工学的基盤面の設定について 平成25年3月27日 大阪府都市整備部 事業管理室 資料-2 平成25年3月27日(水)09:30~

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工学的基盤面の設定について 平成25年3月27日 大阪府都市整備部 事業管理室 資料-2 平成25年3月27日(水)09:30~ 第2回南海トラフ巨大地震土木構造物耐震対策検討部会 工学的基盤面の設定について 平成25年3月27日 大阪府都市整備部 事業管理室

出典:中央防災会議南海トラフ巨大地震モデル検討会(2012.08.29) 2.工学的基盤面の設定について ≪地震動伝搬のイメージ≫ 検討対象構造物 工学的基盤面 (Vs=0.35~1.0km/s相当層) 震 源 1 出典:中央防災会議南海トラフ巨大地震モデル検討会(2012.08.29)

2.工学的基盤面の設定について ≪動的解析のイメージ(ダム堤体の例)≫ ②地震動により生じる 構造物の応答を算出 ①工学的基盤面から 動的解析の結果 ・応力、変形の状況 ・構造物の損傷過程 ダム堤体 基礎地盤 ②地震動により生じる   構造物の応答を算出 ①工学的基盤面から   地震動を入力 ③構造物の損傷の程度を把握 ※入力地震動(国提供)   (加速度時刻歴波形) 2

出典:新関西地盤(KG-NET・関西圏地盤研究会2007.12) 2.工学的基盤面の設定について ≪大阪堆積盆地の基盤形状(地震基盤の分布イメージ)≫ 3 出典:新関西地盤(KG-NET・関西圏地盤研究会2007.12)

出典:新関西地盤(KG-NET・関西圏地盤研究会2007.12) 2.工学的基盤面の設定について ≪大阪堆積盆地の断面(地震基盤上の深い地盤構造の分布イメージ)≫ 4 出典:新関西地盤(KG-NET・関西圏地盤研究会2007.12)

2.工学的基盤面の設定について ≪工学的基盤面の設定≫ 5 ■国データには工学的基盤面より上の地盤情報がない  ⇒工学的基盤面標高及びそこから地表面までの地盤   データの設定手法について、大阪府域で統一した   ルールを決め、各構造物の耐震検討の整合を図る。 ■工学的基盤面までの深さ(h)の設定ルール(その1) 1.沖積地盤以外のゾーン   (岩盤;RT1,2、洪積地盤;DT1,2、山地境界;FT1,2)  (1)地震波の設定基盤がVs=350m/sの場合   ①土質データ(N値)を基に地表面から基盤面まで    の深さhを設定(基本的な考え方)   ②地表面に洪積地盤が露頭しており、土質データが    基盤面に達していない場合、土質データの最下層    までをhに相当する深さとする。  (2)地震波の設定基盤がVs=600m/s以上の場合   ○土質データが岩盤となる地層の深さをhとする。    なお、構造物基礎底面が岩着している場合は、    基礎底面を工学的基盤面とする。 RT1 FT1 FT1 DT1 DT1 ・道路橋示方書(H14版)によると、せん断弾性波速度Vsの  推定式として、下記式を示している。  ➢粘性土:Vs=100・N1/3(1≦N≦25)  ➢砂質土:Vs= 80・N1/3(1≦N≦50) ・ここでは、十分堅固な地盤をVs=300m/s以上としており、  上記式からN値が粘性土で25以上、砂質土で50以上が  これに該当する。 RT2 DT2 FT2 RT2 FT2 5

2.工学的基盤面の設定について ≪工学的基盤面の設定≫ 6 ■工学的基盤面までの深さ(h)の設定ルール(その2) 2.沖積地盤のゾーン(AT1,AT2,AT3)  ○関西圏地盤情報ネットワーク(KG-NET)情報を利用    ⇒関西圏地盤情報データベースや“新関西地盤”     等の各種報告書から得られる近傍の土質情報     により、hに相当する基盤面までの深さを設定  ※工学的基盤面設定にあたっての洪積層の取扱い   ➢上町台地北部、東部及び西部に広がる沖積地盤    では、沖積層以深は、N値60以上の洪積砂れき    層とN値25未満の洪積粘土層が互層を形成   ➢大阪府港湾局では、過年度の耐震検討において、    上記の地層を考慮の上、PS検層結果に基づき、    工学的基盤面を設定(国、学識経験者と協議)   ➢大阪平野全体での整合をとるため、沖積地盤に    おける工学的基盤面の設定は、下記のルールを    基本とする。    上記ルールに基づき、KG-NET情報と大阪府港湾局    資料の双方から層序と層厚を想定し、hを設定 AT1 AT2 AT2 AT2A ①上町台地北部及び東部地域    ⇒Dg2層(第二洪積砂れき層)の上面 ②上町台地西部(大和川以北) ③上町台地西部(大和川以南)    ⇒大阪府港湾局資料に基づく     (阪神高速湾岸線等の土質データを基本) AT3B AT3C AT3D1 6

出典:新関西地盤(KG-NET・関西圏地盤研究会2007.12) 2.工学的基盤面の設定について ≪沖積地盤における工学的基盤面の設定≫ 出典:新関西地盤(KG-NET・関西圏地盤研究会2007.12) 淀 川 大和川 関西国際空港対岸 Dg1 Ma12 Dg2 Ma11 大阪湾岸線に沿う断面 7

2.工学的基盤面の設定について ≪沖積地盤における工学的基盤面の設定≫ 8 大阪平野の東西断面(大阪港~中央大通り) 上町台地 出典:新関西地盤(KG-NET・関西圏地盤研究会2007.12) 近畿自動車道  弁天町駅 大阪環状線 地下鉄 大阪候駅 Dg1 Dg1 Ma12 Ma12 Dg2 Dg2 Ma11 Ma11 大阪平野の東西断面(大阪港~中央大通り) 8

出典:新関西地盤(KG-NET・関西圏地盤研究会2007.12) 2.工学的基盤面の設定 ≪沖積地盤における工学的基盤面の設定≫ 出典:新関西地盤(KG-NET・関西圏地盤研究会2007.12) 近畿自動車道 中央大通り 淀 川 京阪本線 Dg1 Ma12 Dg1 Dg2 Ma12 Ma11 Dg2 Ma11 東部大阪の南北断面(近畿自動車道沿い) 9

出典:新関西地盤(KG-NET・関西圏地盤研究会2007.12) 2.工学的基盤面の設定について ≪工学的基盤面の上面標高分布(沖積地盤の例)≫ 出典:新関西地盤(KG-NET・関西圏地盤研究会2007.12) 10