日本の食料自給率について 応用生命学科 石渡隆之 森林科学科 大島渉
食料自給率とは? 『食料自給率』は、その国で消費される食料が どのくらい国内で生産されているか(自給の度合 い)を示す指標である。計算方法は、生産÷消費 で表される。 そのうち、代表的な二つを紹介
自給率の種類(1):カロリーベース 食材のカロリーを考えて計算された自給率。 例えば、ある年に日本で生産された米の総カロリー量がxカロリーで、日本で消費された米の総カロリー量がyカロリーであるとする。この場合、カロリーベースの食料自給率はx÷yで計算され、x/yとなる。 自給率という言葉は、多くの場合これを指す。
自給率の種類(2):生産額ベース 食材を生産額で表し、計算したもの。 計算方法はカロリーベースの食料自給率と同様、国内で生産した作物の価格を国内で消費した作物の価格で割る。
日本は食糧の60%を輸入に頼っている! 昭和40年の日本の自給率はカロリーベースで73%でしたが、以降低下して平成16年では約40%と、60%が輸入品といえます。主な先進国と比べても、フランス130%、アメリカ119%、ドイツ91%、英国74%と、最低水準です。
主要先進国における食料自給率の推移 のグラフ (資料)日本以外のその他の国についてはFAO “Food Balance Sheets”等を基に農林水産省で試算。
日本で食料自給率が低い理由 日本の食生活が、戦後大きく変化したこと。 このため、国内で自給可能な米の消費が落ちる一方で、自給率の低い畜産物や油脂の消費が増えてきたことにより、食料全体の自給率が低下してきたこと。 また、この食生活の変化に生産が対応できなかったこと。 特に近年では、日々の食事の中で惣菜、冷凍食品といった調理・加工された食品の割合が増え、また外食をする機会も増えてきた。こうした中で、日本ではこれまで食品加工メーカーや外食店といった食品産業が求める要望に十分に応えられてこなかった。
食料自給率は高いほうがよいか? 将来には海外から食料を輸入できなくなる可能性があるので、自国で生産するに越したことは、ありません。食料を海外からの輸入に頼っていることに、多くの人が不安を感じています。平成12年に行われた世論調査では、78%の人が将来の食糧供給に不安であると答えています。
我が国の将来の食料供給についての考え
こうした声の背景には、食糧供給に対する不安材料のニュースを聞くことが多いからではないでしょうか。天候不順やBSE問題、ポストハーベストなどの情報は食糧供給への不安材料となっていると思われます。
上で述べたようにいつ海外から食料を輸入できなくなるかわからないので、日常生活で不可欠の食料の自国内での増産(=自給率の向上)や備蓄によって安定した食糧供給を目指す必要があります。
政府の食料自給率に関する目標 将来的にはカロリーベースの食料自給率を5割以上 に。 実現可能性を考慮して、10年後の平成27年度には45%とする目標を設定 。 また、カロリーベースの目標設定を基本としつつも、カロリーの比較的低い野菜や果実、飼料の多くを海外に依存している畜産物の生産活動を、より適切に示すことができる生産額ベースの食料自給率についても新たに目標化した。 15年度 27年度 カロリーベースの食料自給率 40 → 45 生産額ベースの食料自給率 70 76
国産の農作物が利用されるには? というようなことを作物に対して 具体的に実現していく必要があります。 品質のばらつきが少ない 季節や天候状態による値段の変化が少ない 必要な数量を確実に提供できる また、最近関心の高まっている、食品の安全性なども忘れてはいけない。 というようなことを作物に対して 具体的に実現していく必要があります。
食料自給率向上のためにできること⑴ 生産量を直接上げるのは難しいですが、自給率を上げるのに身近なことで私たちにもできることがあります。 1油や肉類は控えめにして、ご飯や野菜を中心に食べる 一説によると、家畜を1キロ太らせるのに、牛では7キロ、豚4キロ、鳥3キロの飼料が必要と言われており不経済です。また肉類の摂りすぎは生活習慣病の原因となるので、ご飯や野菜を中心としたバランスの良い食事をこころがけましょう。 1を話す前に、日本が飼料を大量に輸入している事を言う。
食料自給率向上のためにできること⑵ 2食べ残しをなくす 今の日本では食べ残しが多くなっており、食べ物を大量に輸入していながら、大量に捨てていることになり、環境保護の観点からもやめるべきです。(食べ残しをなくせば、食糧消費を抑えることになり、輸入への依存を少なくすることにつながります。)
食料自給率向上のためにできること ⑶ 3地元で取れた食物を食べる 地元で取れた食物は新鮮ですし、地元の農業、ひいては国の農業を振興することになります。
食料自給率向上のためにできること⑷ 4今が旬のものを食べる 旬から外れたものは、海外から輸入している場合が多く、輸入量増加の原因となっています。また旬のものは作るのに余計な手間と労力を必要とせず、味、栄養共に良く体と環境にいい食事が実現できます。