光天連シンポジウム「2020年に向けてのロードマップ」

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1 ( 様式8 ) 提案書雛型ア 資料2 - 1 (提案者名を記載) ○○○○ 受付番号 ア.地域見守りサービス創出における調査 平成 23 年度医療・介護等関連分野における規制改革・産業創出実証事業 ( IT 等を活用した医療・介護周辺サービス産業創出調査事業) 提案書 (提案事業のタイトルを記載:
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宇宙の「気温」 1 億度から –270 度まで 平下 博之 ( 名古屋大学・理・物理 U 研 ).
2020 年( TMT 、 SPICA 時代)の すばる望遠鏡 高見英樹 ( 国立天文台) 年の光赤外の情勢 大きな流れ TMT 稼働開始 SPICA 打ち上げ、 JWST は? LSST 稼働開始、 HSC の役割は? Keck 、 Gemini は存続だが予算は厳しい、 VLT は着実.
日本学術会議マスタープランへの提案 ガンマ線バーストを用いた初期宇宙探査計画 HiZ-GUNDAM 主査: 米徳 大輔(金沢大学) HiZ-GUNDAM WG 光赤天連シンポジウム「光赤外将来計画:将来計画のとりまとめ」( 2016/02/09 – 10 国立天文台.
将来計画委員会 組織名 設置 人数 活動 高宇連 2013-, 名 宇電懇 なし? 惑星科学会 常設 7名
2006年2月22日 宇宙重力波干渉計検討会 - 小型衛星とDECIGO - 川村静児 国立天文台
神岡宇宙素粒子研究施設の将来 Future of the Kamioka Observatory
Building Research Institute
背景について 国立天文台 天文情報センター.
GLAO at Subaru Telescope
すばるの中期長期計画 国際連携 有本信雄 国立天文台・ハワイ観測所.
ディスカッションの進め方 【1】 テーマの提示 (5分) 【2】 ディスカッション(20分) 【3】 発表 (5分×6グループ=30分)
ディスカッションの進め方 【1】 テーマの提示 (約5分) 【2】 ディスカッション(約30分)
光赤天連シンポジウム (2011年9月6日, 於:京都大)
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) 原子炉建屋に対する外部事象の調査
<研究開発項目〇> ●●●●●●● ● ● <提案題目> △△ △ △△研究開発
南極からの新赤外線天文学の創成 南極内陸は、ブリザードがなく、非常に穏やかな、地球上で最も星空の美しい場所です。この場所で私たちは新しい赤外線天文学を展開します 宇宙初期の広域銀河地図を作って、私たちの銀河系の生い立ちを解明します 137億年前 100億年前 宇宙の果て 最初の星が生まれ、銀河が成長した時代.
□糖尿病モデル  □健康改善モデル  (あてはまるものに☑) 【事業名】 【代表団体名】 【記載上の留意点】
2007 9/26-28 秋季年会 高速分光システムの開発 磯貝 瑞希(広島大)、嶺重 慎、野上 大作(京都大)、川端 弘治、植村 誠、大杉 節、山下 卓也、永江 修、新井 彰、保田 知則、宮本 久嗣、上原 岳士、笹田 真人、田中 祐行、松井 理紗子、深沢 泰司、かなた望遠鏡チーム(広島大)、杉保 圭(京都大)
高速分光システムの開発 1. 高速分光システムとは 4. 分散素子の製作 2. 高速CCDカメラとは 5. 製作スケジュール 3. 製作項目
2008 3/24-27 春季年会 高速分光システムの開発 II 1300秒 0.1等
京大岡山3.8 m望遠鏡計画: 分割主鏡制御エッジセンサの開発
突発現象のToO観測 野上大作 (京大 花山天文台) 2011/09/07(Wed)
教育系サブジェクトリポジトリとしての展開

LCGT Collaboration Meeting (2010年2月15日)
アタカマ近赤外カメラ ANIR 本原顕太郎、内一・勝野由夏、酒向重行、三谷夏子、 田中培生、半田利弘、青木勉、川良公明、
P01.埼玉大学55cm望遠鏡SaCRAの 制御システム開発 ~第5回 ~ ポスター説明
物性研究所の共同利用 — 移転と法人化を経て — 物性研究所の2本柱 (1)先端的研究推進 (2)全国共同利用 共同利用の2原則
計画研究ク 重力波天文台用高性能光源の開発
トランジット法による低温度星まわりの地球型惑星探索と大気調査
~車両で生まれる産学官連携で子供を育てる~
検出器/電子回路に関する これからの課題 立教大学理学部物理 村上浩之.
2m電波望遠鏡の製作と 中性水素21cm線の検出
茨城 32 m 電波望遠鏡(高萩局・日立局)の整備状況
京大極限補償光学 点回折干渉を用いた 波面センサの開発
ソフトウェア情報学総論 基盤ソフトウェア学講座
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 天文科学センター 伊藤洋一
遺伝子導入効率No.1を目指す ナノ・ニードル基板デバイスの開発
添付図-1:課題⑦-2-1 「巨大都市・大規模ターミナル駅周辺地域における複合災害への対応支援アプリケーションの開発」
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) グレーチング切断装置の設計
地上 8-10m 望遠鏡の将来装置計画のまとめ 国際協力・時間交換の議論のベースとして 次世代装置開発の議論のベースとして
すばる戦略枠の現状とこれから すばる小委員会委員長 吉田道利.
クリアリングハウスの実現と展望 -検索から共用へ-
ファイバー面分光装置KOOLS-IFU - 京大3.8 m望遠鏡との接続に向けて -
小型JASMINE計画の状況       矢野太平(国立天文台)       丹羽佳人(京大).
小型衛星パスファインダーによる総合的試験
心理科学・保健医療行動科学の視点に基づく
(提案事業のタイトルを記載:80文字以内) ○○○○○○○○○○○○ (提案者名を記載) ○○○○
京大他、東大やアデレード大学など日豪の16機関が共同で、オーストラリアの砂漠地帯に望遠鏡4台を建設しTeVγ線を観測している。
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) 1.1.1アクセス装置の概念検討
小研究室でも TMT関連開発に参加し易い環境を 構築するための一案
 MOIRCS Introduction  小西 真広.
Cryogenics Science Center
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) 電気・計装現地工事の施工設計(現場調査も含む)
S1 装置開発と観測 長田哲也 教授 栗田光樹夫 准教授 木野勝 助教 望遠鏡および可視光と赤外線の観測装置の開発を行います。
1業務の実施方針等に関する事項 【1.1事業実施の基本方針、業務内容等】
平成24年度国立大学法人等若手職員勉強会 分科会2 全体会発表
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) 薬品配管施工設計・保守点検架台製作
高度人材・中小企業活用推進事業 【大阪府商工労働部雇用推進室人材育成課】
GSTOS コマンド計画検証ソフトウェアの開発
外部共振器型半導体レーザー装置の製作 物理工学専攻 小菅 洋介 (M1) 〔指導教員: 熊倉 光孝〕
クラスタリングを用いた ベイズ学習モデルを動的に更新する ソフトウェア障害検知手法
東大アタカマ望遠鏡(TAO) 光学系検討の現状報告 東大天文センター・木曽観測所 宮田 隆志 田中 培生 山室 智康 お話する内容
コンセプト創出と文化的多様性 文学部文学科文芸・思想専修 2年 清水 麗
X線天文衛星『すざく』の成果 1.5年経過 “すざく” (朱雀) 査読付専門雑誌 32 編 (日本の衛星、大型プロジェクトでは最多)
見つけよう!一人ひとりの「強み」と「役割」
【1 事業の内容及び実施方法】 1.1. 事業内容(実施方法を含む) 装置据付作業
ASTE望遠鏡を用いたVLBI観測の ための超伝導230GHz帯受信機開発
Keck-II several nights
Presentation transcript:

光天連シンポジウム「2020年に向けてのロードマップ」 大学の開発アクティビティと大型計画 東京大学天文センター 宮田隆志

天文学的大成果 天文学的成果 次世代若手育成 難しい問題… 大学(各グループ)での開発 大型計画 ✓2-5年程度で成果を出す必要 ✓継続性の確保も重要な課題 ✓中小望遠鏡の運用・開発計画を推進 ✓マンパワーは不足気味 大型計画 天文学的大成果 ✓大規模・長期間にわたる開発 ✓究極の装置で究極の観測を ✓マンパワーは不足気味

難しい問題… 大学(各グループ)での開発 天文学的成果 次世代若手育成 大型計画 天文学的大成果 ルビコン川?

観測装置開発を構成する ブロック 限られたマンパワー(&予算)で これらをこなす必要 装置の開発とは、に立ち返る ユーザーIF 遮光 観測装置開発を構成する ブロック MECHANICS ユーザーIF SOFTWARE 遮光 各部制御ソフト QuickLook ELECTRONICS OPTICS 光学調整 機械制御 温度制御 読出しエレキ 光学素子 機械設計 構造設計 熱設計 駆動エレキ 光学設計 駆動要素 冷凍機開発 検出器技術 人材確保 予算確保 渉外 MANAGEMENT COOLING 科学的モチベーション 限られたマンパワー(&予算)で これらをこなす必要 機器制御 全体統括ソフト

の場合… ユーザーIF 遮光 各部制御ソフト QuickLook 光学調整 機械制御 温度制御 読出しエレキ 光学素子 機械設計 構造設計 ✓TAO6.5m用中間赤外線観測装置 ✓すばる望遠鏡カセグレン焦点でも利用可能   PI装置として2014年の持ち込みを目指す ユーザーIF 遮光 各部制御ソフト QuickLook 光学調整 機械制御 温度制御 読出しエレキ 光学素子 機械設計 構造設計 熱設計 駆動エレキ 光学設計 駆動要素 冷凍機開発 検出器技術 人材確保 予算確保 渉外 科学的モチベーション ・先端的で研究となるような開発項目 ・大型計画や次世代計画に   役立ちそうな開発項目 ・それだけでは研究にならない開発項目 企業

の場合… ユーザーIF 遮光 各部制御ソフト QuickLook 光学調整 機械制御 温度制御 読出しエレキ 光学素子 機械設計 構造設計 検出器 高速駆動用 低温エレキの 開発 ✓TAO6.5m用中間赤外線観測装置 ✓すばる望遠鏡カセグレン焦点でも利用可能   PI装置として2014年の持ち込みを目指す 軸外し反射 光学系の 光学調整 ユーザーIF 遮光 各部制御ソフト QuickLook 光学調整 機械制御 温度制御 読出しエレキ 光学素子 機械設計 構造設計 熱設計 駆動エレキ 光学設計 駆動要素 冷凍機開発 検出器技術 人材確保 予算確保 渉外 サブ波長構造 を用いた反射 防止レンズ・ フィルター ・モスアイ ・メッシュフィルター 科学的モチベーション 中間赤外線用 1k Si:As検出器 Aquariusの 駆動 冷却チョッパーによる 装置内チョッピングの実現

大型計画の場合… 大学 同じような考え方 ユーザーIF 遮光 各部制御ソフト QuickLook 光学調整 機械制御 温度制御 読出しエレキ 光学素子 機械設計 構造設計 熱設計 駆動エレキ 光学設計 駆動要素 冷凍機開発 検出器技術 人材確保 予算確保 渉外 科学的モチベーション 先端的で研究となるような開発項目    “尖った”開発項目 大学 開発グループ 機器制御 全体統括ソフト

大学はこれで本当にOKなのだろうか? 企業にやらせた方がよいのでは? 大型計画の場合… 大学 QuickLook 光学素子 駆動要素 filterの開発を担当。 10年後には装置に のります。 A大学 xxxグループ QuickLook C大学 xxxグループ 光学素子 大学はこれで本当にOKなのだろうか? 駆動要素 検出器技術 企業にやらせた方がよいのでは? D大学 xxxグループ B大学 xxxグループ ✓全体を20K、検出器部を5Kに冷却 ✓デュワー全体を上下動 住友重機械工業 先端的で研究となるような開発項目    “尖った”開発項目 大学 開発グループ 機器制御 全体統括ソフト

使い分けが必要 企業 企業 ..企業が開発? 大学が開発? 大型計画 大型計画 大学(各グループ) 技術開発 技術開発 ○シンプル ..企業が開発? 大学が開発? 大型計画 大型計画 ○シンプル ○確実に進む ×高価 ×技術が  企業だけに蓄積 ×やや複雑 △確実に進む? ×高価? ◎技術が大学に  すそ野が広がる! 技術開発 大学(各グループ) 技術開発 企業 技術開発 企業 使い分けが必要

大学はこれでOK? … OKかもしれない? ✓巨大な科学プロジェクトを進める方法のひとつ ✓このようなグループ・人を評価する            価値基準・評価基準が必要 ✓研究テーマ・開発テーマは少数の課題に収斂される方向に  研究の多様性は失われていく。。。 ✓若手を十分に育成できるか? 各人がかかわる開発は限られる 若手のアイデアに基づく萌芽的研究は育つか?

大学の中規模計画はこれを実現するのに最適&必須 …もし、OKでないとしたら 「尖った開発研究」を数年で 天文学的成果にする仕組みが必要 ✓開発した要素技術の実証 ✓若手の研究モチベーションを高める ✓学生が 開発観測天文学、の流れを会得 ✓若手が開発計画全体にかかわる            大型計画を主導できる人材を育てる ✓萌芽的・挑戦的研究課題へのパスを残す           研究の多様性を確保 大学の中規模計画はこれを実現するのに最適&必須 大学(各グループ)での開発 大型計画 相容れない、のではなく、相補的!!

天文学的大成果 大学(グループ) 大型計画 中規模計画 要素技術 開発 天文学 的成果 次世代 若手育成 他分野研究者 企業 技術開発 開発すべき 要素の提案 要素技術 開発 開発技術の 提供 特徴ある 装置の実現 独自技術 の売込 技術の蓄積 技術開発 既存技術の活用 技術の蓄積 人材供給 天文学 的成果 次世代 若手育成 天文学的大成果 企業・他分野 研究者の活用 技術開発 他分野研究者 企業

天文学的大成果 大学(グループ) 大型計画 中規模計画 要素技術 開発 天文学 的成果 次世代 若手育成 他分野研究者 企業 技術開発 開発すべき 要素の提案 要素技術 開発 開発技術の 提供 特徴ある 装置の実現 独自技術 の売込 技術の蓄積 技術開発 既存技術の活用 技術の蓄積 大学(各グループ)から見ると… ✓開発技術の有効利用が進む    (若手・学生のモチベーションUP) ✓他に蓄積された技術の活用    先端的でない部分の開発も進めやすく ✓若手に様々な経験を積ませながらも        先端的な研究に加わらせられる 大型計画から見ると… ✓鍵となる開発項目を重点的に進められる     長期的な開発を進めやすくなる ✓技術の実用化まで見届けられる     中小計画=大型計画の技術実証機 ✓開発技術の蓄積が進む ✓多くの人を取り込める    育った若手をさらにメンバーに 人材供給 天文学 的成果 次世代 若手育成 天文学的大成果 企業・他分野 研究者の活用 技術開発 他分野研究者 企業

[第2回可視赤外線観測技術ワークショップ] 2012年12月中旬開催 最後に [第2回可視赤外線観測技術ワークショップ] 2012年12月中旬開催 大型計画 大学(各グループ) 企業 他分野研究者 みなさんの参加をお待ちしています