学術雑誌をめぐる諸問題 ー重複雑誌交換、分担購入、 電子ジャーナル・コンソーシアムの活動ー

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学術雑誌をめぐる諸問題 ー重複雑誌交換、分担購入、 電子ジャーナル・コンソーシアムの活動ー 学術雑誌をめぐる諸問題 ー重複雑誌交換、分担購入、       電子ジャーナル・コンソーシアムの活動ー NPO法人日本医学図書館協会       総務担当 北川正路

報告概要 学術雑誌をめぐる諸問題 本協会の諸問題への取り組みから - 重複雑誌交換 - 分担購入 - 電子ジャーナル・コンソーシアム   - 重複雑誌交換   - 分担購入   - 電子ジャーナル・コンソーシアム 諸問題の解決に向けて

学術雑誌をめぐる諸問題

各館がかかえている諸問題 価格の値上がり 欠号補充 収納スペースの確保 電子ジャーナルの普及への対応

- 重複雑誌交換 - 分担購入 - 電子ジャーナル・コンソーシアム (電子ジャーナル共同購入) 本協会の諸問題への取り組みから - 重複雑誌交換 - 分担購入 - 電子ジャーナル・コンソーシアム  (電子ジャーナル共同購入)

本協会の諸問題への取り組みから 重複雑誌交換

重複交換活動の歩み 本協会前身「官立医科大学附属図書館協議会」の初期から必要性が提示されていた。 現在の方法は第46回総会(昭和50年)に具体案が承認され実施された。 企画・調査委員会が担当している。 平成8年1月にアンケート調査をして実施方法を変更した。 平成13年度からまでは年2回、年からは年1回実施。

重複交換の手順 正会員A、B 協力会員 (提供館) 正会員A、B 協力会員 (希望館) 窓 口 とりまとめ (1) 提供雑誌データ 作成依頼 窓  口 とりまとめ (2) データ提出 (2) (3) 交換用リスト (3) (6) 報告書提出 (6) (5) 発送 (4) 申込

過去3年間の実績 第55回重複雑誌交換実績報告書 「医学図書館」 2006; 53(1): 78-80. A.提出冊数 B.他館への   申込冊数 C.他館からの   受領冊数 D.充足率  (C/B) 第56回 (平成17年度)    50,943    18,384     13,538   0.736 第55回 (平成16年度)    46,428    19,732     13,856   0.702 第54回 (平成15年度)    52,974    16,900     12,677   0.750 第55回重複雑誌交換実績報告書  「医学図書館」 2006; 53(1): 78-80.

重複交換について寄せられた意見 交換用リストを確認して期間内に申込をする方法について (Webを利用したオークション形式の要望もある) 重複交換について寄せられた意見  交換用リストを確認して期間内に申込をする方法について (Webを利用したオークション形式の要望もある) 交換期間について (平成17年度は9月21日~10月28日) そのほか

本協会の諸問題への取り組みから 分担購入

各地区での分担収集・保存の動き ‐関東地区の例‐ 各地区での分担収集・保存の動き  ‐関東地区の例‐ マイナー逐次刊行物分担保存 (昭和56年度に医歯薬学関係の業界紙・PR誌・新聞54タイトルの分担保存の開始) 大学および研究機関発行の逐次刊行物の分担収集・保存  (平成14年度に104タイトルの分担収集・保存の開始) 共同書庫センター(仮称)検討会  平成9年度にアンケート調査をして分担保存の実現が困難な理由について検討

分担購入事業開始のきっかけ 第69回総会(平成10年5月・自治医科大学) シンポジウム 「本協会の今後のあり方について:本協会の今後に何を期待するか」 「電子ジャーナルを含む医学雑誌の分担購入と分担保存に関する日本医学図書館協会による主導的役割」

電子ジャーナルを含む医学雑誌の分担購入と分担保存に関する日本医学図書館協会による主導的役割」での指摘 雑誌価格の高騰により、各図書館が購読している雑誌の継続維持が困難となっており、国内図書館にあった雑誌がある年から利用できなくなる状況が生じうる。 書庫スペースの確保のため、利用率が低くなったバックナンバーが除籍され、国内図書館にあった雑誌がある時期から利用できなくなる状況が生じうる。 電子ジャーナルの導入が進んでいるが、各図書館の予算では購入可能なジャーナル数に限界がある。 分担購入委員会発足 電子ジャーナル・コンソーシアム契約の開始

分担購入事業の当初の目指したこと 平成11年2月に第1回分担購入検討委員会発足(平成14年度から分担購入委員会」に変更) 当初検討されたこと  ‐国内で購読が必要な雑誌を決め、参加館で分担購入・保存する。  ‐参加館の間では、安価で迅速に複写を送付する便宜を図る。  ‐参加館が分担誌の購入・保存をするときの調整機関を設ける。

分担購入活動の現状 国内で購読が必要な雑誌を決め、参加館で分担購入・保存する。  ⇒分担購入額の決定は各大学当局の判断にも関わる問題であり、割り当てが困難であるため、分担購入対象誌のリストから各参加館が自発的に選ぶ。 参加館の間では、安価で迅速に複写を送付する便宜を図る。  ⇒通常の相互貸借による入手で対処可能である。 参加館が分担誌の購入・保存をするときの調整機関を設ける。  ⇒分担購入委員会が調整機関となる。「資料保存に関する最終報告」に順ずる。

「資料保存に関する最終報告」 平成13年5月 資料保存委員会 「資料保存に関する最終報告」     平成13年5月 資料保存委員会 平成9年1月発足からの委員会活動 標記報告の目次から ‐資料保存の現状に関するアンケート ‐貸倉庫情報の収集 ‐国立国会図書館、外国雑誌センター館、民間企業との話し合い ‐「外国雑誌廃棄手順」の提案

分担購入の今後の課題 具体的な分担購入案の作成 電子ジャーナルの普及への対応 そのほか

本協会の諸問題への取り組みから 電子ジャーナル・コンソーシアム (電子ジャーナル共同購入)

電子ジャーナル・コンソーシアム活動の経緯 平成11年度に、ProQuest Medical Libraryの2000年利用のコンソーシアム契約 その後、交渉版元、参加館数が増加 2002年利用の契約からは日本薬学図書館協議会と共同で各版元と交渉

電子ジャーナル・コンソーシアム活動の今後 電子ジャーナル・コンソーシアム・アンケート結果の考慮  雑誌委員会により平成17年1月に実施 本協会の構成館、対象分野を考慮した交渉の検討 他コンソーシアムとの連携

諸問題の解決に向けて

各館がかかえている諸問題 価格の値上がり 欠号補充 収納スペースの確保 電子ジャーナルの普及への対応

学術雑誌をめぐる諸問題に対する医学図書館の取り組み 価格値上がりに応じた資料購入の検討 学術雑誌購入にかわる情報入手方法の開拓 雑誌価格現状ついての研究者への説明 新しい出版モデルへの対応 学術情報流通の現状調査と問題点の解明 他館との連携 そのほか

学術雑誌をめぐる諸問題に対する協力活動 図書館長との連携 各館の取り組みについての情報交換 相互貸借活動の展開 分担購入、分担保存の検討 共同倉庫に関する調査 出版社との交渉 そのほか

最後に 雑誌をめぐる諸問題への対応は古くからの課題であった 単館では解決が困難な問題に本協会として取り組む。 保健・医療分野の雑誌の効果的な購入・利用が可能となるように関連団体との協力をはかる。