ネットワークの基礎知識 電子制御設計製図Ⅰ 2009年5月19日 Ⅲ限目
ネットワークに関する用語 LAN (Local Area Network) 限られた区域内に設置された,コンピュータ同士を接続して データのやりとりを行うネットワークシステム WAN (Wide Area Network) 遠隔地にある企業の本支店や工場などのコンピュータや LANを,NTTなどの通信業者が提供する通信回線(公衆回 線)を利用して接続した広域ネットワーク インターネット(Internet) 大小様々なネットワークが相互に接続された世界規模の ネットワーク イントラネット(Intranet) インターネットの技術を使ってLANの内部だけでデータの 共有とやりとりを行うネットワークシステム
LANとWAN 支店A 支店C LAN LAN WAN LAN LAN 支店B 支店D
通信プロトコル(Protocol) ネットワーク上でデータ通信を行うために必要な通信規約(取り決め)を通信プロトコルという。 (a)TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol) ●インターネットの標準プロトコル(UNIX標準プロトコル)である. ●TCPとIPは異なる機能を持ち,互いの役割を分担している.
通信プロトコル(Protocol) 通信プロトコル: ネットワーク上でデータ通信を行うために必要な通信規約(取り決め) 通信プロトコルはISOのOSI参照モデルによって以下の7階層に分割 階層 名 称 説 明 7 アプリケーション層 アプリケーションレベルでの通信を規定 6 プレゼンテーション層 やり取りするデータの表現方法に関する規定 5 セッション層 通信の開始から終了までの一連の手順の規定 4 トランスポート層 プロセス間でのデータ転送について規定 3 ネットワーク層 任意の2ノード間でのデータ転送に関する規定 2 データリンク層 データのパケット化の方法と送受信プロトコル規定 1 物理層 Ethernetなど電気信号変換に関する規定
通信プロトコル(Protocol) 通信プロトコル: TCP/IP:基本プロトコルであるTCPとIPに由来 TCP (Transmission Control Protocol) データの送信順番の維持や到達確認を行う。上位層からの送信データをパケットという小さな小包に分割して下位層へ渡す。このときに通知パケットを混入しておき、これが戻ってこないときには再度送信。 IP (Internet Protocol) 上位層からパケットを受け取ると、送信先のIPアドレス(番地)が記録されているIPヘッダ情報を付加。経路選択の方法も定義しており、ネットワーク間のルーターで行われる。
通信プロトコル(Protocol) TCP/IPのアプリケーション層には以下のプロトコルが存在 ・FTP (File Transfer Protocol): 2台のコンピュータ間でファイル転送を行うプロトコル。 ・HTTP (Hyper Text Transfer Protocol): WWWサーバーとクライアント間の通信を行うプロトコル。 ・SMTP (Small Mail Transfer Protocol): メールサーバーにメール送信を行うプロトコル。SMTPに対応した メールサーバーをSMTPサーバーと呼ぶ。
通信プロトコル(Protocol) TCP/IPのアプリケーション層には以下のプロトコルが存在 ・POP3 (Post Office Protocol version 3): サーバーから着信メールを受信する場合に用いるプロトコル ・IMAP (Internet Message Access Protocol): POPと同様のプロトコル。メールサーバーで管理されているため、 タイトル無しや、Re:のみといったメールを排除することが可能。 ・MIME (Multiple Internet Mail Extensions): メール内部に画像・音声といったファイルを取り扱えるように機能を 拡張したプロトコル
IPアドレス コンピュータごとに割り当てられた識別番号 32[bit]で与えられ,8[bit]ごとに区切られる (0~255までの十進数で表示) 自分のPCに割り振られるIPアドレスを参照 Ex. OS: Windows XP スタート⇒すべてのプログラム⇒アクセサリ⇒コマンドプロンプト CUIのウィンドウが開いたら、Z:\>の後に “ipconfig”と入力し、 Enterキーを入力
IPアドレス 自分のPCに割り振られるIPアドレスを参照 Ex. OS: Windows XP スタート⇒すべてのプログラム⇒アクセサリ⇒コマンドプロンプト CUIのウィンドウが開いたら、Z:\>の後に “ipconfig”と入力し、 Enterキーを入力
IPアドレス コンピュータごとに割り当てられた識別番号 32[bit]で与えられ,8[bit]ごとに区切られる (0~255までの十進数で表示) 192.128.01.01 192.128.01.02 192.128.01.03 192.128.01.04 192.128.01.05 192.128.01.06
IPアドレス サブネット:ネットワークが大規模⇒管理が困難 1つのネットワーク内に複数のネットワークを形成 192.128.01.001 - 192.128.01.210 Ex. 各科に30台ずつ MDECA+SK:210台 … どこの科か直感的に分からない…
IPアドレス サブネット:ネットワークが大規模⇒管理が困難 1つのネットワーク内に複数のネットワークを形成 192.128.02.01-30 192.128.03.01-30 192.128.01.01-30 E D M S+K A C 192.128.06.01-60 192.128.04.01-30 192.128.05.01-30
IPアドレス サブネット:ネットワークが大規模⇒管理が困難 1つのネットワーク内に複数のネットワークを形成 ⇒ネットワークアドレス部とホストアドレス部を識別するためにサブネットマスクが必要 ホストアドレス部 ネットワークアドレス部 サブネットマスク 192.128.01.01-30 255.255.0.0 HUB
IPアドレス 自分のPCに割り振られるIPアドレスを参照 Ex. OS: Windows XP スタート⇒すべてのプログラム⇒アクセサリ⇒コマンドプロンプト CUIのウィンドウが開いたら、Z:\>の後に “ipconfig”と入力し、 Enterキーを入力
IPアドレス IPアドレスは以下の2種類に分類 グローバルIPアドレス 世界中で1つしかないアドレス プライベートIPアドレス 世界中で1つしかないアドレス プライベートIPアドレス LAN内部の限定範囲内で使用するアドレス プライベートIPアドレスはグローバルなネットワークに接続できないため、NAPT (Network Address Port Translation)とNAT (Network Address Translation)を使用
ネットワーク機器を全てIPv6に変更する必要 IPv6 (Internet Protocol version 6): 現在のIPアドレスは32[bit]で表現しているが,IPアドレスが不足(IPアドレス枯渇問題). IPv6は128[bit]でIPアドレスを表現して上記の問題解決を図る. ネットワーク機器を全てIPv6に変更する必要
LANの基礎知識
LANの接続形態による分類 ●代表的なものにスター型,リング型,バス型がある。
スター型 ●複数のコンピュータをケーブルによってハブに接続(集線) し,LANを構成する形態. ●ケーブルをハブにセットするだけで接続できるので,配線の 自由度が高い. ●1本のケーブルに障害が発生しても,LAN全体の機能には 影響しない。 例) Ethernet (1000BASE-T) ※個人や少人数で一般的に 使用される形態
リング型 ●複数のコンピュータを1本の環状ケーブル(バスで接続し, LANを構成する形態. ●ケーブルを長くすることが容易. 例)トークンリング,FDDI ※個人規模ではまず使わない形態
バス型 ●各コンピュータを1本の基幹ケーブル(バス)で接続し,LAN を構成する形態. ●ケーブルを長くすることが容易. ●反射波による影響を除去するため,バスの終端にはターミ ネータ(終端抵抗)を取り付ける. ●例)Ethernet(10BASE-2,10BASE-5) ※昔,使われていた形態
接続方式 Ethernet トークンリング FDDI (Fiber Distributed Data Interface) 接続形態:スター型、バス型。LAN構築の主流。 制御方式:CSMA/CD (Carrier Sense Multiple Access/ Collision Detection)。 データが流れていないときにデータを送信、データの衝突(コリジョン) を確認した場合に再度データ送信 1000[Mbps]の通信速度に対応した1000BASE-Tも登場 トークンリング 接続形態:リング型。 制御方式:トークンパッシング ネットワーク上に常時流れるトークンを捕まえてデータを付けて再度 ネットワーク上に流す。データの衝突(コリジョン)が発生しない FDDI (Fiber Distributed Data Interface) 接続形態:リング型。通信回線に光ファイバーを適用。従来のトークン リングより高速な通信が可能
接続機器 ハブ(HUB)とネットワークケーブル ハブを中心としたスター型接続を構築 ツイストペアケーブル (UPT: Unshielded): 100Mbps、安価、比較的ノイズに弱い 同軸ケーブル (SPT: Shielded): 100Mbps、若干高価、ノイズに強い 光ケーブル: 高価、高速(1Gbps)、ノイズに強い(長距離通信)
LANへの接続方法 LAN内部の装置 ネットワークの中心にサーバコンピュータを配置 外部との接続装置 モデム: コンピュータのデジタル情報を電話(アナログ)回線へ接 続・適用させるための変調装置。 Ex. ADSLモデム、ケーブルモデム ターミナルアダプタ(Terminal Adapter) : ISDNなどのデジタル回線に接続・適用させるための装置。 LAN間での接続装置 ルータ、ブリッジ、リピータ
サーバコンピュータ LAN上の各クライアントがプリンタを共有できるように,プリ ンタ(印刷機)をLANに接続できるようにする装置 プリントサーバー: LAN上の各クライアントがプリンタを共有できるように,プリ ンタ(印刷機)をLANに接続できるようにする装置 DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ: ネットワーク内のコンピュータに対して自動的にIPアドレス を割り振るプロトコルを保有するコンピュータ ISP (Internet Service Provider)を利用してインターネット に接続する場合はこれでIPアドレスを自動的に取得
各クライアントに代わってインターネットとやりとりする機 能を持つ.インターネットからのウィルスの侵入を防ぐなど の目的で利用される. ファイアウォール: ネットワークのトラフィックの流れを制御することによってプライベートネットワークのセキュリティを確保する仕組 プロキシサーバ: 各クライアントに代わってインターネットとやりとりする機 能を持つ.インターネットからのウィルスの侵入を防ぐなど の目的で利用される. より引用