目次 1. 原子における弱い相互作用 2. 原子核のアナポールモーメント 3. アナポールモーメントから何がわかるか? 1. 原子における弱い相互作用 2. 原子核のアナポールモーメント 3. アナポールモーメントから何がわかるか? 4. 原子遷移を用いたアナポールモーメントの測定
1. 原子における弱い相互作用 弱いカレント:Charged and neutral currents. パリティ非保存ハミルトニアン: Effective P-odd Hamiltonian
弱い中性カレント ・Zボゾンの質量(~100GeV)は非常に大きいので、原子 スケールでは弱い相互作用は一定である。 ・パリティは偶と奇(PNC)の両方から成り立つ。 ・パリティ偶のカレントはアイソトープシフトと超微細 相互作用に少し影響する。 ・パリティ奇(PNC)のカレントは原子過程の偽スカ ラー(pseudo scalar)相関に影響を与える。
有効P-odd 電子-核相互作用
弱い相互作用の電荷 (右辺第一項)
結合定数κ(スピン依存力NSD) (右辺第二項) Anapole moment
VgAN弱い中性カレントとアナポールモーメント
VeAN弱い相互作用の結合定数κ
2.原子核のアナポールモーメント ・その結果、スピンσは運動量pの方向成分を持ち、らせ ん状のスピンを形成する。 非相対論的近時では、最外殻核子と核コアーとのPNC相互作用は、 ・その結果、スピンσは運動量pの方向成分を持ち、らせ ん状のスピンを形成する。 ・らせん状スピンはらせん状電流を生み出す。この電流は 核子の磁気モーメントと内殻コアーの断面積に比例する。
アナポール定数κA ここで、A=Z+N、μn,gnはそれぞれ核磁子単位の核磁気モーメント 不対核子の弱結合定数である。 不対陽子、中性子に対しては、 アナポールモーメントは陽子の方が中性子より遥かに大きい。
3.アナポールモーメントから何が分かるか?
陽子と中性子の弱結合定数は7つの独立のパイオン、ローメソン、オメガメソンの弱結合定数(それをDDH定数と言う。)から成っている。