情報・知能工学実験 情報応用D 第五回 相関,位置推定 担当:神納 jinno@cs.tut.ac.jp TA:岡,大橋,斎藤,山崎
相関 何の役に立つ? ある二つのデータ間の類似性の度合い 負の相関 正の相関 腕立て回数 年齢 A 64 21 B 37 33 C 19 51 D 9 66 E 5 82 勉強時間 成績 A 1.1h 51 B 2.3h 63 C 3.1h 74 D 4.5h 82 E 6h 98 負の相関 正の相関 腕立て回数 勉強時間 何の役に立つ? 年齢 成績 情報・知能工学実験 情報応用D
相関でわかること データ1:毎日の風の強さ データ2:桶屋の毎日の売り上げ データ1とデータ2には正の相関がある! → 「風が吹けば桶屋が儲かる」 1.土埃が立つ 2.土埃が目に入って,盲人が増える 3.盲人は三味線を買う(当時のメジャーな職) 4.三味線の皮用に猫が殺される 5.猫が減ってネズミが増える 6.ネズミは桶をかじる 7.桶の需要が増え桶屋が儲かる データの分析に 有効となる 情報・知能工学実験 情報応用D
画像の相関 二枚の画像の類似性を表す この画像に似た画像を探す 似ている 似ていない 全く似ていない ※この問題は実際にはかなり難しい 情報・知能工学実験 情報応用D
画像内検索に相関が使える? テンプレートマッチング 大きな画像内からある画像に似た領域を探す 人間だと即座にわかるが,機械にとっては難しい 精度が良く,堅牢なマッチング手法が必要となる 情報・知能工学実験 情報応用D
マッチングの種類 誤差を使ったマッチング 相関を使ったマッチング 二乗誤差 SSD(Sum of Squared Difference) 絶対誤差 SAD(Sum of Absolute Difference) 相関を使ったマッチング 相互相関 CC(Cross Correlation) 零平均正規化相互相関 ZNCC(Zero-mean Normalized CC) 𝑆𝑆𝐷 𝑖, 𝑗 = 𝑦,𝑥 𝑓 𝑖+𝑦,𝑗+𝑥 −𝑇 𝑦,𝑥 2 𝑆𝑆𝐷 𝑖, 𝑗 = 𝑦,𝑥 𝑓 𝑖+𝑦,𝑗+𝑥 −𝑇 𝑦,𝑥 正の値しかとらないデータでは意味をなさない →どうして要素ごとの 掛け算が相関値になる? 𝐶𝐶 𝑖, 𝑗 = 𝑦,𝑥 𝑓 𝑖+𝑦,𝑗+𝑥 𝑡 𝑦,𝑥 𝑁𝐶𝐶 𝑖,𝑗 = 𝑦,𝑥 𝑓 𝑖+𝑦, 𝑗+𝑥 − 𝑓 𝑡 𝑦,𝑥 − 𝑡 𝑦,𝑥 𝑓 𝑖+𝑦,𝑗+𝑥 − 𝑓 2 ⋅ 𝑦,𝑥 𝑡 𝑦,𝑥 − 𝑡 2 情報・知能工学実験 情報応用D
全て生の値を持つデータの相関 0,1,2で変化する信号を考える 2 4 1 3 2 1 2 1 要素ごと掛け算 2 4 1 3 2 1 2 2 1 2 1 合計6が相関値. 要素ごと掛け算 2 4 1 3 2 1 2 1 合計8が相関値. 要素ごと掛け算 こっちが似てる?? 情報・知能工学実験 情報応用D
正負の混在するデータの相関 −1,0,1で変化する信号を考える この値が 二つの信号の類似性を 示すことになる 符号が違う 符号が違う 符号が同じ 1 −1 1 −1 1 −1 この合計−1が相関値. 符号が同じ場合,大きな値になる. 要素ごと掛け算 符号が同じ = 山と谷の出現パターンが同じ この値が 二つの信号の類似性を 示すことになる 情報・知能工学実験 情報応用D
零平均正規化相互相関 𝒄𝒐𝒔𝜽 これはベクトルの内積? 𝑁𝐶𝐶 𝑖,𝑗 = 𝑦,𝑥 𝑓 𝑖+𝑦, 𝑗+𝑥 − 𝑓 𝑡 𝑦,𝑥 − 𝑡 𝑦,𝑥 𝑓 𝑖+𝑦,𝑗+𝑥 − 𝑓 2 ⋅ 𝑦,𝑥 𝑡 𝑦,𝑥 − 𝑡 2 𝐹=𝑓 𝑖+𝑦, 𝑗+𝑥 − 𝑓 𝑇=𝑡 𝑦,𝑥 − 𝑡 とした場合,以下のように 書き換えられる 𝑁𝐶𝐶 𝑖,𝑗 = 𝑦,𝑥 𝐹 𝑖+𝑦,𝑗+𝑥 𝑇 𝑦,𝑥 𝑦,𝑥 𝐹(𝑖+𝑦,𝑗+𝑥) 2 ⋅ 𝑦,𝑥 𝑇 𝑦,𝑥 2 これはベクトルの内積? 1 二つのベクトルの なす角 𝜃 が小さく なると,内積は 大きくなる. 𝑎 =( 𝑎 1 , 𝑎 2 ), 𝑏 = 𝑏 1 , 𝑏 2 のとき, 𝑐𝑜𝑠𝜃= 𝑎 1 𝑏 1 + 𝑎 2 𝑏 2 𝑎 1 2 + 𝑎 2 2 ⋅ 𝑏 1 2 + 𝑏 2 2 −1 0 𝜋 2𝜋 𝒄𝒐𝒔𝜽 大きさなどを考えずに, そのベクトルが持つ 性質のみに注目している! 情報・知能工学実験 情報応用D
誤差と相関での違い SSDとZNCCを比較 変化に弱い テンプレート画像 ZNCC (零平均正規化相互相関 ) SSD(二乗誤差)
実験5 5-1:相関法によるテンプレートマッチングを 実装せよ 5-2:マッチング方法を変えて結果を考察せよ 実装せよ 5-2:マッチング方法を変えて結果を考察せよ 考察例:それぞれのマッチング法で許容出来るテンプレート画像の変化を考察する.など 情報・知能工学実験 情報応用D