実験屋さん向け 超対称性入門 野尻美保子 京都大学基礎物理学研究所.

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実験屋さん向け 超対称性入門 野尻美保子 京都大学基礎物理学研究所

超対称性は難しい? 超対称模型以外にいろんな模型があるようだが。 なんかたくさん粒子があるのでいや。 パラメータがいっぱいあるし、気に入らない。 「ヒドンセクター」が怪しげ。 理論では、しょっちゅう、流行が変わっているようだが、みんな何を考えているんだ。 スカラークオークはLHCではみつからないと聞いたが大丈夫か。 Snomass Point とか特定の模型の点だけやっているのは意味不明

1.Introduction

階層性の問題 輻射補正の困難 2次発散 理論のカットオフ GUTを信じるなら10^15GeV 「教室に入ったら、机の上に 2次発散    理論のカットオフ    GUTを信じるなら10^15GeV 輻射補正の困難 1000000000000000GeVの 量を調整して200GeVの真空 期待値をださないといけない。 「教室に入ったら、机の上に 鉛筆が逆さに立っている」ような 異常さ ボソンの輻射補正 フェルミオンの場合 λΛ2

そよ風が吹いても倒れる標準模型 でも、標準模型の輻射補正は軽いヒグス コンシステント。 当然なにか仕掛けがあるに違いない。

決定的な実験がないと模型が氾濫 階層性問題を解決する模型 階層性だけでは 決まらないで しょう 超対称模型 超対称性のために2次 発散がない。 余剰次元模型 時空は4次元以上。標準 模型の粒子はブレイン上に。 プランクスケールは実は小さい。 Little Higgs 模型 ヒグス粒子は対称性の破れの NGボソンなので質量が軽い ことは保障されている。 Higgsless 模型 ヒグス粒子が実は5次元にすむ ゲージ場の一部。ゲージ対称性 で軽い質量を保障。 Technicolor 模型 強い未知の相互作用で 標準模型のゲージ群が破れた。

ストリング理論、超重力理論? 1019GeVスケール 超対称性? CPの破れの物理? 階層性問題の上り坂 素粒子標準模型 (実験データ) 宇宙の始まり インフレーション 超対称性? 暗黒物質生成 統一理論? バリオン数生成 CPの破れの物理? 階層性問題の上り坂 元素合成 素粒子標準模型 (実験データ)

2.Supersymmetry

超対称標準模型の粒子= 標準模型の粒子x2 アノヨノセカイ との相互作用 ボソン1自由度⇔フェルミオン1自由度 スカラートップ 超対称標準模型の粒子=         標準模型の粒子x2 アノヨノセカイ との相互作用 ボソン1自由度⇔フェルミオン1自由度    Φ(x,θ)=φ(x)+ψ(x)θ+F(x)θθ ヒグスボソン(スピン0)  ⇔ヒグシーノ(1/2) スカラーレプトン(0)   ⇔レプトン(1/2) スカラークオーク(0)   ⇔クオーク(1/2) ゲージボソン(1)     ⇔ゲージーノ(1/2) 真空が超対称⇒ボソンの質量=フェルミオンの質量 2次発散を引き起こさずに、超対称性の破れをおこすことが可能(自発的超対称性の破れ) ゲージ理論とのアナロジー ゲージ対称性⇔質量0のゲージ粒子 ゲージ理論の繰り込み可能性はそのまま。 スカラートップ λF トップクオーク (高々ヒグスの真空期待値) W boson g<v> photon

超対称標準模型の粒子 アノマリーを 消すために 2つ必要

超対称粒子の相互作用と質量 超対称理論に本質的な性質 湯川相互作用 超対称理論に本質的な性質 新しいスカラー4点の結合定数(SSSS)、新しい湯川結合(FFS)結合定数は出ない。(標準模型のゲージ結合、あるいは、湯川結合定数と関係がつく) 量子的な(繰り込み可能な)性質。 スカラーの世界まで、カイラリティ(右巻き、左巻き)の概念が広がる。 R R Y2 Y Y Higgs Higgsino L L ゲージ相互作用 L ゲージ L ゲージーノ L L

階層性問題と超対称性 超対称模型 ボソンとフェルミオンの間の対称性 ⇒超対称粒子の結合定数に制限 超対称模型 ボソンとフェルミオンの間の対称性 ⇒超対称粒子の結合定数に制限 繰り込み可能な性質であるということが重要 ⇒フェルミオンとボソンの輻射補正の間に関係がつく。 ⇒2次発散がキャンセルしてlog 発散 この模型を考えることで高いスケールと低いスケールとの 間の関係を考えることが可能になる。 さらに、、、

超対称性模型の成果 ゲージ結合の統一 ぴったり! 3つのゲージ相互作用を一つの相 互作用@1016GeVで、記述することが可能 超対称性模型の成果  ゲージ結合の統一 3つのゲージ相互作用を一つの相 互作用@1016GeVで、記述することが可能 超対称大統一理論 SUSYなし U(1) ぴったり! SU(2) SU(3) 繰り込みスケール

超対称粒子の質量パラメータ

超対称性の自発的破れ 超対称な場の理論の良い性質を維持するためには超対称性は自発的に破れる必要がある。 一方、グローバルな超対称性が自発的に破れる場合には、ツリーレベルで以下の関係がなりたつ。 これでは現象論的に困るので、超対称標準模型のセクター以外に超対称性を破るセクターを用意する(Hidden sector) Hiddenセクターは重力、あるいはループを介してわれわれと繋がっている。 Hiddenセクターはなんなのだろう。どこから来たのだろう。どうやったらその性質がわかるのだろう。

手がかりはどこに? FCNC,LFV EDM 重力、ゲージ相互作用?? 物質にたいして、ユニバーサルな相互作用が超対称性の破れを伝えているはず。 重力、ゲージ相互作用?? さらに面白い構造(対称性)があるはず。 超対称性の破れの起源が多数あると相対位相(CP問題)がでる。 あるいはスカラーフェルミオンはすべて重い?(Focus Point, Split Supersymmety) s d γ μ e

Hidden sector での超対称性の破れ 運動量項を一番簡単にとるとユニバーサルなスカラー質量がGUTスケールで出る。 M=1019GeV F=1011GeV Fの起源はHidden sector のゲージダイナミクスなど 超対称性を破るセクター Z~θθF 高次の相互作用 超対称標準模型 の粒子 ループ補正 Gauge mediation

可能な超対称性を破る項 ゲージ結合 湯川結合 超対称性の破れの項が、高次項から来ているのであれば、 ゲージ結合、湯川結合も同じ高次の場の真空期待値 と関係している可能性がある。  マヨラナ質量

実際ストリング理論では 重力とゲージ結合の関係

究極のHidden Sector Anomary mediation (geometrics separation) この間に直接の相互作用が ないような極端な場合を考えても 粒子には重力のアノマリーを通して 低エネルギーで超対称性の破れが 伝えられる。 このとき     Mass∝β関数 たとえば M1:M2:M3=1 : 0.3 : -3 Hidden sector F0 5次元の 空間 MSSM sector

Super Higgs 機構 超対称な真空 F=0(不安定) グラビティーノ粒子との混合 重力セクターも超対称で初めて模型になる。 グラビティーノはすべての超対称性の 破れに結合する。この性質がコライダー で調べられるのは、グラビティーノ の質量が一番軽い場合。 質量ゼロのゴールドストーン フェルミオンと背景場<F>

Higgs 機構 対称な真空 (不安定) ゲージ粒子との混合 質量ゼロのゴールドストーン 粒子と背景場

超対称模型の構造(まとめ) Hidden sector F Messenger sector M Really Hidden sector 模型に依存するパス Really Hidden sector F0 Messenger sector M 模型に依存しないパス massless golostino Gravitino mass by Superhiggs Mechanism F/M MSSM sector M(SUSY)=F/M or F0/M グラビティーノとの 相互作用は模型によらない

   3.超対称模型の     低エネルギー予言

超対称模型の予言 Y2s gs f 理論的予言は高いスケールでの値。低いスケールの値は輻射補正で大きく変わる。 補正の出るダイアグラム(右) 強いゲージ相互作用をする粒子ほど重い。湯川相互作用が大きいと負になる。 ゲージ結合とゲージーノの質量は繰り込みが同じ。これは、ゲージ結合と、ゲージーノ粒子が一つの超対称定数場で書けるから。   Ψ=1/g2+Mθθ   ⇒ GUTスケールで一つのMなら     M1/α1=M2/α2=M3/α3     M1:M2:M3 =0.4:0.8:2.4 Y2s

超重力模型の低エネルギーでの予言 ゲージ相互作用によるもの 強い相互作用をする粒子の質量は 重くなる。 繰り込み群方程式 湯川結合によるもの (大きさを小さくする方に働く) 世代間で異なる大きさ 世代間の混合 右巻きニュートリノの湯川結合 低いスケールでの超対称模型 の質量変数

超対称模型のHiggs セクター Higgs の質量に上限 1.現在の実験的な制限をみたすためには、スカラートップはある程度 Higgs の質量に上限 1.現在の実験的な制限をみたすためには、スカラートップはある程度 重くないといけない。 2.輻射補正がなければゲージ対称性が破れない。

有効理論の4点結合 超対称性を破る補正は いろいろなとこで重要 (超対称性があるときには 出ない結合など) 超対称粒子の トップ湯川の4次の補正 QCDの2loop 補正重要 計算が進むと値が結構 変わったりする。(;;) 超対称粒子の Decoupling 湯川 相互作用 の補正 ヒグスの4点結合 ゲージ結合 M(SUSY) エネルギースケール

Radiative Symmetry breaking Higgs mass パラメータ の2乗(~-mZ2) = GUT scale 質量項      m2 + EWゲージーノ補正 - スカラートップ補正(L+R) +μパラメーター スカラートップの質量(R or L) EWゲージーノ補正 = GUT scale 質量項 + グルイーノ補正 - スカラートップ補正(L or R) -    ヒグスの補正 負の補正 Higgs:スカラートップ(R):スカラートップ(L)=3:2:1

Radiative Symmetry Breaking

μパラメータの値 in MSUGRA Mには強く依存するが、mの値にたいする感度は低い。 Neutralino, Wino の性質を決めるにも重要

第三世代の超対称粒子 トップ湯川の効果 グルイーノのスケール 大きい可能性 EWのスケール 第一世代、第二世代に比べて軽い(湯川の繰り込み補正) 右と左の混合がある。 SUSYイベントの特徴 たくさんのbあるいはτ Bの物理、Higgsの物理、暗黒物質の物理と関係あり。 トップ湯川の効果 グルイーノのスケール 大きい可能性 EWのスケール

Gauge Mediation Model Messenger sector Q MSSM 比較的低いスケールでの 超対称性の自発的破れ X SUSYの破れのおおもと 比較的低いスケールでの 超対称性の自発的破れ X Messenger sector Q N個のベクトルライクな場。 標準模型のゲージ粒子にも結合 N N MSSM Q

Gauge mediation model のスペクトラム Gaugino の質量(MSUGRA と同じ) N が大きいと sfermion の質量のほうが、小さくなる。 現象論に大きな影響がある。 Sfermion の質量 すべての超対称性の破れ Gravitinoの質量

SUSY scaleに対する考察 Fine tuning の定量化 超重力模型ではグルイーノの質量への依存性は高い。しかしトップが重いためにユニバーサルなスカラー質量についての依存性は低い(重くても許される?) ⇒グルイーノ質量が軽くスカラーの質量が重い場合の現象論 (Focus point, split SUSY) FCNCや、CPの問題は楽?μが小さいので、DM密度も適当。しかし、「勝手なスカラー質量(特に第三世代とヒッグスrの質量」を許せば、スカラーの質量の変化はFine tuning の問題を起す。結局MSUGRAの特別な解。 Little Hierarchy    Higgsの質量の下限→ある程度重いスカラートップ⇒ある程度の階層性。いろいろな工夫が考えられる。

実験してみないことにはわからない。 “壁にcoupling unification の絵を張って一日3回拝みましょう。” MSSMならスカラークオークは少なくとも500GeVよりは重いだろう。(Higgsの質量の下限から。) Split SUSY m>>10TeV 重ければ重いほどFCNCもCPも楽ではないか。(階層性問題をまったく気にしない立場) Focus Point m~10TeV 重くてもスカラーに限れば階層性は問題ないのではないか。 Little Hierachy。階層性はいやなのでいろいろ工夫してみよう。(たとえばLittle Higgs 的な模型とか、Conformal なんとかとか。)このあたりが理論の醍醐味。 MSUGRAの中で可能なものをひたすら絞っていく立場。(Ellisとか) コライダー屋の立場。つまり、可能なシグナルのパターンを切り出していく ⇒実験屋はなるべく守備範囲が広がる可能性があるときだけ動けばよい。現状では、Discovery に関して言えば、MSUGRAと本質的に違う模型は少ない。 Split SUSY、若干の余分な粒子 Extra top quark, Dirac gaugino mass 不安になったら “壁にcoupling unification の絵を張って一日3回拝みましょう。”

宇宙との関係 QL(R=1) H(R=1) UR(R=1) QL(R=1) UR(R=1) Rパリティの保存→ダークマター ゲージ相互作用の変換性だけでは、ヒッグスと左巻きレプトンがまったく同じ。レプトンをヒッグスに置き換えた相互作用が禁止されない。(陽子崩壊、レプトン数の破れなど) いらない相互作用を禁止するためにHiggsとレプトン、クオークに違うRパリティを割り当てる。    →自動的に一番軽い超対称粒子が安定→暗黒物質 Rパリティは標準模型にはないU(1)対称性、ストリング理論のDiscrete 対称性などに起源を持っているかも知れない。しかし、必然性はいまのところ知られていない。(ちょっと弱気) UR(R=1) QL(R=1) UR(R=1)

暗黒物質と超対称性 荷電中性、強い相互作用をしない超対称粒子 生成機構 1)宇宙初期の熱平衡状態にある粒子から分離(decoupling)して有限に のこった。  2)重たい粒子の崩壊からできた。

最近の動向 観測の精度が上がるまでは Cosmological constant は0と考えていたしていた。Habble Constant もよくわからなかった。 DMの対消滅確率はそれまで思われていたよりも大きい。 特にMSUGRA模型では、とても特殊なパラメータでないとDMの制限は満たされなくなった。(Co-annihilation region) Late Decay below TF という可能性も

Lightest Nuetralino の性質 W H どのパラメータ領域にあるか、知っていないと、 密度はわからない。 Griest, Jungman ,Kamionkowski

MSUGRAでのDM領域概略 Bino DM slepton 交換で質量密度が決まる。 Bino –Higgsino の混合領域 Higgs pole mH=2mc co-annihilation Scalar mass Gaugino mass

SUGRA(だけ)では ないような気がする。 超重力模型の予言とあっているか 調べようという人がいるが、模型に たよらず、コライダーでできることを 洗い出していくことが大事。 μパラメータの予言は正しいか。 対消滅確率に制限をつける。 DMが熱平衡状態→デカップリングで説明できるか

Semi stable particle in GM model Lightest SUSY particle is gravitino MSSM SUSY particle decay into gravitino at the end of the cascade. NLSP fly and decay NLSP life time measurement → F0

4.あれこれ

超対称模型研究の実務 Point study がなぜ必要か。 実際はポイントが少し変わってもほとんど物理は変わらない。 研究するモデルの点をそろえて、それぞれの研究を組み合わせてなにができるか、総合的に考えるのに役に立つ 多少実験的な制限が変わったからといって、少し違う点にうつることは意味がない。「大体この辺」という感覚が大事。 SUSYがどういうものかわかって、何を明らかにしたいと思っているか明確でないと、Pointに振り回される可能性はある。

Snowmass points. (should we add some more??) SUGRA Points Point       M0      M1/2       A0    tan(beta)  sgn(mu)      1a     100   250  -100   10.0    + 1b     200   400    0   30.0    + 2     1450   300    0   10.0    + 3       90   400   0    10.0    + 4      400   300    0   50.0    + 5      150   300 -1000 5.0 + Non-Universal SUGRA Points GMSB Points AMSB Points

やりたいことはなんだろう? 発見 スピンの同定 本当にF ⇔ Bか やりたいことはなんだろう?  発見 スピンの同定 本当にF ⇔ Bか スカラークオークはスカラーか? ゲージーノはフェルミオンか? Neutralino, gaugino はマヨラナか。 結合はカイラルか。 超対称模型でないが同じようなシグナルを示す模型は作れる。検証は必要 ボトムの湯川結合~tanβで大きくなる。トップとボトムの湯川結合はどのくらい違うか? 粒子のLR混合(tanβはどのくらいの大きさか。あるいは他で計った tan βとあっているか。

やりたいこと その2 第三世代と第一世代の質量の違い。 Lagrangian 自体の総合的な検証 やりたいこと その2  統一模型 質量の測定→超対称性の破れの起源。さらに高いスケールになにがあるか? GUT relation, universality Gaugeino のGUT relation 世代間の違い、世代混合 第三世代と第一世代の質量の違い。 高いスケールで超対称性の破れが入れば、繰り込み群の湯川の補正によって超対称粒子の質量の間に大きな差がでる。GMでは差は小さい 小さい効果(LFV、スカラークオークのフレーバーの破れ。) 低いスケールの物理 相互作用の決定。 Lagrangian 自体の総合的な検証  LSPはなにか。