南アジアの大気災害とMM5 寺尾 徹(大阪学院大学)
南アジアの豪雨災害 サイクロンによる災害 モンスーン降水による災害 トルネード メソスケール擾乱の影響が大きい 長期・短期の洪水、地滑りなど メソスケールモデルが必要である
サイクロンの発生数 年間 11月 72-01平均(Joint Typhoon Warning Center)
バングラデシュにおける洪水
TRMM 3A25 Jul Aug 1998 洪水年 1999 2000
CMAP 山岳南縁の降水を表現しきれていない? Jul Aug メソスケールを解像するモデルが有効 1998 洪水年 1999
カルバシャキ(トルネード伴う) preモンスーンの重要な現象 北西からの寒気の流入による? 顕著なメソ擾乱 Finch and Dewan
この共同研究の目的 サイクロンの再現 MM5 トルネードの再現 その他諸々 モンスーン降水
この研究(03-04年度)が行うこと (南)アジアのメソスケール大気現象に関する研究の交流 モデル計算に対するサポート 研究集会(第2回は1月下旬に予定) モデル計算に対するサポート 計算の初期値・境界値を与える客観解析データの購入と共有 計算機やモデル(MM5)に関するノウハウの蓄積・共有化・敷居を低くする努力 旅費の補助 データ代
客観解析データ ECMWF operational analysis データにかかるお金(目安) T511→高精細 AMJJASON/2002, N160(0.5x0.5) grid GPH, SHM, TMP, WUC, WVC, OMG Indian Ocean (30-120E, 5S-40N) →1,653GBP = 300000円
バングラデシュの夏季降水量 6-8月降水量 Meghalaya山脈 北東部と南東部に多雨域が広がる インド領 記録的な多雨域 年間20000mmの記録
地上雨量観測 BMD(気象局)データ JICA雨量計ネットワークのデータ 特別に学生にアルバイトで入力してもらった 原簿の束から2000年の分のデータを読みとった JICA雨量計ネットワークのデータ ×印 △印
降水日変化パターンの分類 クラスター分析+単純な指標による分類 降水量平均以上+深夜にピーク 降水量平均以下+深夜から早朝に/午後にピーク
日変化パターンの地理分布 北東部と南東部は多雨深夜~早朝型 南西部:午後型 北部:深夜型
ダッカの高層気象観測事情 時間 通常 1日1回のみ 朝の状態しか わからない
特別強化観測の実施 時間 1日4回に 増やす 上空の状態の 日変化がわかる
ダッカ上空の風の日変化 夜間に特徴的な風向風速の変化 地上の風の特徴 風速増加 時計回り 朝(06BST)風速減少 接地境界層の影響が顕著 上空の風の特徴と異なる 地上風データはあまり参考にならない
風速はどこが一番強いか 500-1000m付近に極大 Rawin-sonde 2001, 4-times daily 500-1000m 地上
パイロットバルーン観測 ? 上空の風を測る。毎日4回実施 下層風の他の観測点における日変化 風速増加+時計回りはどこでも見られるか
各観測点の風のホドグラフ 平原上はほぼ一致して夕刻に風速増加+時計回り Nocturnal Jet とよく似ている
Nocturnal Jet と雨 昼には 摩擦
Nocturnal Jet と雨 夜には 昼間には 加速
まとめると バングラデシュの雨の日変化パターン Nocturnal Jet 的な風が吹いている 北東部・南東部:大雨+深夜雨型 中部・南西部:昼雨型 Nocturnal Jet 的な風が吹いている 夜の北東部の大雨の原因かもしれない
朝雨現象 山岳の南側の朝雨現象 原因の解明のために チベット高原南縁 メガラヤ山脈南縁 仮説 メソスケールモデルがきわめて有効 山からの夜間の斜面下降流(Ohsawa et al. 2000) Nocturnal Jet による吹きつけ(寺尾ら 2002) メソスケールモデルがきわめて有効