へのわりつけ y1=2095 y2=1947 y3=2040 y4=2061 y5=1951 分散分析の際に、誤差変動を求めるためには、 最低でも1列は誤差列として空けておく。 (繰り返しに相当) (1) 直交表へのわりつけ 直交表L8 実験の組み合わせ y1=2095 y2=1947 y3=2040 y4=2061 y5=1951 y6=1979 y7=1972 y8=2112 引張り強度 (MPa) データ A A サルファ B マンガン C アルミ D リン E シリコン 因子 A B × C D E e B 列番 1 2 3 4 5 6 7 1 2 4 5 6 No. 1 1 1 1 1 1 1 1 下限 下限 下限 下限 下限 2 1 1 1 2 2 2 2 下限 下限 上限 上限 上限 3 1 2 2 1 1 2 2 下限 上限 下限 上限 上限 4 1 2 2 2 2 1 1 下限 上限 上限 下限 下限 システムの機能の定義→固有技術、専門技術の知識が必要。 設計値の決定→システムが複雑になればなる程、固有技術(経験、直感)では対応が困難になる。そこには、洗練された最適化プロセスが必要になる。 それがパラメータ設計。 5 2 1 2 1 2 1 2 上限 下限 下限 下限 上限 6 2 1 2 2 1 2 1 上限 下限 上限 上限 下限 7 2 2 1 1 2 2 1 上限 上限 下限 上限 下限 8 2 2 1 2 1 1 2 上限 上限 上限 下限 上限 a b a c a b a 成分 b c c b c テキスト対応ページ:157

直交表データの分散分析 (2) 水準別平均の計算 直交表の水準配列から、各因子の水準別平均を計算する。 水準別平均 因子 A B A×B C D E e 第1水準 2036 1993 2032 2015 2057 2055 2027 第2水準 2004 2046 2008 2025 1983 1985 2013 読む。 (回答) ①弓本体と弦の弾性ひずみエネルギを矢の運動エネルギに変換する。 ②車両の運動エネルギを(タイヤと路面間の)熱エネルギに変換する。 ③電気エネルギを回転運動エネルギに(電力を動力に)変換する。 テキスト対応ページ:158

直交表データの分散分析 (3) 要因効果図の作成 水準別平均をプロットし、要因効果図を作成する。 1960 1980 2000 2020 2040 2060 2080 A B A×B C D E e 引張り強度 (MPa) サルファ マンガン アルミ リン シリコン 誤差列 簡単に考えればこういうこと。 この基本プロセスの中で、特に④のステップを具現化するための手段がパラメータ設計。 要因効果図から、各要因の引張り強度に対するおおよその影響度は判断できる。 分散分析により、そのおおよその判断を定量化することが重要。 テキスト対応ページ:158

直交表データの分散分析 (4) 全変動分解の指針 データの変動(全変動)を、① サルファによる変動、② マンガンによる変動、 ③ サルファとマンガンの交互作用、④ アルミによる変動、⑤ リンによる変動 ⑥ シリコンによる変動、⑦ 誤差変動に分解する。 評価したい因子を直交表にわりつけたので、このように要因系への分解が 可能になる。評価サンプルに対する要因配置の直交性が確保されていない 場合はこのような分解はできない。 要因配置の直交が確保された実験・・・多元配置実験 or 直交表実験 テキスト対応ページ:159

直交表データの分散分析 STEP1:全変動の計算 (2乗和の分解) 全データの2乗和 2095 1947 2040 2061 1951 1979 1972 2112 引張り強度 (MPa) No1 No2 No3 No4 No5 No6 No7 No8 No 全データの2乗和 20952+19472+ ・・・ +21122=32661325 (f=8) 修正項 CF=(2095+1947+ ・・・ +2112)2 /8=32631081 (f=1) 全変動 ST=32661325ー 32631081 =30244     (f=8ー1=7) 読む。 テキスト対応ページ:159-160

直交表データの分散分析 STEP2:因子による変動の計算 因子毎の水準和を計算し、変動計算の一般式に代入する。 因子 A B A×B C D 第1水準 8143 7972 8126 8058 8226 8219 8107 第2水準 8014 8185 8031 8099 7931 7938 8050 P-diagramによる機能の表現法は、機械的なシステムに関わらず、様々な分野に広く活用される。例えば、業務プロセスの表現などに使われることがある。(プロセス・マッピングと呼ばれる) 宅配ピザ屋の業務プロセスをP-diagramで表現すると・・・ テキスト対応ページ:160

直交表データの分散分析 変動計算の一般式より、2水準の因子の変動は下式で計算できる。 因子A:サルファによる変動の計算 因子B:マンガンによる変動の計算 因子Aと因子Bの交互作用による変動の計算(以下同様) テキスト対応ページ:160

直交表データの分散分析 STEP3:誤差変動の計算 より、以下のように誤差変動を計算する。 全変動、各因子の変動が計算できたので、 これより、 データ変動の構造は以下のように定量化できた。 読む。 『システムの機能を正しく理解すること。 』 一見、至極当たり前のことのようにも聞こえるが、自動車会社のエンジニアでもなかなかそれができていない。表面的な現象の議論に終始してしまう。 DCモータの騒音や異音が問題になれば、騒音や異音といった表面的な現象の議論に終始し、DCモータの機能にまで掘り下げて、本質的な改善に取り組むようなケースは少ない。 テキスト対応ページ:161

直交表データの分散分析 STEP4:取り上げた因子の有意性の検定 各因子の効果の有意性を 統計的に検定する。  各因子の効果の有意性を  統計的に検定する。 因子A:SA 因子E:SE 誤差変動 Se 因子B:SB Which is bigger? 因子D:SD 交互作用 SA×B 因子C:SC テキスト対応ページ:161

直交表データの分散分析 変動の大きさはデータ数の影響を受けるので、変動を自由度で 除した下記分散の大きさを比較する。  変動の大きさはデータ数の影響を受けるので、変動を自由度で  除した下記分散の大きさを比較する。 すなわち、ノイズ自体の研究は無意味。 市販される製品には、ノイズの存在を前提とした設計が求められる。 テキスト対応ページ:161

直交表データの分散分析 下記分散比をF検定することにより、各因子の有意性を検定する。 因子効果の分散:VA 誤差分散:Ve テキスト対応ページ:162

直交表データの分散分析 全因子について分散比を計算すると下表のようになる。 分母の自由度1、分子の自由度1の場合、分散比F>4052 ならば  全因子について分散比を計算すると下表のようになる。 Source f S V F0 (要因) (自由度) (変動) (分散) (分散比) A 1 2080 5.12 B 5671 13.96 × 1128 2.78 C 210 0.52 D 10878 26.79 E 9870 24.30 誤差e 406 全変動 7 30244 → 有意でない 分母の自由度1、分子の自由度1の場合、分散比F>4052 ならば 危険率1%で有意、F>161 ならば危険率5%で有意になる。 効果が大きい因子もあったのに、全因子が有意にならない。 なぜか? → 誤差e の自由度が小さいことが原因。 テキスト対応ページ:162-163

直交表データの分散分析 そこで・・・ 誤差のプールを検討する。 誤差のプールとは、誤差程度の効果しかない因子の列を誤差列と みなし、誤差の自由度を上げる実験計画法のテクニック。 前ページ分散分析表より、因子Cによる変動は誤差変動より小さい。 そこで、因子Cによる変動をプールした新しい誤差変動を計算する。 これより、プール後の誤差分散は、 テキスト対応ページ:163

直交表データの分散分析 プール後の新しい誤差分散をもとに、分散比を再計算する。 因子効果の分散:VA プール後の 誤差分散:Ve  プール後の新しい誤差分散をもとに、分散比を再計算する。 プール後の 誤差分散:Ve 因子効果の分散:VA テキスト対応ページ:164

直交表データの分散分析 全因子について分散比を計算すると下表のようになる。  全因子について分散比を計算すると下表のようになる。 Source (要因) f (自由度) S (変動) V (分散) F0 (分散比) → 有意でない → プール → 有意 (危険率5%) * 35.30 32.03 A 1 2080 2080 6.75 B 1 5671 5671 18.41 A × B 1 1128 1128 3.66 (C) (1) 210 210 0.68 ○ D 1 10878 10878 35.30 E 1 9870 9870 32.03 (誤差e) (1) 406 406 全変動 7 30244 誤差e' (C+e) 2 616 308 分母の自由度2、分子の自由度1の場合、分散比F>98.49 ならば 危険率1%で有意、F>18.51ならば危険率5%で有意になる。 テキスト対応ページ:165

直交表データの分散分析 STEP5:純変動と寄与率の計算 純変動:変動から偶然誤差の影響を除いた純粋な変動。  純変動:変動から偶然誤差の影響を除いた純粋な変動。 設計条件の最適化、すなわち、システムの安定性向上には、ノンリニア理論という考え方が利用される。 ノンリニアなパラメータ:目標値は完全に無視して、パラメータの値がばらついても出力の変動が少なくなる領域に設定する。 パラメータの値は、設計の狙い値に対して、様々な要因によってばらつく。 (製造ばらつき、熱環境による熱膨張、摩擦による摩耗、劣化によるへたり) リニアなパラメータは、どこの値を選んでも、出力のばらつきは同程度になるため、出力の大きさをチューニングするための要因として用いる。 とにかく、設計の第1ステップでは、ノンリニアな要因の水準を安定した領域に設定することだけを考える。(目標値は完全に無視) 出力の値は出なりになるため、最後に、リニアなパラメータを用いて目標値に調整する。(調整は簡単) テキスト対応ページ:164-165

直交表データの分散分析 STEP5:純変動と寄与率の計算  寄与率:各因子の純変動が全変動に占める割合。 テキスト対応ページ:165

直交表データの分散分析 これまでの検討経緯は、以下のような分散分析表にまとめる。 分散分析表からは、以下のようなことが分かる。  これまでの検討経緯は、以下のような分散分析表にまとめる。 Source (要因) f (自由度) S (変動) V (分散) F0 (分散比) S‘ (純変動) ρ(%) (寄与率) A 1 2080 2080 6.75 1772 5.86 B 1 5671 5671 18.41 5363 17.73 A × B 1 1128 1128 3.66 820 2.71 (C) 1 210 210 0.68 ○ - - D 1 10878 10878 35.30 * 10570 34.95 E 1 9870 9870 32.03 * 9562 31.62 (誤差e) 1 406 406 全変動 7 30244 100.00 誤差e' (C+e) 2 616 308 2157 7.13  分散分析表からは、以下のようなことが分かる。  ① 統計的に有意な因子は、因子D、Eであり、両因子で全体の67%の寄与を占める。  ② 次いで効果の大きい因子は、因子Bであり、約18%の寄与を持つ。 テキスト対応ページ:165

本日のまとめ See you next week. ・直交表データの分散分析 ・小試験 [次週予告] 第5章 品質工学に移ります。  第5章 品質工学に移ります。  テキストに目を通しておいてください。 ご質問は、k-nara@mail.nissan.co.jp へ 読む。 See you next week.