ネットワーク技術II 第8.1課 イーサネット・スイッチング

Slides:



Advertisements
Similar presentations
勝手にインフラ隊 (の中の人といっしょ) に学ぶネットワーク講座
Advertisements

Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng. Keiichi MIYAJIMA
情報ネットワーク ( データリンク・ Ethernet) 岡村耕二. 資料作成者:原田義明 2 OSI 階層モデル アプリケーション 層 プレゼンテーショ ン層 セッション層 トランスポート層 ネットワーク層 データリンク層 物理層 アプリケーション 層 プレゼンテーショ ン層 セッション層 トランスポート層.
1 情報ネットワーク 課題レポート 模範解答 身の回りで、階層化されている物事を 1 つあげて、その階層構造を説明 せよ 課題のポイント – 機能が階層ごとに分割されているか – 同じ層でのやりとり(プロトコル)があるか – 上位層と下位層での情報のやりとり(インタフェース)があるか –
UDL( 片方向通信路 ) 衛星リンクには Feeder,Receiver が存在 双方向通信には2つのチャンネル データの流れは一方通行 N 局による通信には n(n-1) のチャンネルが必要 送信局が入れ替わることにより、 擬似的に多対多型通信を行う研究もされている.
IP over DVB-RCS の設計と実装 研究背景 DVB-RCS 衛星回線を用いて受信局から送信局への狭帯域な戻り回線を提供 Forward Link Return Link HUB Terminal.
ネットワークインタフェース 層/ インターネット層(IP層) (1) ネットワークシステムⅠ 第7回.
Linuxを組み込んだマイコンによる 遠隔監視システムの開発
Step.5 パケットダンプ Wiresharkでパケットをキャプチャする PC 1 PC 2 PC 3 PC 4 ネットワーク
pie新人教育セッション - 詳解TCP/IP Vol.1 ~Chapter2~ リンク層
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
コンテンツ配信に優れている P2P 技術と、著作権侵害問題の関係について 述べよ。
第1回.
物 理 的 な ネ ッ ト ワ ー ク ネットワークコミュニケーション5/17/07.
ネットワーク技術II 第7.1課 イーサネット・テクノロジー
ネットワーク技術II 第8.2課 イーサネット・スイッチング
前回の課題 IPv6アドレス IP ARP ICMP NAT インターネット層 2003年12月4日 情報ネットワーク論 新村太郎.
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
3.5 ネットワークの ディストリビューション層の構築
TCP (Transmission Control Protocol)
情報教員のためのサーバ管理技法 3日目 インターネット プロトコル 柴田 功.
情報ネットワーク (明石高専 電気情報工学科 5年)
WindowsNTによるLAN構築 ポリテクセンター秋田 情報・通信系.
2004年6月14日(月) 情報コミュニケーションIII A 第8回 ネットワーク(LAN)構築.
Copyright Yumiko OHTAKE
心理学情報処理法Ⅰ コンピュータネットワーク概論.
スキルアップ.
ネットワーク技術II 第9.2課 インターネットアドレス
トランスポート層.
ネットワークと コミュニケーション技法 第6回 -コンピュータネットワーク-.
コンテンツ配信 エンコード (符号化) CBR (Constant Bit Rate) VBR (Variable Bit Rate)
(元)勝手にインフラ隊 (の中の人といっしょ) に学ぶネットワーク講座 in 東京
  第7章  LANの構築  LAN(Local Area Network)は,局部ネットワークといい,一施設内程度の規模で用いられるコンピュータネットワークのことである.一般家庭,企業のオフィス,研究所,大学,学部などで広く使用されている.  米国電気電子学会(IEEE)の定義: 「LANは,限定された広がりをもった地域で,コンピュータをはじめとするさまざまな機器の間で自由に情報交換ができるものである」.
ネットワーク機器接続 2SK 情報機器工学.
GoNET 競合比較 POPCHAT 2015年04月 アイビーソリューション株式会社.
インターネット構成法 第二回 リンクレイヤ技術 2002/10/7 担当:村井 純.
「コンピュータと情報システム」 06章 通信ネットワーク
ネットワークの基礎 ・ データ伝送の仕組み Ⓒ 2007 E.Moriya Ver /11/6
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
6月19日 RoutingとRouting Protocol 大竹 由美子
イーサネット.
Copyright Yumiko OHTAKE
総合講義B:インターネット社会の安全性 第6回 ネットワークの基盤技術
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
ネットワーク技術II 第9.3課 IPアドレスの取得
Cisco Startシリーズ 製品概要&エントリー モデル編
インターネットの基礎知識 その3 ~TCP・UDP層編~
ネットワークインターフェース(アクセス)層
岡村耕二 情報ネットワーク 補足資料 岡村耕二 情報ネットワーク.
復習.
ネットワーク技術II 第9.1課 TCP/IPプロトコルスイート
出典・・・基礎からわかるTCP/IPコンピューティング入門 村山公保著
問題1: ネットワークセグメントはいくつあるか?
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
第16章 BOOTP:ブートストラップ・プロトコル
IP over DVB-RCSの設計と実装
ネットワーク技術II 第10.3課 サブネット化のメカニズム
片方向通信路を含む ネットワークアーキテクチャに於ける 動的な仮想リンク制御機構の設計と実装
最低限インターネット ネットワークにつなぎましょ!
勝手にインフラ隊 (の中の人といっしょ) に学ぶネットワーク講座 Part2
情報実験 第五回 最低限 internet ~ネットワークの仕組みを知ろう~
勝手にインフラ隊 (の中の人といっしょ) に学ぶネットワーク講座 Part2
OSI7層に関係する機器、仕様、機能など 物理層 データリンク層 ネットワーク層 トランスポート層 セッション層 プレゼンテーション層
情報ネットワーク 岡村耕二.
インターネットワーキング.
演習問題 その1 IP のネットワークである /20 について以下の問に答えよ。
7月13日の演習問題・解答例 について ネットワーク長が 18、22、26、28 の場合の
情報ネットワーク 岡村耕二.
ネットワークシステム ネットワークシステム概要.
Presentation transcript:

ネットワーク技術II 第8.1課 イーサネット・スイッチング http://www.info.kindai.ac.jp/NetEngII 38号館4階N-411 内線5459 takasi-i@info.kindai.ac.jp

OSI第2層 データリンク層の2つの制御 LLC(論理リンク制御) MAC(メディアアクセス制御)

レイヤ2機器 NIC ブリッジ スイッチ(マルチポートブリッジ) NIC 無線ブリッジ スイッチ

ブリッジ MACアドレスによる転送制御 ネットワークセグメント間をつなぐ レイヤ2の機器 ルータ (レイヤ3) との違い セグメント分け(セグメンテーション) 衝突ドメインの細分化

ブリッジの動作(1) fa1 fa2 AA AA→BB MAC:CC MAC:AA fa1 fa2 ブリッジテーブル MAC:BB MAC:DD

ブリッジの動作(2) AA fa1 fa1 fa2 AA CC CC→AA MAC:CC MAC:AA fa1 fa2 ブリッジテーブル MAC:BB CC MAC:DD

ブリッジの動作(3) AA fa1 fa1 fa2 AA CC BB BB→AA MAC:CC MAC:AA fa1 fa2 ブリッジテーブル AA fa1 fa1 fa2 AA CC MAC:BB MAC:DD BB

セグメンテーション ブロードキャストドメイン セグメント1 セグメント2 コリジョンドメイン

各レイヤ機器とドメインの分割 リピータ 1 分割しない ハブ ブリッジ 2 分割する スイッチ ルータ 3 機器 レイヤ アイコン コリジョン ドメイン ブロードキャスト リピータ 1 分割しない ハブ ブリッジ 2 分割する スイッチ ルータ 3

スイッチ ポートを多数持つブリッジ やっていること マイクロセグメンテーション マルチポートブリッジ ポート間をスイッチで切り替えているイメージ やっていること セグメント間のイーサネットフレームの転送 アドレステーブルの管理 マイクロセグメンテーション ポート毎に直接つながる→同時に複数の通信

スイッチの動作(1) fa1 fa2 fa3 fa4 DD fa3 XX DD CC AA BB AA→DD MAC:XX fa4 MAC:AA fa1 fa2 fa3 フォワーディングテーブル fa1 fa2 fa3 fa4 DD fa3 MAC:BB XX DD CC AA BB MAC:CC MAC:DD

スイッチの動作(2) コリジョン 発生 fa1 fa2 fa3 fa4 AA CC DD XX BB AA→CC BB→DD セグメント MAC:XX fa4 MAC:AA fa1 fa2 fa3 フォワーディングテーブル fa1 fa2 fa3 fa4 AA CC DD XX BB MAC:BB MAC:CC MAC:DD

スイッチの動作(3) 同時に 通信可能 fa1 fa2 fa3 fa4 AA CC DD XX BB マイクロセグメンテーション AA→CC MAC:XX fa4 MAC:AA fa1 fa2 fa3 フォワーディングテーブル fa1 fa2 fa3 fa4 AA CC DD XX BB MAC:BB MAC:CC MAC:DD マイクロセグメンテーション

スイッチの動作(4) fa1 fa2 fa3 fa4 AA CC DD XX BB AA→ブロードキャスト(FF-FF-FF-FF-FF-FF) ブロードキャストは 全ポートから送信 MAC:XX fa4 MAC:AA fa1 fa2 fa3 フォワーディングテーブル fa1 fa2 fa3 fa4 AA CC DD XX BB MAC:BB MAC:CC MAC:DD

全二重通信 1対1通信なら全二重通信可能 帯域幅が2倍に(100Base-TXなら200Mbps) 全二重通信可能

ネットワークのレイテンシ(遅延) 遅延 メディア遅延 信号がメディア上を移動(ほぼ光速)するのにかかる遅延 回路遅延 回路の信号処理にかかる遅延 ソフトウェア遅延 スイッチングプロトコルの実装にかかる遅延 その他 フレーム内容等による遅延

スイッチのモード 受信したイーサネットを送信するタイミング カットアンドスルー フラグメントフリー ストアアンドフォワード

イーサネットフレームと スイッチのモード 6B カットスルー 64B フラグメントフリー ストアアンドフォワード

各モードの特徴 ギガビットイーサネットではストアアンドフォワードが主流 モード 送信タイミング ソフトウエア遅延 エラー チェック コリジョン 検出 ビットレート カットスルー 宛先受信後 (6B受信後) 小 不可能 対称のみ フラグメント フリー 64B受信後 中 可能 ストアアンド フォワード 全て受信後 大 非対称も 非対称スイッチング : 帯域幅の異なるセグメント間でのスイッチング ギガビットイーサネットではストアアンドフォワードが主流

冗長性のあるネットワーク 長所 : 故障耐性が高い 短所 : ループが発生する

スパニングツリープロトコル (IEEE802.1D) 冗長なパスをシャットダウンする

STPのステート ステート 目的 ブロッキング (遮断中) BPDU(Bridge Protocol Data Unit) だけを受信 インターフェイスはフレーム転送に関与しない リスニング (聴取中) アクティブなトポロジを構築 インターフェイスをフレーム転送に関与させることをスパニングツリーが決定 ラーニング (学習中) ブリッジングテーブルを構築 インターフェイスはフレーム転送に関与する準備をしている状態 フォワーディング (転送中) ユーザデータを送受信 インターフェイスはフレームを転送する ディーゼブル (無効化) ダウン状態 インターフェイスはスパニングツリーに含まれない

ステートの遷移 初期状態 ブロッキング 20秒以内 初期状態(電源投入)から フォワーディングまで 最大50秒 リスニング 15秒以内 ラーニング 15秒以内 フォワーディング ディーゼブル