加工工程決定支援システム 電子情報通信学会 2010年総合大会 2010年3月18日 松江工業高等専門学校 情報工学科 越田 高志
1.はじめに(研究の背景と目的) 導入できない原因は何か? 地元の中小製造業や加工業における生産工程管理システム導入の遅れが目立つ. 産学官の連携で,中小製造業の情報システム化を支援する. 導入できない原因は何か? 生産工程管理システムが高価で手が出ない.それは,汎用システムの利用が難しいから. どうしてか?
各業種毎,企業毎に生産工程や生産 機器,DBなどが異なる. 企業毎の受発注システムやDBとの連携も考慮する必要がある,など. カスタマイズが不可欠! ・MZPlatform(産総研)をベースとして開発する. ・高専が企業要望や現場状況を把握して,プロトタイプシステムを開発・提供する. 開発方針
企業の現状(問題点) 今回のターゲット:地元の金属加工会社 数百種類/月の受注加工がある. そのため, 企業の現状(問題点) 今回のターゲット:地元の金属加工会社 数百種類/月の受注加工がある. ・リアルタイムでの工程進捗管理ができていない. ・情報の電子化が不十分で,紙面データでの 情報が多い. そのため, ・作業待ちにともなう機器の稼働率低下. ・納期遅れや原価割れの判断が遅れる. それらの問題解決のために,
生産工程管理システムの開発 開発目標 ③ロット毎の加工工程決定支援の自動化 ①ロット毎のリアルタイム工程進捗管理機能の実現 生産工程管理システムの開発 開発目標 ①ロット毎のリアルタイム工程進捗管理機能の実現 (バーコードを利用したプロトタイプシステムを開発済) ②各種データの検索・集計機能の実現 ③ロット毎の加工工程決定支援の自動化 (現状:工程順は監督者が決定し,紙面で指示) ④ロット毎の工程機器の自動割付最適化
リアルタイムでの工程進捗機能 (ガントチャート表示) 時間軸 現在時刻 作業機械 作業を終えた工程 ロット番号 作業中の工程
各種検索・集計機能 (ロット番号毎の各工程作業時間集計) 受注データ 作業時間集計結果 稼動費計算結果とグラフ表示
企業でのフィールドテストの様子
2.加工工程決定支援システム 受注時に加工工程決定を自動化したい. ①過去の作業データ,受注データを分析して, プログラム化 ①過去の作業データ,受注データを分析して, ②ロット毎の加工工程順を抽出する. ③ロット番号ー工程順番 対応表 及び 品名ー設計図番ーロット番号 対応表 を作成する. 受注時に入力する項目 ④品名と設計図番から過去の工程順が分かる.
プログラムについて 作業データ ロット番号 優先順位表を参照
現行の作業指示書 これらのデータを基に,下記の工程順番を提示する.
工程順抽出プログラム(ロット番号指定)
品名ー図番ーロット番号 抽出プログラム (品名指定) 品名ー図番ーロット番号 抽出プログラム (品名指定) 図1 同じ工程である! 同じ設計図番である.
作業時間が異なる! 何故?
仕様(図番)が799-30765で同じ 工程が異なる! その違い何?
品名-設計図番ーロット番号との対応テーブル 受注時に指定する 品名 設計図番 ロット番号 ダンパーリング 799-30752 M0943 ロット番号 M0943 1 TAL-510 NO.2 (112) 汎用旋盤 2 マシニングセンタ (124) マシニング 3 DWC-90HA N0.3 (131) ワイヤーカット 4 5 検査 (150) 検査
・データの分析→加工特徴と工程順との関係の明確化. ・受注登録画面→加工特徴も指定可能にする. ・加工特徴と設計図番→工程順データの提示. 新規受注登録では,「設計図番」と「加工品名」を必ず登録するので,そのデータから2つのテーブルを検索して,工程順データを表示する. 表示された工程順データを基に,変更があれば,追加・修正を加えて,テーブルに登録する. 今後の予定 丸物:長さ/直径,角物:XYZなど ・データの分析→加工特徴と工程順との関係の明確化. ・受注登録画面→加工特徴も指定可能にする. ・加工特徴と設計図番→工程順データの提示. ・これらのプログラムのWebサービス化と連携.
工程機械情報のRDFデータ例(NC旋盤) <rdf:RDF xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#“ xmlns:j.0=http://www.matsue- ct.ac.jp/IE/MachineProperty#> <rdf:Description rdf:about="http://www.matsue- ct.ac.jp/IE/IDMachine/Lathe"> <j.0:isPlaceOf>3</j.0:isPlaceOf> <j.0:isIDOf>133</j.0:isIDOf> <j.0:isPriorityOf>30</j.0:isPriorityOf> <j.0:isAbbreviateOf>NCLE1</j.0:isAbbreviateOf> <j.0:isNameOf>Lathe</j.0:isNameOf> <j.0:diam>740</j.0:diam> <j.0:length>1260</j.0:length> </rdf:Description> </rdf:RDF> プログラム作成済 設置工場/機械ID 工程優先順位 加工最大直径 加工最大長
仕様(図番)が799-30765で同じ