アンテナ最適化技術と電波伝搬シミュレーション技術の高速化と高精度化

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第5世代移動通信における構造物の影響の解明
研究背景・目的 研究組織 実施内容 適用手法 提案研究により期待されること
高速CFDコードを用いた次世代空力応用研究プラットフォーム構築に 向けた実証研究
現実の有限密度QCDの定性的な振る舞いに
5.3 接地アンテナ 素子の1つを接地して使用する線状アンテナ 5.3.1 映像アンテナと電流分布
第8週 高精度GPSの構築 位相測位の原理 通信システムの構築.
ひび割れ面の摩擦接触を考慮した損傷モデル
P4 通信システム P4.1 ディジタルフィルタの設計とその応用 P4.2 伝送線路のFDTD解析 P4.2 H4.1 P4.1 H4.1
4.給電線と整合回路 給電線:送信機とアンテナ,アンテナと受信機を結ぶ伝送線路 4.1 各種伝送線路
マイコンによるLEDの点灯制御 T22R003 川原 岳斗.
米山研究室紹介 -システム制御工学研究室-
モデルの逆解析 明治大学 理工学部 応用化学科 データ化学工学研究室 金子 弘昌.
Jh NAHI 横田 理央 (東京工業大学) Hierarchical low-rank approximation methods on distributed memory and GPUs 背景  H行列、H2行列、HSS行列などの階層的低ランク近似法はO(N2)の要素を持つ密行列をO(N)の要素を持つ行列に圧縮することができる。圧縮された行列を用いることで、行列積、LU分解、固有値計算をO(NlogN)で行うことができるため、従来密行列の解法が用いられてきた分野では階層的低ランク近似法
一般財団法人 VCCI 協会 教育研修専門委員会
HPC基盤における大量データ転送のためのデータ転送ツールの評価
RTK-GPS用プログラムライブラリRTKLIBの開発・評価および応用
1-P-6 パラボラ反射板を用いたアクティブマイクロフォンによる方向推定
遺伝的アルゴリズムを用いた 構造物の最適形状探索の プログラムの作成
第6回 高精度GPSの構築 位相測位の原理 通信システムの構築.
通信機構合わせた最適化をおこなう並列化ンパイラ
高分解能ビーム軌道傾きモニターの設計開発
空洞型ビーム軌道傾きモニターの設計 東北大学 M1 岡本 大典 .
AIを用いたドローンの 新たな姿勢制御方法に関する研究
エレベータの振動解析 (ロープ・かご) 富山大学 大学院理工学研究部(工学) 木村弘之 台北101国際金融センター.
サンテクノ技術セミナー 高周波技術入門 講座テキスト その1 平成18年6月2日.
目的:高速QR分解ルーチンのGPUクラスタ実装
Genetic Algorithm-based Partial Least Squares GAPLS Genetic Algorithm-based Support Vector Regression GASVR 明治大学 理工学部 応用化学科 データ化学工学研究室 金子 弘昌.
背景 課題 目的 手法 作業 期待 成果 有限体積法による汎用CFDにおける 流体構造連成解析ソルバーの計算効率の検証
ミリ波帯キャパシティブクロスカップリング差動増幅器のための対称交差レイアウトの提案
Data Clustering: A Review
研究背景・目的 研究組織 実施内容 適用手法 提案研究により期待されること
遺伝的アルゴリズム (GA) を活用した スペクトルの波長選択および時系列 データにおけるプロセス変数かつその時間 遅れ (ダイナミクス) の選択 明治大学 理工学部 応用化学科 データ化学工学研究室 金子 弘昌.
高精細計算を実現するAMR法フレームワークの高度化 研究背景と研究目的 複数GPU間での袖領域の交換と効率化
プラズモニック構造付シリコン光検出器のHPC援用設計に関する研究
P4 通信システム P4.1 ディジタルフィルタの設計とその応用 P4.2 伝送線路のFDTD解析 P4.2 H4.1 P4.1 H4.1
対象:せん断補強筋があるRCはり(約75万要素)
研究背景と目的 解析結果・グラフ 解析手法 今後の展望 太陽光模擬の高精度化 熱中症リスク評価シミュレータの開発と応用
ユビキタスコンピューティング環境 を構築するための 小型無線ネットワークコンピュータの開発
表紙 分散遺伝的アルゴリズムのための 新しい交叉法.
研究課題名 大規模計算資源を活用したアンテナ最適化技術と 電波伝搬シミュレーション技術の高度化
YBCO線材の高磁界中における臨界電流特性
ASTE搭載用ミリ波サブミリ波帯 多色ボロメータカメラ光学系の開発 竹腰達哉 北海道大学修士課程2年 Collaborators:
ギガビット観測システムによる長基線測地 VLBI
確率的フィルタリングを用いた アンサンブル学習の統計力学 三好 誠司 岡田 真人 神 戸 高 専 東 大, 理 研
背景 粒子法(SPH・MPSなど)は大規模流体シミュレーションなどで幅広く利用.一方で,手法の数学的正当化(数値解析)が不十分
大規模粒子法による大型クルーズ船の浸水解析
各種荷重を受ける 中空押出形成材の構造最適化
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アンテナ最適化技術と電波伝搬シミュレーション技術の高速化と高精度化 EX18102 (北海道大学情報基盤センター推薦課題) 伊藤桂一(秋田工業高等専門学校)    アンテナ最適化技術と電波伝搬シミュレーション技術の高速化と高精度化 伊藤桂一 (秋田高専) 村本充,奈須野裕 (苫小牧高専) 大島功三 (旭川高専) 丸山珠美 (函館高専) 大宮学 (北海道大学) 研究概要  本研究は,スパコンを用いたアンテナ最適化技術および大規模電波伝搬シミュレーション技術の開発と,その高速化と高精度化を行い,個々の研究課題を通してスパコン向けの計算コードの開発と汎用性の向上を目指す。 ①アンテナ最適化技術の開発とその高精度化,高速化  電磁界解析手法として時間領域差分(FDTD)法と遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm: GA)に代表されるメタヒューリスティクスを組合せた最適化設計法の提案し,いくつかのアンテナを設計例として研究を進めることにより,設計性能を明らかにするとともに精度向上および高速化を目指す。 ②大規模電波伝搬シミュレーション技術の開発とその高度化  実験による評価が容易ではない無線通信環境において電波伝搬の推定と通信環境の改善指針を得ることを目的に,大規模電磁界シミュレーションのためのツール開発および性能評価を行い,その有用性を明らかにする。 研究内容の紹介 大規模アンテナ設計とトポロジー最適化の効率化と高速化 メタヒューリスティクスを活用した到来方向推定の確立  進化型計算手法の一つであるµGAとFDTD法を組み合わせた設計手法を用いて大規模アンテナの設計を行う。アンテナ給電部の最適化を行うために,領域分割法などの計算手法の改善および並列計算などの計算環境のチューニングを行う。  また,アンテナ用誘電体レンズのトポロジー最適化も行い,最終的に試作および測定による評価を行う予定である。  従来,到来方向推定に用いられてきたMUSIC法等の手法は平面波を前提として定式化されているが,近傍波源からの電波は球面波(図4)となり,従来法で到来方向推定を行うと誤差を生じてしまう(図5).  近傍波源からの球面波の到来方向推定を行うためにメタヒューリスティクスを活用した手法を提案し,推定精度の向上を図る.    図4 球面波モデル     図5 球面波の推定結果例 (a)トポロジー最適化結果 (openGLで描画) (b)STL形式に変換 (3D CADで描画) (c)試作したレンズ (3Dプリンタで製作) 図1 アンテナ用誘電体レンズの設計例 (NGnetを使うことにより穴が開くようなトポロジカルなレンズを設計することが可能になる。) アンテナ自動最適設計手法の開発 下水道管内における無線LANの電磁界分布解析  下水道管の老朽化調査に無線で操作可能な簡易ロボットの活用が期待されている。下水道管内の電波伝搬特性は導波管に似た振る舞いをするため,長距離通信が難しい問題がある。また,下水道管内の伝搬実験は気軽に実施することができないため,スパコンによる解析が有効となる。  これまで,伝搬特性の計算結果が実験結果とほぼ一致することを確認するとともに,2.4GHz帯よりも5GHz帯の方が優れていることを明らかにした。  下水道管は径が様々で,メーカによって鉄筋の入り方もが異なるため,複数の条件で解析を行う必要がある。 ◆ IoT電波伝播環境改善を目標とするPSO,Differential     Evolutionを応用したメタサーフェスの最適設計 図2 PSOを用いた二周波共用メタサーフェスの設計例 ◆ 廃線レールをフィーダーとするEV走行中給電用WPTの   電力伝送効率最適設計 図6 試作した簡易ロボット 図3 廃線レール解析モデルとスケールモデルを用いた実験 図7 下水道管内の映像例