うちゅうのおはなし を通して子どもの中に見つけたい 科学の芽

Slides:



Advertisements
Similar presentations
キー・コンピテンシーと生きる 力 キー・コンピテンシー – 社会・文化的,技術的道具を相互作用的に活用する力 – 自律的に行動する力 – 社会的に異質な集団で交流する力 生きる力 – 基礎・基本を確実に身に付け,いかに社会が変化しようと, 自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考え, 主体的に判断 し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力.
Advertisements

英語ゼミ 6/15( 水 ) 金 正福. Part2 Unit8 ~査読者とのやりと り~ 科学技術英語 ロボット工学.
Introduction to New Media Development Association June 2001 このプレゼンテーションでは、出 席者間で討論をし、アクション アイテムを作成する場合があり ます。 PowerPoint を使ってプ レゼンテーションの実行中にア クション アイテムを作成する.
生 活 科 (小) 福島県教育委員会 平成20年度小・中学校教育課程研究協議 会. Ⅰ 改訂の要点 1 学年の目標の改善 (1) 目標 (3) を加え、四つに増やした。 (2) 文言を加え、一人一人の児童に育 つことを期待する認識を明確にした。 ① 目標 (1) 「地域のよさに気付き」 ② 目標 (2)
VE 01 え form What is え form? え? You can do that many things with え form?
「バリアフリーの心理学」(望月) 配布資料(10/ )
研修のめあて 授業記録、授業評価等に役立てるためのICT活用について理解し、ディジタルカメラ又はビデオカメラのデータ整理の方法について研修します。 福岡県教育センター 教員のICT授業活用力向上研修システム.
極紫外撮像分光装置 (EIS) 国立天文台 渡 邊 鉄 哉
大阪府公立小学校英語学習6カ年プログラム「DREAM」 導入支援研修
Classes on saturday Yuji Kawada.
表6-1 単元計画の例「明かりをつけよう」 次 学習活動 教師の支援・留意点 第1次 2時間 豆電球に明かりをつけよう
スケジュール 火曜日4限( 14:45-16:15 ),A棟1333号室
異文化コミュニケーション科目(4科目) 注)A, Bがあるコースはどちらか一方を履修する 科目名 単位 担当者および内容 ◎
2007年6月15日(金) 瀧川 光治(樟蔭東女子短期大学)
英語勉強会(詫間English) /26 三木裕太.
「ICT社会におけるコミュニケーション力の育成」 研修モジュール C-6:ポスターセッション
7.幼稚園教育要領と領域「環境」 瀧川 光治.
おさなごと楽しむ遊び ~子育て・孫育てに生かす知恵~
色のかくれんぼ (5・6年) 実施学年 年 月( 時間) -1- (描画材の造形活動の評価規準) 学習の目標
参考資料5 世界保健機関憲章前文 (日本WHO協会仮訳)
CSWパラレルイベント報告 ヒューマンライツ・ナウ        後藤 弘子.
      特別支援学校 高等部学習指導要領 聴覚障害教育について.
Windows Summit /13/2017 © 2010 Microsoft Corporation. All rights reserved. Microsoft, Windows, Windows Vista and other product names are or may be.
Location nouns.
Hanyang University, Business School,
重点目標 ことばを 大切にし  共に高まろう 受信→熟考→発信.
9.保育環境 瀧川 光治.
Noun の 間(に) + Adjective Verb てform + いる間(に) during/while.
Agent&Society.
どこで、何を使って?(準備物と場の設定)
十年生の 日本語 Year 10 Writing Portfolio
Unit Book 10_课件_U1_Reading2-8 4 Word power university 1.
Licensing information
ひかり保育園での天文アウトリーチ活動 和歌山大学教育学部 河野明里 2008年2月15日 和歌山大学.
What is the English Lounge?
Japan Forum of Nuclear Astrophysics 宇宙核物理連絡協議会
うちゅうのおはなし を通して子どもに伸ばしてほしい 科学の芽
Evidence-based Health Care とは何か
Isesaki City LEADER program Module 1
Peace psychology in Japan from critical psychology perspective Takehiko Ito (Wako University) CS27-12 Theoretical Frameworks of Psychology in ICP2016.
高校における英語の授業は英語でがベストか
第4回HiSEP特別セミナー Alexander Borisov 教授
Where is Wumpus Propositional logic (cont…) Reasoning where is wumpus
第24回応用言語学講座公開連続講演会 後援:国際言語文化研究科教育研究プロジェクト経費
Question Words….
名古屋大学大学院国際原語文化研究科 第46回日本語教育学講座講演会
平成15・16・17年度 田辺市教育委員会指定研究校 『情報化社会を生きる児童の育成』
か ICC にほんご ペラペラクラブ あ 7月 た な JAPANESE CHAT CLUB さ JULY は や ら ま わ
東京大学 大学院工学系研究科 産業機械工学専攻 村上 存
2019/4/22 Warm-up ※Warm-up 1~3には、小学校外国語活動「アルファベットを探そう」(H26年度、神埼小学校におけるSTの授業実践)で、5年生が撮影した写真を使用しています(授業者より使用許諾済)。
資料 2-6 世界保健機関憲章前文 (日本WHO協会仮訳)
ロールプレイアクティビティ ある状況設定の中で、登場人物になりきり会話をします。 CAN-DO: 状況に応じた適切な質問をすることができる。
保育園、幼稚園、学童保育での 「うちゅうのおはなし」 富田晃彦(とみた あきひこ) 和歌山大学教育学部
北大MMCセミナー 第81回 附属社会創造数学センター主催
For Master’s Students 修士学生
The Facilitative Cues in Learning Complex Recursive Structures
プレ課題研究ガイダンス 平成30年10月19日(金) 熊本県立宇土中学校・宇土高等学校
Create the Future Appreciate the difference
Guide to Graduate School of Education University of Tsukuba, Japan
1月 やぎざのおはなし ひかり保育園での天文アウトリーチ活動 和歌山大学 教育学部 河野明里 保育園で天文アウトリーチ活動を行っています
~国際比較にみる達成目標と評価のガイドライン~
Indirect Speech 間接話法 Kaho.I.
アノテーションガイドラインの管理を行う アノテーションシステムの提案
Improving Strategic Play in Shogi by Using Move Sequence Trees
北大MMCセミナー 第28回 Date: 2014年10月3日(金)14:30~16:00 ※通常と開始時間が異なります
平成20・21年度 国立教育政策研究所・教育課程研究センター指定
学習指導要領の改訂 全国連合小学校長会 会長 大橋 明.
Elements of Style 第3回 2019年6月11日(火).
Presentation transcript:

うちゅうのおはなし を通して子どもの中に見つけたい 科学の芽 科学の芽としての種々の評価項目の比較 富田晃彦(和歌山大学教育学部) atomita@center.wakayama-u.ac.jp http://www.wakayama-u.ac.jp/~atomita/ 日本保育学会第68回大会、2015年5月10日(日)、椙山女学園大学(名古屋市千種区)、ポスターセッション:保育内容II(健康・人間関係・環境・言葉・表現)10、発表番号:15090 実践:天文あそび(うちゅうのおはなし)は、こんな活動 おはなし 30分弱 2013年4月の敷物ポスター 2014年3月の敷物ポスター 2013年6月の敷物ポスター 配布カードの例(2013年11月)  葉書半分サイズ、裏表 2013年11月の敷物ポスター ネタの紹介 わ~わ~おしゃべり ひとりひとりとおはなし 敷物ポスターでおしゃべり 30分弱 おうちにもってかえって、 おうちでも楽しんでもらう。 実践場所:ひかり保育園(大阪府藤井寺市) ほか 評価:天文あそび(うちゅうのおはなし)における、「科学の芽」 テーマ:上へ上への戦略 (偶然)獲得した、具体的な態度 自分で出したアイデア、まわりのお友だちが出したアイデアを 集大成すると、すごいアイデアに進化する テーマ:部屋の中の虹探し (偶然)獲得した、具体的な態度・視点 虹(状のもの)をよく見る、発見できるようになった テーマ:夕日は、沈むのか? (偶然)獲得した、具体的な視点・課題 星は沈むのかどうか、問題だ! 大項目(観点) - 小項目(規準)  1.関心や意欲    1.1. 楽しんでいる    1.2. 気づいている    1.3. 興味が喚起されている  2.科学的技能    2.1. 観察する    2.2. 質問する    2.2. 意見交換する(報告する)    2.4. 解釈する(解釈の努力をする、説明する)    2.5. 試す    2.6. 工夫する    2.7. 確かめる    2.8. 記録する(絵にする)    2.9. 保存する  (発展:さまざまな創作活動につながる。) うちゅうのおはなし を通して子どもの中に見つけたい 科学の芽 太字:特に活動中に見られるもの 感 考 伝 個人 共有 日本保育学会 第67大会(2014年5月17日)発表番号 M2213E でも議論 園児と訪問者(富田)、また、園児どうしの会話やつぶやきの中で、科学的な見方・考え方につながる感性や思考の基本的技能(skills)が発揮。 園児と訪問者(富田)、また、園児どうしの会話やつぶやきの中で、科学的な態度、視点、新たな課題を獲得することがある。 議論:科学あそびの、他の評価との関係 ソニー幼児教育支援プログラムの優秀園に選ばれた園で開発された、「感じる心」と「考える力」の評価表である。 大変丁寧で包括的である。一方、その評価表は項目が大変多くなっている。「うちゅうのおはなし」の評価は、それよりずっと大くくりのものである。 「育てたい力(教育課程の軸)」を見据えながら保育し、 保育記録で「保育者のはたらきかけ(遊びを育てる)」を振り返り、 その考察で「遊誘財が子どもに誘いかけるもの」を読み取る(感受性、活動性、思考性について)。 そして、 「科学的思考を促す幼小接続教育課程の評価要素表:鳴門教育大学附属幼稚園方式」が開発されている。 大変丁寧で包括的である。一方、その評価表は項目が大変多くなっている。「うちゅうのおはなし」の評価は、それよりずっと大くくりのものである。 幼児期と小学校低学年期の5年間を見通して、思考のスキルや発達の姿をまとめたものである。 くくり方が「うちゅうのおはなし」の評価方法のものと近い。 Motivation Grace Kimble による(改編) 評価観点:関心や意欲 評価規準 評価基準 Scientific skills 評価観点:科学的技能 Universe knowledge 評価観点:天文の知識 Intercultural attitudes 評価観点:多文化の理解、多様な視点 他、3観点 日本での、 観点別評価に よく似ている。 思考力、分析力、 コミュニケーション能力 Objectives Evidence Curiosity Tenacity Enjoyment Inspiration -Children are doing the tasks with pleasure -Children seem enchanted -Children react with diligence in front of the proposed activities -Children demonstrate attention -Children apply perseverance / tenacity -Children manifest inquisitiveness -Children introduce some complex questions Domains of active learning 幼児から小学校期の天文教育の世界最大の活動団体がEvaluation Guideを出している。 「うちゅうのおはなし」の評価点は、この資料が一番の土台になっている。 ただし、この資料は、保育現場の観点がやや薄い。 Scientific skills 評価観点:科学的技能 Objectives Evidence Develop Scientific Thinking & Problem Solving Techniques; Planning & Conducting Investigations Observation, Identification, Classification, Making interconnections, Changing Perspective & Communication  Discussing and Questioning Planning Observing Interpreting Ideas and Evidence Recording Evaluation -Correct use of vocabulary or gesture to name objects and phenomena observed in sky -Grouping objects/ phenomena to indicate developing understanding of astronomy concepts -Making conjectures available to be contrasted -Developing some experiences related to the hypothesis -Linking new information with existing conceptions of the same or different areas -Removing previous points of view according to new inputs -Sharing with others their new knowledge Awareness of the Universe 評価観点:天文の知識 Objectives Evidence Observing, exploring and discovering: 1. The Sun, Sun relative position, Sun light (shadows), Day/night cycle, time zones, the seasons, the Moon, the Earth as a planet, awareness of the existence of water and of the Earth atmosphere and Sun light for the development of life on Earth, Solar and Moon eclipses,... 2. The Solar system: planets characteristics and movements, wharf planets, asteroids, comets,... 3. The Stars in the night sky, the constellations, orientation, the Life-cycle of stars, the formation of stars and planets,... 4. Our place in the Milky Way, Family of galaxies,... 5. Current developments in astronomy 6. Magnetic fields (compass, northern lights,...) 7. Several complementary questions   Direct observation and/or recording of naming, first explanations, discussing, drawing, construction, creative responses, movements and dances, etc. to demonstrate knowledge of one of the features listed. left Intercultural awareness 評価観点:多文化の理解力 Objectives Evidence  Valuing different cultural perspective. Recognising different physical perspectives. Positive attitude towards astronomy. Valuing inclusive education Working Individually & in Teams -Demonstrating awareness of different cultures -Ability to observe and explain differences in phenomena in different countries -Statements of future activity with regards to astronomy -Act on an appropriate way in a frame of diversity Universe Awareness Workshop 2013 (2013年10月、ドイツ・ハイデルベルグにて) Mary Kay Hemenway による発表スライドより 「自然事象への関心・意欲・態度」「科学的な思考・表現」「観察・実験の技能」「自然事象についての知識・理解」の4観点のうち、1番目と2番目が「うちゅうのおはなし」での評価点とよく重なる。 園児が、生活経験と持っている言葉で最大限の表現をすることを重視したいため、素朴概念を、乗り越えるものとして単純に切り捨てないことが、小学校での評価法と大きく違うところである。