Multi-Purpose Particle and Heavy Ion Transport code System

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Multi-Purpose Particle and Heavy Ion Transport code System PHITS Multi-Purpose Particle and Heavy Ion Transport code System 多種多様な線源の設定方法A PHITS講習会 入門実習 2018年8月改訂 Title 1

本実習の目標 様々な種類の線源を考慮した粒子輸送シミュレーションを実行できるようになる。 Purpose 2 連続的なエネルギー分布をもつ線源 2箇所に60Co線源を配置したシミュレーション Purpose 2

sourceA.inpの確認 基本計算条件 計算体系 入射粒子: 体系: タリー: 150MeV陽子(半径1.0cmのペンシルビーム) 円柱状(半径10cm, 厚さ20cm)の水と真空のみ [t-track]によるフルエンス空間分布 [t-cross]による水領域へ入射する陽子のエネルギー分布 水 150MeV 陽子 計算体系 track_xz.eps cross_eng.eps Check Input File 3

実習内容 エネルギー分布をもつ線源 マルチソースの設定 RI線源の設定 まとめ 連続的なエネルギー分布 離散的なエネルギー分布 PHITS講習会 入門実習 Table of Contents 4

エネルギー分布をもつ線源 単一エネルギーの線源だけでなく、エネルギー分布をもつ線源を設定することが可能。 陽子ビーム エネルギー分布をもたせる Energy distribution 5

入力方法1 [source]セクションにおいて、e-typeサブセクションを設定する。 (エネルギーはMeVとÅの2種の単位で設定可能) totfact = 1.0 s-type = 1 proj = proton e0 = 150. r0 = 1.0 z0 = -10. z1 = -10. dir = 1.0 [ S o u r c e ] totfact = 1.0 s-type = 1 proj = proton $ e0 = 150. r0 = 1.0 z0 = -10. z1 = -10. dir = 1.0 e-type = 1 ne = 2 0.0 4 50.0 1 100.0 Energy distribution 6

入力方法2 エネルギー分布の与え方は3種類。(e-typeの値で使い分ける) Energy distribution 7 e-type=21*: 連続的なエネルギー分布を微分量(単位を[個/MeV])で与える。 e-type=8*: 離散的なエネルギー分布を与える。 * ウエイトを変えたりÅの単位で与える場合は別のe-typeを使う。(マニュアル4.3.17「エネルギー分布の定義」参照) 連続的な分布(e-type=1など)の場合: エネルギー群数ne, エネルギー分点e(i), 各エネルギービンの粒子の生成確率w(i)をデータで与える。 離散的な分布(e-type=8など)の場合: エネルギー点数ne, エネルギー分点e(i), 各エネルギーにおける粒子の生成確率w(i)をデータで与える。 e-type = 1 ne = n e(1) w(1) e(2) w(2) ・ ・ ・ ・ ・ ・ e(n) w(n) e(n+1) e-type = 8 ne = n e(1) w(1) e(2) w(2) ・ ・ ・ ・ ・ ・ e(n) w(n) e(i)は合計n+1個、w(i)は合計n個与える。 (neが負の場合は レサジー単位で均一に粒子が分布) e(i)とw(i)は共にn個与える。 Energy distribution 7

課題1 0から50MeV, 50から100MeV, 100から150MeVのエネルギー領域におけるビーム強度が1:3:2となる陽子線源を設定してみましょう(右図参照)。 e-typeサブセクションを追加し、エネルギー分布を 設定する。(e-type=1を使用する) e0=150の行をコメントアウトする。 sourceA.inp e-type=1の入力形式 [ S o u r c e ] totfact = 1.0 s-type = 1 proj = proton e0 = 150. r0 = 1.0 z0 = -10. z1 = -10. dir = 1.0 e-type = e-type = 1 ne = n e(1) w(1) e(2) w(2) ・ ・ ・ ・ ・ ・ e(n) w(n) e(n+1) Energy distribution 8

課題1の答え合わせ 0から50MeV, 50から100MeV, 100から150MeVのエネルギー領域におけるビーム強度が1:3:2となる陽子線源を設定してみましょう。 sourceA.inp [ S o u r c e ] totfact = 1.0 s-type = 1 proj = proton $ e0 = 150. r0 = 1.0 z0 = -10. z1 = -10. dir = 1.0 e-type = 1 ne = 3 0.0 1 50.0 3 100.0 2 150.0 cross_eng.eps 強度の比率が1:3:2となっている。 (ただしe-type=1は各ビンの積分量を与える。) Energy distribution 9

課題2 100から150MeVのエネルギービンを100から200MeVに拡げてみましょう。 3番目のエネルギー範囲のみ変更する。 エネルギービンの幅が50MeV, 50MeV, 100MeVと、 等間隔ではなくなった場合にどうなるかを確認する。 sourceA.inp [ S o u r c e ] ・ ・ ・ ・ ・ ・ e-type = 1 ne = 3 0.0 1 50.0 3 100.0 2 150.0 e-type=1の場合は、エネルギーに関して積分した量で線源強度を設定する。 Energy distribution 10

課題2の答え合わせ 100から150MeVのエネルギービンを100から200MeVに拡げてみましょう。 sourceA.inp [ S o u r c e ] ・ ・ ・ ・ ・ ・ e-type = 1 ne = 3 0.0 1 50.0 3 100.0 2 200.0 cross_eng.eps 3つのビンをエネルギーで積分すると1:3:2となっている。 (単位エネルギーあたり(すなわち微分量)で見ると1:3:1。) Energy distribution 11

課題3 0から50MeV, 50から100MeV, 100から200MeVの各領域におけるビーム強度が微分量で1:3:2となる線源を設定してみましょう。 e-type=21を用いる。 sourceA.inp [ S o u r c e ] ・ ・ ・ ・ ・ ・ e-type = 1 ne = 3 0.0 1 50.0 3 100.0 2 200.0 e-type=21の場合は、積分量ではなく微分量で比の値を設定する。 (微分スペクトルを設定する場合はこちらを使う。) Energy distribution 12

課題3の答え合わせ 0から50MeV, 50から100MeV, 100から200MeVの各領域におけるビーム強度が微分量で1:3:2となる線源を設定してみましょう。 sourceA.inp [ S o u r c e ] ・ ・ ・ ・ ・ ・ e-type = 21 ne = 3 0.0 1 50.0 3 100.0 2 200.0 cross_eng.eps 強度の比率は微分量で1:3:2。 (積分量で見ると1:3:4。) Energy distribution 13

実習内容 エネルギー分布をもつ線源 マルチソースの設定 RI線源の設定 まとめ 連続的なエネルギー分布 離散的なエネルギー分布 PHITS講習会 入門実習 Table of Contents 14

離散的なエネルギー分布をもつ線源 60Coや134Csのように、壊変に伴って複数のエネルギーのガンマ線を放出する放射線源を模擬することができる。 60Co線源 60Co 60Ni b- g (1.173MeV) 100% g (1.333MeV) 100% 60Coは、ベータ崩壊の後、1.173MeVと1.333MeVの2本のガンマ線を出す。 Energy distribution 15

課題4 60Co線源を模擬してみましょう。 Energy distribution 16 sourceA.inp 線源を光子(photon)に変更する。 等方点線源とする(半径r0,方向dirのパラメータ を変える)。 e-type=8として,1.173MeVと1.333MeVの光子が 1:1の割合で放出されるようにする。 [t-cross]で0〜2MeV間の光子フルエンスを 10keV分解能(200群)でタリーするように変更す る(emax, ne, partを調整)。 [ S o u r c e ] totfact = 1.0 s-type = 1 proj = proton $ e0 = 150. r0 = 1.0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ dir = 1.0 e-type = 21 ne = 3 0.0 1 50.0 3 100.0 2 200.0 e-type=8の入力形式 e-type = 8 ne = n e(1) w(1) ・ ・ ・ ・ ・ ・ e(n) w(n) Energy distribution 16

課題4の答え合わせ 60Co線源を模擬してみましょう。 Energy distribution 17 sourceA.inp totfact = 1.0 s-type = 1 proj = photon $ e0 = 150. r0 = 0.0 z0 = -10. z1 = -10. dir = all e-type = 8 ne = 2 1.173 1 1.333 1 [ T - C r o s s ] ・ ・ ・ ・ ・ ・ emin = 0.0 emax = 2.0 ne = 200 unit = 1 axis = eng file = cross_eng.out output = flux part = photon epsout = 1 cross_eng.eps 60Co線源 track_xz.eps Energy distribution 17

実習内容 エネルギー分布をもつ線源 マルチソースの設定 RI線源の設定 まとめ 連続的なエネルギー分布 離散的なエネルギー分布 PHITS講習会 入門実習 Table of Contents 18

複数の線源の設定 線種や位置、エネルギー分布などの条件を変えた複数の線源を設定することが可能。 Multi source 19 60Co線源

入力方法 [source]セクションにおいて、”<source>=相対比”の指定で始まる複数のサブセクションを設定する totfactを使って線源全体の規格化を行う [ S o u r c e ] totfact = 1.0 <source> = 2.0 s-type = 1 proj = proton ・ ・ ・ ・ ・ ・ <source> = 1.0 proj = neutron <source> = 3.0 s-type = 2 proj = photon 規格化定数 正の数の場合は相対比にしたがって各粒子を生成 負の数の場合は同数の粒子を発生し、相対比にしたがってweightを変化 3種の線源を設定した場合 各線源の強度の相対比 (この場合は上から順に2:1:3) Multi source 20

課題5 60Co線源を円柱状の水の左右(z=-10, 40cm)の位置に2:1の比で配置した状況を模擬してみましょう。 <source>=の行を加えて、2つのサブセクションをつくる 点線源の位置をそれぞれz=-10と40cmとする(z0とz1 パラメーターを調整) 左(z=-10cm)と右(z=40cm)の線源から2:1の割合で光 子が発生するようにする z軸 60Co線源 60Co線源 z=-10cm z=40cm Multi source 21

課題5の答え合わせ 60Co線源を円柱状の水の左右(z=-10, 40cm)の位置に2:1の比で配置した状況を模擬してみましょう。 sourceA.inp [ S o u r c e ] totfact = 1.0 <source> = 2.0 s-type = 1 proj = photon $ e0 = 150. r0 = 0.0 z0 = -10. z1 = -10. ・ ・ ・ ・ ・ ・ <source> = 1.0 z0 = 40. z1 = 40. dir = all e-type = 8 ne = 2 1.173 1 1.333 1 track_xz.eps 60Co線源 (強度比は左:右=2:1) Multi source 22

実習内容 エネルギー分布をもつ線源 マルチソースの設定 RI線源の設定 まとめ 連続的なエネルギー分布 離散的なエネルギー分布 PHITS講習会 入門実習 Table of Contents 23

RI(放射性同位体)線源 60CoなどのRIから放出されるα, β, γ線は、そのRIを直接指定することで線源として設定できる。(PHITS2.86より) 入力方法 e-type=28, 29を使う(29はウエイトを変える場合)。 e-type=28の入力形式 e-type = 28 ni = n RI(1) A(1) ・ ・ ・ ・ ・ ・ RI(n) A(n)    norm = *** 指定するRIの数 RIと放射能(単位はBq) 規格化のオプション 0: (/sec), 1: (/source) RI source 24

課題6 e-type=28を使って、水円柱の左右にそれぞれ200と100Bqの60Co線源を設定してみましょう。 RI source 25 sourceA.inp [ S o u r c e ] totfact = 1.0 <source> = 2.0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ z1 = -10. dir = all e-type = 8 ne = 2 1.173 1 1.333 1 <source> = 1.0 z1 = 40. e-typeを変更する。 z=-10, 40cmのそれぞれに200, 100 Bqの60Co を指定する。(RIを指定する書式は、Co-60か 60Co) 単位時間毎の結果を出力させる(norm=0)。 (注意)e-type=28,29の場合、絶対値は各RIの 放射能で直接指定するため、全ての<source> は1.0にし、totfactは<source>サブセクションの 和(=2.0)とする。 RI source 25

課題6の答え合わせ e-type=28を使って、水円柱の左右にそれぞれ200と100Bqの60Co線源を設定してみましょう。 sourceA.inp [ S o u r c e ] totfact = 2.0 <source> = 1.0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ z1 = -10. dir = all e-type = 28 ni = 1 Co-60 200.0   norm = 0 (左の続き) <source> = 1.0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ z1 = 40. dir = all e-type = 28 ni = 1 Co-60 100.0   norm = 0 cross_eng.eps 60Coから出る2本のγ線(1.173&1.333MeV)が放出されている。グラフの単位は[1/cm2/source]だが,実際には[1/cm2/sec]で出力されている。 RI source 26

崩壊時間・娘核の考慮 娘核の崩壊を考慮しない限り137Csから0.6617MeVのγ線が出ない 崩壊時間パラメータ dtimeを設定 (T1/2=30.04y) 137mBa(T1/2=2.552m) b- g (0.6617MeV) 85.1% 137Ba 137Csは、ベータ崩壊の後、 Baの準安定同位体(137mBa)を経て0.6617MeVのガンマ線を出す。 崩壊時間パラメータ dtimeを設定 30年前 現在 30年後 dtime<0の場合,半減期 x dtime時間を遡って過去の放射能を計算し崩壊を考慮して現在まで戻す dtime>0の場合,単純にdtime秒,時間を進める 137Csが200Bq 137mBaが0Bq 137Csが100Bq 137mBaが0Bq 137Csが50Bq 137mBaが50Bq Cs-137 100.0 dtime = -1.0 Cs-137 100.0 dtime = 0 Cs-137 100.0 dtime = 30.04*365.25*24*3600 137Csが100Bq 137mBaが100Bq が結果として出力される RI source 27

課題7 RI線源の1つを137Csに変更し、放射平衡を考えましょう。 注意点 RI source 28 sourceA.inp 200Bqの60Coを200Bqの137Csに変更する。 137Csに変更した<source>サブセクションに dtime=-10を加える。(dtimeのデフォルト値) [ S o u r c e ] totfact = 2.0 <source> = 1.0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ z1 = -10. dir = all e-type = 28 ni = 1 Co-60 200.0   norm = 0 dtime = 10半減期まで遡ると,ほとんどの核種は平衡状態に達する  → RI線源の現在の状態を再現するには,これが便利 注意点 娘核の半減期の方が圧倒的に長い場合は,10半減期では平衡状態に達しないので注意が必要  例:105Ru(T1/2 = 4.44h)→ 105Rh(T1/2 = 35.36h) あまりに長い崩壊時間(例:dtime = -1000.0)を設定するとエラーが出る RI source 28

課題7の答え合わせ RI線源の1つを137Csに変更し、放射平衡を考えましょう。 RI source 29 sourceA.inp totfact = 2.0 <source> = 1.0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ z1 = -10. dir = all e-type = 28 ni = 1 Cs-137 200.0   norm = 0 dtime = -10 cross_eng.eps 137Csが崩壊し、137mBaを経由して放出される0.6617MeVのガンマ線を線源に設定できる。 RI source 29

課題8 137Csから放出されるβ線も考慮してみよう 137Csに変更した<source>サブセクションをコピー& ペーストする。 新しく作った<source>サブセクションのprojをelectronに 変更する totfact = 3.0にする [t-track]及び[t-cross]のpartをそれぞれphoton electron にして,電子及び光子の結果をそれぞれ出力させる (RI線源の場合は,totfactは常に<source>サブセクションの数に一致させる) RI source 30

課題8の答え合わせ RI source 31 sourceA.inp 2ページ目 track_xz.eps cross_eng.eps totfact = 3.0 <source> = 1.0 proj = photon ・ ・ ・ ・ ・ ・ ni = 1 Cs-137 200.0   norm = 0 dtime = -10 proj = electron 2ページ目 cross_eng.eps β線は連続エネルギー分布 RI source 31

実習内容 エネルギー分布をもつ線源 マルチソースの設定 RI線源の設定 まとめ 連続的なエネルギー分布 離散的なエネルギー分布 PHITS講習会 入門実習 Table of Contents 32

まとめ [source]セクションにおいて、e-typeを指定することによ り、連続的・離散的なエネルギー分布を線源として設 定できる。 RI(放射能同位体)を直接指定して、その崩壊に因る α, β, γ線源を設定できる。 《休憩はさむ》 まとめ Dump dataを用いた線源については、 多種多様な線源の設定方法B(phits-lec-sourceB-jp.ppt) をご覧ください。 Summary 33