Super-Kamiokande今後の計画 事故原因調査 早急に行う衝撃波実験 衝撃波防止方法の決定とその実証試験 排水、残骸除去等 再発防止対策 復旧計画
早急に行う衝撃波実験等 Super-K底面(30ー40m水深)に3ー9本の増倍管を設置 中心の1本を破壊 衝撃波の効果を加速度計、歪計、高速度カメラ等で計測 隣の増倍管の破壊状況を観察 以上数回繰り返す 破壊
排水、残骸除去等 一連の実験が終わったあとで排水作業に入る 排水は鉱山の廃水処理施設にて沈下処理を行う 装置内残骸処理、清掃、産廃処理を行う タンク外壁、増倍管用架構の損傷を精密検査する
再発防止対策 衝撃波が起こらない対策を取る 増倍管が万が一壊れても衝撃波を発生させないようにする 増倍管を高耐水圧にする アクリルケースで増倍管を包む 実現可能性が最も高い 金属円筒の中に増倍管を格納する 側壁に近い底面増倍管では衝撃波が側面増倍管に当たり効果がない 回折現象により横の増倍管に被害が及ぶ可能性が大 増倍管を高耐水圧にする 真球の新型光センサーの開発 科研費にて平成13年度から開始 1-2年の時間と追加の経費が必要 復旧のある時点で是非採用したい
衝撃波防止用アクリルケース(概念図) 2つに割れた ものを接着 ここでブリーダー 突入を防ぐ 光電子増倍管 表面に穴を開け 内部が真空になったとき約1秒で 水を充填する
衝撃波防止用アクリルケース(参考) 引張強度(1010 Pa) ヤング率 (E, 1010 Pa) ガラス 0.3 - 0.9 7.3 (クォーツ) アクリル 0.5 - 0.76 0.27 - 0.42 (ポリスチレン) ケースの変形 ∝ 1/(Et4) ただしtはケース厚み、Eはヤング率。 ヤング率の比は約20. 従って、アクリル厚 ∝ (Eglass/Eacryl)1/4×ガラス厚=6 - 11 mm、 ただし4気圧に対して1秒ほど持てばよいので5 mmで十分かも。 光電面部に複数の穴をあけ、中が真空状態になったとき1秒程度で水を内部に充填できるようにする。 取り付け方法 ケースに取り付け部分を作る。取り付け用SUSバンドは不要。
新型(真球)光センサー概念図 light glass Lead and support diode reflector photocathode photoelectron
平成14年度の復旧計画(案) 生き残りの光電子増倍管を回収し、事故再発防止対策を取り入れて、光電面のタンク内面に対する面積比を20%に落とした装置に改修する。(スーパーカミオカンデは40%の面積比)。この改修を1年以内に行い、実験半ばである「つくばー神岡間ニュートリノ振動実験、K2K」を緊急に再開し、完結する。 2007年度に完成予定の「大強度陽子加速器、JHF」で新しいタイプのニュートリノ振動を行うため、2007年度中に面積比40%のスーパーカミオカンデを復旧する。
平成14年度工程表(案) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 Drain water (1 SM layer/day) Clean out the debris Inspect frame structure cable water leak (Mitsui) Remove support bands black sheet Need floating floor Drain Works on Bottom Clean up Debris Take out 3Mod frame Take out (?) Cables Clean up & inspection water filing (45 tons/ h) SM#1,2,3 remve ½ PMT Top remove ½ PMT (73/d ) leak test SM#4,5 Cable Check Remove ~½ PMT & Install PMT 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 SM#6-#17 (12SM) Cut cable New cables from Hut Uniform treatment in the same SM. New cables ATM cards, HV box pre- arrangement in hut Cable connection Black sheet 57 PMT/day New PMT with new cables #Mod fame Cabling, ATM Card, HV Hut arrangement Black sheet Pre-work Remove cables from Elec-hut 25 PMT / day fill 40 tons/hour Final touch Clean up & tyvek
研究対象とこれまでの成果 スーパーカミオカンデ実験が行っている研究対象は、太陽ニュートリノ、大気ニュートリノ、つくばからのニュートリノ、超新星ニュートリノの監視、陽子崩壊の探索等、多岐にわたる 大気ニュートリノに関してはすでに1998年ニュートリノ振動の証拠を発見した。 2001年カナダのSNO実験と比較することにより、太陽ニュートリノもニュートリノ振動を起こしていることを発見した つくばからのニュートリノを使ったニュートリノ振動実験K2Kもニュートリノ振動に関する中間結果を出した。 ニュートリノには3種類あることが知られており、太陽ニュートリノは電子型とミュー型ニュートリノ間、大気ニュートリノはミュー型とタウ型ニュートリノ間の振動を発見したことになる
K2K、JHF実験の緊急性と重要性 本実験は、カミオカンデで発見された大気ニュートリノ振動を実験的に検証し、関与する基本パラメータの決定を目指すものである。アメリカ及びヨーロッパで競合する実験の装置建設が始まり、両実験は2005年ころから開始される。K2Kはあと3年の実験を計画しており、欧米の実験より早く結果を出すには、2002年度後半に実験を再開する必要がある。 JHFは、可能なニュートリノ振動として最後に残った電子型とタウ型ニュートリノ間の振動を発見し、基本パラメータの精密測定を世界に先駆けて行うものである。これにより、ニュートリノ振動に関わるパラメータはCP角以外すべて決定されることになる。JHF実験は世界をリードしてきた我が国のニュートリノ研究が引き続き指導的立場に残るのに必須の研究である。