コンピュータアーキテクチャ 第 10 回.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
CPU設計と パイプライン.
Advertisements

計算機システムⅡ 命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理
基本情報技術概論(第10回) 埼玉大学 理工学研究科 堀山 貴史
Chapter11-4(前半) 加藤健.
VLSI設計論第4回 アキュムレータマシンと 仮遅延シミュレーション
計算機システムⅡ 主記憶装置とALU,レジスタの制御
Verilog HDL 12月21日(月).
テープ(メモリ)と状態で何をするか決める
オリジナルなCPUの開発 指導教授:笠原 宏 05IE063 戸塚 雄太 05IE074 橋本 将平 05IE089 牧野 政道
計算機システムⅡ 命令セットアーキテクチャ
プログラムはなぜ動くのか.
第5回 CPUの役割と仕組み3 割り込み、パイプライン、並列処理
デジタル回路(続き) コンピュータ(ハードウェアを中心に)
2016年度 プログラミングⅠ ~ 内部構造と動作の仕組み(1) ~.
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
基本情報技術概論(第8回) 埼玉大学 理工学研究科 堀山 貴史
8. 順序回路の簡単化,機能的な順序回路 五島 正裕.
2005年11月2日(木) 計算機工学論A 修士1年 No, 堀江準.
第7回 2006/6/12.
計算機入門I ハードウェア(1) 計算機のハードウェア構成 ~計算機のハードウェアとは何か~
計算機科学実験及演習 3A SIMPLEアーキテクチャ のプロセッサの実装
第6回 よく使われる組合せ回路 瀬戸 重要な組合せ回路を理解し、設計できるようにする 7セグディスプレイ用デコーダ 加算回路・減算回路
Advanced Computer Architecture
・ディジタル回路とクロック ・プロセッサアーキテクチャ ・例外処理 ・パイプライン ・ハザード
言語プロセッサ2007 平成19年9月26日(水) (Ver.2 平成19年10月3日変更)
1.コンピュータと情報処理 p.18 第1章第1節 2.コンピュータの動作のしくみ CPUと論理回路
勉強会その3    2016/5/1 10 8分35秒 データの表現 演算.
コンピュータ系実験Ⅲ 「ワンチップマイコンの応用」 第1週目 アセンブリ言語講座
Advanced Computer Architecture
第6回 6/4/2011 状態遷移回路とシングルサイクルCPU設計
コンピュータの基本構成について 1E16M001-1 秋田梨紗 1E16M010-2 梅山桃香 1E16M013-3 大津智紗子
ディジタル回路の設計と CADによるシステム設計
コンピュータアーキテクチャ 第 7 回.
コンピュータアーキテクチャ 第 7 回.
計算機構成 第3回 データパス:計算をするところ テキスト14‐19、29‐35
計算機構成 第4回 アキュムレータマシン テキスト第3章
情報とコンピュータ 静岡大学工学部 安藤和敏
コンピュータアーキテクチャ 第 11 回.
コンピュータアーキテクチャ 第 10 回.
2010年度 情報科学序論 ~ 内部構造と動作の仕組み(2) ~.
坂井 修一 東京大学 大学院 情報理工学系研究科 電子情報学専攻 東京大学 工学部 電気工学科
  第3章 論理回路  コンピュータでは,データを2進数の0と1で表現している.この2つの値,すなわち,2値で扱われるデータを論理データという.論理データの計算・判断・記憶は論理回路により実現される.  コンピュータのハードウェアは,基本的に論理回路で作られている。              論理積回路.
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
コンピュータアーキテクチャ 第 9 回.
計算機工学特論 スライド 電気電子工学専攻 修士1年 弓仲研究室 河西良介
コンピュータアーキテクチャ 第 2 回.
コンピュータアーキテクチャ 第 4 回.
計算機アーキテクチャ1 (計算機構成論(再)) 第一回 計算機の歴史、基本構成、動作原理
2013年度 プログラミングⅠ ~ 内部構造と動作の仕組み(2) ~.
2017年度 プログラミングⅠ ~ 内部構造と動作の仕組み(1) ~.
コンピュータアーキテクチャ 第 3 回.
コンピュータアーキテクチャ 第 2 回.
演習1:次の問A,Bの問題,正解,解説をするpptを作成しなさい.
コンピュータアーキテクチャ 第 5 回.
計算機アーキテクチャ1 (計算機構成論(再)) 第二回 命令の種類と形式
コンピュータアーキテクチャ 第 4 回.
第4回 CPUの役割と仕組み2 命令の解析と実行、クロック、レジスタ
情報コミュニケーション入門b 第2回 Part1 ハードウェアとソフトウェア
コンピュータアーキテクチャ 第 9 回.
コンピュータアーキテクチャ 第 3 回.
コンピュータアーキテクチャ 第 5 回.
情報コミュニケーション入門b 第2回 Part1 ハードウェアとソフトウェア
コンピュータアーキテクチャ 第 11 回.
ディジタル回路 8. 機能的な順序回路 五島 正裕.
コンピュータ工学基礎 マルチサイクル化とパイプライン化 テキスト9章 115~124
2014年度 プログラミングⅠ ~ 内部構造と動作の仕組み(1) ~.
情報システム基盤学基礎1 コンピュータアーキテクチャ編
2008年度 情報科学序論 ~ 内部構造と動作の仕組み(2) ~.
並列処理プロセッサへの 実数演算機構の開発
情報システム基盤学基礎1 コンピュータアーキテクチャ編
Presentation transcript:

コンピュータアーキテクチャ 第 10 回

制御部 (Controller) 命令の解読(デコード) ⇒ 制御信号の生成 ⇒ マイクロ操作の実行タイミングを決定 アセンブリプログラマからは見えない 今回の内容 レジスタ間命令(テキスト参照)の取り込み: 次回,全命令を含む制御部に拡張 デコーダの設計 レジスタの選択回路 命令を実現するマイクロ操作の制御 レジスタ間命令の制御信号生成回路 * * *

ハードウェアモデルにおける位置付け * * *

プロセッサの命令処理の流れ 命令フェッチ (instruction fetch): 命令解読 (instruction decode): メモリアドレス設定 ⇒ マイクロ操作 A データ読み込み⇒ マイクロ操作 R 命令レジスタへの転送⇒ マイクロ操作 T 命令解読 (instruction decode): 実行 (execution): * * 演算・データ転送,メモリアクセス等の操作 ⇒ マイクロ操作 E

レジスタ間命令の実行制御 状態 F1, F2, F3, Dec, Exe ⇒ 対応するクロックサイクル, あるいはステップ:   あるいはステップ: * 命令フェッチのステップ: F1, F2, F3 * 命令の          : Dec-Exe レジスタ間命令ではひとつの クロックサイクルからなる

状態を決定する制御信号 状態 F1, F2, F3, Dec, Exe をどのように決定するのか? ⇒ * シフトレジスタを環状接続 ⇒リングカウンタ リングカウンタの 1 ビットだけハイレベルにして使用 ⇒ワンホットステートカウンタ 実現方法 2 ビットカウンタと 2 ビット入力 4 ビット出力デコーダの組合せ            (フリップフロップを直列接続) *

COMETⅡのマイクロアーキテクチャと制御信号

命令フェッチ第1ステップ *

命令フェッチ第2ステップ *

命令フェッチ第3ステップ *

命令フェッチの タイムチャート

命令フェッチのために生成される 制御信号 略記 マイクロ操作 bA bB A/S_op F bC Mem IAa BPAbSD c0123aLR Fcn GiPAmDdSsD srw F1: 000 010000 00010000 000 0001000000 000; F2: 000 000000 00000000 000 0000110000 010; F3: 101 000000 00000000 000 0000000000 000; マイクロ操作 * * *

命令の読解(デコード) * * *

演習問題 10.1 レジスタ間の SUBL 命令および AND 命令をデコード する命令デコーダを設計しなさい.

バス A に接続するレジスタ選択回路 本アーキテクチャ: * * GRAout = 0, かつ MDRout_a = 0 のとき,バス A に値 0 を出力するようマルチプレクサを設計

バス B に接続するレジスタ選択回路 本アーキテクチャ: * *

レジスタ間命令の実行ステップの制御 機械語命令が ADDA GR0, GR1 の場合

ADDA r1,r2 命令 の実行ステップ: Dec-Adda bA bB A/S_op F bC Mem IAa BPAbSD c0123aLR Fcn GiPAmDdSsD srw Dec-Adda: 010 100000 00111100 100 1110000000 000; if ADDA_r = 1 then GRA←GRA+GRB, PR←PR+1

LD r1,r2 命令 の実行ステップ: Dec-Ld bA bB A/S_op F bC Mem IAa BPAbSD c0123aLR Fcn GiPAmDdSsD srw Dec-Ld: 000 100000 00010000 101 1110000000 000; if LD_r = 1 then GRA←GRB, PR←PR+1

CPL r1,r2 命令 の実行ステップ: Dec-Cpl * CPL r1,r2 命令 の実行ステップ: Dec-Cpl bA bB A/S_op F bC Mem IAa BPAbSD c0123aLR Fcn GiPAmDdSsD srw Dec-Cpl: 010 100000 11111000 111 0110000000 000; if CPL_r = 1 then GRA-GRB, PR←PR+1

演習問題 10.2 ADDL r1,r2 命令の実行ステップの制御信号と タイムチャートを示せ.

演習問題 10.3 以下の命令の実行ステップのマイクロ操作と 制御信号を示せ. (1) SUBA r1,r2 (2) OR r1,r2 (3) CPA r1,r2

制御信号生成回路の構成 配線論理制御(wired logic control)方式 目的の        を実現する順序回路 論理合成の効率の観点から最近多 ⇒ 本講義でも採用 マイクロプログラム制御(microprogrammed control)方式      に格納された命令ごとの制御情報を読み出す * * *

レジスタ間命令の制御回路例 (スライド 12, 17 参照)