ルジャンドル予想の変形 について 白柳研究室 5514098 宮田桃生
研究の背景 ルジャンドル予想 =任意の自然数nについて、n2から(n+1)2の間に必ず素数が存在するであろう 一方で、いくらでも長い合成数の列が存在する: n!+2,n!+3,…,n!+n ルジャンドル予想に類似する定理として、 「任意の自然数nについて, 𝑛 3 から (𝑛+1) 3 の間には必ず素数が存在する」 ことが、nが十分に大きな数において成り立つことが証明されている。
研究の目的 ルジャンドル予想の正しさを確かめる。 仮定の範囲を変形した場合、その各場合において 結果がどのように変わっていくかを調べる。
実験方法 本研究では、ルジャンドル予想の仮定範囲の変形として、 n2から(n+1)2までの範囲を、 n2からn2+an+1までの範囲に変える、 (n+a)2から(n+1-b)2までの範囲に変える の2通りとした。 調べ方は、数式処理ソフトMapleにより、仮定の範囲内に素数があるかを判定するプログラムを使って計算を行った。
仮定の範囲の変形Ⅰ n2 からn2+an+1の範囲に素数が存在するかどうかを調べるMapleのプログラムを以下に示す。
出力結果(四捨五入の場合) > find(0.4, 1, 10000); 5 > find(0.45, 1, 10000); "OK", 213.705 > find(0.5, 20001, 25000); "OK", 282.253 > find(0.5, 25001, 30000); "OK", 345.527 > find(0.5, 30001, 32500); "OK", 196.827 > find(0.5, 35001, 37500); "OK", 252.488 > find(0.5, 32501, 35000); "OK", 232.238 > find(0.5, 37501, 40000); "OK", 268.384 > find(0.5, 1, 100); "OK", 0.015 > find(0.5, 101, 200); "OK", 0.047 > find(0.5, 201, 1000); "OK", 1.014 > find(0.5, 1001, 10000); "OK", 119.996 > find(0.5, 10001, 15000); "OK", 155.330
仮定範囲の変形Ⅱ (n+a)2から(n+1-b)2の間に含まれる自然数の中に素数が存在するかどうかを調べるプログラムを以下に示す。
出力結果(四捨五入) > find(0.1, 0.1, 1, 5000); "OK", 98.609, 488
出力結果2(四捨五入) > find(0.3, 0.1, 1, 10000); "OK", 347.352, 748 > find(0.2, 0.2, 1, 10000); "OK", 296.714, 648 > find(0.2,0 .3, 1, 10000); "OK", 246.560, 551 > find(0.2, 0.4, 1, 10000); "OK", 197.716, 445 > find(0.2,0 .5, 1, 10000); 14 > find(0.3, 0.1, 1, 10000); "OK", 299.896, 630 > find(0.3, 0.2, 1, 10000); "OK", 249.617, 530 > find(0.3, 0.3, 1, 10000); "OK", 198.917, 433 > find(0.3,0 .4, 1, 10000); "OK", 149.262, 327 > find(0.3,0.5, 1, 10000); 14 > find(0.2, 0.6, 1, 10000); 9 > find(0.2, 0.7, 1, 10000); 4
まとめ (四捨五入の場合) 実験I: a=0.5のとき反例出ず。 a=0.4のとき反例あり。 a=0.49のとき反例あり。 実験II: a=0.1のとき、b<0.7でなければならない a=0.2のとき、b<0.5でなければならない a=0.3のとき、b<0.5でなければならない など ルジャンドル予想の仮定範囲の変形をした際の最初に現れる反例(素数が存在しないこと)が見つかったものは、nは2,3,7,14,など比較的小さい数しかなく、大きな数でも36が最大だった。
今後の課題 ルジャンドル予想の仮定範囲の妥当性を検証するためには、現在調べたnの範囲よりもさらに大きな自然数まで調べる必要がある。また、より大きな数における反例が見つかるかどうかを調べる必要があると思われる。