曲がった時空上の場の理論の熱的な性質と二次元CFT

Slides:



Advertisements
Similar presentations
Absolute Orientation. Absolute Orientation の問題 二つの座標系の間における剛体 (rigid body) 変換を復元す る問題である。 例えば: 2 台のステレオカメラから得られた3次元情報の間の関 係を推定する問題。 2 台のステレオカメラから得られた3次元情報の間の関.
Advertisements

『わかりやすいパターン認 識』 第 5 章 特徴の評価とベイズ誤り確率 5.4 ベイズ誤り確率と最近傍決定則 発表日: 5 月 23 日(金) 発表者:時田 陽一.
相対論的場の理論における 散逸モードの微視的同定 斎藤陽平( KEK ) 共同研究者:藤井宏次、板倉数記、森松治.
1 運動方程式の例2:重力. 2 x 軸、 y 軸、 z 軸方向の単位ベクトル(長さ1)。 x y z O 基本ベクトルの復習 もし軸が動かない場合は、座標で書くと、 参考:動く電車の中で基本ベクトルを考える場合は、 基本ベクトルは時間の関数になるので、 時間で微分して0にならない場合がある。
ブラックホール時空での摂動 冨松 彰 御岳セミナー 2011.9.1. 内容 1. Anti-de Sitter (AdS) BH と第1法則 2. BH− 円盤系における電磁波の伝播.
0章 数学基礎.
AdS Branes and Symmetries
一般化Bi-CGSTAB(s, L) (=一般化IDR(s, L))
・力のモーメント ・角運動量 ・力のモーメントと角運動量の関係
電子情報工学科5年(前期) 7回目(21/5/2015) 担当:古山彰一
ソフトウェア基礎科学 授業資料: 論理関係(logical relations)のお話
スペクトル法による数値計算の原理 -一次元線形・非線形移流問題の場合-
Generating Functions (前半) B4 堺谷光.
Chapter 4 Analytical Radiative Transferの1
論理式の表現を数学的に取り扱いやすくするために代数学の助けを借りる.
香川大学工学部 富永浩之 情報数学1 第5-2章 命題論理式の 同値変形とカルノー表 香川大学工学部 富永浩之
木村 匡志 極限ブラックホール近傍の 高速粒子衝突における “バックリアクション“の影響について (YITP 元OCU)
エンタングルメント・エントロピー と 重力エントロピーの双対性
流体のラグランジアンカオスとカオス混合 1.ラグランジアンカオス 定常流や時間周期流のような層流の下での流体の微小部分のカオス的運動
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
(ラプラス変換の復習) 教科書には相当する章はない
電気回路Ⅱ 演習 特別編(数学) 三角関数 オイラーの公式 微分積分 微分方程式 付録 三角関数関連の公式
Is ``Quark-Gluon Plasma = Black Hole'' in string theory?
行列模型を用いたR×S3上のN=4 SYMにおける相関関数の数値的解析
現実の有限密度QCDの定性的な振る舞いに
前回のまとめ Lagrangian を決める基準 対称性 局所性 簡単な形 変換 (Aq)I =D(A)IJ qJ 表現
1次元電子系の有効フェルミオン模型と GWG法の発展
3. 可制御性・可観測性.
原子核物理学 第8講 核力.
正規分布における ベーテ近似の解析解と数値解 東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻 渡辺研究室    西山 悠, 渡辺澄夫.
スペクトル法の一部の基礎の初歩への はじめの一歩
Deformation, Diffeomorphism and Nonanticommutative Superspace
The Effect of Dirac Sea in the chiral model
山岡 哲朗 (共同研究者:原田 正康、野中 千穂)
独立成分分析 5 アルゴリズムの安定性と効率 2007/10/24   名雪 勲.
6. ラプラス変換.
Supersymmetry non-renormalization theorem from a computer
高次元真空Einstein方程式 と 加速宇宙
Gauge-Higgs-Inflaton Unification in (4+n)D Super Y-M
様々な情報源(4章).
pp-wave上の共変的超弦の場 における低エネルギー作用
2重井戸型ポテンシャルに捕捉された 冷却原子気体の非平衡初期分布緩和過程に対する非平衡Thermo Field Dynamics
Perturbative Vacua from IIB Matrix Model
QCDの有効理論とハドロン物理 原田正康 (名古屋大学) at 東京大学 (2006年11月6日~8日)
磯 暁 氏(KEK), 梅津 裕志 氏(OIQP) との共同研究
インフレーション宇宙における 大域的磁場の生成
1:Weak lensing 2:shear 3:高次展開 4:利点 5:問題点
Closed String Field Theory with Dynamical D-branes
格子ゲージ理論によるダークマターの研究 ダークマター(DM)とは ダークマターの正体を探れ!
構造的類似性を持つ半構造化文書における頻度分析
馬場裕、石橋延幸、村上公一A 筑波大学数理物質科学研究科、高エ研A
定常剛体回転する宇宙ひもからの 重力波放射
Massive Gravityの基礎と宇宙論
Sine-Gordon Integrability of Classical String Solutions on AdS5 × S5
原子核物理学 第7講 殻模型.
ガウス分布における ベーテ近似の理論解析 東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻 渡辺研究室    西山 悠, 渡辺澄夫.
【第六講義】非線形微分方程式.
行列模型から4次元は出るのか? ~ガウス展開法とシミュレーションの進展と展望~
ハイパー核物理分野から見た K原子核物理へのコメント
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
媒質中でのカイラル摂動論を用いた カイラル凝縮の解析
Closed String Field Theory with Dynamical D-branes
香川大学工学部 富永浩之 情報数学1 第5-2章 命題論理式の 同値変形とカルノー表 香川大学工学部 富永浩之
Orientifolding of IIB matrix model
2008年 電気学会 全国大会 平成20年3月19日 福岡工業大学 放電基礎(1)
弱電離気体プラズマの解析(LXXVI) スプラインとHigher Order Samplingを用いた 電子エネルギー分布のサンプリング
情報数理Ⅱ 第10章 オートマトン 平成28年12月21日.
Massive Gravityの基礎と宇宙論
ブレーンガスを用いた ダークマターの可能性
Hidden Yangian symmetry in sigma model on squashed sphere
Presentation transcript:

曲がった時空上の場の理論の熱的な性質と二次元CFT Takeshi Morita YITP → Tata Ref) hep-th/0705.3494 hep-th/0710.0453  based on collaboration with Satoshi Iso (KEK) and Hiroshi Umetsu (OIQP)

Introduction and Motivation ○ 梅津さんの発表の簡単なまとめ BH時空における熱的な Flux (Hawking輻射) holomorphic currentの conformal変換に対する anomalousな変換性 conformal変換: シュワルツ微分 anomalusな変換

Introduction and Motivation ○ 梅津さんの発表の簡単なまとめ ◆ いろいろな時空への応用 加速度系 様々なBH Black Ring ・・・ Horizonがあればおそらく Universal ◆ fermion → bc 系への応用 一般のシュワルツ微分から分布関数を読み取る conformal weight 分配関数 Fermion Fermi-Dirac分布 Fermi-Dirac分布 b bc 系 c - Planck 分布

Introduction and Motivation ○ 梅津さんの発表の簡単なまとめ BH時空における熱的な Flux (Hawking輻射) holomorphic currentの conformal変換に対する anomalousな変換性 conformal変換: シュワルツ微分 anomalusな変換

Introduction and Motivation ○ 今回の研究 currentの保存則 + trace anomaly holomorphic currentの conformal変換に対する anomalousな変換性 conformal変換: シュワルツ微分 anomalusな変換

Introduction and Motivation ○ 今回の研究 currentの保存則 + trace anomaly holomorphic currentの conformal変換に対する anomalousな変換性 conformal変換: シュワルツ微分 anomalusな変換

Introduction and Motivation currentの保存則 + trace anomaly ◇ BHの研究としての Motivation 曲がった時空における熱的な性質のより根源が理解できる。 高階スピンカレントの量子異常 高階スピン場の性質の理解。 W代数や W gravityの covariantな形式での記述 ◇ 場の理論の研究としての Motivation cf. 高田さんの話 cf. と今回の話は関連 代数

2. Covariant current vs. Holomorphic current Set up 2次元で 重力 + U(1) gauge 場中の massless fermion理論を考える。 重力とgauge場は背景場として扱う。 gauge場が無ければスカラー場でもできる。 この理論における currentの振る舞いを調べる。 CFTが非常に有効

2. Covariant current vs. Holomorphic current energy-momentum tensor の復習 2次元 conformalな理論では一般に次の二つの式が成り立つ。 Trace anomaly conformal guage Diffeo inv. holomorphicな量 2次元では二種類の currentがある。 : covariant energy-momentum tensor : holomorphic energy-momentum tensor

2. Covariant current vs. Holomorphic current Conformal transformaion 2つの currentは異なる変換性を持つ。 covariantな変換性 anomalousな 変換性 Schwarzian derivative

2. Covariant current vs. Holomorphic current ○ Energy-Momentum tensorのまとめ この式を conformal gaugeのもとで解き、 holomorphic currentを得た。 2つの Current ◆ holomorphic current を満たす。 conformal変換に対して anomalous ◆ covariant current 一般に 0でない。 conformal変換に対して covariant これらの関係を higher-spin currentについても理解したい。

2. Covariant current vs. Holomorphic current Notation 以後、次の記号を用いる。 rank n covariant current rank n holomorphic current ○ 今回の研究でやったこと ◆ と の関係を一般に求めた の一般化 ◆ の満たす保存則と trace anomalyを上の関係から求めた。 の一般化 原理的には任意の rankの higher-spin currentでできるが、 具体的には rank 3と rank 4 currentについて導出した。

3. General Relation between the Currents 目標 の一般化を求める。 方針 求めたい部分 conformal 変換に対して covariant conformal 変換に対して anomalous (どう変換するかは知っている。) 右辺がconformal 変換に対して全体として covariant になるように変換する量 この変換性から求めたい部分が決まる。

3. General Relation between the Currents 目標 の一般化を求める。 方針 カレントの生成関数を作りそれに対して今の方針で求めた。 結果 fermionの場合 a, bについて両辺を展開し比較することで、カレントに対する関係式が得られる。 上の energy-momentum tensorに関する式は、 a,bの1次の係数から読み取ることができる。

3. General Relation between the Currents 3階のカレント covariant current : holomorphic current : 先程の式を展開し a, bの2次の係数を比較すると得られる。 energy-momentum tensorにおける の一般化を得ることができた。

3. General Relation between the Currents 4階のカレント 3階と同様に生成関数を展開し、4次の係数を比較する。 これらの関係式は currentの trace anomalyの情報を含んでいる。 高階のカレント 手計算ではかなり煩雑だが、計算機で計算可能

4. Trace Anomalies for the Higher-spin Currents 目標 の一般化 方針 先程求めたカレントの関係式から計算する。 ただし、不定性があるので covariant currentに次のような条件を課す。 は classicalに traceless symmetric 保存則は anomalyを持たない。 anomalyは trace partにのみ現れる。

4. Trace Anomalies for the Higher-spin Currents 目標 の一般化 + U(1) gauge場 結果 注意 の右辺は anomalyではない。 ◇ が生成する変換に対する保存則 : 変換パラメタ

4. Trace Anomalies for the Higher-spin Currents 重力場やゲージ場がどのように変換すれば作用が不変になるか読み取れる。 3階の高階スピン変換に対するテンソル場の変換性 注意 の右辺は anomalyではない。 ◇ が生成する変換に対する保存則 : 変換パラメタ

4. Trace Anomalies for the Higher-spin Currents 4階のカレント

4. Trace Anomalies for the Higher-spin Currents 4階の高階スピン変換に対するテンソル場の変換性 : 変換パラメタ

5. Conclusion 今後の展望 covariant currentと holomorphic currentの関係を求めた。 3階と4階における currentの保存則と trace anomalyを求めた。 高階スピン変換に対するテンソル場の変換則を保存則から求めた。 chiralな理論での higher-spinの anomalyの理解もできた。 今後の展望 高階の保存則や trace anomalyを楽に求める方法の開発 高階スピン場の導入 chiralな理論での higher-spinの anomalyの理解