Auger計画の最高エネルギー宇宙線観測データの解析II

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シンチレーションファイバーを 用いた宇宙線の観測
60Co線源を用いたγ線分光 ―角相関と偏光の測定―
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Auger計画の最高エネルギー宇宙線観測データの解析II 山本常夏@甲南大 今年度の解析状況 Auger計画の観測状況 まとめ

研究課題:Auger計画の最高エネルギー宇宙線観測データの解析II 参加研究者:山本常夏@甲南大、竹田成宏@ICRR 研究経費:0円

最高エネルギー宇宙線検出器 南Auger観測所

研究内容 南Auger観測所では10の18乗 eV 以上の宇宙線が一日2000個程度の観測される。このうち10の19乗 eVの宇宙線は一日10個足らずである。 これらの観測データを一日一回自動的に解析し、その日に観測された宇宙線のエネルギーと到来方向をメールでCollaborationに配信している。 これらのシステムで解析をアップデートやデバッグをするとき、大量のデータを解析する必要があり、宇宙線研のコンピュータシステムを使用している。

メールの内容 _______ AUGER PROMPT ANALYSIS (upgrade on y2007m03d20) _________ This analysis is preliminary. 2165 events are found. 11 events above 10 to 19.0 eV. 13 events have more than 10 active stations 42 "golden"-Hybrid events. sd_2009_12_12_12h13.root sd_2009_12_13_00h14.root -------------------------- HEADLINES (above 3 EeV) -------------------------- EveID, Hybrid Flag, Zenith Angle, Energy, # of survived stations, (Ra, Dec), - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 8840506 .. 49.5 [deg] 23.47 [EeV] 12 ( 19.0 , 14.0 ) 8843268 .. 29.8 [deg] 20.39 [EeV] 5 ( 155.5 , -25.1 ) 8839969 .. 47.5 [deg] 16.50 [EeV] 12 ( 290.7 , -14.2 ) 8840280 .. 64.8 [deg] 15.50 [EeV] 17 ( 318.7 , 13.5 ) 8839649 .. 55.5 [deg] 14.71 [EeV] 10 ( 256.8 , -10.4 ) 8843832 .. 48.9 [deg] 14.26 [EeV] 13 ( 99.2 , -66.8 ) 8839401 .. 7.4 [deg] 14.25 [EeV] 7 ( 292.5 , -42.7 )

エネルギー スペクトル 10¹⁸ 10¹⁹ 10²⁰ E [eV] steepening: E~2.9x10¹⁹eV エネルギー スペクトル steepening: E~2.9x10¹⁹eV -3.36±0.04 -4.3±0.2 -2.56±0.02 ankle: E~4.1x10¹⁸eV 10¹⁸     10¹⁹ 10²⁰ E [eV]

低エネルギー拡張 1500m間隔で設置された検出器(青)に加え、 23個の検出器(赤)を加え750m間隔の部分をつくる。 ミューオン検出器とシンチレータ検出器も置く。 大気蛍光望遠鏡も設置済み

シャワー最大発達の位置 Xmaxをみると最高エネルギーは重い原子核? 解析、シミュレーションともに不定性がある。 今後 化学組成の測定を重視している。

北Auger計画 DOEの答申は考えていたよりポジティブだった。 カンザス州立大が参加することになった。 面積 3,000km2 20,000km2 (x7) 地表検出器 1600台 4000台 値段 55M$ 127M$ (x2.5) エネルギー閾値 10^18eV 10^19eV 建設開始 1999年 2011年 建設終了 2008年 2016年 DOEの答申は考えていたよりポジティブだった。 カンザス州立大が参加することになった。 南Augerの結果に依存して設計を考える必要がある。

まとめ  自動解析システムにより一日一回観測データを解析し、結果をCollaborationに配信している。今年度もシステムは安定して動き、Augerの観測に貢献した。  南Auger観測所は4月から11月まで検出器間の通信障害が多発する問題が発生したが、現在はほぼ普及。  低エネルギー拡張が進んでいる。  到来方向分布ははっきりしたことがいえない。  今後 化学組成の測定がカギになる。  北Auger計画は少しずつ進んでいる。