ATLAS前後方ミュー粒子 レベル1トリガーシステム -全システム稼動に向けて-

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TGC のトリガー効率 織田 2010 年 4 月 2 日 TGC-J ミーティング 1/11. 使ったラン – Run152166, LB207—300 : 全部使った – Run152214, LB159—197 : 全部使った – Run152221, LB1—159 : 使ったのは 7 割くらい.
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ATLAS前後方ミュー粒子 レベル1トリガーシステム -全システム稼動に向けて- 名大理 杉本 拓也 戸本誠,奥村恭幸,高橋悠太,長谷川慧,佐々木修A,池野正弘A,田中秀治A,鈴木友A 坂本宏B,川本辰男B,石野雅也B,織田勧B,久保田隆至B,平山翔B,金賀史彦B,結束晃平B 蔵重久弥C,松下崇C,石川明正C,早川俊C,中塚洋輝C,菅谷頼仁D,福永力E 他 ATLAS日本TGCグループ 名大理,KEKA,東大素セB,神戸大自然C,阪大理D,首都大数理情報E

ATLAS検出器 Thin Gap Chamber (TGC) 25m 45m 7TeV proton 7TeV proton Barrel muon chamber EM calorimeter Inner tracker 7TeV proton 7TeV proton Solenoid magnet 25m Barrel toroidal magnet 45m Thin Gap Chamber (TGC) Endcap toroidal magnet Hadron calorimeter Total Weight: 7000 tons

History of TGC System

Trigger System in ATLAS f 25m Thin Gap Chamber  いつ?どこに?を測定 Lvl1 Endcap Muon Trigger トロイド磁場による 横運動量(Pt)解析 2/3 coin 3/4 coin Endcap toroid Pt=∞ 無限運動量トラックからのズレを数値化 μ 6段階の閾値により トリガーを発行 IP Trigger!! TGC1 TGC2 TGC3

TGCシステムの概要 1/12セクター エレキハット バンチの識別 PS Board VME Crate CO2 + n-pentane HV: 2.9kV ガス増幅率 106 タイムジッター< 25ns いつ? バンチの識別 どこに? PS Board 100m VME Crate 1/12セクター エレキハット

システムの規模 + TGC検出器 : 3600枚 + 総読み出しチャンネル : 320k + 動作領域 : 6000m2 + ASIC4種類、(Anti-fuse) FPGA + 設定レジスタ数 :50種 150k + 総データ量:450k byte 1/12セクター:72セクター 26ラック VMEクレート:17台 2006年よりインフラの整備を開始!

モジュール設置とケーブリング ① ケーブリングミス=不感領域の増加 CAT6の担当範囲 Opt Fiberの担当範囲 電源 Hpt SSW Fiber-PP ケーブリングミス=不感領域の増加 修理、メンテナンスも考えて キレイに配線しなおした CAT6の担当範囲 + Trigger : ~160ch + Readout : ~160ch Opt Fiberの担当範囲 + Trigger : ~ 600ch + Readout : ~1,200ch 26ラック全て完了!! 所要時間:~6時間/ラック

モジュール設置とケーブリング ② 全ての配線が完了(2008年7月) + Trigger/Readout用Opt Fiber  ~600ch / ~1,200ch + L1A用Opt Fiber (4本/セクター)  ~6,000ch (半セクター) + Control用Opt Fiber (2本/セクター)  ~12,000ch (1セクター) + MUCTPIへのケーブル (6本/セクター)  ~5,000ch (半セクター) 全ての配線が完了(2008年7月)

システムチェック 最終結果:計65chの欠損にまで抑えた! (~2x10-4) コントロールラインのチェック シグナルタイミングのチェック リセット信号の動作確認 全ビットの読み書きを確認 不良モジュールの発見、交換 シグナルタイミングのチェック 全ての信号が到達するタイミングを揃える 4つのdelay回路で調整 シグナルケーブルの結線チェック テストパルス+宇宙線でチェック トリガーライン リードアウトライン 320kチャンネル 全数スキャン 不良箇所があれば、極力修復を試みた。 アクセス困難な場所が非常に多い (2008年春学会にて報告) (23pSJ3 長谷川) (2008年春学会にて報告) 欠けの単位 数 ASD (~16ch) x 3 単一チャンネル X 20 最終結果:計65chの欠損にまで抑えた! (~2x10-4)

ATLAS統合試運転 約2ヶ月に1度のキャンペーン 8/6に24セクター(フルシステム)での動作に成功 本番と同じ環境で、宇宙線を捕らえる。 期間 TGCセクター数 2007 M3 6/4~6/18 1 M4 8/23~9/3 P1 10/1~10/7 3 M5 10/22~11/5 6 P2 12/3~12/10 2008 M6 3/3~3/9 P3 4/11~4/16 P4 5/19~5/25 7 M7 5/29~6/3 13 M8 7/11~ 24 約2ヶ月に1度のキャンペーン 本番と同じ環境で、宇宙線を捕らえる。 検出器、ソフトウエアのデバッグ 本番へ向けた練習期間 約2週間の連続運転 TGCも計10回参加  トリガー発行 徐々に動作領域(1/12セクター)を拡張して行った。 8/6に24セクター(フルシステム)での動作に成功 TGC Trigger!! M6 run中のATLAS Control Room 宇宙線貫通イベント

Monitoring Tools シフター用のツールとして整備中 Electronics Monitor SSWの状態 HPTの状態 各セクターのrate Electronics Monitor Trigger Rate Monitor Rateの履歴 シフター用のツールとして整備中

C-Side(-z側), 3stationの重ね合わせ 宇宙線によるhit map C-Side(-z側), 3stationの重ね合わせ

A-Side(+z)からC-Side(-z)へ抜けていった 1st beam event on TGC A-Side(+z)からC-Side(-z)へ抜けていった

Summary TGCを用いたトリガーシステムの構築、試運転 今後 フルシステム(24セクター)で動作させる事に成功 システムチェック トリガーライン/リードアウトライン/コントロールライン 欠損チャンネルをスキャン  全体の0.02% ATLAS統合試運転に参加。トリガーを発行 安定して宇宙線データを取得できるようになった 9/10の1st beamイベントも捕らえる事が出来た。 モニターツールなどの整備も進んでいる。 今後 ビームとの同期 LHCクロックとのphaseを合わせる BCID counterのキャリブレーション (BCID = 1を探す) 動作条件の最適化 ゲート幅、Vth、HV、ホットチャンネルのマスク 他の検出器と合わせた解析 (23pSJ3 長谷川) 今度の高エネニュースに記事が載ります (23pSJ4 金賀)

We are ready for starting collision!! but…

Backup Slides

タイミング調整 TOF+ケーブル長 3つのdelayで調整 + 最大:116.0nsec + 最小:65.3nsec ①TOFの差 ②信号ケーブルの差 45種類 (1.8m ~ 12.5m) TOF+ケーブル長 + 最大:116.0nsec + 最小:65.3nsec 3つのdelayで調整 + delay1: Test PulseでTOFをエミュレート + delay2: 信号ケーブルの差 + delay3: LHC Clockとのphase合わせ (どれも1ns以下の精度で調整可能)

タイミング調整 (cont) ③ファイバーの差 エレキハット パルスの往復時間で測定 MUCTPIのdelayで吸収  OK

Trigger Rate for single beam First beam!!!

欠損チャンネルマップ Endcap領域 Forward領域 (L4,L5) (L6,L7) (L1,L2,L3) C-Side A-Side z

欠損チャンネル分布

宇宙線によるhit map 本番用のシステムで、宇宙線を捕らえた!

Level1 Muon Trigger Rate https://twiki.cern.ch/twiki/bin/view/Atlas/MuonHLTGeneralDocument