日本のゴルフ場の環境破壊 2013.6.15 中神 徹.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
ESH DATABANK 1 環境関連法令. ESH DATABANK 2 法の体系 憲 法 行政法 民事法 刑法 公害犯罪処罰法 民法 民事特別法 国の法令 自治体法令 国際法 法律 政令 省令 条例 規則 告示 条約・議定書 国際宣言・憲章.
Advertisements

第 2 章 子どもの成長・発達と看護 3. 幼児期の子どもの成長・発達と看護( 2 ) 学習目標 1 .幼児の睡眠と規則正しい生活の必要性を理解する. 2 .幼児の健康維持に対する取り組みとしての清潔行動確 立に向けた援助を理解する. 3 .幼児にとっての遊びの意義と発達を促すために必要な 遊びへの援助を理解する.
7班 松本蛍都 村辻千絵美 山下裕大 山田怜史 山中望
リーダー 本多啓介 ブレイン 藤井智裕・栗田光 ソフトウェア 藤浪健太・矢野公規 ハードウェア 市川亮・高山滉太・嶋津雅子
問題の 原因 → 結果 → 現地での対策構想 化学物質の投入 森林の消失.
線路ぎりぎりに建てられた移住労働者の家(バンコク)
ハルリンドウにおける 繁殖ファクターの個体間変異の解析  野口 智 未.
連作障害について 発表者:原理紗(のが).
3 市民としてどう行動していくか 地球温暖化対策 生物多様性を守る 地域の自然環境(みどり・水辺)を守る.
環境保全工学 熱帯雨林の減少と砂漠化 June03.
ビオトープ造成事業後の 環境評価に関する研究 〜地表性昆虫の多様性を用いて〜
越谷市子ども生き物調査(KIKYO) をはじめよう
指導教員 梶原 寿了 卒業研究生 阿部 聡太 中島 賢一 古川 高文
SD法による 公園型ビオトープの景観評価 岩崎祥吾
現代文明論 14 命に関わる文明の諸問題 遺伝子組み換え.
平和研究Ⅰ 第2回 積極的平和と消極的平和 2007年4月18日 広島平和研究所 水本和実.
外来生物が在来生物へ及ぼす影響 中内健伍.
絶滅危惧植物シラタマホシクサの 保全に関する研究 岩井貴彦 システムマネジメント工学科 UCコース
竹について 製作者 藤本 古谷 前田 福濱.
御国の光の作り方 明治大学2年 星野浩樹.
水にまつわる環境問題 10212024  岡本 文香.
第4回(10月30日) 豊澄智己 講義:エコビジネス論 第4回(10月30日) 豊澄智己
酸性雨の影響.
金融の基本Q&A50 Q41~Q43 11ba113x 藤山 遥香.
1. 糖尿病による腎臓の病気 =糖尿病腎症 2. 腎症が進むと、生命維持のために 透析療法が必要になります 3. 糖尿病腎症の予防法・治療法
生物多様性の危機 「精神のモノカルチャー」の説明 経済開発が削減した知識体系・ローカルな知識: 生態系と共同体との間の体系
「物質循環」を題材とするWebページの制作 -"Cigarrillo"(2006) /"Da I Kon"(2007) -
エイズとその予防.
有機農法で楽しむ “菜園講座・体験活動” 交野自然農法同好会 (会長; 高田健治).
名古屋市内の地下水の 有効利用について 第11班 C07053 山下 芳朋 C07056 吉田 昴平
地表性昆虫を用いた都市緑化地域の評価 18214020 菱田 啓.
徳山ダム建設が タコノアシ個体群に及ぼす影響
「緑化・林業分野でのバイオマスプラスチック製品の開発・利用に関して」 平成16年・台風23号による風倒木被害地での有効活用について
Let‘s Study Biodiversity 生物多様性保全 従業員教育エッセンス版
若者の自動車離れ 2011年6月23日 MR9001佐藤洋平.
社会システム論 第5回 生態系(エコシステム).
極端化する日本の気象 日本近海の 海水温上昇率 ほかの海域よ 2倍ほど高い 日本近海の海面水温 2015.9.7 大量の 熱帯魚類の北上
本時の目標 ○ 主な材料の特徴をまとめよう ○ 材料と環境とのかかわりを知り、材 料の使い方についてまとめよう
中学校理科・社会・総合的な学習の時間  環境問題について .
1.田んぼ(棚田)の多面的な役割り 「生態系サービス」
C07016加藤 俊宏 C07017小出 健太郎 C07018小澤 博司 C07019後藤 明 C07020今野 一輝
はじめに 当院は“メディカルトリートメントモデル”という 診療プロセス取り入れることによって患者さんの
絶滅危惧種サギソウの遺伝的分化 保全生態学研究室   鈴木雅之.
図3 地球環境変動の中核的課題と動向 自然圏(Natursphäre) 人類圏(Anthropophäre) 生物圏 大気圏 水文圏 土壌圏
日本の帰化生物の課題 湖南市立日枝中学校        元   義隆.
環境の変化における動物たちへの影響 申鎮燮, 杉江勇哉, 淺岡裕一朗, 平舘慶大, 石村史, 近藤綾香,
地球温暖化防止に必要なものは何か E 石井 啓貴.
新聞発表 /7/16 大和田・菅原・鈴木・山中.
Environment Risk Analysis
魚を湖に入れてみた 3年8組11班 .
日本の土壌汚染の現状 June, 11th, 2003 飯塚、大矢、加藤、深井
セントレアの環境問題 メンバー 030谷出 031寺西 032中尾 033中島 034長田 035中土.
森林破壊と地球温暖化.
環境・エネルギー工学 アウトライン 序 章 環境・エネルギー問題と工学の役割 第1章 バイオ技術を使った環境技術
BASUMO大作戦 D班:斎藤、下村、御簾納、山崎.
国産木材でリフォーム E班 植木・小池・志場・関矢.
生態地球圏システム劇変のメカニズム 将来予測と劇変の回避
田中 英一 鶴谷 賢彦 栂森 勇輝 豊島 政弘 永橋 牧子 西村 紘美
ワークシート 中学生向け Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 自然・環境 サンゴは海の中でどんな役割を担っていますか?
2 生態系の危機への対応 エコロジカル・フットプリント ミレニアム生態系評価 生物多様性条約 国内対策.
日本でのシェア住居と日本での住まい方 MR9068 吉村勇輝(ヨシ).
1. 糖尿病による腎臓の病気 =糖尿病腎症 2. 腎症が進むと、生命維持のために 透析療法が必要になります 3. 糖尿病腎症の予防法・治療法
水平井戸による循環式浄化システム 解 析 事 例 マルチ水平ウェル研究会.
地球温暖化問題と森林        4班 遠嶽、橋本、林、日浅、東田.
宅地造成等規制法の概要 国土交通省 都市局 都市安全課 平成31年3月更新.
サハリン開発と天然ガス 新聞発表 5月14日 上野 雅史 坂中 遼平 松崎 翔太朗 河原塚 裕美 .
Food web structure and biocontrol in a four-trophic level system across a landscape complexity gradient 著者 Vesna Gagic, Teja Tscharntke, Carsten F. Dormann,
湖岸湿地における生物多様性と人間活動 東京大学保全生態学研究室 西廣淳 2011年10月12日
自然・環境ブック 新潟県 地下の世界を守ろう <内容> ・地下の世界のようす 2ページ ・地盤沈下のしくみ 4ページ
杉と花粉 河合 ・木村・久保・小杉・高橋.
Presentation transcript:

日本のゴルフ場の環境破壊 2013.6.15 中神 徹

もくじ はじめに 森林破壊 ゴルフ場の森林面積 ゴルフ場の絶滅危惧種 農薬の散布量

はじめに ゴルフ場開発が森林破壊である 農薬を大量につかっている ゴルフ場開発が森林破壊。 ゴルフ場の建設の過程では山を削り谷を埋め立てることが多い。 森林が伐採され,土砂が流出する。 前から存在していた自然が破壊される。 森林がなくなることによって土壌流出が進み,保水カが落ちる。 保水力の低下で周辺の地下水量を低減してしまう。 新たに造成される環境が健全な生態系ではない。 ゴルフ場の芝生を維持するために農薬が散布されている。 それがゴルファーだけでなく周辺の住民の健康まで害し,さらに農薬は地下水に浸透して地下水を汚染し,自然界の生態系を壊す。

森林破壊 元の自然が破壊されるのはまちがいないが・・・ 土壌流出を心配する必要はない 土壌浸食を弱める効果を期待できる ゴルフ場開発が森林破壊ということについて。 ゴルフ場開発では森林を伐採し山を削ってコースを作るのだから元の自然は破壊される。 ただ完成後の土壌流出はほとんどない。 なぜならばコースは芝生で覆われるから,土壌流出は止まる。 森林でも日光が当たらない部分は草が生えず,土がむき出しになるがゴルフコースの場合は隙間なく芝生が覆っている。 直接雨が地表を打って,土壌が削られ流出することは少ない。 傾斜を穏やかに造成する場合は土壌浸食を弱める効果も期待できる。

ゴルフ場の森林面積 ゴルフ場建設後の方が森林面積が増えている調査結果も出ている。 里山はすべて森林に覆われていたわけではないため。 また宅地造成などが進む傾向もあった。 それがゴルフ場に囲い込まれることによって森林化が進行した。 里山の場合は森林とそれ以外の面積比はだいたい半々とされるが,ゴルフ場は森林が 6割近くと若干多い。

ゴルフ場の絶滅危惧種 新たに造成される環境が健全な生態系ではないということについて。 全国のゴルフ場で,アンケート調査を実施したところ数多くの絶滅危惧種が確認された。 樹木、鳥類、昆虫、魚類の絶滅危惧種が確認されている。 里山に近い生物多様性が保たれていることがわかった。

農薬の散布量 1970年代・・・3トン、4トン 1988年・・・約2トン 現在・・・500キロが標準 1970年代は芝生の維持管理法が手さぐりの時代だった。 日本で芝生に関する研究は,あまり行われていなかったから。 ゴルフ場関係者は,農薬の使用法に対して無知であった。 実際に病害虫の発生など事実があって散布したのではなく予防散布していた。 1980年代後半になると,ゴルフ場批判が強まったため急速に減農薬の研究が進み出した。 芝生の研究も行われ、どのようにすれば病害虫から芝生を守れるかがわかってきた。 現在は,さらに減農薬が進んでいる。18ホールのゴルフ場では, 500キログラム前後が標準で農薬の種類も厳しく限定されている。 農薬も進化し安全・少量化が進んだ。 使い方も定期的に散布するのではなく,病気や害虫が発生しやすいところや発生した初期の段階で集中的に散布することで全体の使用量は抑えられた。

参考文献 ゴルフマネジメントJUL.2009 48-49 縣和一(2008):大気の浄化と滅暖化防止に寄与するゴルフ場:芝草研究37(1)  1 8-262 問中義久(1992):ゴルフ場と岡本人,岩波新書 田中 淳夫(2011):日本におけるゴルフ場の現状と自然環境:ランドスケープ研究 75巻1号 10-13 谷利一(1997):ゴルフコースの病害虫雑草対策総合防総戦略,ソフトサイエンス社

おわり

おわり