GPSを使わないBebop Droneの 自動飛行

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GPSを使わないBebop Droneの 自動飛行 電気電子工学科 白井研究室 T215054 寺西廉

研究背景・目的 droneに対してスマートフォンの操縦アプリなどが開発されてお り、その多くに自動飛行機能が実装されている。 しかし、それらの自動飛行はGPSを用いたものであるため屋内 では正常に飛行しない可能性がある。 ROSとSLAMを用いて、指定したルートに沿ってGPSを用いずに ドローンを飛行させることを目的とした。

開発環境 デバイス:Parrot bebop2 OS : Ubuntu16.04 デバイス制御フレームワーク:ROS kinetic デバイス制御パッケージ:bebop_autonomy SLAM:ORB-SLAM

SLAM simultaneous localization and mapping 自己位置推定と地図作成を同時に行うこと ロボットが移動しながらセンサで周囲を計測し、移動軌跡に 沿って地図を作る。 この移動軌跡は自己位置推定によって得られるものであり、そ れまで作成していた地図を用いて推定精度を上げる。 これを繰り返すことで精度の高い地図作成と自己位置推定を行 うことが出来る。

なぜ地図作成と自己位置推定を同時に行うのか? ロボットが移動しながらセンサでランドマークの距離と方向を 計測する 取得したセンサデータはセンサ中心のため、そのままつなげる と図2のようになってしまう。(移動が考慮されていない) A‘ A マークA 2 距離1 距離2 1 図1 センサによるデータ取得 図2 センサデータを繋げる

なぜ地図作成と自己位置推定を同時に行うのか? ロボットは移動するので自己位置推定を行う。 位置が分かればそれにあわせてランドマーク位置を修正するこ とが出来る。(図3) しかし、自己位置推定は誤差が大きくなってしまうため精度を 上げるために地図を使って位置を修正する。 A‘ A A 距離2 1 2 距離1 図3 位置推定してデータを繋げる 図4 位置推定を修正してデータを繋げる

ORB Oriented FAST and Rotated BRIEF ORBとは方向付きFASTと回転BRIEFを合わせたものである。 FASTとは、画像中のコーナーを高速で検出する方法である。 BRIEFとは、マッチングを高速で行うことのできる特徴量記述子 である。 つまり、ORBとは特徴点を高速で検出し、前に検出した特徴点 とのマッチングも高速で行えるものである。

ORB-SLAM アルゴリズム トラッキング:カメラの姿勢を推定 ローカルマッピング:カメラ周りの地図を修正 ループクロージング:検索されたループ最適化 マップ:キーフレームの情報を格納 場所認識:フレームに映る場所を判定 引用:R. Mur-Artal, J. M. M. Montiel, and J. D. Tardos, "ORB-SLAM: a versatile and accurate monocular SLAM system." arXiv preprint arXiv:1502.00956, pp.1-15, 2015.

ORB-SLAM 実行例

作成したシステムの構成 マップ作製から自動飛行までの手順は以下である。 ドローンとPCをROSで無線接続する。 マニュアルで飛行させる。この時SLAMを実行し、マップを作製す る。 ルートの設定:自動飛行のための離陸地点と目的地、その間の チェックポイントを設定。これをYAML形式ファイルに記述する ドローンを離陸地点に運び、地図と③のファイルを読み込ませ、 自動飛行開始 最初のチェックポイントに向けて飛行。チェックポイントに到達 したら次のチェックポイントへ飛行。順次これを繰り返す。 目的地に到着したら着陸

ルート飛行の図解 離陸地点より離陸したドローンは最初のチェックポイントに向けて飛行する。 チェックポイントには通過許容範囲(下図:オレンジの範囲)を設定しており、ドローンがこの範囲に入ると次のチェックポイントに飛行する。 これを繰り返し、目的地まで向かい着陸する。 本研究ではルート飛行の基本となる「直進」と「方向転換」飛行を行った。 離陸地点 目的地 チェックポイント

38cm 34cm 飛行結果 150cm 400cm 400cm 直進 方向転換

考察・評価 ルートを大きく外れることなく目的地まで飛行することができ た。 誤差が出ているがこれはチェックポイントの範囲設定によるも のだと考えられる。 方向転換時の方が誤差が大きい。これは転換のための右回転時 に機体位置が乱れるためである。

展望 システムの向上  方向転換時の機体の乱れが発生しているため、ロールピードの 調整や乱れを修正するような方向転換専用チェックポイントの作 成を目指す。 システムの追加  障害物回避システムの実装

以上で発表を終わります。 ご清聴ありがとうございました。 以上で発表を終わります。 ご清聴ありがとうございました。