計算の理論 I ー正則表現とFAの等価性ー 月曜3校時 大月 美佳.

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計算の理論 I ー正則表現とFAの等価性ー 月曜3校時 大月 美佳

連絡事項 美観 自転車放置が目立つ 玄関先のタバコ JABEE 評価項目 シラバスの変更 追加レポート(来週あたり)

今後のスケジュール(案) 回数 日付 内容 8 6/10 正則表現とFAの等価性 9 6/17 Myhill-Nerode の定理と最小化 6/24 文脈自由文法(CFL) 11 7/1 標準形 12 7/8 プッシュダウンオートマトン(PDF) 13 7/15 PDFとCFLの等価性 14 7/22 おわりに

今日の講義内容 前回のミニテストの補足 今日の新しいこと 正則表現とことば 正則表現とFAの等価性 正則表現からのε-動作を含むNFAの作り方 → 例2.12 (p. 42) DFAからの正則表現の作り方 → 例2.13 (p. 45)

前回のミニテスト補足 (演習問題 2.11, p. 66) 「次の正則表現が表すのはどんな集合か、 ことばで説明せよ。」 性質を表す言葉⇔正則表現 の変換が重要(仕様はことばでしか来ない)

(11+0)*ってどんな集合? あり得る記号列 あり得ない記号列 1が偶数個連続する記号列の集合 01101111001101111011111111 偶数(0, 2, 4, ..)個連続する1と任意の数(0, 1, 2, …)連続する0が含まれる列 あり得ない記号列 011011110011101111011111111 奇数個連続する1を一つでも含む列 1が偶数個連続する記号列の集合

(00+1)*ってどんな集合? あり得る記号列 あり得ない記号列 0が偶数個連続する記号列の集合 00100110000001100111000011111 偶数(0, 2, 4, ..)個連続する0と任意の数(0, 1, 2, …)連続する1が含まれる列 あり得ない記号列 0010011110001100111000011 奇数個連続する0を一つでも含む列 0が偶数個連続する記号列の集合

もうちょっと正規表現 慣れるためには、訓練が必要。 (00+1)*のバリエーション 記号の連続の制限 いろいろと当たってみる (000+1)* : 0の個数が3の倍数連続 (0000+1)* : 0の個数が4の倍数連続 記号の連続の制限 (1+01)*(ε+0) : 2個以上続く0を含まない いろいろと当たってみる 演習問題2.10, 2.11(p. 66)

今日の新しいこと 正則表現とFAの等価性 正則表現からのε-動作を含むNFAの作り方 DFAからの正則表現の作り方 →NFAの生成例 (例2.12, p. 42) DFAからの正則表現の作り方 →正則表現の生成例 (例2.13, p. 45) NFA 正則表現 ε-動作を含む DFA

正則表現からのε-動作を含むNFAの作り方 証明(定理2.3 p. 39~)と同じ手順 括弧つきに書き換える (00+1) → ((00)+1)* 分解していく r = r1* r1 = r2+r3, r3 =1 r2 = r4+r5, r4 =1 , r5 =1 * + 連接 1

NFAの作り方 (NFAに変換 1) 末端(最小構成)をFAに変換する r =ε r =○ r = a * + 連接 1 a q0 開始 qf + 開始 連接 1 q0 a qf 開始

NFAの作り方 (NFAに変換 2) 末端から根に向かってどんどん変換する r =r1+r2 r =r1r2 r = r1* → 定理2.3 (2)、図2.14 (b) r = r1* → 定理2.3 (3)、図2.14 (c) * + 連接 1

NFAの作り方 (図2.14 (a)) r1 のNFA r2 のNFA 最終状態が1個だけ ε ε + ε ε q1 f1 開始 q1 f1

NFAの作り方 (図2.14 (b)) r1 のNFA r2 のNFA 最終状態が1個だけ 連接 q1 f1 開始 q1 f1 開始 q2

NFAの作り方 (図2.14 (c)) r1 のNFA 最終状態が1個だけ * ε ε ε ε q1 f1 開始 q0 q1 f1 f0

どんどんやってみる * やってみてね + 連接 1 1 ε ε 1 q5 q6 q8 q7 q1 q2 q3 q4 開始 q1 q2 開始 q3 q4 ε 開始 * やってみてね + q1 q2 開始 q3 q4 ε 連接 1 q5 q6 1 開始 q1 q2 開始 q3 q4 開始

NFAの生成例 (例2.12, p. 42) 正規表現 : 01*+1 括弧つきに書き換える 分解していく r r1 r2 r3 r4 r5 01*+1 → ((0(1*))+1) 分解していく r=r1+r2, r1=0(1*), r2=1 r1=r3r4, r3=0, r4=1* r4=r5*, r5=1 r + r1 r2 連接 1 r3 r4 * r5 1

NFAの生成例 (つづき 1) 正規表現 : 01*+1 最小構成をFAに変換する FAを組みあげていく (定理2.3) r + r1 r2 連接 1 r3 r4 正規表現 : 01*+1 最小構成をFAに変換する FAを組みあげていく (定理2.3) r4=r5*, r5=1 r1=r3r4 , r3=0 r=r1+r2 , r2=1 * r5 1 q5 1 q6 開始 q3 q4 開始 q1 1 q2 開始

NFAの生成例 (つづき 2) 4.1. r4=r5* (p. 41, 図2.14の(c)) r5=1 ε ε 1 ε ε r r1 r2 + r1 r2 4.1. r4=r5* (p. 41, 図2.14の(c)) 連接 1 r3 r4 * r5 ε 1 q7 ε q5 1 q6 ε q8 r5=1 ε

NFAの生成例 (つづき 3) 4.2. r1=r3r4 (p. 41, 図2.14の(b)) r3=0 r4=r5* r5=1 ε ε ε + r1 r2 連接 1 4.2. r1=r3r4 (p. 41, 図2.14の(b)) r3 r4 * r3=0 r5 1 q3 q4 開始 ε ε r4=r5* q7 ε q5 1 q6 ε q8 r5=1 ε

NFAの生成例 (つづき 4) 4.3. r=r1+r2 (p. 41, 図2.14の(a)) r2=1 r4=r5* r5=1 ε ε 1 連接 1 r3 r4 4.3. r=r1+r2 (p. 41, 図2.14の(a)) * r5 r2=1 1 ε q9 ε q1 1 q2 q10 ε 開始 q3 q4 ε ε r4=r5* ε q7 ε q5 1 q6 ε q8 r5=1 ε

DFAからの正則表現の作り方 考え方 ある状態からある状態の間の状態を0からひとつずつ増やしていって、 状態の任意の組からなる道が生成することのできる文字列の正則表現を再帰的に拡張していき、 最後に、初期状態から最終状態への道が生成できる文字列の正則表現を求める。

数学的に定義 Mの状態をqiから途中qjより大きな番号の状態を通らずに、qjにたどり着くことのできる入力列の集合

正則表現の式との対応 ↓ 証明はp.44~45

正則表現の生成例 (例2.13, p. 45) q1 q2 開始 q3 1 0,1 δ 1 q1 q2 q3

どんどん進める k=1 q1 q2 開始 q3 1 0,1

どんどん進める k=2 q1 q2 開始 q3 1 0,1

最終状態への道 k=3 q1 q2 開始 q3 1 0,1

まとめ方が難しい? 演習問題 2.16 (p. 67)を使う

変換例 (演習問題 2.13, p. 66) 下の状態図に対応する正則表現を求めよ。 A 開始 C 1 B

とりあえず番号をつける 1から! A → 1 B → 2 C → 3 A A C B A B A C B A B B C C A C B C C 1 B A B 開始 A C 1から! B A A → 1 B → 2 C → 3 B B C C A C B C

状態Aが加わった k=1 その1 ε ε A A ε ε A B ε A B A ε ε A A B ε

状態Aが加わった k=1 その2 ε ε A C A C ε ε B A ε B A A ε ε B A A ε

状態Aが加わった k=1 その3 ε ε B A B A ε ε ε B A C ε B C A ε ε B A A C ε

状態Aが加わった k=1 その4 ε ε C A C A ε ε ε B A C ε B C A ε ε B A A C ε

状態Aが加わった k=1 その5 ε ε C A C A ε

さらに状態Bが加わった k=2 例1 ε A ε ε A ε ε B A A B ε ε A B ε B A ε ε ε

どんどん進める k=2

最終状態への道 k=3

最終解 k=3

今日のミニテスト ミニテスト 資料、ミニテストがない人は前へ 提出したら帰って良し 次回 演習問題 2.12のa 教科書・資料を見ても良い 最小化ができればいいかな