Additive Combinatrics 7

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1 高速フーリエ変換 (fast Fourier transform). 2 高速フーリエ変換とは? – 簡単に言うとフーリエ変換を効率よく計算 する方法 – アルゴリズムの設計技法は分割統治法に基 づいている 今回の目的は? – 多項式の積を求める問題を取り上げ、高速 フーリエ変換のアルゴリズムを用いた解法.
Advertisements

Absolute Orientation. Absolute Orientation の問題 二つの座標系の間における剛体 (rigid body) 変換を復元す る問題である。 例えば: 2 台のステレオカメラから得られた3次元情報の間の関 係を推定する問題。 2 台のステレオカメラから得られた3次元情報の間の関.
『わかりやすいパターン認 識』 第 5 章 特徴の評価とベイズ誤り確率 5.4 ベイズ誤り確率と最近傍決定則 発表日: 5 月 23 日(金) 発表者:時田 陽一.
List decoding for Reed-Muller codes and its application to polar codes 安永 憲司 東京工業大学 大学院情報理工学研究科 数理・計算科学専攻 1.
1. 補間多項式 n 次の多項式 とは、単項式 の 線形結合の事である。 Definitions: ( 区間, 連続関数, abscissas (データ点、格子点、差分点), 多項 式 ) Theorem. (補間多項式の存在と一意性) 各 i = 0, …, n について、 をみたす、次数が高々 n.
0章 数学基礎.
Probabilistic Method 7.7
オンライン学習 Prediction Learning and Games Ch2
3.2.3~3.3 D3 川原 純.
近似アルゴリズム 第10章 終了時刻最小化スケジューリング
ソフトウェア基礎科学 授業資料: 論理関係(logical relations)のお話
計算の理論 I 決定性有限オートマトン(DFA) と 非決定性有限オートマトン(NFA)
Extremal Combinatorics 14.1 ~ 14.2
Probabilistic Method.
Extremal Combinatrics Chapter 4
Reed-Solomon 符号と擬似ランダム性
論理式の表現を数学的に取り扱いやすくするために代数学の助けを借りる.
Natural Semantics 実行過程の、最初と最後の状態(state)の関係を考える。
Semantics with Applications
形状モデリングにおいて,任意の自由曲面を定義する必要のある場合がある.自由曲面の表現法について説明する.
確率・統計輪講資料 6-5 適合度と独立性の検定 6-6 最小2乗法と相関係数の推定・検定 M1 西澤.
9.NP完全問題とNP困難問題.
Probabilistic Method 6-3,4
      線形写像  線形写像 U,V:R上のベクトル空間 T:UからVへの写像 (1)T(u+v)=T(u)+T(v)  (u,v∈U),
Probabilistic method 輪講 第7回
スタック長の 特徴付けによる 言語の非DCFL性 証明
8.Intersecting Families
(ラプラス変換の復習) 教科書には相当する章はない
5.5 The Linear Arboricity of Graphs (グラフの線形樹化数)
計算量理論輪講 岩間研究室 照山順一.
第3回 確率変数の平均 確率・統計Ⅰ ここです! 確率変数と確率分布 確率変数の同時分布、独立性 確率変数の平均 確率変数の分散
独立成分分析 1.問題は何か:例:解法:全体の見通し 2007/10/17 名雪 勲.
第25章 単一始点最短路 3節 Bellman-Fordのアルゴリズム
論文紹介 Query Incentive Networks
形式言語の理論 5. 文脈依存言語.
スペクトル法の一部の基礎の初歩への はじめの一歩
Probabilistic Method 2007/11/02 岩間研究室M1 市場孝之.
7.4 Two General Settings D3 杉原堅也.
独立成分分析 5 アルゴリズムの安定性と効率 2007/10/24   名雪 勲.
Basic Tools B4  八田 直樹.
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
Extractor D3 川原 純.
25. Randomized Algorithms
Selfish Routing and the Price of Anarchy 4.3
計算量理論輪講 chap5-3 M1 高井唯史.
計算の理論 II 前期の復習 -有限オートマトン-
SUNFLOWER B4 岡田翔太.
Fourier 変換 Mellin変換 演習課題
A path to combinatorics 第3章後半(Ex3.8-最後)
14. The Basic Method M1 太田圭亮 14.3 Spaces of polynomials
資料 線型変換のイメージ 固有値、固有ベクトル 平賀譲(209研究室) 資料
4. システムの安定性.
計算の理論 I 決定性有限オートマトン(DFA) と 非決定性有限オートマトン(NFA)
わかりやすいパターン認識 第7章:部分空間法  7.1 部分空間法の基本  7.2 CLAFIC法                  6月13日(金)                  大城 亜里沙.
Lecture 8 Applications: Direct Product Theorems
Selfish Routing 4章前半 岡本 和也.
計算の理論 I 反復補題 月曜3校時 大月 美佳 平成15年7月14日 佐賀大学知能情報システム学科.
5.3, 5.4 D2 岡本 和也.
計算の理論 I 非決定性有限オートマトン(NFA)
Max Cut and the Smallest Eigenvalue 論文紹介
Additive Combinatorics輪講 3章前半
Additive Combinatorics輪講 6章
4.プッシュダウンオートマトンと 文脈自由文法の等価性
Chapter5 Systems of Distinct Representatives
計算の理論 I 反復補題 火曜3校時 大月 美佳 平成16年7月13日 佐賀大学知能情報システム学科.
パターン認識特論 カーネル主成分分析 和田俊和.
線形符号(10章).
Fourier 変換 Mellin変換 演習課題
グラフの帯域幅連続多重彩色 を求めるアルゴリズム (Bandwidth Consective Multicolorings of Graphs) 西関研究室 西川和秀.
Time Reversal E-Text: pp.80-83(PDF: pp.49-50) FM08002 太神 諭
Presentation transcript:

Additive Combinatrics 7 川原 純

以下のどちらかの性質を満たすことを示す。 C1:密度dのランダムな集合がもつ長さkの等差数 列の定数倍くらいAが等差数列を持つ。 [Szemerediの定理] 任意のkとd>0に対し て、あるN0が存在して、任意のn>N0に対 して、任意のA ⊆[n], |A|≧dnは長さkの等差 数列を持つ。 k>3に対するGowersの証明 以下のどちらかの性質を満たすことを示す。 C1:密度dのランダムな集合がもつ長さkの等差数 列の定数倍くらいAが等差数列を持つ。 C2:長さ       の等差数列Pが存在し、 [n]での密度よりPでのAの密度が高い。

7章の流れ 7.2 linearly uniformであり、k- pseudorandomでない例を挙げる。 7.3 Gowersの一様ノルムを定義する。 7.4 k-uniformの時、k-pseudorandom であることを示す。 7.5 k-uniformでない時、C2を満たすPが 存在することを示す。 C2:長さ        の等差数列Pが存在し、[n]での密度より PでのAの密度が高い。

7.4 k-Uniform → k-pseudorandom      上の k 次formを定義 は集合 に含まれる長さkの等差数列の k-AP 1A (x) = 1 if x ∈A 割合 密度 δ のランダム集合A では(期待値) 個の k-AP を含むので、 よって、k-pseudorandom なら 以下、k=4 で証明するが、一般化は容易

Lemma 7.4.1 とする(正規化みたいな関数) 証明 独立とみなせる が成り立つ 任意の x, y, z, w について      とする(正規化みたいな関数) が成り立つ 証明 任意の x, y, z, w について Roth の定理のように 期待値を計算すると0 で押さえられる

なら、Rothの定理の証明のように、 密度の高いアフィン部分空間が見つかるので OK の場合を考える

Lemma 7.4.2 (一般化フォンノイマンの定理) の場合を考える Lemma 7.4.2 (一般化フォンノイマンの定理) を対ごとにdistinctとする。 を を満たす関数とする このとき が成り立つ 特に とすることで が成り立つ 証明は後で

Lemma 7.4.3 証明 Lemma 7.4.1 より - ≦ ≦ + << U3(f) + 4 δ4

Proposition 7.4.4 の任意の k-uniform な部分集合は k-pseudorandom 証明 Lemma 7.4.3 (となるckが存在) より ≦ (1+ck) δk なので k-pseudorandom

Lemma 7.4.2 の証明 def = k に関する帰納法で証明 k = 2 x + c1d と x + c2d は独立なので

Claim 7.4.4.1 証明は直後に これが成り立つとすると 証明終

Claim 7.4.4.1 の証明 を証明する x = x+c3d Cauchy-Schwarz

Claim 7.4.4.1 の証明 を証明する は一様分布 は1で押さえられるので 証明終

7.5 k-uniform でない→密度増大な部分空間をとれる Proposition 7.5.1 もし ならば、A が密度 をもち、少なくとも次元が である ようなアフィン部分空間が存在する。 2つの Lemma で証明する

Lemma 7.5.2 もし ならば であるような次元 のアフィン部分空間 と2次形式の多項式 q が存在する。 ここで、Sは2次形式の表面 Proposition 7.5.1 Lemma 7.5.2 …ならば もし ならば 密度 次元 のアフィン部分空間が存在 であるような次元 のアフィン部分空間 と2次形式の多項式 q が存在する。 ここで、Sは2次形式の表面 Lemma 7.5.3 上のベクトル空間 W の任意の2次形式の表面 はそれぞれが少なくとも 次元をもついくつかの部分空間に 分割可能。

inverse theorem(復習) 定理7.3.4[Inverse theorem for U3] をとりうる値の大きさの上界 が1である関数とする。wを1のp乗根とす る。 U3( f ) > ηならば、次元が少なくとも   の部分集合Wが存在し、y+W上で以下の式 を満たす二次多項式qy(x)が定義できる。 イータ

Lemma7.5.2 の証明 次元の inverse thorem を用いることで、 アフィン部分空間 W が存在して、以下を満たす。 に分解する 各 Wy について、平均 correlation が少なくとも ε となる二次形式 qy が存在する。 を二次形式の表面 とする

各 Wy について、平均 correlation が少なくとも ε となる二次形式 qy が存在する。 を二次形式の表面 とする

Lemma 7.5.3 上のベクトル空間 W の任意の2次形式の表面 はそれぞれが少なくとも 次元をもついくつかの部分空間に 分割可能。 証明 q(x) = <x, Mx> + <a, x> + b M: 対象線型演算子 Q(x) = <x, Mx> U を Q(x)=0 なるすべての x によって張られた Wの部分線型空間とする。 剰余類 y + U 上に制限した q はアフィン線型関数となる 各 u について

を q を y + U 上に制限した アフィン線型関数とする。 S ∩ (y+U) は、Sとアフィン超平面 の共通集合に等しい。 したがって、 S ∩ (y+U) は空か、少なくとも dim(U)-1 次元の y + U のアフィン部分集合である。 あとは、dim(U) ≧ dim(W)/2 – 3/2 を証明すればよい。 任意の x, y ∈ U について、<y, Mx> = 0 なので、 したがって、M は U から U の直交補空間に写像する

を      の直交補空間とする U は U’ の部分空間である。 Lemma 7.5.3.1 が示されれば、dim(W) ≦ dim(M(U)) + dim(U’) ≦ dim(U) + dim(U’) ≦ 2 dim(U) + 3

言葉の定義 k-pseudorandom kに対してC1を満たしている。→dk|Fpn|2-|A|程 度 (ランダム集合と似た性質を持つ) linearly uniform k-uniform 今回もFpn上で議論を進めていく。

7章の流れ 7.2 linearly uniformであり、k- pseudorandomでない例を挙げる。 7.3 Gowersの一様ノルムを定義する。 7.4 k-uniformの時、k-pseudorandom であることを示す。 7.5 k-uniformでない時、C2を満たすPが 存在することを示す。

補題7.2.1 二次曲面 はlinearly uniformであり、Fpn上すべての長さkの 等差数列のうち 位を含む。 はAの 密度。 特にk≧4に対して、Aはk-pseudorandomではない。

補題7.2.1の証明 まず、Aがlinearly uniformで、 と仮定する。 Rothの証明において長さ3の等差数列が           あることが示されている。Aが 二次曲面であるから、Fpn上の線は高々2点 を通るか、Aに含まれる。 長さ3の等差数列は長さkの等差数列に拡 張される。Fpn上すべての長さkの等差数列 のうち    位を含む。 not k-pseudorandom

補題7.2.1の証明

補題7.2.1の証明

補題7.2.1の証明 linearly uniformである

7.3 Gowers uniformity norm [Rothの証明] not-3-pseudorandomなFpn上の部分集合のみ を、 関数wa(x)と関連する集合とした。 Fp上次数1の 多項式a(x)による。 関係性は、以下の値で計る。

前のセクション:linearly uniformな二次 曲面が4-pseudorandomでないことをみ た。 ノルムの自然な考え方 :二次多項式と最大相関 ー>不可能ではないが、等差数列の数と の関連付けが難しい。

Gowers unifomity norm direction y∈Fpn のderivative: より間接的に、ある次元の多項式との関連 性を評価するノルム 集合内のある長さの等差数列の数と、比較 的簡単に関連付けられる。 direction y∈Fpn のderivative:

Gowers unifomity norm つまり、gがxのd次多項式ならば、Dyは指 数部分の次数を少なくとも1下げる。 derivativeの例 二次曲面上で3回行った場合:g(x)=x1x2

Gowers unifomity norm 未知の(d-1)次の多項式とfの最大相関を測 る代わりに、定数関数ω0=1と      の期待相関を測ることができる。

Gowers uniformity norm [定義7.3.1] G:有限群、関数f : G→Cに対する、 次数dのGowers一様ノルムUd( f )を  以下のように定義する。 d=2はフーリエ変換でのたたみこみのようになる。

Gowers uniformity norm

Gowers unifomity norm (d-1)次多項式との最大相関は、 常にd次Gowersノルムを下界にもつ。 多項式との相関は、一様性に依ると予想 されている。 inverse theoremsは次数3についてしか 分かっていない。 次数4以上ではうまくいかない例もでてき ている。

inverse theorem 定理7.3.4[Inverse theorem for U3] をとりうる値の大きさの上界 が1である関数とする。wを1のp乗根とす る。 U3( f ) > ηならば、次元が少なくとも   の部分集合Wが存在し、y+W上で以下の式 を満たす二次多項式qy(x)が定義できる。 イータ

inverse theorem を仮定すると、 k=4に対して、C2を証明するのが簡 単になる。 C2:unifomity でなければ、次元の小 さいアフィン部分空間上で密度が高い。 →(Sec.7.5)

d=2:フーリエ変換での畳み込みのかた ち?