文化の国際化2 芸術.

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文化の国際化2 芸術

国際化している文化 不十分な国際化(形を変えての受け入れ) そのままの国際化(ジャンルで相違) 考えてみよう サッカーvs野球、柔道vs相撲 文学→翻訳で広まる(正確な理解、伝達は可能か?) 絵画→手法を取り入れる。再生文化ではないので、そのままの移転は 不可能 演劇→翻訳 そのままの国際化(ジャンルで相違) 音楽 舞踊 最も他文化に移転しやすい(特に映像文化が発達した時代) (ソ連時 代最も亡命しやすかったのがクラシック・バレエのダンサー) 考えてみよう サッカーvs野球、柔道vs相撲

中野好夫訳

河合祥一郎

何故音楽は国際化したのか 音楽は、民族的を超えて、人類の遺伝的要素である(バーンスタ イン) 音律 倍音を基に 角笛 どの民族・文化においても、まつりごと、労働のなかに、音楽 があり、それが娯楽としても発展していた。

何故クラシック音楽が、国際化したのか クラシック音楽とは? 世界のほとんどの音楽が、クラシック音楽の手法を基礎に 五線譜で記譜 ピアノを使う 民族楽器の音楽がクラシック音楽の楽器でも演奏(or 編曲) 越天楽 https://www.youtube.com/watch?v=BZ0lcZKFQ5M https://www.youtube.com/watch?v=eHToH9t8G2c 春の海 https://www.youtube.com/watch?v=29WgFkhv62w https://www.youtube.com/watch?v=SbPGYZ_IEgU

音楽を変えた5つの発明 (ハワード・グッドール) 音楽を変えた5つの発明 (ハワード・グッドール) 記譜法 歌劇(オペラ) 平均律 ピアノ 録音技術

記譜法 音の高さ・長さ・強さを正確に記譜できる。 西欧の五線譜はすべて可能。グウィード・ダレッツォが発明 日本 楽器によって記譜法が異なり、楽器の奏し方を記入。 笛:抑える穴、琴:抑える絃(数字)と使う指(数字) 普遍的に使用できる楽譜は生まれなかった(流派によっても違う) 聖歌隊が歌を覚えさせる 口承→楽譜 当初は音にabcを当てはめた。→五線譜に記すことでリズム 日本の楽譜は絃や穴に数字等を当てはめた。

五線譜のもたらした影響 声・楽器にかかわらず、正確に音楽を記録することが可能に 作曲と演奏が分離し、複雑な曲の創作が可能に 多くの楽器、合唱を含めた演奏が可能に 楽譜を入手することで、時代、場所を超えて、演奏が可能に 民間伝承の音楽を採譜し、それを元に作曲された曲が多数

音階・音律1 倍音(物理現象)

音階・音律2 ピタゴラス音階(単純な整数比が協和。1:2 2:3) 12の音の生成 戻ってきたオクターブ上のド ピタゴラス音階(単純な整数比が協和。1:2 2:3) 12の音の生成 戻ってきたオクターブ上のド が 1:2でない。→どこかで音を ごまかす。5度と4度以外で音を 重ねない音楽の時代に通用(ルネ サンス期)

ピタゴラス音律

音階・音律3 ルネサンス以降、3度・6度を使用するようになると、3度を協 和させる(純正にする)中全音律(ミーントーン)が成立。他にも、 様々な音律が試みられた。 五線譜が確立し、複雑な曲が作られるようになった。 鍵盤楽器が発明されると、音律の問題が大きくなった。 多数の音を同時に出せるのでハーモニーが重要に 転調の問題 純正律を12の調性で実現するためには、オクターブで100以上 の鍵盤が必要→不可能

純正律

音階・音律4 平均律 オクターブを等分した音階 (前の音の周波数に、2の12乗 根をかけた音が半音高い音になる。)

楽器 ピタゴラス音律、純正律、平均律は、すべて日本や中国でも考案さ れていた。しかし、西欧のみで発展したのは、楽器の改良、特に鍵 盤楽器の進歩による。 ヨーロッパの楽器は絶えず改良 複雑な奏法をより易しく安定的に。 正確な音程の確保 日本の楽器 あまり変化なし 琴 平安期の絵画の琴は現在の琴とほぼ同じ。 尺八 7世紀に唐から伝来、改良は明治 篠笛 7世紀くらいに伝来。発祥はインドらしい。 ピアノ https://www.piano-navi-start.com/feature/piano-rekishi-kantan/

録音技術 エジソンは、声を録音する機械の発明→音楽にも利用可能 録音技術の発達 大きなラッパ状の集音器に向けて演奏し、直接音の波形として盤に刻 む。針でトレースして音を出す。 映画の発明。→無声から有声へ。 マイクロフォンの発明。多数のマイクの使用で、大人数が可能 テープの発明。取り直し、編集が可能に。 デジタル録音の発明。原音に近い鮮明な録音と、劣化しない複製が可 能に。 ラジオ→テレビ→インターネット(メディアの融合)

クラシック音楽の拡大 16-18世紀にかけてヨーロッパ内部で試行錯誤的発展 19世紀産業革命と市民革命で開花→植民地で世界に 拡大した要因 萌芽的な経済の発展・市民層の形成・科学の誕生と発展 19世紀産業革命と市民革命で開花→植民地で世界に 楽譜印刷の普及・ピアノ・オーケストラの成立・コンサートホール 拡大した要因 科学・数学との結合→合理的システムの構築 拡大・大衆化→新たな課題の生成と対応 不断の改良→楽器・演奏会場・録音技術 論争: 音律・調性