DECIGO pathfinderのための 試験マスモジュールの構造設計・解析

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DECIGO pathfinderのための 試験マスモジュールの構造設計・解析 お茶大、国立天文台A、東大地震研B、東大理C、法政大工D 若林野花、大渕喜之A、岡田則夫A、鳥居泰男A、江尻悠美子、鈴木理恵子、上田暁俊A、川村静児A、新谷昌人B、安東正樹C、佐藤修一D、菅本晶夫

目次 概要 DPF試験マスモジュールの概要 BBM実験全体の流れ 設計・製作・組立・構造解析について 今後の予定 まとめ

概要 DPF試験マスモジュールのBreadboard Model[BBM]の設計・加工・組立・構造解析を行った。 構造解析で行った現モデルでの解析結果を、次のモデルにフィードバックする。

DPF試験マスモジュール概要 DPFとは 宇宙重力波検出器DECIGOの前哨衛星 DPF試験マスモジュールとは  干渉計の鏡と試験マスを保持する機構 試験マスモジュール DPF 干渉計モジュール

Breadboard Model(BBM) 試験マスモジュール開発のステップ Breadboard Model(BBM) Engineering Model Flight Model 現在 (2008~2009年) 2009年~ 2011年~

DPF試験マスモジュール BBM実験の流れ 時期 設計 ↓ 熱・構造解析 (時間の都合上製作と同時進行) 今年度 製作 組立 評価実験 来年度

試験マスモジュールBBM設計① ★総重量:約19kg ★全体の大きさ:150mm×200mm×300mm ★構成コンポーネント  ・ハウジングフレーム  ・テストマス  ・静電容量型センサー・アクチュエーター  ・クランプリリースモーター  ・ローンチロックモーター  ・レーザーセンサ

試験マスモジュールBBM設計② ★テストマス:70mm角、アルミニウム ★ハウジングフレーム:110mm角、アルミニウム ★電極板(静電容量型センサー    ・アクチュエータ):銅板に金メッキ

製作・組立について 加工:天文台マシンショップ (精度 30μm) 電極板(センサー・アクチュエータ) レーザーセンサの コーナーキューブ 鏡 レーザーセンサユニット フレーム・電極板 テストマス

熱・構造解析(検討事項) 軌道上での熱分布 ロケットでの打上時の影響 [今回] 準静的加速度24Gをかけたときの応力分布解析 準静的加速度荷重による影響 ランダム振動による影響 音響による影響 衝撃による影響 軌道上での熱分布 [今回] 準静的加速度24Gをかけたときの応力分布解析

今回の構造解析について 各コンポーネントを再現 材質、形状、質量は、フライトモデルで使用予定のものを再現 現実に近い境界条件、応力を再現 機軸下向きに準静的加速度24G 24G (235.4m/S²)

構造解析結果の概要 応力分布、変形ともに概ね問題なし。 フレーム、電極板、レーザーセンサ等に塑性変形や破壊はない。 このモデルで、準静的加速度24Gに対する十分な強度がある。 応力分布 変位

構造解析結果の詳細① ★電極板★ 材質-サファイヤ 引張応力最大4.2MPa(引張強度2250MPa) 応力集中によって破壊されることはない。 →問題なし

構造解析結果の詳細② ★フレーム★ 材質-アルミニウム ミーゼス応力最大1.4MPa(降伏点30MPa) 塑性変形しない →問題なし

構造解析結果の詳細③ 電極板-テストマス間隔 : 1mm 電極-テストマス間の接近 : 最大0.5μm →問題なし

構造解析結果のまとめ ★準静的加速度24Gに対しての強度は概ね問題なし。 ★次のモデルではモジュール全体を計量化する必要性があり、それに伴い各コンポーネントの配置の最適化を行う。

今後の予定 熱・構造解析 試験マスモジュールの総合動作試験 各コンポーネントの性能評価実験 その他 微小重力環境での試験(検討中) 2009 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2010 1月 2月 3月 熱・構造解析 試験マスモジュールの総合動作試験 各コンポーネントの性能評価実験 その他 微小重力環境での試験(検討中)

まとめ DPF試験マスモジュールのBBMを設計・製作・組立・準静的加速度について構造解析を行った。構造解析の結果、現モデルで準静的加速度24Gに対する強度は十分であることが分かった。 モジュール全体の軽量化及び各コンポーネントの配置の最適化を次のモデルでは行いたい。 今後は、他の熱・構造解析、性能評価実験を行う予定。