電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
応用数学Ⅱ:書き込み式ノート フーリエ解析とその応用 (知能機械学科,2年後期,バージョン2) 担当:綴木 馴.
Advertisements

電気回路学 Electric Circuits 情報コース4セメ開講 円線図 山田 博仁.
円線図とは 回路の何らかの特性を複素平面上の円で表したもの 例えば、ZLの変化に応じてZinが変化する様子 Zin ZL
プロセス制御工学 3.伝達関数と過渡応答 京都大学  加納 学.
電気回路第1スライド4-1 電気回路第1 第4回 ー網目電流法と演習ー 目次 2網目電流の設定 (今回はこれだけです。)
数楽(微分方程式を使おう!) ~第5章 ラプラス変換と総仕上げ~
放射線計測エレクトロニクスの信号処理の為の アナログ電子回路の基礎 第五回
電磁気学C Electromagnetics C 7/13講義分 電磁波の電気双極子放射 山田 博仁.
第 4 章 : 一般回路の定理 4.3 ノートンの定理 ノートンの定理 キーワード : ノートンの定理を理解する. 学習目標 :
数楽(微分方程式を使おう!) ~第4章 他分野への応用(上級編)~
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
(ラプラス変換の復習) 教科書には相当する章はない
電気回路Ⅱ 演習 特別編(数学) 三角関数 オイラーの公式 微分積分 微分方程式 付録 三角関数関連の公式
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
2.伝送線路の基礎 2.1 分布定数線路 2.1.1 伝送線路と分布定数線路 集中定数回路:fが低い場合に適用
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 5/15講義分 電磁場のエネルギー 山田 博仁.
システムモデルと伝達関数 1. インパルス応答と伝達関数 キーワード : 伝達関数、インパルス応答、 ステップ応答、ランプ応答
応用数学Ⅱ:書き込み式ノート フーリエ解析とその応用 (知能機械学科,バージョン3) 担当:綴木 馴.
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
分布定数回路(伝送線路)とは 電圧(電界)、電流(磁界)は回路内の位置に依存 立体回路 TE, TM波
演習問題解答例 3. Fパラメータが既知の二端子対回路に電圧源 Eとインピーダンス ZGが接続された回路に対する等価電圧源を求めよ。 I1
電気回路学 Electric Circuits コンピュータサイエンスコース、ナノサイエンスコース4セメ開講 円線図 山田 博仁.
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 5/19講義分 電磁場のエネルギー 山田 博仁.
電磁気学C Electromagnetics C 5/28講義分 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
電子回路Ⅰ 第7回(2008/12/1) 小信号動作量 トランジスタ回路の接地形式.
6. ラプラス変換.
今後の講義スケジュール 日程 内容 11/17 二端子対網、 Y行列、 Z行列 11/24 縦続行列 12/1 諸行列間の関係、 Y-D変換
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 6/30講義分 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
コンピュータサイエンスコース、ナノサイエンスコース4セメ開講
電気回路学 Electric Circuits 情報コース4セメ開講 供給電力最大の法則 山田 博仁.
コンピュータサイエンスコース、ナノサイエンスコース4セメ開講
供給電力最大の法則 E Z0=R0+jX0 R jX Z=R+jX I (テブナンの定理) R で消費される電力 P は、 電源側 負荷側
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学 Electric Circuits 情報コース4セメ開講 分布定数回路 山田 博仁.
電気回路学のまとめ 平成19年度開講分 講義資料のダウンロード
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
等価電源の定理とは 複数の電源を含む回路網のある一つの端子対からその回路を見た場合、その回路は、単一の電源(電圧源或いは電流源)と単一のインピーダンスまたはアドミタンスからなるシンプルな電源回路と等価と見なせる。 ただし、上記の定理が成り立つためには、回路網に含まれる全ての電源が同一周波数(位相は異なっていても良い)の電源であることと、回路が線形である(重ね合わせの理が成り立つ)ことが前提となる。
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 6/9講義分 電磁場の波動方程式 山田 博仁.
電磁気学C Electromagnetics C 5/29講義分 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
等価電源の定理とは 複数の電源を含む回路網のある一つの端子対からその回路を見た場合、その回路は、単一の電源(電圧源或いは電流源)と単一のインピーダンスまたはアドミタンスからなるシンプルな電源回路と等価と見なせる。 ただし、上記の定理が成り立つためには、回路網に含まれる全ての電源が同一周波数(位相は異なっていても良い)の電源であることと、回路が線形である(重ね合わせの理が成り立つ)ことが前提となる。
電気回路学 Electric Circuits 情報コース4セメ開講 等価電源の定理 山田 博仁.
電機制御工学 定量的制御編 清弘 智昭.
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
演習問題1の解説 電源電圧 E, 内部インピーダンスが Z0 の電源に、伝搬定数が g , 特性インピーダンスが Z0, 長さ が l の線路が接続されている。これに等価な電圧源 を求めよ。さらに、線路が無損失なら、それはどのように表わせるか? ただし、sinh(iθ) = i sinθ, cosh(iθ)
エレクトロニクスII 第11回トランジスタの等価回路
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学I演習 2012/11/16 (金) I1 I2 問1 Z0 V1 V2 問2 I1 I2 V1 Z0 V2 Z,Y,K行列の計算
インピーダンスp型回路⇔T型回路間での変換
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
円線図とは 回路の何らかの特性を複素平面上の円で表したもの 例えば、ZLの変化に応じてZinが変化する様子 Zin ZL
C:開放,L:短絡として回路方程式を解く
電気回路学 Electric Circuits 情報コース4セメ開講 分布定数回路 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
線路上での電圧、電流 Ix I0 添え字は、線路上での位置を表わす ZL γ, Z0 Vx V0 x x = 0
物理学実験 II ブラウン運動 ー 第2日目 ー 電気力学結合系の特性評価 物理学実験II (ブラウン運動) 説明資料.
電磁気学C Electromagnetics C 5/20講義分 電磁場の波動方程式 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
電源の内部インピーダンス(抵抗)とは? 乾電池(1.5V)の等価回路を描いてみよう もし、等価回路がこのようなら、
二端子対網の伝送的性質 終端インピーダンス I1 I2 -I2 z11 z12 z21 z22 E ZL: 負荷インピーダンス V1 V2
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 6/7講義分 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
Presentation transcript:

電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁

ラプラス変換による過渡現象の解析 3. RLC直列回路の過渡現象 図に示すRLC直列回路において、任意の電圧 e(t) で励振した時の電流を i(t) とすると、閉路方程式は、 C R L E(s) i(t) e(t) I(s) q(0) i(0) で与えられる。 この式をラプラス変換すると、 となる。 ただし、                  とした。 従って、I(s) について解くと、 となる。 全ての初期条件を 0 とすると、 となり、 Z(s) は回路のインピーダンスを表わす。

ラプラス変換による過渡現象の解析 例 6.3.1 i(t) I(s) q(0) i(0) C R E0 S t = 0 L 左図の回路で、t = 0 でスイッチを閉じて直流電圧 E0 を印加する。 かつ としてよいから、 より、 となる。 この式をラプラス逆変換するには、 と変形し、 ラプラス変換表(教科書の表5.2)の(32)の関係 を用いて、 とみなすと、 となる。

ラプラス変換による過渡現象の解析 (a) 臨界減衰( R2 = 4L/C )の場合には、 ロピタルの定理より、 であるから、 となる。 (b) 過減衰( R2 > 4L/C )の場合には、 であるから、 の関係を用いると、 となる。 (c) 振動減衰( R2 < 4L/C )の場合には、 であるから、 となる。

ラプラス変換による過渡現象の解析 例 6.3.2 RLC直列回路で、時刻 t = 0 にスイッチを閉じて、正弦波電圧 Emsinω1t を印加する。 そのとき であり、かつ簡単のために q(0) = 0, i(0) = 0 とすれば、 電流は、 で与えられる。 この式のラプラス変換は、表5.2(36)の表関数 f(t) を微分した df(t)/dt に、 を代入し、係数     を乗じたものに等しい。 ラプラス変換表5.2の(36)の関係式は、

ラプラス変換による過渡現象の解析 この表関数を微分すると 従って、 ただし、 また        と置いて、

ラプラス変換による過渡現象の解析

ラプラス変換による過渡現象の解析 i(t) の式 励振周波数 ω1 で 振動を続ける定常項 過渡項 自由振動周波数は β i(t) の時間変化を以下の図に示す。(ただし、ω12 = 1/LC、かつ ω1 ≈ β の場合)

ラプラス変換による過渡現象の解析 教科書第2章の章末問題2.2の解答に誤りがあります。ラプラス変換を用いて、正しい答えを導いてみよう。 RC直列回路の場合 閉路方程式は、 C R E(s) i(t) e(t) I(s) q(0) となり、 両辺をラプラス変換すると、 I(s) について解くと、 ここで、 時定数 CR = τ と置くと、

ラプラス変換による過渡現象の解析 従って、表5.2のラプラス変換表の式(18)と式(4)の関係を用いてラプラス逆変換すると、 と求まる。

ラプラス変換による過渡現象の解析 同様にRL直列回路の場合、閉路方程式は、 R E(s) i(t) e(t) I(s) L i(0) となり、 両辺をラプラス変換すると、 I(s) について解くと、 ここで、 時定数    = τ と置くと、

ラプラス変換による過渡現象の解析 従って、表5.2のラプラス変換表の式(17)と式(4)の関係を用いてラプラス逆変換すると、 と求まる。

ラプラス変換による過渡現象の解析 教科書第6章の章末問題6.6 スイッチを閉じた後の閉路方程式は、 であり、 ラプラス変換は、 となる。 I(s) について解くと、 ラプラス逆変換すると、 となる。

ラプラス変換による過渡現象の解析 教科書第6章の章末問題6.7 スイッチを閉じた瞬間、キャパシタ C1 からキャパシタ C2 に無限大の電流が流れて、キャパシタ C2 が瞬間的に充電され、キャパシタ C1 とキャパシタ C2 の電圧が等しくなる。その時、スイッチを閉じる前後で電荷量は不変である。その後は、両キャパシタから R に電流が流れ、蓄えられた電荷は放電される。スイッチを閉じた直後の両キャパシタの電圧 V0 は、 である。 その後は単に、並列接続されたキャパシタ C1 とキャパシタ C2 と R からなる CR 直列回路であるから、 となる。

ラプラス変換による過渡現象の解析 教科書第6章の章末問題6.8 (a)の場合の回路は下図のようになる。 Rl E0 S i2(t) C R1 i1(t) 表記の簡単化のために、R1 = Rl = R と置く、 (i) 定常電流 定常状態では、キャパシタ C は完全に充電或いは放電された状態にあり、電流は流れないので、無いものと考えてよい。従って Rl に流れる定常電流 i2 は、 (ii) 過渡電流 電流 i1, i2 に対して、以下の関係式が成り立つ。 このラプラス変換は、C の初期電荷が 0 であるから、 となる。

ラプラス変換による過渡現象の解析 これを I2 に対して解くと、 この逆ラプラス逆変換は、 (b)の場合の回路は下図のようになる。 Rl S i2(t) t = 0 C R1 i1(t) C0 q0 表記の簡単化のために、R1 = Rl = R, C0 = C と置く、 (i) 定常電流 定常状態では、キャパシタ C0 に蓄えられていた電荷は完全に放電された状態にあるので、電流は流れない。従って定常電流 i2 は 0 である。 (ii) 過渡電流 電流 i1, i2 に対して、以下の関係式が成り立つ。

ラプラス変換による過渡現象の解析 このラプラス変換は、 C0 の初期電荷が q0、C の初期電荷が 0 であるから、 となり、これを I2 に対して解くと、 となる。 表5.2の(14)の関係式を変位定理を用いて加工すると、 という関係が得られる。 従って上式で、 と置くと、 I2 のラプラス逆変換より電流 i2 は、 と求まる。これが電流 i2 の過渡電流である。

ラプラス変換による過渡現象の解析 (c)の場合の回路は下図のようになる。 Rl S i2(t) t = 0 C R1 i1(t) e(t) 表記の簡単化のために、R1 = Rl = R と置く、 (i) 定常電流 となる。ただし、 (ii) 過渡電流 e(t) のラプラス変換は、 従って、電流 i2 のラプラス変換は、 となる。

ラプラス変換による過渡現象の解析 表5.2の(27)の関係式を用いて、 と置くことにより、 従って、電流 i2 のラプラス逆変換は、 となる。 左辺の第1項が過渡電流である。