原子膜積層化により形成した超伝導システム の物性探索 170125 原子層科学(駒場) 原子膜積層化により形成した超伝導システム の物性探索 筑波大学 神田晶申 超伝導体: NbSe2 Tc = 7 K BSCCO 110 K (Bi2Sr2CaCu2O8+) 物性: グラフェン/層状超伝導体接合における、 新しいアンドレーエフ反射の探索 メゾスコピック超伝導物理の開拓
超伝導体/グラフェン接合のアンドレーエフ反射 2種類(鏡面反射/再帰反射) Beenakker, Phys. Rev .Lett. 97, 067007 (2006) | EF-ED | > D | EF-ED | < D 観測のためには、 ・ ディラック点揺らぎの抑制 ・ 仕事関数差による電荷ドープの考慮 が必要 Large Vg Small Vg Retro-reflection Specular reflection グラフェン 超伝導体 進捗 仕事関数差を考慮した理論(Efetov & Efetov (2016)) BLG/NbSe2接合をhBNで挟んだ試料で、 仕事関数差を考慮した理論と定性的に 一致する結果を得た。 鏡面反射を明確に観測したとは言い切 れない。電荷ドープの軽減が必要
メゾスコピック超伝導物理の開拓 高温超伝導体の多くは層状で劈開可能 厚さの揺らぎがない ⇒ 渦糸ピニングの制御等が容易 厚さの揺らぎがない ⇒ 渦糸ピニングの制御等が容易 メゾスコピック超伝導への応用 - 渦糸状態制御、渦糸のMQT - 薄膜化によるTc制御 - 超伝導電流の量子化の検証 など
メゾスコピック超伝導物理の開拓 進捗 NbSe2 大気暴露、微細加工が超伝導特性に与える影響を解明 厚さ>10 nm 内包型(MLG/NbSe2/hBN) 大気暴露型 Tc = 7.0 K ΔTc = 0.1 K Tc = 6.9 K ΔTc = 0.1 K ほぼ同じ Hc(4.5 K) = 1.7 T Hc(4.5 K) = 1.6 T RIE Tc = 6.3 K ΔTc = 0.8 K Hc(4.5 K) = 1.3 T 大きく減少
メゾスコピック超伝導物理の開拓 絶縁体的 Tc: 約110 K 進捗 薄膜化すると超伝導性が消失 バルク(2端子測定) 薄膜(内包型) BSCCO 薄膜化すると超伝導性が消失 バルク(2端子測定) 薄膜(内包型) 銀ペースト Cr/Au電極 Bi2212 Tc: 約110 K 絶縁体的
今後の計画 アンドレーエフ反射 メゾスコピック超伝導 共同研究 理論結果 (Efetov & Efetov (2016)) 仕事関数差 5 mV 50 mV 500 mV 鏡面反射を明確に観測するためには、電荷 ドープの抑制が必要。 仕事関数差の影響を軽減できる試料構造 の採用 高温超伝導体の使用 理論解析 メゾスコピック超伝導 NbSe2: 微細加工を行い、渦糸状態の実験を開始 BSCCO: 超伝導の回復 共同研究 hBN (谷口先生、渡邊先生(NIMS)) 高温超伝導体(高野義彦氏(NIMS)) 理論解析 (高根美武氏(広島大)、吉岡英生氏(奈良女子大)、林正彦氏(秋田大))